The later story24
「どうしたの？ＧＬ…」
「柳舞さん、行っちゃったよ？」
「…ねぇ、秋雨」
「何？」
「風華会長達の卒業式の日、私に言ってくれたよね？」
「「好き」って…」
「う、うん」
「…今でも？」
「当たり前だよ！！」
「あの時…、私は凄く嬉しかった」
「本当に、本当に嬉しかった」
「…うん」
「でも…、ね」
「あの日から、しばらくして解ってきたの」
「私は…、私は…」
「ＧＬ…？」
「私は…、能力だよね」
「秋雨と結婚できないよね」
「子供も産めないよね」
「普通じゃないよね…」
「ＧＬ…」
「私は…、秋雨に好きになって貰った」
「嬉しかったよ？本当に嬉しかった」
「でも、だからこそね…」
「私は秋雨とは付き合えないと思うの…」
「そ、そんな事…」
「本当に、そう思う？」
「先刻の柳舞との約束ね…、私はやめた方が良いと思う」
「どうして！？」
「いつか、秋雨は結婚するでしょ？」
「その奥さんとの生活に私は邪魔になるわ」
「…ッ」
「私は普通じゃない」
「その奥さんが能力の事を理解してくれたって、私の事は理解できないはずよ」
「だから…、もう秋雨からエネルギ－は貰わない」
「また、誰かから貰うわ」
「それで…」
「ＧＬは、それで良いのか！？」
「ええ、それで良いわ」
「！」
「私みたいなのが居たら、秋雨の迷惑になる」
「邪魔になる」
「絶対にね」
「私は秋雨の人生の迷惑になりたくない」
「邪魔もしたくない」
「ＧＬ…」
「解って…？」
「私の為であって、アナタの為なの…」
「ゴメンね？あんなに柳舞を探し回らせたのに…」
「いきなり、断る事にして…」
「…僕は」
「それじゃ、秋雨」
「告白、嬉しかったよ」
「ＧＬ…」
屋上
「…」
「お！秋雨」
「…竜山」
「ＧＬは？柳舞さんとの約束は？」
「…駄目だった」
「はぁ？」
「…ふ－ん」
「ＧＬは普通じゃないのかな…」
「能力だからなのかな…」
「…秋雨」
「何だ…、竜山」
「お前「普通」って何だと思う？」
「え？」
「俺はさ、「普通」が解らないんだ」
「？」
「俺達は能力を持ってる」
「それで、もう「普通」じゃない」
「普通の人達から見たらな」
「だけど、俺達には能力を持ってる事が普通だろ？」
「…ああ」
「誰かが誰かを好きになる事は普通」
「じゃ、能力が能力者を好きになるのは「普通」じゃないのか？」
「そんなの…、解らないよ…」
「そうだろ？」
「え？」
「そんな「解らない」モンに負ける程度の物だったのか？お前の告白は」
「ＧＬへの気持ちは！！」
「…違う」
「違う！！」
「そうだろ」
「ＧＬもお前も、「普通」じゃない」
「勿論、俺や校長、会長達や鬼怒さん達だって」
「メタルさんや炎鬼さんも…、皆そうだ」
「だったら、今更気にするなよ」
「俺達は普通じゃない」
「だけど、「普通」なんだからな」
「…でも」
「あ－－－－！もう！！」
「焦れったいな！？お前！！」
「え…」
「お前は、どうなんだよ！？」
「ＧＬが好きなのか！？嫌いなのか！？」
「す、好きだよ！！」
「そうだろ！？大好きなんだろ！？」
「じゃぁ、どうしたいんだよ！！」
「解ってるんだろ！？解り切ってるんだろ！？」
「だったら行ってこい！言ってこい！！」
「お前の気持ちを！ＧＬに！！」
「俺達は遠慮し合う仲じゃないだろ！？」
「そんな他人行儀な仲じゃない！！」
「仲間だろうが！！」
「竜山…」
「…さっさと言ってこい」
「ＧＬは待ってるぞ」
「…竜山、ありがとう」
「おう」
ダダダダダダダ！！
バタァン！！
「…全く、世話のかかる奴だな」
読んでいただきありがとうございました
