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私の小失敗の本質  作者: リノキ ユキガヒ
報告「秘密と秘密」
20/41

趣味≠救い

 常々周りの方々には悪いと思いながらも私はこのような生活を続けていた。

 仕事も趣味も失いたくない一心でこのような事に及んだのだが、これがいつまでも続けられると思うほど私も馬鹿ではない。

 それは歴史が証明している。

 かつてのナチスドイツがヨーロッパ戦線とソ連戦線の二正面戦を実行したようにいずれは破綻することは目に見えている。

 しかしながらこれらを打開する妙案がある訳でもない。

 これから先の事は正に天のみぞ知るだろう。

 いや、このままノンビリ構えてていいものだろうか?事態は刻一刻と変化している。

 事がバレて芸能界を引退するハメになるか?仲間から総スカンを喰らうか?事態はどうなるか解らないが現状を維持し続けるのも精神衛生上よくない。

 映画「硫黄島の手紙」にもあったように日夜続く艦砲射撃と空襲で精神的に参っていくような兵士のような感じだ。

 私自身がどこかで耐えかねて暴発しなければよいのだが…。

 しかしながら打開案が浮かばないのであれば現状に甘んじるしか手はない。

 タイミングをみてカミングアウトする必要はあるとは思うがそれをする勇気はない。

 かつての大本営のように大敗をきっしているのにそれを発表せず、ズルズルと来ているようなもんだ。

 このまま行くと結果はおのず見えている。

 先程から思考がまとまらず同じ事をグルグルと考えてしまっている事に気付いた。

 よくない事だ。

 そう気付くと私はパソコンの部屋から出てリビングへ向かった。

 テレビの脇にあるマガジンラックには雑誌「丸」のバックナンバーが入っている。

 しかし今はそんな気分ではない。

 ソファにゴロンと寝そべると天井を仰いだ。

 今日は折角のオフなのに朝からネガティブな事ばかり考えてしまっている。

 気分転換になるようなDVDでもと、ラックを見てみるが戦争映画のコレクションばかりで、今の気分を変える事には役にたちそうにない。

 こういう時自分の趣味が恨めしく思う。

 戦争に関する事はネガティブな内容である事が多い。

 兵器の構造を調べるのであればそういった事はないのだが、そこには必ず人間が絡んでくる。

 それもそのはず兵器とは人間を殺傷する為に作られるのだから、そういった事を調べるとおのずと人体への影響に関する記述を目にする事になる。

 ネガティブな思考の時にそのようなものを目にすると余計に気が滅入ってしまう。

 このような事になる度に私は自分の趣味が煩わしく感じる。

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