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仮公開文二ー6

…そして、自分の番が来たのだが、さて、困った。何を造ろう?そもそも所持金が、と端末に触った途端システムメッセージが流れた。

『ご利用ありがとうございます。設備全体のご利用が初回のお客様な様なので、新しい口座を開設いたします。配付金は其方に入金されます。入場時に注射された物が個人認識の基盤に成っておりますので、基本的に取り除かない様にしてください。尚、他の人等に破壊されたり、取り除かれたりして奪われた場合でも、基本的に他者は使えない仕様ですし、そんな時再発行するための幾つかの質問にお答えください。』

そして端末に質問が幾つか表示された。

…あ、これ、答えをメモっとかないと忘れる奴だわ。

「メモを誰か持ってませんか?使いたいんですが」

「だと思ったから持ってきて有るわよ」

「ありがとうございます…でもこれ、監視されるのが嫌だと破壊したら実質金も失う仕様とか酷すぎませんかね…」

「ボランティアをやってる訳では無いのだから妥当な所じゃ無いかしら」

「それにしてはこの設備を普通に外に設置するのはどうかと思うんですがね」

「この辺りが開けてるのはデカい奴を造るスペースを確保するためで、室内でやっちゃうと空間に手を加えないと大きさに制限入っちゃうしね…それはともかくさっさと造りたい物を造りなさいな。後が詰まってるのだし」

「ああ、でした。…うーん。…今は良いのが思い付かないので、さっきの人が造ってた炎を纏う武器でも造る事にします。炎耐性なら既に有りますし、だったらそれの運用も不可能では無いと思いますから」

「解ったわ。さあ入力しなさい」

入力を進める。

武器の場合は…。

サイズ選択。

素材選択。

武器種選択。

デザイン指定。

武器に付与する属性選択。

武器の能力指定。

使用時の火力指定。

武器に意志を宿させるか否か。

デメリット追加に付いてのアレコレの指定。

…大体の大ざっぱな質問はこれらで、これらを更に掘り下げる為の質問がそれなりの数存在する。的な感じだ。

…自分のオリジナルの物を造れると言うのは良いが、設計って大変なんだなと思う質問数だった。

…そしてある程度の項目を入力すると、それを造る場合の値段と必要なエネルギー量が表示された。

…その評価金額は五十万と少しだった。…配付金の量的に素材をもっと良いのに変えても良さそうな感じなので、大体八十万くらいの評価金額に成るように弄り、そしてそれを入手しようとした所で待ったがかかった。

「待って。それだと武器の発する炎で武器自体が溶けちゃうわよ」

「…うわ、盲点だった。武器の素材が指定したレベルの炎に耐えきれないのか」

そこを修正する。…結果百五十万辺りに成ったのでそれを注文し、エネルギーを設備に注ぎ込む。

…だがそれで解った事は、この設備は意地悪な思考の上で造られていると言う事だ。

…欠陥が有る物を造っても設備側がその欠陥を指摘してくれないのだ。

…それはデメリット追加で値段を下げる思考の関係上、値段が下がったのは嬉しい事だと思いかねないので、実質警告らしい警告は無いことに成るのだし、何回も使うつもりで造っても一回使ったらぶっ壊れる様な物に成る可能性が有るのだ。

「これって、金を注ぎ込みまくっても欠陥兵器を掴ませられる可能性が有るって事かよ…」

「この設備で滅茶苦茶高い装備品を造ろうと皆がしたがらない理由の一つね。技術が追い付かない様な物を造っても修理出来ないし、知識が足りないせいで欠陥兵器として造られてしまうかもだし」

「世知辛い…」

「注文書の通りに造る設備なのだから、注文書側が欠陥が有れば、造られる物も欠陥品に成る…。本当酷いわね」

「しかも創造主側に賠償要求も難しい。何せ、造り主の希望通りに造った結果なのだからな…それが欠陥品だったのは自分の責任だろうよ」

「でも理論上は成立出来てるけど自前では造れないって奴は普通に造れたりするし、知識がそれ相応に有れば良いのが造れる設備では有るのよね…」

「つまり実現する手段の無い机上の空論の実現装置的な扱いが出来そうですね」

「しっかしまぁよくもまあこんな物を世に解き放ちやがった物だな」

「あくまで利用する側の理論が、成立している物で無ければ、良い物は造れないのだから、ぶっ壊れ的な完成品を大量に販売するよりかは、世界側に与える影響は少ない。理論がちゃんと成立している物以外は、欠陥品に成るのだし、理論がちゃんと成立出来てる奴は、いずれは自力で造れるだろうしね…さて、出来上がってるみたいだから金を入金して受け取りなさい」

「ああ、ですね。忘れてました」

システムに入金し、そして武器を受け取る。武器種は炎刀えんとう銘は日月ひのづき赤黒い色合いに成っているが、基本的に装飾は無い。…付けようとは思っていたのだが、仮に宝石を付けて宝刀みたくしてみて、使った際に熱で宝石が解けたら洒落に成らないので断念した。…そう言ったのをやっても大丈夫にする方法も有るのだろうが、流石にそんな知識は自分には無いので、仕方ないか。

「装飾無しで良かったのか?」

「それをやるとそれが溶ける気しかし無いので」

「例えば炎の発生装置を使い捨ての付け替えれる炎の結晶辺りにすればその結晶である程度の装飾出来たんじゃね?」

「…オウ…こんちくしょーめ。何故先に言ってくれないんですか…」

「そっちだと機械で例えるなら燃料を定期的に買わなきゃ成らないし、金的に勿体ないんだよな」

「あはは…」

「一先ず、どいたどいた。他にもやりたい奴いるんだから」

「ああ、でしたね。ならこれを試してみときます」

「失敗作じゃ無い事を祈るわ」

「ありがとうございます」

そして少し皆から離れ、炎刀を鞘から抜く。それと同時に炎刀に業火が宿る。

炎弾を飛ばす機能も付けたからそれを試したいが、流石にそれは辺りを壊してしまいそうなので自重し、素振りだけを行う。…よし。宿る炎も自分には耐性で問題無い範囲だし、今の所は問題無さそうだ。

例えば、消えない炎とか盛っちゃえよ?って?値段が跳ね上がったから断念したんだ。…第一、値段を削減するためのデメリットとして、自分にも炎が来るのに、そんな性能組み込んだら、自分が延々と燃やされ続けてしまうだろうし…。

…そう言えば、金を使い込んだ後に、新規でアカウントを貰い直したら、どうなるんだ?金がまた満額貰えるなら初期配付金ギリギリの奴を造ってはアカウントを棄ててアカウントを貰い治す。なんてのが出来てしまうが。…いや。それは無いか。データベース側にアカウントの前提情報がある程度無いと、本人確認の情報の照らし合わせも出来やしない。アカウントを棄てた所で初期配付金の再配布は無いと見て良いだろう。

後、普通の決闘以外でランキングを争う場合は普通にそれだけで争う別枠なんだろう。…幾つかの奴を混ぜたランキングも面白いとは思うが、その争う幾つかが全員ランキング相応って事には成らないだろうから、得意な奴でランキングを上げたら自分より他の奴で強い人が自分よりランキングが下に成るとか起きそうだし、ランキングは目まぐるしく変わる様な気がする。…逆に言えば特化型には厳しい状況に成りそうな感じって事だ。…そう言えば、ランキングを大きく離れた相手に決闘申請なんて出来たら、色々と問題な気がするのだが、ボーナスのシステム上、挑める相手を制限するのも問題な気がする。…まあ、遥か上の順位の奴が遥か格下に挑むのは断れるから問題無いにしても、その逆は、…いや、それで負けた場合、調子に乗ってる奴が処分された。的な展開に成るような気がするので、色々とアレだと思う。やりたいなら止めないけど、負けた時が色々とやばいだろ。的な状態なのだ。

…ん?そう言えば…。

案内をしていた彼女の所に戻り聞く

「そう言えば、決闘のボーナスが来るのがランダムなら、ボーナスが来るまで賭ける金額を低くして、ボーナス金が出たらボーナス金額の半額を貰う契約で戦いまくると言う手が出来る様な気がするのですが、可能でしょうか?」

「ボーナス金の金額は賭ける金額依存で上下するからボーナス金を沢山獲たければ大金を行ったり来たりさせる必要が有るし、相手に金が渡った際に持ち逃げされる可能性を考えると余りやりたくは無い方法ね」

「ちっ。駄目か」

すると辺りに戦闘音が聞こえてきた。

「…辺りが騒がしく成ってきたわね。でも外敵の侵入した通知は無い。なら煩悩言霊。通称創造主の邪念、辺りかしら」

「何ですかそれは」

「速い話、この世界は創造主のイメージが基盤に含まれている為に、セーフティはある程度有るとは言え、創造主の妄想の影響を受やすい。新しい事を考えるだけならそれに応じた内容の新しい世界が拡張されるだけで済むけど、一定以上の感情を創造主が抱いた場合、それぞれに応じた影響が世界に出る。…それの対策として造られたのが感情の塔。そう言ったのを集積して貯蓄する為の場所ね」

「なら今起きてるのは?」

「それらが集まりすぎて集合体系の必要最低限のレベルを超えた場合にそれを基盤にしたモンスターが顕れる場合が有る。それこそが煩悩言霊。因みに記憶の集合体系も存在するけど、其方は多分今回は関係ない」

「おっかない世界ですね。でも創造主の煩悩ですか。」

「イメージ野の延長線上の場所でイメージの関連の物が一切無いとか、無我を極めた奴しか無理じゃ無いかしら?」

「…まあそれは確かに」

「まあとりあえず、加勢に行くわよ。余り必要無いでしょうけど」

「ですね。行くとしましょうか」

そして希望者だけが現地へ向かう事にする。…色欲、つまり、性欲の集合体とか居たら、やばい予感がするなぁ、と、思わなくも無いが、何の感情起源の奴が居るやら。

現地の広場へと着く。体が剣で出来ている、恐らく、ソードゴーレムを基礎とした個体が三体居た。だが、何故か、至近で交戦している様子は無く、そいつは遠隔兵器を延々と斬り伏せている。

さあ突撃だ。…あれ?その途端にソードゴーレムは強化され始めた。

ライチェルさんが情報を獲得したのか叫ぶ。

「皆、ソードゴーレムから離れてっ。こいつらは敵意と戦意の集合体。…つまり此方が戦おうとすればするだけこいつらは強くなるっ。幸い回収距離に限界有るみたいだから遠距離から攻め立てなさい」

…それで納得が行った。近くに交戦してる奴が居なかったのはこいつらの強化をさせない為だった様だ。…やばいな。完全に余計な事をしちゃったパターンだこれ。

とりあえず皆距離を取る。

範囲はどの程度かも聞きつつ、ある程度余裕を持った距離へと。

だが、普通の兵器では斬り伏せられてるしな…。

実際、一定以上の火力でドン、で全て倒せるなら思考停止で火力だけ上げてりゃ良いんだから苦労し無いんだけども、能力には想定されている対象と言う物が有る。対人専門能力をモンスターに使ってもしょうが無かろう。的な意味で。

例えば○○を使う攻撃とか○○の集合体系相手に撃っても餌にされるだけだ。…それで吸収限界とかの対処限界を突くのは理論的には言ってしまえば水掛け論でしかない。それで全て片付くと思ってるなら話す意味など無いだろう。だが、飽和攻撃が、有効な手段で有ることも確かでは有る。

だが今回の場合は奪う系因子が有れば集合体を成立させている部品を奪えるだろうし、【破壊】因子で直接壊してしまうのも有りだろう。

問題は近付いたらどんどん強化されてしまう事だが、殺界辺りを造って吸収機能の範囲封じを行えば、近くからやりようも有るだろうが…殺界造れる奴は居るかな?

力で拘束して防御行動をさせないと言うのも有りかも知れないが、思念だけで防御系の力を使える奴には、余り意味は無いよな。

そして暫くの間遠距離から攻撃を繰り返していると、体の一部を射出して飛ばしてきた。…まさかのロケットブレードパンチ?

それは此方に近付きながらどんどん大きく成っていっている。…やばいな。多少距離を取った程度じゃ射程距離圏内か。だが、これは【破壊】を試してみるべきタイミングだ。該当の物の貯蓄量でステータスが上下するなら、その該当の物を破壊や強奪してしまえば、弱体化させれるはずだ。

そして近くにそれが来たタイミングで【破壊】を行使する。…よし。効いた。それを行使すればするほど、相手は弱体化して行き、強化スピードより此方の破壊スピードの方が上な様だ。

…こいつらは、大規模な戦闘が起きてる場所なんかに、出現したら瞬く間に超強化されるんだろうな。とは思うが、吸収機能の範囲の限界距離的に戦場を覆う様なレベルでは無いのだし、其所まででも無いかも知れないか。

其所でいきなり腕が爆発した。どうせ全部破壊されるなら攻撃に一斉に使った方がマシだろうので妥当な判断と言える…が、爆風らしき形で此方に来る戦意や敵意はそれなりな物で、軽くスタンさせられた様な状態に成った所で、本体側が軽い爆発を起こし、それを利用し一気に間を詰めてきた。あ、不味いこれ。でもこの方法は自分の該当の物の貯蓄量を減らす方法でも有るので、諸刃の剣な方法なはずなのだが、…勝負を決めに来た様だ。

其所でライチェルさんが分体相手に使っていた、相対速度の操作を行い、三体共を超鈍足化させた。

「今のうちに破壊し尽くしてしまいなさい」

「解りました」

そして暫くの間、【破壊】因子で破壊し尽くして、何とか倒しきる事が出来た。

…それを最初からやれよと思わなくも無いが、そもそも有効手段が何か解らない状態で行動を封じても逃げるくらいしか出来ないと思うので、仕方ないか。

其所に何人かの人達がやって来る。…恐らく、兵器をソードゴーレムへとぶっ放してた人達なのだろう。

「協力感謝する。…まあ最初は余計な事しやがってとも思ったが」

「一言多いですが、貴方方こそお疲れ様です。まあ、確かに近付いたら駄目なタイプの奴に、自分から近付いたのは反省点ですけど」

「さて、軽い物ならお礼に奢ろうかと思うのだが、どうだろうか?」

「有りがたく戴きます」

「人口的な理由で当然でも有るが、初めて見る顔が多いな、この世界はどう思う?」

「まだ来たばかりで余り設備を体験してないので何とも、でも、実際カオスな場所では有りますよね」

「実際創造主が言ってた話にこんなのが有る。人口の量は、かなりな物が有るから、食べ物を売る仕事をするなら、一回は食べとけって物を造って商売すれば、その一回さえ来させてしまえば結構簡単に金を稼げる。まあ要は他と被らない様な珍味を造ればそれなりに安定して売れる環境ってこったな」

「食べ物を出す商売なら珍味が狙い目と。また面白い話ですね。…まあ、観光地の観客に対するぼったくり的な、一回来させれば十分。ってのと似てる気がしますけど」

「まあ、アレだ。人口自体が多いから、リピーターを考慮し無くてもそれなりに商売出来ると成ると、そうも成るだろうさ」

「そんな物なんですかね…」

「まあ、素人意見だろうがな。リピーターを大量に抱えた方が安定して稼げるだろうし、仮に唯一的な珍味を造れたとしても、模造品を他に造られる可能性だって有る。だからやるとしたら短期的にガッポリ稼げれば良いや。的な思考が前提に成るわな」

「…長期的には無理な作戦って事ですか…」

「但し、独自のずば抜けて美味しい物を造る寄りかは難易度は低めなんだがな。例えば調味料一つ取るにしたって、造る設備で造るにしても、調味料の調合に使う物のブレンド比率パターンは膨大に有るわけだし、解析系能力や解析機に掛けるとか、食べたら食べた物の材料が全部解る様な奴でも無いと、パクるのも難しい。調理工程に独自の能力や、特殊な調理方法が含まれてると、材料が全部解った所でパクるのもそう簡単では無いし、単純な話、いわゆるお持ち帰りを禁止にすれば、解析機に掛けられるのはある程度は防げるはず。…まあ水滴程度から全て解るとかされると溢したのを何らかで拭いてそれを持ち帰るとかするだけで良くなってしまうが、何もし無い寄りかはマシ程度で考えよう」

「…うーん…使えるで有ろう素材の種類が多いから、偶然で味が被るのはそう簡単では無い。…と?」

「まあ、それは絶対では無いが、無理矢理似た物を造る為の労力を考えるに独自の奴を造った方が速いんじゃないかな。って判断だ。」

「ふむ…」

「さて、結果として食べ物一つ取っても、独自性が高い物が、大量に存在する訳だが、…ここら辺で軽く食えるのと言ったら…水の代わりにソーダで造ったソーダ饅頭、餡の代わりに肉なりなんなりを挟んだ鯛焼き、…後は、様々な味のアイスクリーム。この三択から選んでくれ」

…鯛焼きについてはアメリカ辺りでそう言ったのが有った気がするし、アイスクリームはどんな味が有るかの指定が無いので案外普通な味しか無いかも知れない。…と成ると、ソーダ饅頭一択か?だが、中身との組み合わせ次第ではゲテモノ臭がする。…アイスクリームを選んで味の選択肢を残して置いた方が無難か。

「自分はアイスクリームでお願いします」

そして、各々が希望を言い。店へと移動し、各々が堪能したのであった。

しかし、実際産まれたばかりで有ろう個体を三体倒しただけで、奢って貰えるとかちょっと貰いすぎな気もするけれど、…まあ良いか。

でも何で創造主の喋ってた情報をペラペラと喋ったのだろう?

偶然会った人がそう言ったのを良く知れる高官?…いやいやまさか。もしそうなら世界の権限とか使えそうだし、ソードゴーレムへの対処方法がもっと大規模的で苛烈的な物でも良かったはずだ。

高官では無く、会ったばかりの相手に喋って良いと判断出来る内容…。

つまりこの世界に居た奴なら簡単に手に入る情報だったって事か?…つまり誰でも知れる様な公の場所で創造主がそんな発言したって事ならつじつまは合うが、…創造主って公式でそんなにわか発言したのか…。

「さて、今回のソードゴーレムに付いての説明は居るだろうか?」

「感情の塔に貯まったのが原因だ。と言うのは理解しています」

「ふむ。まあそれが解ってれば十分では有るが、くれぐれも大規模な事件なんて起こさないでくれよ?有事には感情の塔シリーズに蓄積された様々な感情を一斉に解放するのも悪くないとか一部が言ってるんだが、流石に洒落に成らなさそうだし」

「…つまり有事には今回のと類似系統のを意図的に大量に放出するかもって事ですか」

「まあ例えるなら、溜まりに貯まった、途轍もなく濃厚な殺意に満ちた空間が形成されると思えば分かり易いだろう。…防衛側としてもそんな場所にわざわざ居たくは無いからな。使わないで済むならそれに越した事は無い内容に成る。だからむしろそれの耐性をガン積みで来て貰っても構わない。くらいな話なんだが」

「機密漏らしちゃやばいのでは?と言おうと思ったら、案としては有ってもデメリットがそれなりに有って使いたくない類いの奴でしたか…」

「まあ後処理としては放出した物を再回収すれば良いだけなのだから、コスト面では優秀な方法では有る。戦争とかなら敵から元手が大量に来る事に成るし、敵に殺気なり怒気なり使われてもそれによって此方の設備が火力上昇する一因に成るからそう言ったのを使いづらい形に成るだろうし」

「へぇ。でも確実に味方からも嫌がられそうな案ですよね」

「…まあ、敵地に一気に放出するとか、使う場所を限定すれば立派な攻撃や防壁のパーツとして使えるんだけどな」

「それだと場所を選ばず使うには向かないってだけで、使い道自体は十分有るじゃ無いですか…」

「でも使いたくないんだよな。…感情の塔は感情系の取得と耐性付ける為の設備として開放されてるけど、充満する物の高レベル設定階層は洒落に成らないし」

「まあ、確かに、やばめなのは理解出来ますね。でも高レベル設定階層とは?」

「ああ、行ったこと無いのか。鍛錬施設として感情の塔が開放されている関係上、上の階に行けば行く程、その塔の冠する感情の内容の物が、濃く大量に満ちる様に成ってるんだ。鍛錬施設なのに低レベル対応の物が無かったら鍛錬出来ないしね」

「ふむ」

「さて、とりあえず他を待たせてるから戻る事にし無い?」

「ああ、でしたね。奢ってくれてありがとうです。では失礼します」

「では最後に、とりあえず何でも造れるあの設備に付いてだけ、…あの設備も一応個人所有が可能では有る…が、よっぽど強くなければ、手に入れようとは思わない事だ。自分より強い奴がそれを持っていなくて、それが欲しい奴がある程度居たら普通にそいつらから狙われる検案が発生するだろうから」

「…所有してるのを隠せば…って訳にも行かないか。そうしたら所有する設備が所有者不在の物として扱われてしまいそうだし。…忠告感謝します。それでは」

「じゃあな」

でも実際、設備をモンスターが欲しがるとは思えないんだよな。だからサモナーやテイマーとかでも無いと設備の奪い合いでモンスターを相手にするのは余り考慮し無くても良いはずだ。それに、造る物の知識が相応に無いと、欠陥品しか造れないから、設備だけ有れば良いと言う話でも無いし、奪ったは良い物の奪われる可能性も有る。手に入れた後に知識を貯める形を取って貯めてる途中で盗られたら手に入れた意味が無くなってしまうし…。…いや、手軽な奴を造りまくって知識を貯蓄しまくると言うのは有りかも知れないな。

まあ、見切り発車的な感じも否めないが。

例えば高いステータスを脳死で前提にするなら、相手の攻撃やステータスを利用して攻撃するカウンター系方法論に対する回答が無ければ、良いようにやられるだけの話だ。

ゲームで言うなら極振りしたステータスの無意味化をされたら目も当てられない。

まあ実際対処の方法論次第では、ゴリ押しでそのまま押し切れるだろうけど、逆に言えば、ゴリ押しされないだけの物を提示されたら詰むのだ。

ゲームなら倒せる様に強さを調整されてるが、現実にその必要は無い。例えば、ダメージを受ける基準を逆転させると言う能力が有る。つまり攻撃を受けると回復して、回復されるとダメージを受ける。と言う物だ…が、…火力でゴリ押ししか出来ないならそれで普通に終了だ。まあ、倒すには回復魔法ぶつけるとか回復アイテムぶつけるとかすれば良い。…のだが、基礎ステータスがそうなのでは無くて、能力でそうなっている場合は、…能力オンオフを繰り返すだけで、どちらを喰らっても回復しかし無いと言うのが可能なのだ。…まあ、対策としては攻撃技と回復技を同時撃ちすりゃ良いだけだが、回復分である程度は相殺されそうだし、普通はそんなの意図的にはし無いので、相手にはミスなり何なりでたまにダメージが通るが、鑑定系が無ければ基本的には何やっても体力が回復する能力に映る。肝は能力のオンオフスピードなので、速さでゴリ押ししたらダメージを喰らう奴を連続でやりまくって普通に倒せるかも知れない。まあ能力自体は創作で見た物だけど、手法としてオンオフを繰り返すのは見た覚えは無いから問題無いだろう。

まあ基本の敵の倒し方がステータスのゴリ押しでステータスの格上の相手は倒せませんとか成るなら、要はステータス差さえどうにかされてしまうと技量なり何なりが基本的には雑魚って事だし…。

皆の所に戻りつつそんな事を思っていると…。


「実際、創造主も大変よね。説明不足の未来予知で何とかその未来を対処して変わった未来を改めて見て、…その未来が今やっている行動を継続した結果なのか、もうそれを止めようが確定した事なのかが解らない結果、対策としてやってる事を継続せざるを得ないなんて」

「うわ…ブラックだ…でも流石に変わった要因は解るのでやることは減らせるのでは?」

「それは幾つかの事を平行してやって居ると無理な相談に成るわ。それら全てが複合的に影響を及ぼした結果なのかも知れ無いのだから」

「なら未来予知をしてしまえば解るのでは?」

「そうも行かないわ。新しくオートの未来予知が無い事が結果として新しく未来予知をする必要が無い状態と判断出来る状態って事なのだから結果として、オートの未来予知が無い事自体が無事な便りに成ってしまっているのよ」

「…新しくオートの未来予知をしたら逆に詰みかけてる状態に成ってしまってる…と。行使可能なチートな判断基準が使えない形で無いと困る状態…最悪過ぎませんかね…後、いくら何でも盛りすぎな気もします」

「屋台とか個人の店とか家を除いての話で、仮にも数百種類は設備が有る世界だし、設備の説明話すだけで結構な量話せるわよ?…まあ、必ずしも意味が有る様な設備しか無い訳でも無いけど」

「と、言いますと?」

「ある程度の話が片付いた後に、創造主が暇潰しで、唐突に浮かんだイメージをそのまま世界や界として造った奴もそれなりに有るのよ。まあ贅沢な例の話をすると一つの界を造れるリソースを一組の武器に注ぎ込んだ例だって有るし」

「…何という贅沢…」

「まあ、能力鑑定が無い状態でそれだとその能力が無くなっただけなパターンも有り得るんだから、重要でも何でも無い日常的な事を見るのでも良いから、たまには発動して欲しいはずだけどね」

「いや、能力の発動回数に限界が有る場合は、無理な相談ですよそれは…」

「やっぱり?でも能力が今有るって事が解れば良いのだから、実際一年に一回やる程度で良いのよ。それで大した意味の無い物を見たなら差し迫った危険は無いって事なんだから」

「…頻繁にやらなくても一年に一回程度でも問題無い…か、使用可能回数が回復するなら十分なインターバルを取ったら問題無いと。問題は使用可能回数が回復しなくてその上限回数が少ない場合ですね」

「そうだとしても、最低でも能力の検証に必要な回数とパターンはやれて貰わなければ、それが能力でやった事だと言う確証すら持てないわ」

「…うわぁ…」

「さて、それはさておき、○○の化身とか居るじゃ無い?」

「水とかのですか?」

「まあそれで良いわ。…それってそいつからしてみれば自分と同意義の物を沢山の人に飲まれてるのよね」

「なんかエロい意味が有りそうな…」

「…でも異性にだけ飲まれる訳では無いのだから、そんな意味を持たせたら両刀でも無きゃ最悪だと思うわよ?」

「なら異性にだけ利用される物の化身に成れば…」

「そんな物の化身に成っても力の内容の厳選が出来ない訳だから、強さ的にさっさとやられちゃうんじゃないかしら?」

「ああ、確かに、わざわざそれに成れるなら、何かの化身に成れる権利が有る時に強い奴を厳選する権利を棄てる様な物な上に、異性から集中的に敵として狙われそうですね」

「結果として、幅広く使われてる物には、そう言った意図は入りづらい事に成る。まあ、両刀だったり、多少の自爆覚悟でやってる奴も居るかも知れないけどね」

「あはは…でも例えば化粧品系はどうでしょう?それなら力の成長次第では変身系は使えそうですよ?」

「化粧は一応歌舞伎とかで、男が使う場合も有るわね。まあ全体からしてみれば、少数派だろうからリターンから考えるに許容範囲でしょうけど」

「ならやばくないですかね?」

「大丈夫大丈夫。手に入れたとして、結局は能力の自由度次第で強さが激変する能力だし、能力内容的には変身系一本でやってる奴には普通に負ける的な塩梅の強さに成ると思うから」

「…うわぁ…なんか良いのは無いのか無いのか…あ、少し聞きたいんですが新しく因子を手に入れるには、該当エネルギーに順応する。因子結晶を分けて貰い試練を突破する。は、解るのですが、零から手に入れる場合ってどうやるんですかね?」

「簡単に言えば、必要な試練を独自に再現し突破する。因子結晶を強化系で強化や拡張する。とかが有るわね」

「それ、該当能力を使われて生き延びるが試練の奴の場合、敵に能力使って生き延びられてしまうと該当能力を習得されてしまうのでは?」

「該当能力を喰らって生存が試練の物は基本的に自力習得はその能力の下位互換を自力習得する事に成ってたかしら」

「…ああ、それを忘れてた。【明暗視】の試練でやってたのに。でもそれなら少し思い付いたのが有るんで、帰りのゲートを暫く開きっぱなしにしてて貰えませんか?あの精神負荷の環境を使ってやりたい事が有るんで」

「良いけど、暫くしたらバフの持続時間も切れるから速めに済ましなさいよ?」

「むしろバフ要らないです」

「正気?精神負荷がやばいと思うのだけど」

「先の話的に高レベルの精神負荷を御すのが試練の奴を獲得出来るかも知れ無いので試してみたいんです」

「そう言う事ね。なら好きにやりなさい。廃人に一時的に成るかも知れないけど、回復は出来るのだし」

「その時はお願いします」

「私じゃ無くて其方に言いなさい」

「ああ、そうか。ライチェルさん。もしもの時はお願いします」

「…ああ、はい。無茶しても治してあげるわ。やって来なさい」

「ありがとうございます」

さて、最近起動しっぱなしで全然言及してない【絶対感覚】の出番だ。…これで精神負荷を感覚のチューニングで抑え込む事が出来れば、精神干渉耐性のその先の能力が来るかも。…なんて期待してたりする。下位互換が手に入れば上位互換の条件を満たせるなら、精神干渉以外へも効く耐久系能力が手に入るかも知れないし、試す価値は有るのだ。…まあ、失敗したら廃人に一時的に成っちゃうけど、回復して貰えるし、何とか成るだろ。

そしてゲートの所まで戻ってきた。

…さあ、始めよう。


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