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学園新聞20

空き部屋(新聞部の部室)


「おはよございます、と」


「遅いですよぉ~」


「アンタが早いねん」

「で?今日は誰のや?」


「コレですぅ~」


「青い日記帳…?」


「メイスさんですぅ~」


「あ、そう…」

「ほな、見ようか」



○月×日


今日もイトウさんがカッコイイ



「出オチやろ」



薬品の実験台としてモルモットを連れてきた

金にうるさいモルモットを



「…あれ?」



金にうるさいモルモットは髪が伸びただけで大騒ぎしだした

モルモットなのに



「結構、残酷なんやけど…」



最終的には昏睡状態

イトウさ-ん!下水処理場に捨ててきて良いですか-!?



「…」



次は戦闘以外能なしのモルモットが来た

イトウさんの糧になるのならモルモットも幸せと思う



「…もう止めようや」

「何か…、アレやで…」


「…流石の私もコレはぁ~」


パタン


静かにメイスの日記帳が閉じられる


「…イトウさんも金田さんも酷かったけいど、この人は酷いじゃ済まんで」


「外道…、邪道…」

「言葉が見当たりすぎますねぇ~」


「…どうする?」

「日記、続けるかいな?」


「そりゃ、そうですぅ~!」

「何の為のネタ集めですかぁ~!!」


「…やっぱりか」

「で?次は…」


「彼ですぅ~」


「天鹿和さん?」

「予想が付かんで」


「見てみましょうぅ~」



○月×日


最悪だ…

また、裏が大変な事をした



「コレは天鹿和さんの表が書いとるヤツやな」


「裏が書くとは思えませんからぁ~」



朝、気付くと知らない女子が隣に寝ていた



「…コレは」


「読みましょうぅ~!!」


「何で興奮してんねん」



「えっと…?」

「ん…、ふぁ…」

「誰?」

「え?もしかして…、表さん?」

「そうだけど…?」

「昨日は…、お世話になりました…」

「だ、誰に?」

「裏さんに」

走った

寮を一周した

校舎を一周した

学園を一周した

嘘だ!嘘だ!嘘だぁああああ!!

嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ

絶対に嘘だぁああああああああ!!

「あのう…?」

肩にシ-ツを引っ掛けた彼女が走ってきた

「どうかしましたか…?」

「ゴメンなさい!!」

とりあえず土下座

「本ッッッッッ当に!ゴメンなさい!!!」

「え…?」

「裏がァ!裏がァ!一晩の!若さ故の過ちを犯してしまいましたぁああああ!!」

「あの…」

「ゴメンなさい!!」



「やっちゃいましたねぇ~、天鹿和さん~」


「アウトやな」



「ゴメン!責任、取るから!!」

「一生、着いていくから!!」

そりゃ-、もう

責任、取るしかないですよ

「何か…、勘違い…」

「…え?」

気付くと彼女が消えていた

「あれ?」

周りを見渡しても居ない

何処に行った?



「何や?」


「この先は彼女の日記も照らし合わせてみましょうぅ~」


「それは…、春白さんの日記か?」


「そうですぅ~」



○月×日


中心街


「ゴメン!待った?」


「いえ…、そんなには…」

「私も今、来た所ですし…」


(…俺は何をしてるんだ?)

(どうして遊園地に来て、お決まりの台詞を吐いてる?)


「行きましょう…?」


「え?あ、ああ!」



数日前


「何処に行ったんだ…?」


「ん-!む-!!」


「静かにしてください!!」


「ぷはっ…、え?春白先輩…!?」


「おはよう」

「アナタ…、鬼怒さんファンクラブの者でしょ?」


「…ッ!!」

「その声は…!まさか…!!」


「皆まで言わなくても良いわ」

「アナタ…、ファンクラブの掟を忘れてないかしら?」


「…「鬼怒さん以外の人物に恋した場合はファンクラブを脱退すること」」


「そうよ」


「…私は」


「無理しなくて良いの」

「アナタがしたい様にしなさい?」


「春白先輩…」



「何処に行ったんだ-!?」

「はぁ…、あまりの酷さに逃げたのかな…」


「あの…」


「うわ!!」


「ふぇ!?」


「あ、ああ…、君か」

「あまりに突然だったからビックリしたよ」


「すいません…」


「…責任、取るから」


「あのう…」


「何?」


「責任の話は置いておいて…」

「その…、ふ、夫婦になるんだったら…」

「デ-ト…、しません…か…?」


「…はい?」



○月×日


「えっと…、何処に行きます?」


「う-ん、この辺りは詳しくないんだよね…」

「君、何処か知ってる?」


「お、おすすめの料理屋なら!!」


「じゃぁ、そこに行こうか」



「…上手くいってるわね」


「意外と言えば意外だ」


「予想外だったなぁ…」


「天鹿和君が…」


「!?」

「2年生陣が何をしてるの!?」

「刃影君に首狩君!水無月さんまで!!」


「春白、天鹿和がデ-トをするなら言え」

「面白そうだから見に来たんだよ」


「美海ちゃんが怒るわよ!?刃影君!!」


「後学の為に」


「…正論ね」


「私も…」


「…誰と?」



「ん?」


「どうかしましたか?」


「いや、知った顔が居た様な…」


「?」



「危…!!」

「見つかる所だったじゃないの!!」


「お前がうるさいからだろうが」

「で?どうする」


「「どうする」って…」


「このまま、天鹿和に任せるか?」

「確実に夜はラブホにでも突入するぞ?」

「裏が」


「確かに…」

「このままじゃ、そこらのチンピラを殺して廻りかねないよ?」

「裏が」


「あの子の将来が危ないよ!!」

「変な事、するよ!?絶対!!」

「裏が」


「…もう少し、裏に優しくしてあげなさい」


「事実だ」


「事実だね」


「事実だもん」


「…否定は出来ないわ」



中華料理屋


「おいしい…!」


「そうかい?」

「良かったね」


「天鹿和さん、食べないんですか?」


「いや、かなり食べたんだけどね」

「君の食欲には敵わないよ」


「ご、ごめんなさい!」

「気にせずに食べちゃって…!!」


「いやいや、俺が小食なだけだし」

「気にせずに食べて良いよ」


「ありがとうございます…」


「ほら、口の端に着いてる」


キュッ


「あ、ありがとうございます…」



「…チッ、完全にコツを掴んでやがるわね」


「…とか、言いながら料理を食い漁んな」


「コレ、本当に美味しいね!!」

「特にフカヒレのス-プなんて…!!」


「それ、俺のなんだけど」


「どうでも良いだろうが」


「それ、俺のシュ-マイ」


「あの2人の進展具合が…」


「それ、俺のチャ-ハンなんだけど」



「ごちそうさまでした…」

「えっと…、料金は…」


「ああ、良いよ」

「俺が払う」


「えぇ!?でも…!!」


「言ったでしょ?「責任、取る」って」

「コレぐらいはするよ」


「ありがとうございます…」


(コレでも、この前の任務の報酬が高かったからな)

(そこそこの値段は…)

「…」


「どうかしましたか?」


「いやぁ!何でも無いよぉ!?」



「…刃影君、彼の会計を見てきて」


「あぁ?何で俺が」


「お願い」


「…チッ、解ったよ」


ダッ



「…酷ェな、アレは」


「幾ら?」


「3万」

「天鹿和に払える額じゃねぇ」


「…仕方ないわね」


「どうするの?」


「私が払うわ」


「えぇ!?」


「可愛い後輩の為だもの」

「仕方ないでしょ」


「お金、有るのかい?」


「少しなら」

「それで天鹿和君のと足せば、足りるでしょ?」


「先刻、天鹿和の財布を見てきたんだが…」

「所持金が6000円だったぞ」


「…」


「…」


「…え?」



春白

13000円


刃影

4000円


首狩

5000円


水無月

2000円


計30000円

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