第23話 交代
さて、録画再開です。
いつまでも地下鉄に引きこもっているわけにもいかないので、そろそろ移動しようと思います。
映像的にも見どころが欲しいですからねぇ。
皆さんもド派手なシーンを期待していると思います。
婦警さんは安全地帯を探す。
僕は狂った世界を記録し続ける。
目的は異なりますが、別に競合するわけでもありません。
今後も仲良く協力したいと思います。
そうですよね?
「……知るか」
婦警さんも嬉しそうです。
やっぱりこの状況だと心細いですからね。
あれからミームの練習をしていましたが、まだ成功していません。
常識が凝り固まっているのが原因でしょう。
まあ、無意識に使っている節もあるので、そのうちマスターするかもしれません。
陰ながら期待しておきますね。
移動にはもちろんパトカーを使います。
メーターにテープを貼って、ガソリンの残量が分からないようにしてみました。
これでミームの発動条件が揃いました。
ガス欠を不安がらない限りはいつまでも走ることができますね。
でも婦警さんが意識すると駄目になりますから、気を付けてください。
「わざわざ言うな。気になってしまうだろう」
そこは努力してください。
移動手段が潰れると僕も困ってしまいますから。
さすがにガス欠した車を動かせるような解釈はないです。
せめて地上に出られるまでは持たせましょう。
婦警さんはお疲れみたいですし、今回は僕が運転します。
適度なところで交代してください。
あ、撮影係もお願いしますね。
「それは必要なのか……?」
もちろんですよ。
何度も言ってますがこれは貴重な記録です。
いつ何が役立つか分かりませんからね。
こうして撮影することには、大きな意味があるのです。
それに、撮影に集中すれば気も紛れませんか。
精神が世界に影響を与えるのですから、心の安寧は必須です。
僕は平気なので、婦警さんはまずリラックスしてください。
ほら、ビデオを持って録画してみましょう。
前方は列車で塞がっていますので、まずは引き返して別ルートを探しますよ。
きっとどこかに繋がる安全な道があるはずです。
まあ、危険も安全もミーム次第だとは思いますが。
僕と婦警さんでハッピーな想像を心がけていきましょう。
たった二人でも世界に影響を与えられますからね。
少しでも良い方向へ傾くように貢献すべきです。
そういえば、今の世界だと雨乞いも効果があるかもしれませんね。
気になるので実験してみたいです。
地上に出られたら試してみましょうか。




