学園新聞8
路地裏
「はぁ-!疲れるわ-」
「自分=疲れた」
「幾ら何処の会にも所属しとらんからって、全部の会の任務を任せるか?」
「現状=雑務に似てる」
「そうやな…」
愚痴を言いながら、学園の迎えの車を待つ挽我と寺冬
「遅いなぁ、何やっとんや?迎えは」
「自分=解らない」
バァァァァン!!
遠くで爆発音がする
「何や!?何や!?」
「原因=不明!!」
「車が爆発したんだよ」
影から声がする
「何やと!?」
「事件かも知れない=現場へ向かう!!」
「その必要は無いんじゃないかな?」
「爆発したのは君達のお迎えだよ」
「寺冬!伏せいや!!」
「!!」
挽我と寺冬の頭上には、手榴弾が2つ
ガァァァァン!!
「死んじゃったかな?」
「まぁ、「殺すな」って、言われてたけど…、「雑魚だった」って、事で…」
「誰が雑魚や?」
爆炎の中、平然と立っている挽我
その下には寺冬が伏せている
「凄いね!今の爆発で何とも無いんだ!!」
「顔面ぐらい、吹き飛んだ物かと思ってたんだけど…」
「舐めいなや」
「そんな、柔な体しとらんわ」
「まぁ、傷は負っちゃったみたいだけど…」
「それも関係あらへん」
シュゥゥゥウウゥ…
自分の傷を治療する挽我
「本当に凄いね!!」
「…それよか、お前、何者や?」
「タダモンや無いな?」
「う-ん、極度の心配性…かな?」
「何やと?」
「それより、お仲間は大丈夫?」
「!!」
挽我が後ろを向くと、寺冬の背後には人影
「寺冬!!」
「自分=解ってる」
キィィィン!!
敵の剣を弾く寺冬
「む、やるね」
「自分=そこまで甘くない!!」
「良い表情だ」
「此所羅!もう、実力試しは良いだろう!?」
「ん、良いんじゃないの?」
「君達、先刻の無礼を詫びるよ」
「私は毀棄梨」
「彼は此所羅だ」
淡々と、説明を始める女
「ちと待ていや」
「何だい?君」
「アンタ達、何者や?」
「ふざけんと答えろや」
「…ゼロの毀棄梨だ」
「同じく、此所羅」
「…ゼロ?」
「あの犯罪組織の?」
「そうだ」
「嘘やろ?あのチ-ムはボスが捕まって、解散したって聞いとるで」
「また、再結成したんだよ」
「それ=本当」
「何や?寺冬まで」
「彼達の実力=本物」
「…なるほどな」
「確かに、そんじゃそこらの者や無い」
「で、君達に用が有るんだ」
「?」
「ゼロに入らない?」
「…あ?」
「冗談、キツイで」
「いやいや!本気だよ」
「ワイ達の服装見て解らんか?」
「ワイ達はWG学園の生徒や!!」
「それを解った上で、誘ってるんだけど…」
「却下や!却下!!」
「自分=挽我と同じ意見」
「…それは残念」
「毀棄梨!どうする?」
「…消すしかないね」
「やっぱり?」
「そう言う展開と思ったわ」
「自分=同意」
ダァン!!
「寺冬!2時の方向からスズメバチ!!」
「自分=解った!!」
「何かの暗号?」
「関係ないけど」
シュッッ!!
此所羅に殴りかかる挽我
「そんな単調な攻撃が…」
ヴヴ-ン…
「!?」
此所羅の背後には寺冬
「当たりや!!」
「此所羅=死ぬ」
「うわぁ-」
ヒュッッ!
(避けた!?)
(この距離で避ける=不可能のはず!!)
ザザザザザザ!!
「お前…、背中に目でも付いとんか?」
「今の攻撃を避けるとは…」
「言ったでしょ?」
「「心配性」だ、って」
「意味=不明」
「放置プレイとは…、やるじゃない」
「でも君になら、どんなプレイもOKだよ」
「!!」
「寺冬ッ!!」
キュッッ!!
毀棄梨の手が寺冬の首に回される
「うぐっ…!!」
「その妙な喋り方も守備範囲内だよ」
ギリッ…
「殺しちゃ駄目だよ-?毀棄梨-」
「殺すはずがないだろう!?」
「ハァハァ…、こんな可愛い子を…」
「毀棄梨!?」
「…ッ!!」
「挽我!=この人、怖い!!」
「おい!どういう事や!?」
「何で寺冬やのうて毀棄梨いう女が息を荒げとんや!?」
「ゴメンね…、毀棄梨はショタコンなんだ」
「寺冬君は…」
「ド真ん中、高め!ストライ-ク!!」
「だ、そうです」
「寺冬!早う、その変態から逃げるんや!!」
ギリリ…
「この締め=強い…!!」
「離さないよ」
「…ッ!!」
「このッ…!!」
「お-っと!!」
「手出し無用だからね」
パァン!
「痛ッ!?」
弾き飛ばされる挽我の手
(興奮しすぎて能力発動を忘れとったか…!)
「まだまだぁっ!!」
「無理だって」
挽我の前に立ちはだかる此所羅
「お前は邪魔や!!」
スカッ
(やっぱり当たらんか…!!)
「当たらない、って」
「解っとるわ!!」
ダダダダダダ!
此所羅を気にも留めず無視する挽我
「無視!?」
「当たり前や!!」
「亞幹璃を離せ!このババァ!!」
「誰がババァかな?」
「私は20代だッ!!」
パァン!!
(先刻の…!?)
パパパパパパパパァン!!
地面から挽我に衝撃が与えられる
「この程度…」
「関係、あらへん!!」
「痛みを感じないのかな-?」
ゴッ!!
「…!?」
(手応えが…、無い…!?)
「残-念」
「無意味だよ」
ゴッッ!!
挽我の腹部に毀棄梨の蹴りが叩き込まれる
「うごっ…!?」
「痛みは感じなくても、腹から込み上げる胃液は感じるみたいだね」
「ゲホッゲホッ!!」
「挽我!!」
「心配しぃなや…!!」
「コイツ達程度…!!」
「「程度」?酷いなぁ」
ゴキンッ!!
「うが…」
挽我の後頭部に蹴りが叩き込まれる
「一回、やってみたかったんだよね」
「延髄斬り」
「こっのっ…!!」
「まだ立つ!?」
「しぶといねぇ」
「彼は体の痛覚神経を麻痺させる能力者のようだからね」
「身体その物を傷付けるんだ」
「ほなけど、ワイには治療能力も有るんや…」
「関係あらへん…!!」
「そう?」
「なら、それを使っても意味が無くなるまでやるだけだよ」
「やってみぃや…!!」
読んでいただきありがとうございました




