表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/60

プロローグ19 【9月22日/部活見学5日目】1/会って相談したいことが

 【芳一】の話に戻そう。今日は9月22日、【月曜日】だ。

 彼は今週もまた【アルバイト】が始まる。

 朝、【パソコンメール】をチェックすると昨日の今日で、【崎本(さきもと) 桔梗(ききょう)】28歳からDMが入っていた。

 【芳一】の対応に気をよくした彼女は、【相談事】があるので、彼と会って相談しようと思って、起きてすぐにDMを入れたのだ。

 DMの内容は、

【唯野 芳一様

 崎本 桔梗です。

 突然の連絡申し訳ありません。

 実は、貴女の人柄を見込んで、相談に乗っていただきたい事があります。

 私の事では無く、私と同じアイドル活動をしている妹の様に可愛がっている子が居るのですが、彼女も先日、学校の理事長に会ったそうです。

 彼女は私達と理事長に会った日が違い、2日遅れなので、同期では無く、彼女の同期の中に相談出来そうな人が居ないので私に泣きついて来ました。

 私としても相談に乗ってあげたいのですが、先日の私を見てもらえれば解ると思いますが、私では彼女に的確なアドバイスをする事が出来ません。

 そこで貴方様の事を思いつき、恥を忍んでお願いしたいと思っています。

 謝礼は少しですが用意出来ますので、どうか会っていただけないでしょうか?

 【部活見学】の日数も限られているので、出来るだけ早くお願いしたいのですが、可能でしょうか?

 こんな事、頼めた義理では無いのは重々承知していますが、他に頼れる人も居ないのでDMを送らせていただきました】

 と書いてあった。

 【芳一】は、少し戸惑ったが、DMで、

【崎本 桔梗様

 お世話になっております。

 唯野 芳一です。

 ご連絡ありがとうございました。

 僕は午前中は仕事をしていますが、午後は予定を空ける事が出来ます。

 早い方が良いのなら今日の午後にでもどうでしょうか?

 お昼には家に戻ってDMを確認出来ますので、可能であれば待ち合わせをしませんか?

 今日で駄目なら明日以降でもかまいません。

 午前中は申し訳ありませんが仕事がありますので、休めませんが、午後は創作活動の時間に充てていますので、予定変更は可能です。

 それと謝礼は結構です。同期のよしみと言う事で相談に乗りますよ。

 崎本様と相談されたい方のご都合に合わせて、予定を組みますので、ご確認の程、よろしくお願いします】

 と返した。

 すると、行く時間ギリギリでまたDMが入り、

【唯野様。

 崎本です。

 ありがとうございます。

 妹分の子とも連絡を取り、今日の午後、会いたいそうです。

 午前中お仕事なら、何時くらいにお会いしたらよろしいですか?

 何処で会いましょうか?】

 と返事が返ってきたので、待ち合わせ時間を14時に設定し、待ち合わせ場所を決めて、会う約束をした。

 【桔梗】の方からこの事は誰にも言わないで欲しいとの連絡が来たが、それは当然の事である。

 それくらいの常識は【芳一】にもある。

 と言う訳で、【芳一】は、【桔梗】と誰のことだか解らないが彼女の妹分の子の3人で会うことにした。

 妹分の子は顔も名前も知らないが、【桔梗】の顔は、【都立夢異世界部活学校】の【学校見学】で見ているから会えば解る。

 にしても、アイドルをしている子から会って相談して欲しい事があると言われるのは女性経験の少ない【芳一】にとってはかなりドキドキする事だった。

 アイドルとして活動している以上、十中八九、可愛い子に決まっているからだ。

 【桔梗】もかなり可愛かったが、妹分の子も相当可愛い可能性がある。

 そんな子、2人と2対1で会うと考えると緊張してしまう。

 また、何だか行けない事をしている様な気持ちになった。

 ドキドキドキドキ

 心臓の鼓動が速くなる。

(まて、【芳一】。

 落ち着け、【崎本さん】達は相談事があるから連絡を入れてきただけだ。

 僕に対して好意があると言う訳じゃ無い。

 よく考えて見ろ。

 たくさんのファンからちやほやされているだろうアイドルの子が、僕みたいな冴えないおっさんに興味を示す訳が無い。

 だから、変に期待するな。自分はあくまでも年長者として、年下の子達の相談に乗ってあげるんだ。

 下心を持つな。聖人の様に振る舞うんだ。

 僕には夢があるんだ。下心を出して、余計な事をして夢を失うのはバカのやる事だ)

 と言い聞かせる。

 【修行僧】の様に、

(煩悩退散、煩悩退散、煩悩退散、煩悩退散、煩悩退散、煩悩退散、煩悩退散、煩悩退散、煩悩退散、煩悩退散、煩悩退散、煩悩退散、煩悩退散、煩悩退散)

 などと唱えながらバイトに行ったのであった。

 【バイト先】では、

「どったの?今日は何だか、ぼけっとしてるけど?」

「今日おかしくない?」

「【芳一君】、何か変だよ?顔がにやけてる」

 などと言われたが、【芳一】は、

「そっ、そそそ、そんな事ないのでは無いかと思う次第であり、その何というか」

 としどろもどろに対応していた。

 彼はすぐに顔に出るので、【嘘】や【隠し事】がとても下手だった。

 そう言う所もバイト先で好かれている理由の1つではあるのだが。

 そんな感じで、ちょっと仕事にも影響しながら、それでも、人並み以上の働きをして、本日のバイトを終えたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ