考察①なぜ惹かれる?
軍事マニアというものは世間一般的には何かアブナイ人と思われがちである。
しかしそれはあくまで軍事マニアの一面しか見ていないといえる。確かに
「人間が20ミリ機関砲弾をまともに喰らうと腕が吹き飛ぶ」
とかをニヤついた顔で言われば免疫の無い人は嫌悪感を示すだろう。
だが彼らは決して好戦的な人種では無い。兵器の恐ろしさ、戦争の悲惨さを人一倍知っているがゆえに「戦争」を妬み嫌う。
そしてそれ以上に無茶な作戦を立案した司令官を親の仇のように扱う。
「戦争は外交の一手段に過ぎない」(カール・フォン・クラウゼヴィッツ)
そう言われてはいるがそれでも彼らは国家的な危機が訪れない限り「戦争」という言葉を使うのをためらうだろう。
しかしそこまでして嫌うものに対してどうしてそこまで惹かれるのか?
この事に明確な答えを出せる軍事マニアは少ない。きっかけは確かに
「戦闘機がカッコいい」
からとかだが、調べるに連れて徐々に見え隠れしてくる極限の物語に魅了されていくのではないのか?
例を挙げれば
「旧式のF104シューティングスターで当時最新の戦闘機F15イーグルを撃墜した。空自のパイロット」
「一両を破壊するには4両のM4シャーマン戦車が必要といわしめたナチスドイツのタイガー重戦車」
「水爆実験の爆風に耐え、人しれず沈んで帝国海軍最後の意地を見せた。戦艦・長門」
映画の題材のようなエピソードに出会えるのも魅了の一つかもしれない。
事実。映画になってヒットになったものもある。有名で名作といわれているのが
「戦場にかける橋」
「Uボート」
「メンフィスベル」
などだろうか?ほかにも実話を題材にしたドラマや映画はごまんとある。だれしも一度位は見たり聞いたりした事はあるだろう。
ただ単に兵器を一つのモノとして扱う事は軍事マニアにとっては極めて稀な事であり、それは表面上しか見てない事の証拠でもあるのだ。
そこには必ずドラマがあり色々な人々が関係しているのだ。
これは何も兵器だけに限った話しではない。
戦略や戦術も軍事マニアにとっては興味の対象になる。
戦略や戦術は必ずと言っていいほど時代の波に翻弄される。
その波に抗い埋れたもの。
その波に乗り勝利を収めたもの。
そして新たな波を作り出したもの。
時代という見えない敵を相手に戦いを挑み敗れたものと、勝ち進んだもの。
ともかく軍事マニアというものは世間一般的に思われているほど簡単なものではないのだ。