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仮公開文二ー5

そしてゲートを通りつつ思う。…説明を聞く限り辺りには何らかの記憶の残滓が大量に満ちているらしいのだが、…バフマシマシの状態なのにも関わらず、それらから発せられる物が原因の精神的な負荷がやばすぎるのだ。

まあそれはそうかとは思う。恐らくこの記憶の残滓らしき物が防壁の代わりの基盤の一つなのだろう。

…創作なんかでは都合良く誰も気付いていない隠された新たな抜け道を見付けられる物だが、それを見付けたとしても大っぴらには使えないだろうし、やり過ぎても分体の監視網に引っ掛かるだろうから、長くは使えないだろう。…例外は隠されつつ意図的に造られた抜け道だが、そんなの有ったら創った側が不正する気満々な様な気がするので、有ったら有ったで色々と問題な様な気がする。

そして暫く歩くとドアが有ったのでそれを開けて通る。すると小部屋が其所には有った。

「全員がこの部屋に入るまで待ちましょうか。次のドアは開けない様にしてね」

…少し休憩な様だ。椅子がある程度部屋には有ったので、それの内の一つに座る事にする。

そして少しして全員がこの小部屋の中に入った所で、入り口だった場所の扉を閉じ、説明を始める。

「暫くこの部屋にある程度居て貰いますけど、次のドアを開けると目的の世界へと繋がります。この小部屋の役目はいわゆる世界を渡っても大丈夫にする変換器や境界線的な役割なので、両方のドアを開けっ放しにするのは世界と世界の境界線の一部を一時的に無くす事と同じなので不味いんです。まあ暫く開けっ放しにしてたら勝手に閉まりますが、…要約すると、要は此処は繋がるどちらの世界でも在る場所と言える訳です。だからこの部屋の環境に順応出来れば行き先の世界へと行っても極端な事をし無ければ大体は大丈夫と言う事に成ります。ではこの小部屋で暫く待機しましょう」

ふむ。例えるなら登山で高山病を防ぐ為の高所順化的な感じか。そう言う事なら暫くこの部屋で休む事にするか。

「追加で伝えておく必要が有る事が有るので、休みながらで良いので聞いてください」

そして辺りの様子を見回した後、

「これから行く始まりの世界では金を賭けた決闘的な物が恒常的に行われていて、幾つかのルールとランキングが存在します。そのランキングに参加するかシステムに問われると思いますが、時間が有りませんので、今回は不参加としてください。そうすれば決闘は回避出来ますので」

ある人が声を上げる。

「ルールってどんな物が有るんですか?」

「例えば一番重要なのは一日の決闘回数制限ルールです。これが無いと決闘を連続で色んな奴から延々と挑まれて、体力系チートでも無いと決闘を挑まれる側が体力切れを起こしても構わず戦わされる事が有り得ます。ですが、下位からの決闘申請を延々と断るのも出来ない仕様に成っています。それを有りにすると上位の一人の完全メタを揃えきってそいつの順位を奪った後に決闘を全部断って実力に見合わない順位に延々と居座る者が出て来ますので」

「ランキングの高い順位に居る利点って何ですか?」

「高い順位に成れば成るほど物を創る系の設備で物を創る際の制限が減ります。要は自分の順位依存で使える設備がアップグレードされると考えれば速いかと」

「ならランキングに参加した方が良いのでは?」

「それをすると順位が最下位層として算出されますし、ランキングを上げないとランキングに不参加な時より造れる物が悪くなります。ランキングを上げれば良いだけですが、ランキングを上げている時間は無いので、今度来た時にしてください。他の詳しい説明もその時に受けると良いでしょう」

「じゃあ最後に、新規層は最下位層スタートが基本なら新規層に当てはまる奴等の中に最下位層にそぐわない奴がそれなりに居る形に成る気がするのですが、合ってます?もしそうならかなり戦う相手は選ぶ必要が有りますけど」

「まあそう成るわね。後、ある程度の物を手に入れた後に意図的に順位を落としてる層も居るわ。なにせ上位に成れば成るほど回数制限以外では決闘を断れない相手が増える事に成るし」

「…上から挑まれるのは断れると。…要約すると、ランキングの順位を信用するな。ってことですか」

「まあそう成るわね」

「何でそんなのを知ってるんですかね?」

「理由は単純。その事を開示して置いた方が無駄に格下から挑まれる回数を減らせるからよ。自分の実力相応の順位からある程度下の順位を維持すれば相性は有るにしても順位が実力相応の奴を相手にする場合ではそう簡単には負けないで済むからね。…って理屈を並べたけど、…ぶっちゃけ、金を賭けるなら確実に勝てる層で戦いたいと成るのも解らなくは無いけど」

「駄目じゃ無いですか」

「問題無いわよ。基本的にそれを繰り返す為には下の順位の奴に挑んで負け無ければ成らないけど、そんなの繰り返したら流石に目立つから、受けてくれる奴が減ってってやりづらく成ってくだろうし」

「…ずっとやるには向かない方法って訳ですか…」

「さて。休憩終わり。行くとしましょうか」

そして彼女は周りに休憩の終わりを伝え、扉を開けた。

そして皆で暫く歩き、道が一回曲がった所で、道の先に見えたのはビル群。…あれ?思ったより普通?

そして通路を歩き終えると……うん。其所で見た物を一言で言い表すなら、色々な物が混ざり合った結果カオスに成った様な場所だと言う事か。

「なんかカオス過ぎるんだが…」

「それは速い話、創造主の手抜きよ。ある程度の雛型を創った後は設備はある程度の法則に従いコピーして増殖してるらしいし」

「見た限り、此処は外周部って事で良いんですよね」

「ええ。でも直接町の方に行こうとし無いようにしなさい。えげつない防壁役の設備が張り巡らされてるから」

「…解りました」

そして皆で中に入る為の場所へと移動し始めた。

其所で一人が地面に有った小石を防壁が有るだろう場所へと冗談で投げた。

…途端に小石は消滅し、そいつは軽く拘束され、出て来た拳で攻撃され、…る所で寸止めされて解放された。まあ小石を投げただけだし、其所まで厳しいペナルティは無いか。

…だが、やばい気配が凄くするなこれ…。

「此方の言い方が悪かったけど、防壁に触れなきゃ良いって話では無いのよ?迎撃設備を発動させたい訳?」

件の人は謝罪し、また移動を開始した。

…ちょっと意見を聞いてみるか…。

「創造主って好意をはね除ける感じで行動してますけど何故なんでしょうか」

「そんなの簡単な話で、創造主から見たら創造主が好かれる理由が無いとしか思えない状況で好きだとか言われるからよ。例えるなら、俳優とか芸能人が知名度故にそちら側からは知らない人から好意を寄せられるなんて良く有るのでしょうけど、…言ってしまえば直接の絡みなんて無い状況でいきなり好きだとか言われても困るし」

暫く黙っていたライチェルさんが口を挟む。

「でも創造主は見てくれてるじゃ無い」

「世界の全てを同時に細かく見つつ俯瞰する。…創造主はそれが出来るスペックは無いわよ。脳の性能がずば抜けて高いと言う性質系統の種族だったらともかく、元は単なる人間なのだから」

「…でも干渉されたわ」

「もしそれが本当なら気に入られてるのじゃ無いかしら?」

「…つまりツンデレって事ですかね?」

「…その発想は無かったわね。……はっ。いけないいけない」

「何考えてたんですか?」

「良いじゃ無い別に」

…しかし創造主が仮に聞いてたとしても否定の行動取ったら聞いてたのばれるからな…。結果として否定の為の行動を取ったら肯定する事に成ってしまう訳だ。…結果として創造主が取れる行動は聞いてなかったとする事のみ。…本当酷いなこれ…。聞いてる場合否定しても聞き流してもツンデレ扱いされるだろうし、創造主が不憫すぎるな…。

「先に注意しておく事が有ったから追加で言っておくわね。付喪神って知ってるかしら?」

「ああ、長く大切に使われた物に魂が宿って意思が宿るとか言う?それがどうしたんですか?」

「たまに物が勝手に動く事が有るけど、その類いの物が居ると思ってくれれば良いわ」

「解りました。…しかし付喪神ですか。…生物は喰いたくないって言う主義。…確かベジタリアンでしたっけ?アレって植物に意思が宿る世界観だと何を喰って生きていくつもりなんでしょうか?」

「例えば、食べ物だけで言うなら無精卵とか牛乳とか蜂蜜とかはセーフでは無いかしら?後、身も蓋もない事を言えばサプリメントと水だけ飲む生活をすれば良いんじゃない?」

「……流石にそれは嫌だなぁ……」

「話を戻して、存在する物に付喪神が混ざってる関係上、物を盗んだらその盗んだ物自体に攻撃される。なんて事が有りうるから、何とかシステムの穴を突いて盗みを成功させても盗んだ物を破壊しないと成らなくなるかもだから、何とか盗めたとしても骨折り損のくたびれもうけに成る可能性が有るのは知っておきなさい」

「うわぁ…本当ひでぇ…」

「それはさておき、一応他の世界に行く訳だから言語に付いても触れておくべきね。始まりの世界に付いてはシステムが言語を自動翻訳してくれる様に成ってるけど、それは世界の中に有るデータベース基準で行われていて、他の人が基本的に使わない様な独特な言い回しに付いては翻訳してくれないか、誤翻訳される可能性が有るから、変な発言はし無い様にしなさい」

「翻訳機能常備ですか。それはありがたいですね。でも完璧な物では無い訳ですか…仕組みはどうなってるんですかね?」

「それは流石に言えないわね。ストップが入る検案でしょうから。でも完璧に翻訳し無いことで暗号的な会話をやる余地が残るから、良し悪しね」

「ふむ」

「ああそうそう。此処は外周部に成るけど一番外周部って訳じゃ無いのよ。要は更に外側に防壁役の仕組みが有るって話なのだけど、其方にはちょっかいは出さない様に頼むからね?」

「やばい気配はさっきので既にしていますし、それに否は有りませんよ」

「宜しい。まあでも予想としては、防壁役の設備が常時発動の様には見えないから、設備の認識を騙せば、防衛設備が発動せずに突破出来るんじゃ無いか。…なんて思ってるのかも知れないけど、それで突破出来る設備なら、設備に認識をされないような一定以上の高速で動ける奴には、普通に突破出来る事に成るのだし、光速で動ける奴が普通に居る世界観で、それは防衛設備として不十分としか言えないのだから、一応常時発動の奴も有るわよ」

「確か高速で動く戦闘機への攻撃は狙い撃つのではなく攻撃の壁を創る。が基本だとか聞いた事が有りますがそんなものなのでしょうか?」

「それは慣性の法則なり何なりで、戦闘機が急に方向転換出来ない関係上、進行ルート上に壁を創れば、戦闘機はそれに突っ込む可能性が高いから、的な理由が有った話なはずだけど、要は攻撃判定が基本常に有るエリアを創って、其所を通らなければ行けなくさせよう。と言う話に成るわ。…まあこれだけだと、転移とかが絡むと通用しない理論だけど、それは他のと組み合わせれば良いだけね。機動力が一定以上の相手に普通の速度の攻撃をしたって必中とかの例外を除けば普通に攻撃範囲外迄逃げ切られてしまうだろうし、逃げ道を潰す戦い方が基本に成ってくるわね」

「機動力が有るからどんな攻撃でも避けられる。を、そもそも避ける先を無くす的な感じですか」

「速い話そうなるわ。他にも話した方が良いのが有るかもだけど、一先ず時間切れね。着いたわ。ゲートよ」

すると外周部の無色透明な防壁の一部が色付き、一部のみ壁が動いた。…全部同時に開く訳では無く、段階的な物な様だ。一先ずその空いた部分の中へと皆で進む。…すると、外側の壁が閉まり、動かない様にとのシステムアナウンスが有った後に皆の全身を外壁が包み込んだ。…これ、このままだと死ぬんじゃ?抵抗しようとするが失敗する。

そして何かが体内に注射された。…ああ、事前に聞いていた発信機ね。

そして軽い説明が為され、解放される。…さっきの全身を包む奴は多分隠れてる奴を見付け出す為でも有るのだろうが、説明が後からの事後承諾は如何な物か。とは思う。…まあ、通行証を持ってるから事前に来た事が有ると判断されて、説明が簡略的に成ってるのかな?…なら説明は確認的な意味が強いか。

その後も幾つかの説明をされて、中へと入る事が出来た。

ランキングに新しく参加したらそのボーナス狙いでの、初心者狩りをやられる可能性が高いのは注意ね』

『…それだと新規の参加者に厳しい内容過ぎませんかね?』

『沢山の相手と戦わせて、経験を幅広く積ませるのが目的のルールなんだし、それは仕方ないわ。実際、勝てなそうならランキングに参加をし無いって手もあるしね。…さて、説明終わり。テレパス切って良いわよ』

そしてテレパスが終了した。…辺りを見回す。緊張した状態では無くなっている。恐らく、引率付きだから余りやれなさそうと判断したのか、決闘を申請しようとして失敗したのかのどちらかだろうか?

そして更に歩いた所で少し開けた場所に出た。

…ん?ある設備の前にある端末を誰かが弄っていて、それが終わったかと思えば、横に設置されているジャングルジム状に格子が付けられた物を弄りある程度大きくしたかと思えば、また端末を弄り、エネルギーをジャングルジム状の物に注入した。

するとそのジャングルジム状の物の中に炎らしき物を纏った刀らしき物が顕れ、ジャングルジム状の物は小さくなり、その刀が外に出て来た。

そしてその誰かは刀を回収して少し試した後、その場を去って行った。性能を試す際に、炎が一時的に刀の全体を包んでいたが…持ち主の炎への耐性が一定以上有るからこその物だろう。つまり、炎を宿せる刀の炎の火力を、使う際は自分に炎の耐性が無いと厳しいレベルまで常に上がる様にして、刀が炎を纏う事自体を普通は使えない的な意味でのデメリット扱いして、本来より安めの値段で掻っ攫って行った訳だ。

なるほど。安くで手に入れるには、ああいう風にすれば良いのか。

「今見た感じでやれば良い訳だけど、…見た内容と酷似する説明を重ねてやるのもアレね。端末を操作すれば設備に対して造る物の注文書を造れるから、端末を操作すれば大体解る様に成ってるわ。とりあえず此方が先にやるから、やってる所を見てなさい」

「解りました」

そして端末の周りに皆が集まる。

すると、いらっしゃいませの言葉が端末に表記されており、彼女がそれに触れると、どう言った物が造りたいのかを問う、細かい質問がそれなりの量並べられていた。

どうやら注文する側のイメージを読み取りそれをそのまま造って貰う様に注文する事も出来る様だが、イメージを端末が注文を受け取る少しの間イメージをずっと正確に出来てなければ正確には造られない恐れが有るらしく、イメージを何らかの形で邪魔されたら邪魔された結果の方のイメージの物を造ってしまうのだとか。…周りに人が居る状況下では余りやりたく無さそうな機能と言えそうだ。

まあ、入力し直せば良いだけなのだろうけども、彼女は細々とした質問に延々と答えて行きつつ声を出す。

「因みに、制限なりなんなりで指定したのが造れない場合は質問の段階で入力が不可能に成るらしいわ」

「へぇ」

細々とした質問に大量に答えなければ思った通りの物は造れないとか、…大量に機能を持った物を造る際にはどれだけ質問に答えなければ成らないのだろうかと少し考え、…これは嫌な予感がするとげんなりした。

「因みに既に自分で一度入力した事が有る、内容の既製品を造る場合は、質問は殆ど無いけど、代わりに本人確認なり、何なりが有るわね」

「二度手間が無いのは朗報ですけど、高いのはそんなに数は造らないと思うんですが」

「じゃあ細々とした質問無しの大ざっぱな質問のみで、品物を造る奴の方が良いと思う?その場合は設備側に、ある程度勝手に内容を決められてしまう訳だけども」

「…うーん。…良し悪しですね…でもランキング参加者のモンスター側に装備品ってまともに使える奴は少ない気がするのですが…それって不公平では?」

「まあ必要無い強さの奴も居るから場合に依るわね。AをするとBに成る。をAをするとZに成る的にする結果改編能力とか、指定事象発生時より前に巻き戻して、指定事象発生時より前の状態に固定して事象発生自体を潰す能力とか有るし」

「えげつないですね…でも後者なら常時発動型なら何とか出来そうでは有りますが」

「まあそうね。…問題点としては常時発動型は生活に大きく支障の有る物は使いづらいって事だけど」

「戦いたくないので、個体名を聞いておきたいのですが」

死生龍デットオアアライブ白群びゃくぐんね。後者の場合、因子結晶の領域の性質が一定以上の攻撃性を持つ物が無いとそもそも能力自体が発生すらさせられなく成るから、そう言った物を持って置かないと、白群を相手にする場合は無能力者としてしか戦えなく成るわね…それはさておき、入力完了。後は…」

そして先の人がやってたのと同じ手順をやり、ドローンらしき物を回収していた。

「それって効果何なんですかね?」

「速い話、遠隔での結界発生装置ね。安くするために色々と制限付けたけど」

「へぇ」

「それとあっちにもう一カ所同じのが有るから、事前の話通り、其方に行って手分けしましょう。これ。造る物のリストね。色々と入力しまくるから、君達は少し待ってなさい」

「了解です。その後使わせてくださいよ?」

「そうね。じゃ無いと来た意味が無いものね。さて、始めるとしますか」

そして暫くの間、色々な物を延々と造っているのを眺めるのだった。


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