表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
永遠の彼女  作者: 立花
2/2

序章

何もできない。やることがない。

俺は、彼女を失ってから何をしていいかわからなくなった。だから、というか、まあ、とりあえず約束だけは守ることにした。

彼女と交わした約束。それは、『週に一回は子供と会うこと』だ。会うのが無理なら電話でもいいとの救済措置があったので、俺は大学のうちはそうすることにした。その代わり、帰省した時には毎日会いに行っている。可愛くて仕方がない。


子供。


そう、子供。


俺たちには子供がいる。今年の春で3歳になる子が。目と鼻はあいつに似てて、でも性格は俺にそっくりな娘が。

現在俺は20才、子供は3才、三年前の俺は17才、彼女がいなくなったのも17才で、つまり三年前。

つまるところ俺らは、できちゃった婚、をしようとしていたわけだ。高校生にして。俺は、できちゃった婚は悪くないと思ってる。だって、それが愛の形で、育んだ結果がそうなったのなら、契約なんて、年齢なんて関係ない。でも、まずかったのは、自分で稼げないってことだった。いくらバイトしたって、子供を養えはしない。俺は

「流産しよう」

と勧めたのだが、彼女が断固拒否した。

「命は無駄にしたくない」

「それは俺もだ…」

「それに!」

俺の声に被せるように、彼女は言ったものだった。

「あなたとの子供がこれから先いつ産めるかなんて分からないでしょ」

「でも、産んでも育てられないじゃん」

「それは…、どうにかする」

「どうにかって?」

「…」

そのあとは、笑ってはぐらかされたような気がする。


彼女はいつも曖昧にする。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ