第76話 ビデオレター
あー、見えていますかね。
よしよし、画角は大丈夫そうです。
音量も問題は……無いですね。
ではこれでいきましょうか。
さて。
冒頭から段取りが悪くてすみません。
撮影の裏側を見せてしまいました。
ですが、今回はノーカットで動画をお届けしたかったのですよ。
その方が臨場感がありますし、色々と伝わりやすいかと思いまして。
せっかく全世界に向けたビデオレターですからねぇ。
僕らしさを優先してみました。
諸々の都合で録画した映像を使っていますが、そこはご了承ください。
申し遅れましたが、僕はチョイスです。
一部の界隈では有名で、ご存じの方もそれなりにいるでしょう。
ただ、知らない方も多いでしょうから、改めて自己紹介させていただきます。
僕は所謂サイコキラーです。
"罠職人"と呼ばれる異常者であり、生死に関わる"ゲーム"を実施しています。
その目的や主義については割愛します。
この映像記録とは直接的な関係がありませんからね。
挨拶もこの辺りでいいでしょう。
さっそく本題に入っていこうと思います。
皆様がどの媒体で視聴しているかは不明ですが、この映像は複数の動画サイトやSNS等に投稿しています。
そこから一気に拡散されて、いずれ多くのメディアで閲覧できるようになると思います。
できれば様々な言語に翻訳して転載してもらえるとありがたいですね。
とにかく、この映像を一人でも多くの方に知ってもらえることを望みます。
このメッセージは、現時点で生き延びているすべての人々に宛てたものです。
国籍も年齢も性別も職業も一切関係ありません。
秘密組織のリペアやジ・エンドの皆さんも含まれています。
……あっ、これって言っていいのですかね。
まあこの際ですから構わないでしょう。
これだけ狂った世界なんですから、秘密組織の一つや二つだって暗躍していますよ、ええ。
何のことか分からない方はそれで結構です。
物事は知りすぎると損をしますからねぇ。
ほどほどが一番ということです。
すみません、話がそれてしまいましたね。
軌道修正をしましょう。
あまり長いと視聴者も飽きてしまいますからね。
この台本も必要ないので捨てます。
というわけで、全人類の皆様にご提案があります。
僕と"ゲーム"をしませんか。
カオスな世界を懸けた愉快な催しです。
きっと楽しんでもらえるはずですよ。




