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違和感

ちょっとグロ目のシーンがあります。苦手な方はご注意ください。


 早朝、カースたちが泊まる宿から、三人の男たちが姿を現した。


「さて、行くか」


 そのうちの一人、太った貴族の男が老人に話しかける。プラリーニョ伯爵に呼ばれて昨日この街を訪れた貴族だった。


「そうですな。いやしかし、彼が用意したこの宿はなかなかにいいものでしたな」

「そうだな。これからのことを考えるとここでゆっくりできたのはありがたい。あの時からお前の手配に間違いはなかったからな。だからこそ、こうして今も任せておけるというもの」

「はは、ありがたいお言葉です。まあ、あの時は私が一番若かったからいろいろと動き回っていただけですがね。その時の知識が今役に立っていると、ただそれだけです」


 執事の男は見た目通り二人に比べればそれなりに若い。見る人が見れば二十台でもん通りそうな雰囲気すら醸し出していた。実際には、太った貴族の男は四十前半、彼は三十半ばと、そう大きな違いはない。それでも二人に比べれば一応若かったためつかいっぱしりのようなことをしていたという過去がある。


「で、どういったルートで行くのだ?」


 老人はそのひげをなでながら、のんきに尋ねる。


「もちろん、先に周りを固めてからだ。ローマンがすでにある程度の情報を集めてあるから、それをもとに潜入だ。……まだ腕は鈍ってないよな?」


 太った男がそういって挑発的に答えた。

 その言葉に返事は来ない。執事――ローマンと呼ばれた男と老人は、ただあふれ出る歴戦の強者特有の気迫でもって答えたのだ。


 三人の雰囲気が貴族や執事、あるいは一線を離れた老人のそれとはすっかり変わり、まるで現役の戦士のようなものとなっていた。それは到底、この後貴族のもとに訪れようというものの気配でないことはだれの目から見ても明白だった。



=========



 翌朝。特に何事もなく目が覚めた。しかし、もうすでに何度も経験している異世界で迎える朝とは言え未だ慣れきっていないことはある。その原因であるすぐ隣の存在に目を向ける。そこにはアイリーンがいた。

 俺は蜘蛛が眠るのかどうかなんか地球にいた頃ですら聞いたことがない。だが、一つだけ言えることは、アイリーンは同じベッドでごく小さいながらも寝息をたてているということである。


 つまりは、アイリーンと同じベッド(・・・・・)で一夜を明かしたのだ。


 なんと、初めにグミに聞いたときに二人で泊まれる部屋が確かにあるにはあったのだが、それがこのダブルベッドがある部屋だけだったのだ。しかし、グミは二人組で旅をしている者は大抵その手のことを気にしなかったのでそれでいいと思ってしまっていたらしい。実際、この世界の冒険者や分け合って旅をして渡り歩いている者は、コストや質は気にしても、同性同士や仲の良い二人組であれば、同じベッドで一晩を過ごすなどはそれほど気にしないようだ。


 そして、前の宿に泊まった時も確かにアイリーンと同じ部屋で寝たが、さすがに同じベッドではなかった。ゆえに、全く慣れていない。もちろん地球でも、女性と、しかも美少女と同じベッドで寝たことなどないのだから当たり前である。ちなみに円とは仲は良かったがさすがに同じベッドで寝たことなどない。

 まあ、俺も窮屈にならない部屋って要望を出した記憶があるし、そのおかげか部屋は確かに広いからそこまで不満はないんだけどな。


 と、なんとなく目が覚めてからアイリーンを観察していたからか、アイリーンが目を覚ました。


「……ふう。あ、カース様、おはようございます。」


 ……ふう? なんだそのまるで一仕事終えましたとでも言いそうな第一声は。え、寝てたんだよね? 実は寝たふりだった? なんか目を瞑っていてもできるようなことでもしていたのだろうか。そんな作業あるのだろうか。


「あ、うん。おはよう。よく寝れたか?」


 とりあえず無難に返事をしておいた。


「え、ああ、はい。そうですね。一応、よく寝れました。隣にカース様もおりましたし」


 アイリーンの反応を見るにいつも通りに平然と返事できていなかったようだが、ここは流しておこう。 


 そのまま、軽く身支度を整え朝食を食べに向かった。

 ……そういえば、アイリーンっていろんなところで糸を張って周囲の警戒をしてたはず。もしかしてそれが、目を瞑っていても、どんな体勢でも普通にできる作業なのか?



==========



 朝食は意外とシンプルなものだった。

 宿が宿だから、どんなものがでるのだろうと、どきどきしていたが出てきたものはザ・朝食と言いたくなるような品揃えだったが別に不満はない。確かに期待していたものとは違っていた気がしないでもないが、これはこれで個人的には有りだ。むしろ満足している。

 なにせ、異世界でそれっぽい朝食にありつけるとは思っても見なかったからな。

 因みにどんなラインナップだったかと言うと、コーンクリームスープとレタスのサラダ、目玉焼きにベーコンとソーセージを添えたもの。そして、トーストとそれに塗るバターである。実にそれっぽい朝食だ……個人的意見だが。

 さらに、味が想像を超えていたのも満足している理由の一つだ。朝食に出てきたもの一つ一つがかなりのレベルのものだった。コーンクリームスープは、大粒のコーンがたっぷりと入っており、そこに、出来立てと思われる香ばしいクルトンもいくつか一緒に浮いていた。当然スープ自体の味も、濃厚でありまろやかでコーン特有の甘みを引き立てつつも決してしつこくない絶妙なバランスでまとめられていた。レタスのサラダも、シンプルながら、きっちりと新鮮なレタスを使っているようで歯触りがよく、シャキシャキと音を立てていた。さらに、予めかかっていた特性のドレッシングもまた素晴らしかった。酸味のある調味料をベースとしたドレッシングで、しつこくなく、さっぱりとしていてレタスを引き立ててかつ食べやすくしていた。勿論箸休めに合間合間に摘まむのにも最高の味だった。そして目玉焼きだが、こちらもまた美味かった。いい卵を使用しているのであろう黄身の張り具合にほかの料理とのバランスを崩さない、かつ白身はすぐに崩れないしかし黄身が堅くなりすぎない程度の絶妙な焼き加減。味はさすがに好みが分かれることが分かり切っているためかつけられていなかったが、恐らくベーコンやソーセージなどと一緒に焼いたためか、香ばしい旨味が染み込んでいたのでそのままで食べてもおいしいというのがまた素晴らしかった。その一緒に焼いていたであろうベーコンも厚すぎず薄すぎずの厚さで切られており、それを堅くなりすぎない程度の柔らかく、火が通っていて、肉汁が染み出る素晴らしい状態で提供されていた。ソーセージもパリッと弾けるような焼き加減の皮に、ぎゅっと閉じ込められたら肉汁が絶妙なハーモニーを奏でていた。トーストは堅すぎない程度にサックサクの表面とふわっふわの中身が全ての料理を引き立たせていた。


 とまあこんな感じの朝食であったために、満足していたわけだ。俺も、アイリーンも。そう、あのアイリーンも絶賛していたのである。素晴らしいクオリティだったのは疑いようがない。


 そして、現在俺たちは宿の外、街の大通りを歩いていた。

 目指すはこの街の中心のもっともこの街の中で大きい建物。もちろん、本来の目的のためだ。


「アイリーン。このまま真正面から向かっても問題ないかだろうか?」


 なんとなく話すことが思いつかず、そんなことを尋ねる。


「そうですね。正直カース様であればどこからいってもさして問題にはならないと思います。まあ、相手はろくでもないことをやっているわけですから苦言くらいは、カース様が竜だとわかっても言ってくる可能性はありますが、そのような戯言聞き流せばよいでしょう。もちろんご指示があれば汚い口を開く前に消すことも可能です」

「いや、さすがにあって即さようならでは、わざわざ来た意味がないのでやらないでもらえると嬉しい」

「承知しました。我慢します」


 うむ。他に選択肢がないから正面以外は特に考えていながったので、完全に時間つぶしに振った話題だったんだが、話しかけなければ則死亡ルートだった可能性があったとはな。なんとなくでも話は振ってみるものだ。人間声に出さないと伝わらないことの方が多いからな。うんうん。


 そのあとも、とりとめもない会話を振りながら歩き、目的の屋敷が近くまで迫ってきたころ。

 アイリーンが突然剣呑な雰囲気をまとわせ、口を開いた。


「……カース様、何者か、いえ、何者かが屋敷に接近してきております。一晩では隅々まで糸を張ることができなかったので正確な人数や会話までは聞き取れませんが、少なくても二十人は下らず、目的は確実にあの屋敷です」


 おや? どうやら団体さんがあの屋敷に用があるらしい。うーむ。大人数ってことはあの屋敷の兵士とかかな? もしかしたらクーデター的なことを目的とした集団って可能性もあるか。でも昨日グミから聞いた話だとこの町の人間はなんだかんだ言ってそこまで恨みがたまってる雰囲気じゃなかったな……。


「アイリーン。その集団は伯爵が抱えている兵士だとかの可能性はあるか?」


 正直、その集団が兵士だとは思っていないが、それでも一応アイリーンに確認を取る。

 アイリーンはほんの数秒考えた後、答えを教えてくれた。


「そうですね。恐らく、それはないと思います。兵士が町中から帰ってくる、という可能性は確かにございますが、いくら何でも人数が多すぎます。多くてもせいぜいが四、五人でしょう。極秘で持っている諜報部隊などの可能性も全くないとは言いませんが、集団で行動するのはさすがに不自然です。となれば十中八九、伯爵にとっての招かれざる客でしょう」

「そうか。なるほど、ありがとう」

「それでは、いかがなさいますか? このまま行ったところで、カース様でしたら、障害など一蹴できるかと思われますが」


 確かに多少の障害など意に介さず進めるだろう。もし、その集団がクーデターをたくらむ集団だったとしても、俺たちに対する被害はたかが知れているはずだ。しかし、別段俺は竜の姿をさらすことを画しs手はいないとはいえ、無用な混乱を招く必要もないと考えている。このまま行って、それこそクーデターにでも巻き込まれれば、それを街の連中がやったのだとしても、奴隷のことは町中に広がり面倒なことになるだろう。わざわざ大げさに広めるつもりは、被害者のことを考えても俺自身の手間のことを考えても、ありえない。被害者家族は探していたりで情報を欲しているかもしれないが、どうせ、帝国の中央にまで保護などの話を持ち込むつもりなのだ。であれば、そちらから被害者家族に伝えてらった方が確実だろう。ただ情報を伝えるだけでも竜の俺が出張るとそれだけで騒ぎが大きくなるしな。

 もちろん、あまりにも先客の用事・・が大事になるようならば、間に入ることも考慮しなければならないのは確かだが。


「少し、様子を見よう。俺の正体を隠すつもり自体はないが、わざわざ騒ぎを大きくしたいとも、広めたいとも思っていない。それよりもできれば、今のうちに、アイリーンにはこの屋敷周辺に、糸を張り終えておいてもらえるとありがたい。ちなみにここから、宿あるいは宿周辺の町中までなら情報は伝わるよな?」

「なるほど。承知いたしました。確かに、宿周辺ならば十分このあたりの意図の情報は得られます。おまかせください。何か、厄介なことになりそうでしたら、すぐにお伝えいたします」

「ああ、頼んだ」


 そして、アイリーンは、少しばかり集中するように目を閉じ動きを止めた。どうやら、むしろ集中して糸を張る時は目を瞑るみたいだな。朝の時はやっぱり糸を張っていたとみてよさそうだ。



=========



 アイリーン曰く、糸を張り終え、謎の集団もいったん息を整えているのか動きを止めたらしいので、俺たちはいったん宿に引き返していた。


 そうして、宿が近くまで来たとき、妙に町中が騒がしいことに気が付いた。


「ん? 何かあったのか? なにやら、人が集まっていっているようだが……」


 俺のその言葉に、アイリーンがわずかに首をかしげながら答える。


「おかしいですね。私の糸には特に反応はありません。宿の周辺にも張っていますので、あちらで何かあれば、何かしら察知できるはずなのですが……」


 その瞬間アイリーンが険しい表情へと変わった。まるで独り言をつぶやくように、自分の中で言葉を整理し、声にだし、確認するように言葉を紡ぐ。


「……いえ、特に反応がないなどと言うレベルではない。そう――何も反応がない(・・・・・・・)。それがそもそも、おかしい。普段なら、気にも留めないが声が聞こえる、振動が伝わる、そこにいる誰か氏らの気配を感じられる。それが何一つとして感じられない!」


 それは、暗にありえないといっているような状況。俺は短い付き合いでもアイリーンの糸の性能くらいは実感している。さすがの俺でもわかる異常。アイリーンの語気が最後に荒々しくなったのも、アイリーン自身の、ありえない、という心境を表していた。

 そしてアイリーンが俺に向き直る。


「カース様、事前に察知することが出来ず申し訳ありませんでした。そして、遅ればせながら報告いたします。確実に、宿及びその周辺で異常事態が発生しております」

「そうみたいだな。少し先を急ごう」



========



 そうしてまず俺が見たのは俺たちが泊まっていた宿の周辺に集まる野次馬と、おそらくこの街の衛兵であろうものが顔色を青くし、野次馬の相手と、宿で起こったなにがしかの対応に右往左往している。


 野次馬の動きを観察し、体の揺れに合わせてわずかに相手を押し隙間を作りつつ、できる限り迷惑にならないように、人と人の間をすり抜け前へ進む。


「なんだこれは……」


 そこには、地球の記憶がある俺にとっては――いや、先ほどの衛兵の反応を見る限り、この世界の者にのとっても、非現実的な光景が広がっていた。



 赤。


 血。


 肉。



 宿の中は真っ赤に染まり、同じく真っ赤な水たまりが床にいくつもできていた。その部屋を染める赤は、床の水たまりは、誰が見ても一目瞭然な液体。


 すべてが、血だった。


 そして床には水たまりと同じかそれ以上の量、何かが転がっていた。そのすべてが何かの肉片。いや、もう何かなどと言わなくても誰もが予想できるであろうもの。――者。


 どう考えても、宿の客、そして、従業員だろう。


 もう誰が誰であったのか、その情報が得られるものはほとんど残っていない。服の破片ですら血にまみれ赤一色だ。


 ふと、視界の隅に、この店の従業員、具体的には、グミの着ていたものと同じ模様の服の切れ端がちらついた。グミが都合よく外出していた、ということはまずないだろう。きっとグミも同じように肉片となっているはずだ。いや、なっている。その服の切れ端の近くには、昨日の夜に見たばかりのグミの髪が、かろうじてわかる程度に皮膚にくっついた(・・・・・・・・)状態で散らばっていたのだから。


 この光景をいつまでも一般人は見ていられるだろうか。ただの一度も瞬きをせず、隅から隅までを見渡し、つぶさに観察などしていられるのだろうか。いや、普通は青ざめるなりの反応を見せるはずだ。しかもその中に昨日まで仲よくおしゃべりでもしていたような人間が混ざってしまっていれば、吐き気でも催したっておかしくはない。


 では、なぜ俺はこうして平気で立っていられるのだろう。観察していられるのだろう。これはきっと種族が――――――――――はあ……いい加減、認めよう。ここまで来て、気が付かないで、気が付かないふり(・・)で流すことはさすがにできはしそうにない。俺の覚えてしまったこの違和感はぬぐえない。


 いくらなんでもおかしい。

 この光景が、ではない。俺自身が、だ。



 俺は、微塵も、心が揺れていない(・・・・・・・・)



 気持ちが悪いとも、哀しいとも、恐ろしいとさえ、この光景を見ても思えない。ただ目の前に広がる惨状をあるがままに受け止め、受け入れている。


『ああ、人が死んでいる』


 たったその一言で、このあまりにも異常な状況を流そうとしている。

 確かに、盗賊を殺した時も似たようなものだった。でも、あの時と今では明確に違うものがある。交流があった人間に対して抱く感想としてはいくら何でもおかしすぎる。


 種族が違うから? 相手が悪人だったから? そんな言い訳ではもう説明しきれない状況にいるのだ。


 俺はこの世界にきて、どこかおかしくなってしまったのだろうか。初めのあの盗賊とのやり取りで狂ってしまったのだろうか。わずかにだが、急に自分自身が怖くなった。


 いや、この世界には、種族ごとに特性というか特徴のようなものがある。アイリーンに聞いたときにも竜には厄介事を引き寄せる特性のようなものがあったはずだ。ならば、この感情は、その一種なのだろうか。竜は他者の死に対しなんの感情も抱かないような種族なのだろうか。

 たとえそうだったとしたら、きっとそれは心を持った生き物としてはすでに死んでいるようなものだろう。


 ああ、別にどっちであろうと構わない。いずれにせよ、異常なのに変わりはないのだから。


 少なくとも、たった今、俺に優先して目指すべき目的が一つ増えた。これは、早急に他の竜に合わなくてはならない。きっと、この疑問を解決する答えを持っている者がいるのだとすれば、同じ竜くらいだろうから。


 ふっ、と視界が開けるように、思考の海から現実へと帰還する。今の今まで、自分自身に感じた感情に集中しすぎて、周りの音すら入ってこなかった。


「おい聞いたかよ。ついさっき、入口のすぐ近くで”傷の旅団”って書いてあった紙が見つかったんだとよ」


 傷の旅団? 昨日話に出てきたな。


「またか……。確か最近やり方がえぐくなってるんだろ? おれ、今回初めて現場を見たけど、正直、今すぐに離れたい気分だよ。ここまでだとは思わなかった。これ、えぐいなんてレベルじゃねえよ。もはや、人間がやったのかすら怪しいって」

「確かにそうだなぁ。……全く、はじめはろくでもない噂のある貴族しか狙っていなかったって話だったのになぁ……」


 確かにこれを人間の手でやったのだとしたら、かなりの力を持った者の集団ということになる。

 それに、貴族のみを狙っていた? 確かにアイリーンは、旅団は領主館を襲っていた、と言っていた。いったい何があったら、こんな方法で平民を殺すようになる?

 ふと、この惨状を作ったものは特に理由もなく、いや、楽しんでこの状況を作ったのでは、とそんな気がしてしまった。


「カース様」


 今まで静かにしていたアイリーンが話しかけてきた。この光景を見ても静かにしていられたのはひとえにアイリーンが、たとえ一度話した相手であろうとも、大した価値を見いだせていなかったことが原因だろう。もちろんアイリーンの糸が機能していなかったことも気にしているようだが。


「どうした?」

「はい。例の集団に動きがあるようです。会話はほとんどありませんでしたが、わずかに交わした言葉から察するに、目的は領主へ対する襲撃です」


 どうやら、クーデターと似たようなことが目的だったようだ。しかし、隠密で、素早く築かれぬようにやってくれるのであれば何ら問題などないのだが、アイリーンがこうして話しかけてきた時点でアウトなのだろう。


「それでその集団は何をする気だ?」

「魔石の魔力を暴走させ、爆発させようとしているようです。個数もかなり用意していますね。ちなみに威力で言えば、大きさから考えて一つで人を三、四人は殺せる威力ですね。確かに個数的には屋敷を破壊するのには十分そうです」


 爆弾みたいなものか。


 はあ……。こんな時にいろいろと面倒事が重なりすぎだ。まあ仕方がない。どちらにせよそこまで大事になりそうなら、どうあがいても手を出すことになるだろう。すぐ目の前でそのようなことをされては手を出さずにいるとすっきりしなさそうだ。


「わかった。屋敷に向かうぞ。場合によっては戦闘もあり得る。相手の力量は不明だ。心してかかれ」

「承知しました」


 ちょうどいい。ついさっき感じたもやもやとフラストレーションをわずかにでも解消させてもらおうじゃないか。


これほどまでに遅くなってしまって申し訳ございませんでした。いろいろと展開に迷っているうちに筆が進まなくなってしまい、今になってしまいました。今回の展開で行くと決めたので次は今回ほど遅くなることはないと思います。誠に申し訳ございませんでした。

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