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終末パラノイア ~殺人罠師とミーム汚染アーカイブ #1~  作者: 結城 からく


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第1話 世界終末の日

 ゾンビにヴァンパイアに巨大ロボットにエイリアン……うーん、カオスですねぇ。

 おっ、幽霊とサムライも出てきた。

 人間がぐちゃぐゃちゃバラバラドロドロのスーパーミンチだ。

 とんでもない光景ですねぇ。


 二時間前からずっとこんな感じです。

 新年早々、とんでもないことになりました。

 悪夢でも見てるんですかね。

 まあ、現実逃避なんて無意味ですが。


 少しカメラを動かしますよー……っと。

 どうも、皆さんこんにちは。

 僕の名前はチョイス。

 世間では"罠職人"と呼ばれてます。


 このキュートなマスクがトレードマークです。

 たまにデザインを変えるけど憶えてね。

 ミステリアスな雰囲気を大切にしたいので素顔は出しません。


 拉致したプレーヤーに"ゲーム"を提供して、彼らの選択と運命を見届けるのが僕のライフワークです。

 正体は一度も知られず、警察の捜査を掻い潜って活動しています。

 彼らとの対決もささやかな楽しみですね。


 そんなわけで今夜も"ゲーム"を実施する予定でしたがこの騒ぎですよ。

 参っちゃいますよね、もう。

 こっちの事情も考えてほしいというか……。


 おっと、失礼。

 思わず愚痴ってしまいました。

 この辺りは後でカットしましょうか。

 うん、そうしましょう。


 今はアジトから街を眺めてます。

 ハロウィンでもないのにモンスターだらけですよ。

 しかもどうやら本物みたいで。

 ネットで調べましたが、世界規模で同じようなパニックが起きているらしいですね。

 どこもかしこもモンスターの虐殺パレードです、ええ。


 いよいよ人類滅亡の時が訪れたのでしょうか。

 神様のナンセンスな天罰なんですかねぇ。

 婦警さんはどう思います?


「……知るか。そもそもなぜ撮影している。私にカメラを向けるな」


 固いことを言わないでくださいよ。

 他の人の意見も大事ですからね。

 それとカメラも止めません。

 せっかくなんですから映像記録に残しましょう。

 現代における貴重な資料です。

 後から良い思い出になるかもしれませんよ?


「悪趣味だな。地獄に落ちるぞ」


 あはは、面白いことを言いますねぇ。

 地獄は今の世界じゃないですか。

 わさわざ落ちるまでもないですよ。

 婦警さんは何をそんなに苛立っているのですか。


「どっかのサイコキラーに手足を縛られた挙げ句、カメラで撮られているからだ」


 それは災難ですねぇ。

 同情しますよ、いや本当に。


 あ、紹介が遅れました。

 この金髪美女は婦警さんです。

 僕のアジトに乗り込んであっけなく捕まりました。

 勘は良いみたいですが、頭脳面が足りなかったみたいですね。


「黙れ」


 婦警さんはちょっと感情的になりやすいですねぇ。

 割と命取りだと思いますよ、それ。

 罠が非殺傷タイプでよかったですね。

 僕の作品には即死トラップも多いですから。


「無駄話はいい。うんざりだ」


 了解しました、本題に入りましょう。

 僕はこのパニックを楽しみたいのですよ。

 人間真理の探究に適した環境ですからね。

 その記録にあたってカメラマンがほしいのです。


「つまり私にやれと?」


 ええ、悪い条件ではないと思いますよ。

 現在のあなたは身動きが取れない。

 このまま僕がアジトを立ち去れば餓死するか、外のモンスターに殺されます。

 予定通り"ゲーム"を始めてもいいですが、まあ死ぬでしょうねぇ。


「選択肢はないんだな」


 実際はそうですね。

 ここはお互いのために手を組むのが賢明かと思いますが。

 婦警さんだって世界の状況が気になりませんか?


「……どうでもいいと言えば嘘になる」


 そうでしょう、そうでしょう。

 ではさっそく出発の準備をしますか。

 怪物だらけの街ですからね。

 備えはあればあるほど望ましい。


 まずは警察署に行きますか。

 同僚の安否が気になりますよね。

 僕も微力ながらお手伝いします。


「やけに乗り気だな」


 前代未聞のトラブルですからね。

 楽しまないと損ですよ。


「サイコ野郎が。お前の言い分は理解不能だ」


 ほほう、そうですか。

 別に共感を求めてるわけでもないので大丈夫です。

 言われ慣れていますから。


 そんなことより旅支度です。

 愉快なモンスター軍団をバッタバッタとぶち殺しますよ。

 人間様の意地を見せてやろうじゃありませんか。

 ふふ、心が躍りますねぇ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 新作ありがとうございます! [気になる点] この物語全体に対しての副題に現れている、『ミーム』。 私自身、ミームを(副菜的な扱いとは言え)題材の1つにした物語を書いた事があるので、 結城…
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