第27話 通路の先は
ずっと道が続いているな……。
この通路はどこに繋がっているんだ?
「具体的には分かりませんが、良い場所には違いありません。ボスを倒して生まれた道ですからね」
曖昧な根拠だな。
いやしかし、それが今の世界の常識か。
「婦警さんも分かってきたようですね。その通りです。僕達が強く信じることで真実へと昇華されますよ」
そうだといいがな。
……噂をすれば出口が見えてきたぞ。
空が見える。
地上に繋がっているようだ。
「なるほど。この感じだと、安全地帯に行けるかもしれませんね。婦警さんの願望がありますし」
私だけなのか。
お前はどう考えているんだ。
「僕はそうですねぇ……安全地帯でもいいですよ。そこにいる人々に"ゲーム"を仕掛けるだけなので」
チョイス、ここでお前を射殺することもできるんだぞ。
迂闊な発言はやめておけ。
生存者は私が守る。
「婦警さんこそ気を付けてくださいね。僕はミームを使いこなしています。最悪な想像ですべてを台無しにすることも可能なのですよ」
脅しているつもりか?
その手には乗らないぞ。
「本気ですけどね。まあ、この話はやめておきましょう。そろそろ地上に出ますよ」
……そうだな。
喧嘩をしている場合ではない。
だが、お前のことは監視しているからな。
好き勝手はさせない。
「どうぞご自由に。さあ、婦警さんも前を見てください。地上に帰還です!」
…………おい。
これは、何がどうなっている。
「ふむ、おかしいですねぇ。これはさすがに予想と違います」
なぜ街が平和なんだ!?
どこにもモンスターなどいない!
人々は何の疑問も持たずに生活しているじゃないかッ!
しかもここは私達が脱出した警察署のすぐ近くだ。
あちこちが破壊されて、たくさんの市民が虐殺された!
それなのにどうして何もない!?
「落ち着いてください。まずは車を走らせましょう。横断歩道で停まると不審がられますし、地下鉄と繋がる通路も消えてしまいましたからね」
分かった。
しかし落ち着くことはできないぞ。
私は夢でも見ているのか?
そうだ。
きっとあの狂った世界が幻だったんだ。
私は悪い夢を見ていたんだろう。
それがようやく覚めたに違いない。
「思い込みを推奨しましたが、無意味な現実逃避はやめてくださいね。万が一、世界が夢となって崩壊したら困りますから」
じゃあお前は、この現状をどう説明する?
昨夜のモンスターの形跡なんて一つも残っていない。
私達だけがそれを知っているかのような有様だ。
自らの正気を疑う方がまだ自然だろう!




