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第2話 不運な俺の異世界転生

俺は全てを思い出した。自分が何故死んだのか......そして、自分が愛した人の死を.....


「うぅ......うわぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

俺はその場で泣き叫んだ。


「悠真さん落ち着いてください!!!」

と女神様は俺を慰めてきた。だが俺は―――


「この状況で落ち着いていられるか!!!!!!」と真っ向から否定した。そして、俺はまた泣いた――――


あれから俺は一体どのくらいの時間泣いただろう。

ようやく俺は正気を取り戻した。


「落ち着いたようですね。では、話の本題にいきます。椎名悠真さん、あなたは選ばれたのです。伝説の神器に」

「伝説の神器......確か俺を殺したあの異世界人も言ってたな。ところで、その伝説の神器ってなんなんだ?」

「伝説の神器とは、今から悠真さんに転生してもらう世界で、300年前とても大きな戦争があったのです。その戦争を終戦に導いたのがその伝説の神器なのです」

俺は驚いていた。そんな凄い神器に平凡で不運な俺が選ばれるなんて思ってもみなかったからだ......


「神器は全部で100個あって、その中にさらに強い6つの伝説の神器があるんです」

「わかりました。それで俺が選ばれた神器は一体なんですか?」

俺は自分が選ばれた神器について質問をした。


「ごめんなさい。それは私にもわからないの。まず、伝説の神器だから調べることが難しいのはあたりまえなんだけど、それとは別の()()()()()()のようなものが働いて、調べられないの」

「そ、そうですか......」

俺は神器について知りたかったので聞けなくて残念だと思った。


「そういえば、よくゲームやラノベである異世界転生では最初にスキルとか武器を貰ったりしてますよね?そういうのってないんですか?」

俺は自分の神器のことの次に気になっていたことを女神様に聞いてみた。


「それはもちろんありますよ。今からそのデータを出しますね」

そういうと女神様は俺の目の前にモニターのようなものを出した。


「では悠真さん。この中で何か欲しい武器やスキルはありますか?」

女神様が出してきたモニターのようなものには、数え切れないほどのたくさんの武器やスキルがあった。


「そういえば、俺が今から転生する世界ってすべてが運で決まる世界なんでしょ?じゃあ運が上がるスキルってないの?」

俺はただでさえ運がない。運を上げるスキルを使って、異世界で無双してもいいと思った。


「あるのはあるんですけど......悠真さんの不運のエネルギーが強すぎて、このスキルを使っても全く意味がないんですよね......」

と女神様は俺を可哀想な眼差しで見つめた。


「マ...マジですか......」

俺は過去最大規模で凹んだ。そして自分の不幸を恨んだ。


「悠真さん、そんなに落ち込まないでください!!!まだスキルや武器はたくさんありますから!!!」


俺はしょぼくれながら女神様が差し出してくれた武器やスキルのリストを見た。


たくさんスキルや武器があるから俺は迷っていたが、その時俺の目に()()()()()が飛び込んできた。


「え〜っと......じゃあこれにする」

俺がたくさんあるスキルから選んだのは―――――



"恋愛スキル"だった



「えっ!!!???こんなスキルにするんですか!?」

「こんなスキルって言い方はないでしょ......女神様」

「だって他にも、とても強い名刀や伝説の鎧などの様々な武器、攻撃力が上がるスキルや魔法使いのプロフェッショナルになれるようなスキルもあるのに......どうしてこんなスキルを選んだのですか!?」


俺は真顔で即答した―――――

「彼女が欲しいからです」


女神様は一瞬こいつなに言っているんだみたいな顔をしたが、俺はスルーすることにした。


「わかりました。でも、今までいろんな方を転生させてきましたが、このようなスキルを選んだのはあなたが初めてです」

「ではあなたに恋愛スキルを授けましょう」

そういうと女神様は両手を前で組み、祈るポーズをした。そうすると、俺の身体を綺麗な光が包んだ。


「はい。これで悠真さんに恋愛スキルを授けることが出来ました。では改めてーーーーー椎名悠真さん。今からあなたを異世界に転生させます!!!準備はよろしいでしょうか?」


「いつでもこい!!!!!!」

俺は威勢よく言った。


「悠真さん、ひとつ忘れていました。これを持っていってください」

そういうと女神様は俺に青い水晶がはまっている指輪を俺に渡してきた。


「この指輪は悠真さんと私の通信手段です。そんな頻繁に連絡は出来ませんが、私が必要な時に連絡してください」

俺は女神様に感謝しかなかった。そして全力でお礼をした。


「ありがとうございます!!!女神様!!!」

「そういえば私の名前を名乗っていませんでしたね。

私の名前はレイン。どうぞお見知りおきを」

「ではレイン様...椎名悠真、異世界転生します!!!」

「はい!いってらっしゃい!」

そういうとレイン様は眩しいくらいの笑顔で俺を見送ってくれた。すると、俺の周りを青白い光が包み、俺の目の前は真っ白になった。


この時俺は本当にレイン様に感謝していた。

右も左も分からない俺のために丁寧にいろんなことを教えてくれたり、異世界に転生しても俺が困らないように、通信手段まで用意してくれたからだ。

俺は改めてレイン様に感謝し、もう一度目を開けた。

そこには日本とはまるで違う世界が、一面に広がっていた。


空に浮く島―――


日本では空想上の生物である龍―――


見たこともない街並み―――


俺はいつの間にか叫んでいた。

「本当に異世界転生したんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああ!!!!!!!!!」


だが、俺はあることに気づいた。


「えっ......ちょっと待って......俺今落ちてね???」

そう、俺は今異世界の空を舞っていた。


「ちょっと待ってぇぇぇぇぇぇえええええええ!!!!!!!!!なんで俺今上空から落ちてるの!?」

俺は急いでさっきレイン様から貰った指輪に必死に話しかけた。俺の必死な訴えが通じたのかレイン様が応答してくれた。


「悠真さん?どうしました?」

俺は今の状況をレイン様に伝えた。


「すみません!すみません!本当にすみません!!!ちゃんと異世界転生させたと思ったのに.....今助けます!!!」


レイン様が叫ぶと、俺の身体を光が包んだ。


「レイン様早く助けてください!!!もう結構地面との距離がヤバいんですけどォォォォおおおおおお!!!!!!!!!」


「ぎゃぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!!!!!ぶつかるぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!」

まさか、異世界転生したと思ったら速攻でまた死ぬとは思ってもみなかった。俺はまた自分の不運を恨んだ。


「リフレクション!!!!!!」

俺がそのまま地面に叩きつけられると同時に、レイン様の声が聞こえた。レイン様の魔法が落ちる時とほぼ同時だったため、俺は怪我をしなくて済んだ。


「大丈夫ですか悠真さん!?」

俺は痛みはないものの、全身が少しピリピリして全く動けなかった.....


「大丈夫ですか〜?」

俺が落ちてきた音で近くにいた村の人達が心配して来てくれた。そして俺はそのまま病院に直行した......


俺は異世界転生する前、レイン様を尊敬してとても感謝していた。だが思った......


「こんな異世界転生あるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああ!!!!!!!!!!!!」


異世界転生して速攻で病院送りになるとか最悪すぎるだろ........

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