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学園新聞23


「さ-て、何処ぞの馬鹿がヘマしたから、占いを利用したネタは使えないわね」

「何処ぞの馬鹿がヘマしたから、ね」


「それ以上…、言うな…」

「いや、言わないでください…」


「いつまでヘコんでんのよ!?」


(こんなにヘコんだ刃影君、初めて見た…)

「大丈夫?」


「お前に解るか…?」

「渾身の出来だったはずの計画が失敗したんだぞ…」


(渾身だったんだ…)


「まぁ、今はカップルに定番過ぎる海に来たわ」

「「アハハ-、捕まえてご覧なさい~」とか「待て待て~」とか言うんでしょうね」


「ベタだね」


「アイツが言うか?そんな事…」


ポツポツポツ…


「ん?雨?」

「急に降り出したな」


ザァアアアア--…



「雨宿りしないと!」


「は、はい!」

「あの旅館に行きましょう!」


「あ…」


「え?」



旅館


「お久しぶりですねぇ…、ヒッヒッヒ」


「お久しぶりです…、女将さん」


「その様な年ではありませんよ…」

「ヒッヒッヒ」


「天鹿和さん…」


「ん?どうしたんだい?」


「この人、怖いです…」


「…我慢してね」


「お部屋は、こちらに」

「カップル様専用のお部屋ですよ…、ヒッヒッヒッヒ」


「は、はい…」


「どうかした?」


「あの…、恥ずかしくて…」


「アハハハハ!俺の知り合いは結婚してるよ!!」



102号室


「豪華だねぇ」


「もっと古いかと思ってました…」


「御茶でも淹れようか?」


「あ!私が淹れます!!」



103号室


「…何だ?この状況は」


「カップルって言うか、会社の慰安旅行で偶然にも部屋が一緒になった男性と女性みたいな」


「例えが長い上に解りにくいな」


「むにゃ…」


「どうして水無月は速攻で寝てるんだ?」


「「疲れたぁ~」って言って、すぐに寝たわね」

「それにしても、意外だったわね」


「何が?」


「私とアナタが夫婦で水無月ちゃんが娘って事で、この部屋に入れた事よ」


「お前と結婚する気は無い」


「当たり前でしょ!!」

「私は鬼怒さんと結ばれるの!!」


「フン」


「アナタは美海ちゃんとでしょ?」


「誰がだ!?あぁ!?」


コンコン


「ん?」


「すいませ-ん、少し静かにして貰っても…」


「あ、すまん」


「お願いしますね-」


「…」


「…」


「…」


「…今の、天鹿和だろ」


「よく気付かれなかったわよね…」



「…!!」


「…!?」


「…!!」



「隣の部屋か?騒がしいな」


「違うんじゃない?天鹿和君の声じゃ…」

「101号室から?」


「天鹿和の隣じゃねぇか」



「…!!」


「…!?」


「…!?」



「…何処かで聞いたような」



101号室


「…だ!勘違いなんだよ!!」


「嘘です!!」

「生徒会の春白さんと一緒に居たじゃないですか!!」


「アレは!!」

「…アレだ」


「浮気なんじゃないですかぁ-----!!」


「違うって!!」



103号室


「…首狩?」


「何してんの!?」



102号室


「隣がうるさいですね…」


「ちょっと、言って来るよ」



103号室


「マズい!マズい!!」


「え!?」


「このままじゃ首狩が天鹿和に全部、話しちまう!!」

「そしたら、今までの努力がパァだ!!」


「!!」



101号室


「だ-か-らぁ!!」


「ハッキリ、言ってください!!」

「もし浮気だったら…!!」


「違うって!!」


コンコン


「すいませ-ん」


「…誰か来た」


「隣の者ですけど…」


「はいはい」



103号室


「あの馬鹿!気付いてねぇ!!」


「止めなきゃ!!」


「俺に任せろ!!」

「お前は…」



101号室


「今、行きま…」



ボフゥウウウウン!!


「うわ!?」


「どうかしましたか!?」


「部屋の中が…!!」



廊下


(何が有ったんだ!?)

(とりあえず、仲の人が危ない!!)


ヒュッ


「え?」

「何ぁああああああ!?」


ガキィン…


扉は無数の鎖で縛り付けられている


「何で…!?」



101号室


「ゴホッ!ゴホッ!!」


「大丈夫か!?夜風!!」


「首狩さん…?」


「俺の側に居ろ」


「え?」


「離れるな」

「絶対に守ってやるから」


「首狩さん…!!」



102号室


「何が有ったんでしょうか…」


ガチャッ


「誰ですか?」


「ちょっとね」


「春白先輩…?」

読んでいただきありがとうございました

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