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私の小失敗の本質  作者: リノキ ユキガヒ
報告「職業と趣味」
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イメージ≠趣味

 打ち合わせは二言三言で終わった。どうやら次回の撮影の確認か何かだったのだろう。

 マネージャーさんに呼ばれると私達は文京区音羽にある撮影スタジオを跡にした。

 そして音羽通りに出てタクシーを拾うと私だけ乗り込んでマネージャーさんは行き先をドライバーさんに

「板橋区までお願いします」

 と伝えてから、

「それじゃ、明日も宜しく」

 そう言うと微笑んでからタクシーから離れた。

 タクシーは音羽通りを池袋方面へと走りだした。

 私はサンシャインが右手に見える頃を見計らって

「中山道の方に入ってもらえますか?」

 そうドライバーさんに伝えた。

「かしこまりました」ドライバーさんはそう言うと首都高の高架下をなぞるようにして中山道へと向かって行く。

 板橋区の見慣れた風景を見るとなんだかホッとする。

 板橋区役所前、環七、志村一里塚、を越えて高島通りに当たると板橋区西台のランドマーク、ダイエーが見える。

 私はダイエーの近辺で停めてくれるようにお願いをした。

 そしてタクシーから降りると一旦背伸びをしてから歩き始めた。

 私の住んでいるマンションはこの近辺だ。

 実を言うと仕事の利便性を考えて板橋区に住んでる訳ではない。

 一応、隣町の高島平に両親は住んではいるが両親の為でも無い。

 本当の理由は趣味の為だ。

 駅前に大手チェーンの書店「文学堂」があり、マンションから歩いてすぐの所に大型の古本店ブックオフもある。

 そして自転車で行ける範囲にシネコンがあり、赤羽にはミリタリー専門店もある。

 私のような内に篭る性格の人間には歩いてや自転車で行ける範囲に

 趣味で活用する施設がある事は非常にありがたい。

 というか趣味をするのに都合のいい所に引っ越した。といった方が正確かもしれない。

 一応世間では私の事はカリスマモデルという事になっているので、セキュリティはある程度かけられているマンションに住むよう事務所から言われている。

 そしてタイミングよく西台にしては珍しいオートロックの高層マンションができたからそこに入居した。

 これが出来なければ事務所が用意した所に住むハメになっていただろう。

 そうなると今の趣味が行えるかどうか非常に怪しくなる。

 モデルもそうだが芸能人はイメージというものがつきまとう。

 売れっ子の男性アイドルが趣味で「美少女フィギュア」を集めてました。なんて事が世間に知れ渡ったら死活問題になるかもしれない。

 う~ん。正直この例えもどうかと思うが…。

 平たくいうと世間が『勝手に』イメージしている人間像を芸能人は演じなければならないのだ。


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