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プロローグ15 【9月21日/部活見学4日目】3/グッズ創作部1

 息抜きから戻って来て、その後は【番組】などを見ながら、夕食を食べる事にした。

 ここのところ【コンビニ弁当】ばかりだったので、たまには料理をするかとして、材料を買ってきて、【ご飯】と【お味噌汁】を作った。

 おかずは【スーパーの特売】で買ってきたものだが、【ご飯】と【お味噌汁】だけは最低限作れる様になっておきなさいと母から習っていたので、作って見た。

 ご飯は、炊飯器を使うのではなく、【釜】を使って作ると言う【唯野家】のやり方で作っていた。

 お味噌汁は彼の大好物だ。

 味噌ラーメンは味噌カツなども好きなので基本的に彼は味噌が好きなのだ。

 また、味噌汁にはトンカツソースをかける。

 ソースも好きなのだ。

 どちらかというと醤油派よりもソース派なのだ。

 母がいるときは行儀が悪いので止めなさいと怒られるが、彼は偏食でもあるので、卵かけご飯や納豆などにもソースをかけて食べる。

 味噌汁には母の目を盗んでソースをかけたりする。

 また、納豆とセットの時などは、納豆に付いているタレなどは納豆には使わずソースをかけるのでそのタレを味噌汁にかけたりする事もある。

 味噌汁には、他にも焼き肉のタレやすき焼きのタレなども混ぜたり焼き海苔などを溶かしたりする事などもあるし、出された物に色々アレンジして食べていた。

 自由に好きなアレンジをして食べられると言うのも一人暮らしをしている時の特権である。

 また、味噌汁とご飯の合体、【猫まんま】も出来るのでそれも楽しかった。

 最近では、味噌ラーメンにおにぎりを投入する食べ方なども発見したりして料理も楽しむ様にしていた。

 彼はそんな感じで料理も楽しんだ。

 そんな夜を過ごしていざ、第4夜の【部活見学】のため、就寝した。

 【河瀬理事長】がいつもの様に対応して彼は、【グッズ創作部】を選択したのだった。

 そして、いつもの様に、【インビジブル・サポーター】を付けて貰い、いざ【グッズ創作部】の【部室】へGO。

 気付いた時には今回の【部活】の【部室】に来ていた。

 今夜の【グッズ創作部】の【部員数】は【6】だ。

 つまり、6人が活動している【部活】にお邪魔する事になる。

 【芳一】は辺りを見回した。

 第1夜の【文芸部】も現実世界の【文芸部】と異なる【部室】だったが、この【グッズ創作部】もなかなかのものだった。

 まず目立つのが【部室】の奥に見える【雛段飾り】の様に階段状になっている台の上に巨大な【グッズ】が並べられていると言う所だろうか。

 例えば【巨大なぬいぐるみ】は座らせているのだが、【座高】だけで、4メートルはありそうだった。

 こんなものどうするんだ?と思えるが、これが一番大きい訳ではない。

 大きなものは30メートルはありそうなものもある。

 怪獣の【フィギュア】だろうか?

 見たこともない特異なデザインだが、恐らく、1分の1と言うサイズと言えるのかも知れない。

 現実に【グッズ創作部】と言う【部活】があったとしてもここまで【巨大】な物を個人の力で作れる訳が無い。

 やはり、【夢の異世界】ならではの【グッズ】と言えるだろう。

 もちろん、【ぬいぐるみ】や【フィギュア】だけじゃない。

 他の【グッズ】も所狭しと色んな所に飾られている。

 【部室】と言うよりは【巨大な建築物の中にあるコレクションルーム】と言ったたたずまいだった。

 【アクリルスタンド】や【ステッカー】/【シール】、【ジオラマ】や【下敷き】、【缶バッチ】や【レターセット】、【キャラクターペン】や【キャラクターノート】、【ミニチュア】や【カプセルトイ】、【抱き枕】や【団扇】、【Tシャツ】や【グローブ】、【コスチューム】や【ウィッグ】、【傘】や【靴】等々、目に入る中でもかなりの【グッズ】が見て取れる。

 【キャラクター物】などは【現実世界】には無い物ばかりだが、【現実世界】で、出ていても全く不思議じゃない程、完成度が高いデザインの物ばかりだ。

 恐らく、【現実世界】で活躍出来なかったが、実力はある【部員】達がそう言う【オリジナルグッズ】をここで作って飾っているのだろう。

 【グッズ創作】に興味ない人が見学しても楽しそうに移る光景だった。

 それと、ここに思わぬ【珍客】が居た。

 【夢の異世界】での【部活見学】を【萌和佳理事長】に誘われた日が同じ、同期の一人、【崎本さきもと 桔梗ききょう】28歳だった。

 アイドルをしていた女性で、そのため、かなりの美人だ。

 彼女も偶然、この【部活】に【見学】しに来ていたのだ。

 お互い、【部員】達からは見えない状態になっているが、見えない者同士、お互い姿を確認する事が出来たのだ。

 彼女とは初日に軽く会話して以来の再会だ。

 以前は、お互い暗い気持ちのままだったと言うのもあって何だか少し気まずい感じがした。

 よく考えて見れば、同期なのだから、【部活見学】が被っても不思議じゃない。

 何でこんな事に気付かなかったんだろうと思った。

 黙っているのも何なので、【芳一】は彼女に話しかけた。

「どうも」

 と言うと、

「どうも」

 と返って来た。

 やはりぎこちない。

 だが、年長者として、自分から会話しなくてはと思って、

「【崎本さん】だったよね?君も今夜はここを選んだんだ?」

 と聞いてみた。

「えぇ、まぁ。【唯野さん】でしたよね?貴方もですか?」

「えぇ。一応、クリエーターだったもので、こう言う【部活】にも興味があったので」

「そうですか?私は可愛い物が好きなので、ちょっと見てみようと思って来てみました」

「そうなんですか?僕は、第1夜は【文芸部】、第2夜は【異世界チート部】、第3夜は【雑談部】と言う【部活】を見学させていただきました。

 【崎本さん】は、何か興味ある【部活】とかありましたか?」

「私は第1夜は【手芸部】、第2夜は【モデル部】、第3夜は【え部】に行きました。ですが、どれもピント来ないですね。

 【可愛い物】が好きだから【グッズ創作部】なんか良さそうかと思ったけど、どう見学したら良いのか解らなくて。

 昨日までの3日も見方が解らなくて、全然、楽しさが伝わらなくて。

 正直、つまらないなって思ってて」

 と言うぎこちない会話になった。

 それを聞いた時、【芳一】は、

「そうですか。それならもし良かったら、今夜だけでも一緒に見て廻りませんか?

 僕もクリエーターの端くれとして、この【部】の楽しさを僕なりの解釈で良ければ説明させていただきますが。

 あ、もちろん、下心とか全然無いんで。

 もし、嫌なら、全然断ってもらってかまわないんで」

「いえ、お願いします。

 私、見方全然解らないから、もし良かったら、明日から3日間、一緒に廻っていただけませんか?私アイドルだから、男の人に慣れなくちゃならなくて。

 【唯野さん】、良い人そうだから、ちょっと安心出来るし。

 他の人の様にガツガツしてないって言うか、その、済みません。

 勝手なイメージで話して」

「いえ。でもガツガツはしてますよ。

 僕は確かにアイドルとかには比較的無関心な人間でしたけど、自分の創作物に対してはかなりガツガツしていました。

 それで騙されて今のこの様ですけどね」

「まだ、夢を諦めていないのですか?」

「えぇ。でも、それは貴方もでしょ?」

「はい。諦めたくないです」

「なら、僕と同じ【部活見学】で良いのですか?

 僕は、明日は【アニメ制作部】、明後日は【異世界交流部】、明明後日は【コスプレ部】を予定していましたけど、貴方と廻るなら変更した方が良さそうですね。

 何か興味ある【部活】とかありますか?」

「いえ、特に。アイドルとして歌とかダンスとかを頑張って来たけど、メジャーになれなかった理由として悪質な【自称ファン】達の【ストーカー】行為が原因だと思っていましたけど、それだけじゃないなって思うようになって。

 私って、他に自慢出来る様な【趣味】ってこれと言って無いんですよね。

 せいぜい、【ぬいぐるみ】を集めているくらいで。

 だから、芸能界でやって行くには強味となる【趣味】が必要かな?って思ってて。

 だから、【唯野さん】の様な多才な方に付いて行って、何か強力な武器となる趣味を持ちたいなと思っています。

 なので、お願いです。一緒に【部活見学】していただけませんか?」

 と言う話になった。

 突然、アイドルからの熱烈なラブコール、かどうかは解らないが頼りにされているのは確かだ。

 【芳一】は、

「じゃあ、僕で良ければ。よろしくお願いします」

 と答えたのだった。

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