松谷みよ子さんを悼む(600文字)
去る2月28日に松谷みよ子さんが
老衰のため89歳で亡くなった
不肖49歳の短詩型文学を愛する私にとっては
松谷さんはヒロインであるはずのところが
むかしから「龍の子太郎」には違和感があって
「龍の子太郎」といわず
いわゆる創作童話全般に違和感があって
「まんが日本昔ばなし」なんかで
原作が創作童話だったりすると
おい その話の展開はないだろう と
たとえば昔々弥七が女房をもらったとする
弥七は女房ととても幸せに暮らしておった
あるとき 女房が不測の事態に陥り
弥七がぼっちになったとする
そして 気がついたらすべては夢だった と
こういうテイストが
現代の創作童話には少なからずある
「龍の子太郎」にも微妙にそういうテイストがある
少なくとも子どもの私は
敏感にそれを感じ取っていた
このたび松谷みよ子さんが亡くなられて
いろいろな追悼記事を眺めていたなかで
毎日新聞の木村葉子さんが
次のようなコメントを書きしるした
以前、取材した時のこと。
「龍の子太郎」の著作秘話を聞くうちに
「食っちゃ寝ばかり」の太郎に、記者の息子のことが重なり愚痴が出た。
松谷さんは「なまけものは大成するから遊んでばかりいても大丈夫」
と、笑い飛ばしてくれた。(毎日新聞3月9日(月)23時30分配信 )
キタァァァァァァァァァァァ!!!
ハーイ ハイ オレ オレ
これはまさしく 俺以外の何者でもない――
松谷さん あなたやっぱり いいこと言うよ
いままで語ってくれたお話のなかで
いちばんじーんときたよ