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8 エピローグ

雨音AKIRA様から頂いたホットドッグ王子のイラストを載せています。

素敵な王子に感謝です。

挿絵(By みてみん)


「聖なる光、遥かなる風、母なる水。ヒールライト」


 ハロルド王子が魔法を唱えると、シュカの傷が暖かい光とともに消えていった。


「ありがとう。君は、小さいときによく遊んだハルだったんだね。ハルは自分のこと『わたし』って言うし、私よりも可愛かったから女の子だと思い込んでいたよ」

「反応に困るな。……俺はシュカのことシイだと気づいていたのに」

「えっ! そうなの?」

「ミランダ様の弟子と聞いた時点でわかった。だが魔女の呪いで、自分の名前に関係することが話せなかったしな」


 シュカは「そういえば」と言って、ハロルド王子を見る。


「槍みたいのが刺さったのは大丈夫だったの? 見たところ傷はないようだけど……」

「それは――」


 ハロルド王子はポケットから赤い石のペンダントを取り出す。

「これは、もしかして」とシュカはペンダントを見る。


「魔力を無効化する魔法鉱物を加工したものだ。サイラスから持たされた。ずっと首に掛けていたが、まさかこんなに効果があったとは」


 南の魔女ルコラの魔法による攻撃を魔法鉱物の力で無効にしていたということだった。


「まだ応用の範囲は広いかもしれないな。これからも協力を頼むことになりそうだ」

「そうですね」


 シュカはハロルド王子が元に戻った嬉しさと、旧友に会えた楽しさと、ハロルド王子が王国に戻る寂しさで複雑な気持ちになった。でも、元に戻れて良かったのだと気持ちを隠すことにした。


「ホットドッグ王子が元に戻れてよかったです」

「……今、なんと言ったのか?」

「ホットドッグ王子、ってあれ?」


 シュカは第三王子の名前が呼べなくなっていた。ホットドッグ王子から煙が立ち、体が引っ張られる感じがして、手の平サイズのホットドッグの姿になっていた。


「ホットドッグに戻っちゃいましたね」

「シュカ、俺の名前を思い出せないのか?」

「……ごめんなさい。ホットドッグしか出てきません!」


 魔女の呪いは強力で、本当の名前を呼んでもらわないと元の姿に戻れないようだった。




 その後、南の魔女ルコラは特権階級を剥奪(はくだつ)され、弟子の青年とともに投獄されることになった。魔法軍の管轄により強固な警備だったが、数か月後に二人は脱獄により王国から追われることになる。それは別の話。

ここで一区切りとなります。

お付き合いくださりありがとうございました。

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