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学園新聞4

「…ふむ」


「どう思う?麻簔」


「確かに…、興味深いな」

「あの総督と同じ殺気を持ってして、まったく移行の違う人物…、か」

「お前達の勘違いじゃないのか?」


「絶対に違うな」

「あのテの殺気は嫌と言うほど味わっとうからなぁ」


「…そうか」

「その白刃之という人物は何処に?」


「白刃之会長=風紀委員室」


「行こうか」

「俺も自分の目で見てみたい」


「そうやな」

「ほな…」


席を立つ挽我、寺冬、麻簔



「ま、麻簔…君…」


「夜風…!!」


「ん?どうした?夜風」

「彼の知り合いか?」


「…元本部の仲間です」


「…そうか」


「…彼が首狩先輩か?」


「そうです…」


バッ!!


首狩に頭を下げる麻簔


「夜風を幸せにしてやってください!!」


「え!?」

「あ、ああ!勿論だよ」


「ありがとうございます!!」


「…麻簔!」


「何だ?挽我」


「詰まる話も有るやろうから、ワイと寺冬と首狩さんは席ぃ、外すわ」

「ほな」


「え?挽我君!ちょっと!!」


首狩の背中を押して席を外す挽我


「後で=来る」


寺冬もそれに着いていく


「首狩さん!」

「…行ってしまいました」


「…夜風」


「何ですか?」


「良い人なのか?首狩さんは」


「当たり前です!!」

「私が認めた男の人です!心配しないでください!!」

「麻簔君は心配性なところが有りますから」


「…昔の様には呼んでくれないんだな」


「…昔は昔」

「今は今です」


「…そうだな」

「夜風、ここは楽しいか?」


「…はい」


「霧上副総督も心配している」

「お前は学校を楽しめてるか、ってな」


「…はい」


「…お父さんとお母さんには会ったのか?」


「少し前に」


「…そうか」

「俺の事は…」


「…覚えてませんでした」


「…それで良い」

「あの人達は良い人だから…」


「…ありがとうございます」

「それでも…、もう「兄さん」とは呼べません」


「ああ…、解ってるよ」




喫茶店


「あの2人は、どういう関係なんだい?」


「…ちぃと、昔にな」


「関係=深い」


「元彼氏と元彼女とか?」


「それより深い関係や」


「!?」


「本部の麻簔君と夜風さんか?」


「知ってるんですか?ガルスさん」


「…少し、ね」

「あの事件は…、悲しい事件だったよ」


「え…?」


「…昔の話や」

「コレはワイも聞いた話なんやけどな」

「首狩さん、夜風の村に行ったやろ?」


「ああ」


「…昔に本部役員を狩るっていう能力犯罪組織の計画が有ったんや」


「そんな事が?」


「確かに今じゃ黒歴史として記録も消去されてるんだ」

「知らなくても無理はない」


「…そん時は夜風の村が襲われたんや」

「夜風の村には幼い夜風と村人、そして休日を利用して帰っていた本部役員」


「その本部役員が村人だった、と?」


「そうだよ」

「そこに能力犯罪組織が来た」


「村に入る前に食い止めようって事で本部役員達は立ち上がったんやけど…」


「総督=それに反対」


「どうして?」


「「一気に本部の役員を減らすワケにはいかない」ってな」

「それで少数精鋭で行ったんや」

「そのメンバ-は幼いけど有能だった麻簔、霧上副総督、他3名や」


「…初めは優勢だった」

「村の前の山で組織を食い止め、応援を待つだけだったんだけど…」


「応援は来んかった」

「他の組織が本部に奇襲をかけたからなぁ」

「…ほんで、事件は起きた」

「山に山菜を採りに来とった夜風が戦闘に巻き込まれたんや」


「その時に組織側からすれば夜風ちゃんは絶好のカモだ」

「そして夜風ちゃんは人質に取られそうになった時…」


「…夜風を庇って麻簔が負傷」

「傷は酷うて…、緊急の治療が必要だったんや」

「ほれで夜風の村に行く事になってなぁ…」

「あの時の時間が…、どれほど麻簔には辛かった事か…」


「何が有ったんだ…?」


「普通、他人で傷だらけの男を村に入れないだろう?」

「だから、記憶操作で村人全員に記憶をすり込ませた」

「「麻簔 葉打差は夜風 珠洲三の兄だ」ってね」


「…ッ!!」


「霧上副総督達が手続きなどを終わらせて、村に彼を迎えに来るまで1週間程度」

「だけど、その1週間が彼にとって、どれほど辛い時間だったか…」


「知りもせんような人達に「夜風君、夜風君」って言われ続けるんや」

「麻簔は幼い頃に両親を強盗に殺されてなぁ…」


「…そうだったのか」


「それから1週間後、村人の記憶を消して麻簔は本部に帰った」

「だけど、記憶が消えてない人物が居たんだ」


「…夜風?」


「そうや」

「そんで、村で能力を発動させてしもうた夜風を迎えに行ったのも麻簔や」

「夜風は言ったで?」

「「久しぶり、兄さん」ってな」

「ほれが一番、辛かったやろうなぁ…」


「…元彼元彼とかじゃなくて、元兄弟だったのか」


「嘘で塗り固められた、ね」


「…」


「…何か、悪い話を聞いてしまいましたね」


「コレから、夜風ちゃんと過ごすんだろう?」

「彼女の事は知っておいてあげないと」


「…はい」



「首狩さ-ん!!」


「夜風!」


「お待たせしました」


「麻簔君…」


「…話は聞いたようですね」

「別に俺も夜風も気にしてませんよ」

「昔の話ですし」


「…そうか」


「あ!皆さん!どうしたんですか!?」


「亞幹璃!久し…」

「…」


言葉に詰まる麻簔


「…ちょっと集合」


喫茶店に挽我、寺冬、夜風を集める麻簔


「…亞幹璃には何が有ったんだ?」

「女装癖が付いたのか?」

「しかも、似合ってるし」


「ああ…、亞幹璃はなぁ…」


「会長=目を付けられた」


「?」


「亞幹璃さんは生徒会会長に「お仕置き室」という部屋に連れて行かれ、1日に3回以上のペ-スで女装をさせられているのです」

「本人も抵抗はしているのですが…」


「…気の毒に」

「どんな悪質生徒会長なんだ?」


「誰が「悪質生徒会長」かしら?」


「!!」


4人の背後には舞桜


「…この方が?」


「そうです」


「ご愁傷様やで、麻簔」


「麻簔=さようなら」


「え?ちょっと…」


「この子、少し借りるわね」


ズルズルズル…


「た、助け…!!」


バタン


「…なぁ、寺冬」


「何?=挽我」


「ワイ達、新聞部の取材に来たんやな?」


「あ!=忘れてた!!」


「…麻簔、迎えに行こか」

読んでいただきありがとうございました

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