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終末パラノイア ~殺人罠師とミーム汚染アーカイブ #1~  作者: 結城 からく


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第56話 引き戻される認識

 お前が生き延びた方法は分かった。

 ところでオワリを見なかったか。

 車と一緒に潰れて死んだのかもしれないが……。


「オワリさんなら気絶させて拘束していますよ。近くの瓦礫の陰に寝かせています。もちろん拘束したままですがね。彼女を殺すつもりはありません」


 まだ情報を吐かせる気か?

 確かによく喋る性格ではあったな。


「違いますよ。彼女には"ゲーム"をプレイしてもらいます。この隕石の男性もセットです」


 お前の魂胆が分かったぞ。

 二人参加型の殺人ゲームを実施する気だな。

 捜査資料にも載っていたから憶えている。

 たまにお前は複数人を使ってゲームを楽しんでいた。

 それを再現するつもりか。


「素晴らしい、正解です。婦警さんは僕のことをよく調べているのですね」


 当然だ。

 お前のような凶悪犯の所業は把握している。

 吐き気を催すゲームの数々は特に何度も資料に目を通した。

 一部の説明文は暗唱できるだろう。


「なかなかの執念ですねぇ。本当に感心しますよ、ええ。あなたほど誠実かつ熱血で愚かな捜査官は珍しい」


 ……愚かだと?

 今、私が愚かだと言ったのか。


「はい、そうです。あなたは執念深く調査した殺人鬼と手を組んで行動しているのですよ。しかも僕を信頼して生存を確信していた。きっとあの思考もミームになっていたでしょうね」


 それはこの男が挑発していたからだ!

 お前と協力しているのも利害の一致に過ぎない。

 状況的に仕方ないだろう。


「仕方ない、ですか。確かにその通りですねぇ。まあ、本当に警察としての正義を貫くのなら、どこかのタイミングで潔く自殺してしまえばよかったのですよ。しかしあなたはできなかった。どうしてですか?」


 使命があるからだ。

 世界を救わなければならない。

 そのためにはサイコキラーの力すらも利用すると決めた。


「世界をただ救うだけなら、リペアの方針でも良かったはずです。ミームが蔓延する前から、世界は彼らの管理を受けていました。この混沌とした状態を修復する彼らの行為は、一貫したスタンスだと思いますよ。人類のリセットも必要な行動です。主義主張が半端なあなたより、よほど自己を持っていると言えるでしょう」


 なぜそれを今、私に言う?

 責めているのか。


「いいえ。あなたが事実を忘れかけていたので、思い出してほしかっただけです。ちなみにジ・エンドも悪い組織ではありませんよ。彼らも究極の破壊を経て、世界をやり直すだけです。そこに婦警さんの望む平和があるかもしれませんからね」

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