3話 交差点
最近の私の周りはバカばかりだ。
あ、これはギャグじゃないよ?
って言うときの人は基本的に、狙ったのに受けなかった時にやることだ。
今の私みたいに。心配だから説明しておくと、バカとばかりだのばかがギャグね。
そう。こんな風にバカたちのせいで私までもバカになってきつつある。
そんなことを考えていると、マロンが、
「他に何かマンガっぽい恋愛シーン何かない?」
「いや、もうネタ切れかよ」
「そ、そんなことはないよ。例えば、えーと、あーと、あ!」
私はマロンが一点をじっと見出したことに気づいた。
「交差点だよ交差点!」
リムジンが交差点と書いたフリップを持っていた。
「それで?交差点で何が起こるのさ」
「えとねぇ、走るでしょー。ぶつかるでしょー。スカートがハラッとなって、変態って叫んで、そこから恋が始まる!」
「いや、全く始まりそうにないけど」
「始まるのー!ほら!」
そう言ってマロンが見せてきたのにはそんな感じのがモロで書いていた。
「はぁ......仕方ない。さっさと終わらせよ」
住宅地の真ん中の交差点に来た。小さめの交差点で、周りの塀のおかげで見通しは悪い。
「ふゃあ、いっきまーふ!」
マロンがどこからか食パンを出してきて咥えたまま言う。
マロンが全速力で走り出す。
そして、そのまま......
「いや、まっすぐ行くんかい」
「だって、学校真っ直ぐだもん」
「そういう問題じゃない。よし、スタート位置を変えよう」
「よーい! アクション!」
カチン
気づくとリムジンがキャンプ用の椅子に座ってカチンコを持っていた。
再びマロンが走り始める。
今度は......お、曲がってる曲がって......
ビターン
「いったい、目が......」
「言わせるかっ!」
ふう。危ないところだった。
マロンは勢い余って電柱にぶつかったようだ。いや、調節しないと......
「私が、用意しておくから少しゆっくりめに走っても大丈夫だよ」
リムジンがそう言う。
「り!」
もうツッコまないぞ......
「よーい! アクション!」
またまた、マロンが走り出す。
お、確かに少し遅くなった。ついに曲がりきったぞ。
プップー
「ぐふっ」
「どした?」
見に行くと、マロンはリムジンカーと衝突していた。
「いや、違うやん。それ人やないやん」
マロンが本気でツッコんでる。
「もー。仕方ないなー」
普通に命に関わりそうなもんだからやめた方がいいような......
「次こそは! 何とかなるはず!」
未だにめげてない。
「よーーーーーーーーーい! アクション!」
マロンがまたまたまたまた走り出す。
ドン
「お、やっとか?」
「いい......もっと当たってくれ.....!」
「あ、図書館のMの人じゃん......」
マロンが分かりやすく肩を落とす。
「今日は諦めるよ」
やった!
無事に今日は終わることができた。すごーく安心だ。
「褒美のマカロンを......」
「失敗したからないよ」
「ふざけるなああああああああ」