第71話 防戦宣言
ゾンビの声がどんどん近付いていますね。
間もなく屋上に到着するでしょう。
婦警さん、ミームは順調ですか?
「もうすぐ完成する! 気が散るから話しかけるなっ!」
それは申し訳ないです。
ではこの間にオワリさんの実況でもしましょうか。
映像もそのうちショッキングなシーンの連続になりますからねぇ。
今のうちに説明を入れておきたいです。
現在、オワリさんは迎撃態勢を整えています。
"ゲーム"のために配置した武器を集めて、壁を背にして待ち構えていますね。
囲まれるリスクを減らすためでしょう。
代わりに機動性が損なわれますが、ゾンビが溢れる屋上では動き回るのも難しいでしょうから、デメリットとも言えないものです。
こちらに攻撃する素振りはありませんね。
僕が"ゲーム"のルールで禁じましたし、ペナルティーを警戒しているのでしょう。
その考えは実際に当たっています。
彼女が僕達に攻撃することは絶対にできません。
こうして確信することでさらに効果は高まりますね。
少し声をかけてみましょうか。
オワリさん、屋上の出入り口から脱出してもいいですよ。
もう勝負は決したので、移動自体は制限しません。
どうぞご自由に動いてくださいね。
「……その言葉には乗りませんよ。どうせ出入り口にもゾンビを仕掛けているんでしょう? 扉を開けた瞬間に襲われるのは、ゾンビ映画ではおなじみですからね」
さあ、どうでしょうね。
そうなるように願っていましたが、ミームは気まぐれですから。
発動しない可能性だってあります。
ご自身の幸運を信じてチャレンジしてみては?
「お断りします。ここでゾンビの大群を乗り切って、ゲームの終了が確認できたところであなた達を殺します。あなたのミームは非常に強力ですが、とにかく制約が多い。少なくともゲーム後は無防備でしょう」
よく考察されていますね。
恐ろしい執念には感服します。
ではこれを第二の"ゲーム"としましょうか。
僕達とオワリさんによる防衛ゲームです。
どちらが生き残れるか、勝負をしてみましょうか。
「ええ、いいですよ。こちらがゾンビに殺されなければ、あなた達の敗北でよろしいですね?」
そのルールで構いません。
先ほどのような別解釈も無しです。
正々堂々と勝負しようじゃないですか。
いやはや、罰すら乗り越えようとするその姿勢には惚れ惚れしますよ。
あなたの生きる執念をしっかりと見せてくださいね。
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