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国家・星系関係

アルビオン王国

 アルビオン王国はイギリス系移民が初めて移住したと言われる星系国家であり、1000年前の第3次銀河動乱で新銀河連邦の崩壊により独立した国家。独立後、第三銀河帝国時代の王制を復活させている。

 総人口は75億人。王政を敷いているものの実態は立憲君主制で首相以下の内閣が行政を担当している。

 王族、貴族、騎士、平民の身分制度がある。

 騎士に特権はほとんど無く、平民は特に身分差は感じていない。

 貴族は公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵の五爵があるが、広大な領地はなく、屋敷とそれに見合った土地が与えられる程度。


 アルビオン王国は議院内閣制であり、上院と下院の二院制。

 上院は伯爵以上の貴族からなる貴族院であり、国王(女王)及び枢密院(公爵家及び内閣により任命された閣僚からなる)により任命される。

 下院は18歳以上の全貴族、全市民による普通選挙により選出される議員により構成。

 但し、アルビオン星系とキャメロット星系間の距離(35パーセク)のため、内閣、上院、下院は国防、外交などの全体案件のみに関与する。

 各星系には自治政府があり、自治政府にも内閣、上院、下院が存在する。キャメロット星系政府は緊急時には王国政府に代わる権限が認められている。

 いずれの政府も下院の優越性が認められており、上院には修正案提出権などがある。

 首相は下院から選出されるという不文律があるため、上院議員になる資格を持つ伯爵以上の政治家も下院議員になることがある。


 国王(女王)には首相の任命権、宣戦布告権などがあるが、いずれも議会で決定したものを承認するだけである。現在の国王はジョージ15世(4458年生まれ、4495年即位4528年死去)。国章は一角獣と獅子で一角獣がアルビオン星系を、獅子がキャメロット星系を表している。王室のファミリーカラーは白。

 国王がアルビオン、王太子がキャメロットに常駐している。このため、王太子はプリンスオブキャメロットの称号を持ち、キャメロットでは国王以上に人気が高い。

 この政策はキャメロットの独立を防ぐ意味がある。次代の国王である王太子がキャメロットにいるため、王太子を担ぎあげて独立する方法が取れない。また、王太子はキャメロットに長期間いるため、王になっても愛着があり、国民も国王に忠誠心を持ちやすいという狙いがある。


 二大政党制で現在与党の保守党とリベラルな民主党が存在する。保守党は対ゾンファ強硬政策を支持し、軍部とのつながりが強い。一方の民主党は経済界とのつながりが強く、武断的な政策には反対の姿勢を示す。4501年の第三次ゾンファ戦争時に民主党が政権を担っていたが、奇襲を受けるという失態により、政権の座から転落する。近年、民主党の党勢も回復し、一時は三割を切った議員数も四割を超えるところまで盛り返している。

 伝統的にキャメロット星系自治政府議会では保守党が強く、アルビオン星系自治政議会では民主党が優勢であるが、アルビオン議会でも先の戦争で保守党の勢力が過半数を確保した。


 アルビオン星系は、長い惑星開発によりほぼ地球と同じ環境を持った第三惑星オベロン(首都星)とやや寒冷な第四惑星タイタニアがある。

 オベロンは公転周期350日、自転周期24.1時間とほぼ地球に酷似している。タイタニアは公転周期710日、自転周期24.7時間と火星に近い。

 主星アルビオン(G3型)、第一惑星イグニス、第二惑星ギリードゥ、第五惑星(木星タイプ)ゴグマゴグ(衛星スプリガン)、第六惑星ノグル、第七惑星ラナンシー。総人口は50億人。

 周辺に1つの植民星系キャメロットを有している。

 キャメロット星系は、アルビオン星系から30パーセク(100光年)の距離にある。主星アーサー(G2型)に第一惑星パーシバル、第二惑星ガラハッド、第三惑星ランスロット、第四惑星ガウェイン、第五惑星トリスタン、第六惑星ボース、第七惑星カイがある。居住可能惑星は第三惑星ランスロットと第四惑星ガウェイン。総人口は25億人。

 スヴァローグ帝国のタジローグ星系に近く(27.5パーセク)、軍事拠点ともなっている。要塞衛星アロンダイト(第三惑星軌道)とガラティン(第四惑星軌道)にあり、更に第四惑星軌道にプライウェンという大型の兵站施設がある。

 第三惑星ランスロットは2500年前のテラフォーミングが完全に終了していた惑星で、一部入植もされていたほど環境がいい。キャメロット星系政府の首都はチャリス(聖杯)。

 第四惑星ガウェインはテラフォーミング化がほぼ完了した状態であったため、植生が安定せず、砂漠化したところと熱帯雨林になったところに極端に分かれる惑星である。第二惑星ガラハッドと第五惑星トリスタンは天然資源に恵まれている。

 本星系はゾンファとスヴァローグの2ヶ国が触手を伸ばしてきており、何度も戦場となっている。



周辺国家


ゾンファ共和国(Zonguhua)

 アルビオン星系から70パーセク(230光年)、キャメロット星系から40パーセク(130光年)の位置にある。

 ゾンファ星系は、主星タイヤン、第四惑星が首都星ゾンファ。植民星系はジュンツェン星系があるが、軍事基地としてのみ機能している。そのため、主星系内にコロニーを多く建設。人口約80億。

 単一星系でかつ一つの有人惑星しか持たないことから、膨張政策を取らざるを得ない。このため、アルビオンとヤシマに常に触手を伸ばそうとしている。


 ジュンツェン星系からキャメロット星系は約20パーセク、自由星系国家連合のヤシマ星系に15パーセクと近く、ヤシマとキャメロット星系への野心がある。


 共産主義の政党、国家統一党による専制主義国家。

 国家統一党には各委員会があり、その中でも軍事委員会(軍部を支配)と公安委員会(公安部を支配)が権力を握り、両者の権力争いが常態化している。

 党の書記長が国務院総理として国家主席となる。

 国務院(内閣に相当)と国民議会(国会に相当)があるが、党の意向を追認する組織となっており、民主主義は存在しない。


 軍の正式名称は国民解放軍。中将以下の階級はアルビオンと同じだが、元帥は特級上将、大将は上将と呼ばれている。

 国家統一党の党員には様々な特権があり、軍事委員会の職員のうち、特に党への忠誠心が高い者は政治将校と呼ばれる役職につくことがある。政治将校は捕虜の尋問、反党行為の取り締まりなどを行うことができ、軍とは独立した権限を有している。

 SE4510年当時の総兵力は十八個艦隊九万隻。第三次アルビオン-ゾンファ戦争で戦力を大きく損ない、回復を目指している。

 SE4518年初期には二十二個艦隊十一万隻に回復したが、ヤシマ侵攻作戦およびジュンツェン会戦で戦力を大きく損ない、SE4522年には二十個艦隊十万隻にまで回復。ただし、輸送艦の補充が間に合わず、補給に大きな不安を抱えている。



スヴァローグ帝国(第三帝国)

 スラブ系移民の帝国。第三帝国を自称しているが、正統性は全く無い。アルビオン及びゾンファは、星系名のスヴァローグの名をとり、スヴァローグ帝国と呼称している。

 3つの星系を持ち、主星系スヴァローグは主星、首都星とも同名のスヴァローグ。人口30億人。植民星系にダジボーグ(主星ダジボーグ、居住可能惑星ナグラーダ、要塞衛星スヴェントヴィト、人口15億人)とストリボーグ(主星ストリボーグ、居住可能惑星セマルグル、人口20億人)。総人口は65億人。

 星系の名はスラブ神話の神の名を取っている。


 保有戦力は三十個艦隊(スヴァローグ所属16、ダジボーグ所属7、ストリボーグ所属7)で、皇帝が大元帥となりすべての艦隊の指揮権を有している。常駐艦隊数は、スヴァローグに8、ダジボーグ11、ストリボーグ11。但し、内戦の影響で定数が満たされることは稀である。

 4520年1月時点、保有艦隊数は24。4522年1月時点で25まで増強。


 独裁国家ではあるが、植民星系にそれぞれ藩王がおり、皇帝の座を狙って内紛が絶えない。各藩王は星系所属艦隊の司令長官を兼ねる。このため、皇帝がスヴァローグ以外の星系を直接支配することが難しく、皇帝の権力は比較的小さい。

 皇帝の権力は自身の持つ軍事力に比例するため、外征を行うことで自身の能力を誇示する必要があり、長期的な展望を持たず、戦争を仕掛けることが多い。

 これまでは自由星系国家連合の潜在能力を恐れていたため、相対的に力が小さいアルビオンに戦争を仕掛けていたが、ゾンファのヤシマ侵攻により、自由星系国家連合に矛先を変えた。


現皇帝アレクサンドル二十二世

 スヴァローグ皇帝。元ダジボーグ藩王。二十年に渡る内乱を制し、帝国の実権を握った専制君主。性格は狡猾にして大胆。乱世の奸雄。

 専制君主でありながらも、最も勢力が弱いダジボーグを基盤に持つため、実体としては権力が盤石とは言い難い。自身の権力基盤を確かなものにするためにゾンファによって弱体化した自由星系国家連合を手に入れようと出兵を命じた。



スヴァローグ帝国軍の特徴

 スヴァローグ帝国は内戦と身分制度により慢性的な人材不足に陥っており、戦闘艦の乗員数が少ない(アルビオン軍に対して七割程度)。そのため、自動化・ロボット化を図っている。自動化で対応しているが、基礎的な技術が低いため、信頼性が低い新技術の導入には消極的。また、戦闘艦の武装についても、整備が容易な同一形式の装備を選択することが多い。

 基本的には大艦巨砲主義で、同クラスの戦闘艦の容積、機関出力、主砲出力などはアルビオン軍に比べ二割ほど高いが、防御スクリーン、加速性能、ジャンプ能力は逆に二割程度低い。また、攻撃力に偏重しているため、駆逐艦は戦艦を破壊できる大型ミサイル、チェーニミサイルを装備し、主砲は貧弱という極端さを見せている。

 軽巡航艦にも同様の傾向は見られ、主砲はアルビオンのタウン級を凌駕する6テラワット級で更にスペクター級ステルスミサイルに匹敵する大型ミサイル発射管を10本持つなど、重巡航艦に匹敵する攻撃力を持つ。しかし、加速力が五Gと低く、航続距離も短い。また、ペイロードスペースが狭く、ミサイルの予備弾数は二連射分しかなく、搭載艇も小型の雑用艇一艇のみとアルビオン軍のスループ艦に劣る。

 スヴァローグ帝国の戦術の特徴は、高出力の主砲と大型ミサイルによる遠距離攻撃で接近される前に叩くというものである。この戦術はスヴァローグ帝国内の有人星系には小惑星帯が少なく、機動力による撹乱戦術などを行う余地が少なかったこと、また、軍事衛星などの固定拠点が多いことが影響している。

 アルビオン王国との戦いにおいて、小惑星帯や大型惑星があるテーバイ星系で、アルビオンの高機動艦隊によって大きな損害を出している。



自由星系国家連合(フリースターズ・ユニオン:FSU)

 ヤシマ、ロンバルディア連合、ラメリク・ラティーヌ共和国、ヒンド共和国、シャーリア法国の五ヶ国からなる連合組織。

 交易協定から始まったが、ゾンファ共和国やスヴァローグ帝国の膨張政策による圧力を受け、相互防衛協定を結んだことにより生まれた。

域内の関税撤廃し、通貨を統一したものの、相互防衛協定以上の関係には至っていない。

 自由星系国家連合の総人口は約120億人(ヤシマ20億、ロンバルディア連合25億、ラメリク・ラティーヌ共和国30億、ヒンド共和国30億、シャーリア法国15億)。

 保有戦力は30個艦隊約15万隻。ゾンファとの国力比は10:7と言われている。


 ゾンファのヤシマ侵攻作戦、タカマガハラ会戦で敗北し、4518年8月時点で25個艦隊12万5千隻まで減少。4522年1月時点で27個艦隊13万5千隻にまで回復。


自由星系国家連合・ヤシマ

 キャメロットから20パーセク(65光年)、ゾンファのジュンツェンから15パーセク(49光年)の位置にある単一星系国家。自由星系国家連合加盟国家でアルビオン、ゾンファ、スヴァローグのいずれとも国交がある。

 日本系移民による共和制国家で、人口20億人。主星アマテラス、第三惑星タカマガハラ、首都はタカチホ。

 自由星系国家連合の一つで貿易立国。

 造船業が盛んで民間船の多くがヤシマで作られている。

 貿易国家ということと、地理的条件により、多くのスパイが活動していると言われている。特にゾンファの情報機関はメディアグループを掌握し、情報操作を含め、様々な謀略を行っている。

 アルビオン王国の大使館には駐在武官が派遣されており、最高位は大佐、次席に少佐が付き、数名の尉官が補佐を行っている。

 防衛艦隊は四個二万隻だが、軍事衛星を多数配備している。近年防衛予算が削減され、艦隊の能力は低下している。


 4518年8月時点で1個艦隊5千隻まで減少。4522年1月時点で3個艦隊1万5千隻まで回復。但し、教育が追い付かず、練度は非常に低い。

 それを補うべく、無人軍事衛星を千基以上配備し、首都星タカマガハラを防衛する方針としている。この無人衛星群を突破するには五個艦隊以上が必要とアルビオンの専門家は評価している。



自由星系国家連合・シャーリア法国

 アラブ系移民による独特な一神教を国教とする宗教国家。“シャーリア”はイスラム法シャリーアが語源。

 人口15億人。主星シャムス(太陽)、第四惑星ジャンナ(楽園)、首都はアルジャンナ(天国)。ジャンナの衛星軌道上に大型要塞ハディス(識者たちの伝承ハディースが語源)がある。また、大型港湾施設ラスール(使徒)があり、外交官などは一度ここで入国の手続きを行う。

 ヤシマから25パーセク(82光年)、スヴァローグ帝国のストリボーグから20パーセク(65光年)の位置にある単一星系国家。自由星系国家連合加盟国家でスヴァローグと国交がある。

 自由星系国家連合の一つだが、特筆すべき産業はない。元々閉鎖的な国家であったが、スヴァローグ帝国からの侵略を防ぐため連合に加盟した。

 宗教による教育により、防衛戦では聖戦と称し、損害を顧みない戦いをするが、他国には興味がないため、ヤシマ奪還作戦では消極的な動きが目立った。

 政教一致であるため、政治体制は宗教指導者である導師イマームを頂点とし、法官カーディーと呼ばれる閣僚、知識階層ウラマーと呼ばれる官僚が行政・立法・司法を取り仕切る。宗教観が反映されているものの、近代的な法律が整備されており、法の秩序によって統治している。

 指導者や官僚は完全な実力主義で、シャーリア法学院で優秀な成績を収めた者が登用されている。

 国民のほぼ100%がシャーリア教の熱心な信者である。これは他の宗教に改宗した場合、国籍を失うためである。例外は破門された重罪人。

 シャーリア教は神に祈ることで死後の救済を求めるもので、経典による戒律は非常に厳しい。しかし、実際の生活では合理的な運用がなされており、社会生活に支障が出るような極端な制限はない。

 愛国心=信仰という図式が成立しているため、国家の団結は非常に強い。そのため、自国の防衛には死を厭わぬ戦いをするが、その分、他国との関係が希薄でスヴァローグからの圧力を受けて止む無く自由星系国家連合に加盟しているため、タカマガハラ会戦で消極的な姿勢が目立った。

 星系内の資源は豊富だが、国内消費だけで輸出は行っていない。また、産業もヤシマのように発達していないため、製品輸出も少なく、星系外との交流は少ない。


シャーリア法国軍

 最高司令官は導師イマーム、軍政トップが軍法官カザスケルトップとなる。

 実戦部隊の組織自体はアルビオンや他の国家とほとんど変わらず、元帥以下の階級もほぼ同じ。

 戦略は専守防衛が基本。そのため、星系内に要塞や軍事衛星を多数配置し、ジャンプポイントにはステルス機雷が多数配置されている。

 防衛艦隊は五個二万五千隻。装備はヤシマのライセンスを購入したものが多く、設計自体は優秀。但し、ヤシマほど工業が発達していないため、品質はやや落ちる。

 最大の要塞は第四惑星ジャンナの衛星軌道にあるハディス要塞。四基の八ペタワット(八兆キロワット)級動力炉と、百テラワット(一千億キロワット)級陽電子加速砲が三百門、要塞砲の最大有効射程距離は二光分(三百門を集中運用した場合)、個別で運用する場合は四十光秒で、戦艦の主砲の射程を凌駕する。その他にも多数の防衛兵器が備えられている。

 直径六十km、二百五十兆トンの小惑星を改造して作られ、三個艦隊一万五千隻が駐留できる港湾施設を持つ。直径五km級の軍事衛星がハディス要塞と連携できる位置に十基配置されている。

 この他にも直径三十km級要塞と直径五km級の軍事衛星三基が各JP付近に設置され、シャーリアの防衛は鉄壁と言われている。

 弱点はヤシマと同じく実戦経験の少なさと指揮官の質の低さ。指揮官については、士官学校の席次がすべてであり、現場で強みを見せる指揮官が育っていない。


大型港湾施設ラスール

 シャーリア法国では自国のものを含め、航宙艦の居住惑星への降下を認めていない。これは大地を神聖なる物と考えているためで、惑星と宇宙空間の移動は軌道エレベータのみに限られる。

 そのため、軍艦、商船を含め、すべての船は一旦、衛星軌道上にある港湾施設に係留され、そこから軌道エレベータに移動し、地表に移動する。

 港湾施設は五つあり、軍用がラスールとクライシュ(ムハンマドの出身部族の名)。港湾施設は星間物質デブリの影響を抑えるため、JP側に開口部がある半球形となっている。



自由星系国家連合・ロンバルディア連合

 北部イタリア系移民によって作られた民主国家。

 人口二十五億人。主星スペランツァ(希望)、居住惑星は第三惑星テラノーヴォ(新天地)、第四惑星テラドゥーエ(第二の大地)。首都は第三惑星のパッソ(一歩)。

 ロンバルディア連合は二つの居住惑星を持った豊かな星系である。特に第三惑星テラノーヴォはSE1900年頃の第一帝国時代にテラフォーミング化が完了しており、水が豊かな農業惑星である。第四惑星テラドゥーエも同時期にテラフォーミング化が始まり、入植直前まで完成していた。しかし、SE2000年頃に始まった第一帝国の崩壊により、SE2200年頃にロンバルディア星系は放棄された。約千百年後のSE3300年頃の第二銀河連邦時代の移民が入植し、ロンバルディア星系と名づけた。

 二つのテラフォーミング化が終わった豊かな星系を得た移民たちは、各大陸の地方政府の連合体として、ロンバルディア連合という国家を成立させる。

 入植可能地がふんだんにあり、地味豊かな農地が容易に手に入るため、ロンバルディアの人々は争うことなく、外に目を向けることもなかった。しかし、同時期に入植した国家は勢力圏の拡大に積極的で、ロンバルディアは隣国スヴァローグ帝国の脅威に晒され始め、自由星系国家連合に加盟した。

 国家元首は行政府の長である首相。大統領などは置いておらず、議会の承認が必要であり、政策決定に時間が掛かる。特に議会では派閥争いに終始することが多く、短期間で首相が代わる不安定な政権であることが多い。

 ロンバルディア国民の気質は穏やかだが、見栄っ張りであり、自由星系国家連合内での発言力を強めようとしている。

 基本的には農業国家であり、工業製品の品質は低い。ヤシマからライセンスを購入し軍艦を建造しているが、あまりの品質の低さにヤシマから直接購入する方針に転換している。


ロンバルディア連合国軍

 ロンバルディア連合国軍は七個艦隊約三万五千隻を有している。ヤシマ製の優秀な軍艦を有していることから潜在能力は高いといわれていた。

 軍制はアルビオン等とほぼ同じ。名目上の最高司令官は首相だが、防衛軍総長が実戦部隊の最高司令官となる。

 二つの居住惑星を持つことから、ヤシマやシャーリアのような要塞による防衛が難しく、ジャンプポイントでの防衛に主眼を置いている。そのため、ヤシマ製のステルス機雷を多数配置し、更に常時二個艦隊をスヴァローグ側JPに貼り付けている。

 タカマガハラ会戦で三個艦隊を派遣したが、四千隻以上を失い、再編を行ったため、現状では六個艦隊しかない。多くの兵士を失ったこともあるが、軍艦の供給元であるヤシマの復興が進まず、現状では定数への回復は困難である。


タカマガハラ会戦後のロンバルディアの政策

 全軍の一割以上を失ったため、戦略の変更を余儀なくされた。特に対スヴァローグ戦略においては、自由星系国家連合の軍事力に期待できないことが分かり、アルビオンと関係強化を考え始めた。

 また、ダジボーグ側JPにステルス機雷を多数敷設し、三個艦隊が即時出動可能、残りも三個艦隊も五日以内に出動可能な体制を構築した。更に要塞の建設を計画している。しかし、4519年時点で、要塞の完成までには十年以上の時間が必要。

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本編クリフエッジシリーズの合本版のリンク先です。
(仮)アルビオン王国宙軍士官物語~クリフエッジと呼ばれた男~(クリフエッジシリーズ合本版)
内容に大きな差はありませんが、読みやすくなっています。また、第六部以降はこちらに投稿予定です。
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