アルビオン王国軍(組織・階級)
アルビオン軍の組織
アルビオン軍は首相が議長を務める「国防会議」が政策を決定する。国防委会議の下部組織として軍務卿が委員長となる「宙軍委員会」があり、ここで方針を決定する。
「宙軍委員会」は軍務卿、統合作戦本部長、連合艦隊司令長官、宙兵隊司令長官、地上軍司令長官の五名からなる。
「軍務省」は艦隊の編成や人事、物資の調達などの軍政を担当し、軍務卿が長を務める。
「統合作戦本部」は艦隊の行動方針を立案する組織で、統合作戦本部長が長を務める。統合作戦本部はアルビオン星系に本部を置くが、最前線であるキャメロット星系に前線本部が置かれている。前線本部は副本部長が統括し、実質的な作戦の立案等はここで行われている。
「連合艦隊司令本部」は軍事の実務を担当する組織で、アルビオン連合艦隊司令長官が長を務める。軍務卿、統合作戦本部長、連合艦隊司令長官が軍事三長官と呼ばれている。
「軍務省」の下部組織には「国家安全保障局」、「国防司法局」、「国防兵站局」、「兵器開発局」「国防人事局」などの「局」がある。基本的に官僚が務めるが、艦隊から出向の形で局長になる場合もある。特に兵器開発局の局長は研究部門の軍人が務めることが多い。
「統合作戦本部」の下部組織には、「作戦部」、「戦略・戦術研究部」、「諜報部」、「戦史記録部」などの「部」がある。「作戦部」、「戦略・戦術研究部」、「諜報部」はキャメロット星系に置かれ、それぞれ少将が部長となる。
「連合艦隊司令本部」は「アルビオン防衛艦隊」と「キャメロット防衛艦隊」の上位機関である。
「アルビオン防衛艦隊」及び「キャメロット防衛艦隊」は十二の正規艦隊と星系防衛軍(要塞守備隊、地上軍、気圏航空隊)からなっている。防衛艦隊の指揮は連合艦隊司令長官が行うことになっており、第一艦隊に配属されている総旗艦に座乗するが、実際には防衛艦隊司令長官を兼ねる第一艦隊司令官が指揮を執ることがほとんどで、連合艦隊司令長官は要塞で全軍の指揮を執ることが多い。但し、司令長官が猛将型の将官の場合、第一艦隊司令官を兼務する場合もある。
総参謀長は通常中将がなり、司令長官に助言する。総参謀長の下に「参謀本部」があり、「作戦班」、「運用班」、「情報班」、「後方班」、「陸戦班」などの各班で組織され、防衛艦隊全体の計画を立案する。各班長はそれぞれ少将がその任に当たる。
各艦隊司令官は五千隻からなる艦隊の指揮を執る。司令長官が不在の場合で複数の艦隊が共同で作戦に当る場合は、事前に決められる場合を除けば、先任順で指揮権が決まる。但し、第一艦隊司令官は防衛艦隊副司令長官を兼ねるため、先任順に関わらず、優先的に指揮権を有している。
交戦についての最終的な決定は本国、アルビオン星系の王国議会での議決、首相が議長を務める「国防会議」で承認、国王が裁決する。
階級
宙軍大将、宙軍中将、宙軍少将
准将
宙軍大佐、中佐、少佐
宙軍大尉、中尉(2ndレフテナント)、少尉(3rdレフテナント)
准士官(ワラントオフィサー:通常は職位で呼ばれる掌帆長、掌砲長、操舵長など)
下士官(プティオフィサー:同上)、兵
士官候補生
陸兵については上記と異なる呼称になる。
標準的な士官の年齢:
少尉:19~23歳
中尉:21~29歳
大尉:24~(40歳)
少佐:28~(45歳)
中佐:32~
大佐:36~
准将:39~
少将:42~
中将:45~
大将:48~
通常の最短の出世コースでは、士官学校の席次が高く、19歳で少尉に任官。2年(21歳)で中尉、3年(24歳)で大尉、27歳で上級士官コースに推薦され28歳で駆逐艦の艦長(少佐)に就任、駆逐艦2隻で指揮を執り、4年後32歳で軽巡航艦の艦長(中佐)、更に重巡航艦の艦長を経て、4年後36歳で戦艦の艦長(大佐)
戦時では更に昇進は早まる。
少尉と中尉は年功で昇進することがあり、上限年齢以上は少ない。大尉と少佐の上限側の年齢はその年になったら退役して民間に行くことが多いことを表しているだけで、強制的に退役させられるわけではない。
士官候補生について
士官候補生になるためには、アルビオンのオベロンにあるグラスゴー士官学校とキャメロットのランスロットにあるライオネル士官学校の2校に入学する必要がある。
士官候補生になるには、騎士以上の家系に生まれることが必須で、平民の子が士官候補生になるには騎士の家の養子になるか、戦功による推薦が必要になる。
通常は15歳から士官学校に入学するのが、一般的。入学と同時に下士官待遇となり、給与も支払われ、成人としての権利を有することになる(通常は18歳から)
士官学校は4学年で全寮制。指揮、戦術、操船、航法、砲術、通信、主計など専門分野と一般教養(歴史、数学、物理、化学など)を学ぶ。
最終年次に訓練航宙があり、その後終了試験を経て、士官候補生(准士官扱い)となる。
卒業時に100位以内の者は成績優秀者として卒業式に出席できる(通常はヴァーチャルでの出席)。首席は国王の代理から恩賜の短剣を受け取り、更に襟に徽章を付けられる名誉が与えられる。恩賜のダークは100位以内の者が受け取る。
士官候補生は各配属先で上官(佐官以上)の推薦を得て、初めて士官登用試験の受験資格を得る。
通常、士官登用試験の受験までに掛かる期間は早い者で一年、通常は二年程度。
試験は面接による口答試験のみ。不合格の場合は半年以上の期間を経てから、再受験が可能。この場合は再度上官による推薦が必要。
合格した場合は、宙軍本部のコミッションを受けて少尉に任官する。少尉任官後は配属先が変わるのが通例。
訓練航宙:
退役した巡航艦や駆逐艦を利用した練習艦を使い、士官としての実習を行う訓練。練習艦は約500隻あり、一艦に30名程度の士官候補生が乗り込み、指揮、航法、戦術、情報、応急対応などを学ぶ。期間は約二ヶ月。実際のCICとシミュレータ2台を使い、3つの班に分かれて訓練を実施。訓練はキャメロット星系で2週間程度の習熟航宙を実施。その際に500隻で艦隊を構成する。その後、スパルタン星系に移動し、艦隊運動を学び、最後に模擬戦闘を実施する。
練習艦隊の司令官は少将で、退役前のベテランが多い。
練習艦ハートオブオーク137:
退役した重巡航艦を利用した練習艦。30人の士官候補生が乗り込み、2ヶ月間の訓練航海を行う。武装はあるものの、ミサイルとカロネードは模擬。乗組員は予備役のベテランで構成される。士官は艦長、航法長、戦術士、情報士、機関長、主計長で、担当教官が士官たちを補佐する。
上級士官コースと参謀養成コース
アルビオン軍の士官は士官学校を卒業し、士官候補生を経て任官できるが、大佐以上の上級士官となるためには、上級士官コース、いわゆる艦長コースか、参謀養成コースを受講する必要がある。
上級士官コースは少佐又は大尉が将官の推薦を得て、初めて受講できるもので、士官全体の10%未満と言われている。上級士官コースを受けていない場合、平時では中佐が、戦時であり、多大な功績があっても中将以上にはなれないと言われている。(戦死での進級は別)。
通常は半年間の地上任務となり、徹底した教育が施される。
上級士官コースは別名艦長コースと呼ばれているが、これは指揮官を育てるためである。
指揮官の素質がない者にも優秀な人材がいるため、参謀養成コースという教育プログラムも用意されている。中佐から大尉までの優秀な士官に対し、艦隊参謀本部の推薦を受けて受講が可能となる。
参謀養成コースは、作戦、運用、情報、後方の四つに分かれ、作戦は戦術士官、運用は航法士官、情報は情報士官、後方は主計士官用である。
参謀養成コースを受講した場合、艦長となることは非常にまれで、戦隊司令官などの指揮官になることもあまりない。