学力検査13
7日目
カリカリカリ…
「やっと…」
カリッ…
「終わったぁ~!!」
「やっと終わったの?」
「長かったわね…」
「GL!起きて大丈夫なの!?」
「まだボウッとしてるけどね…」
「返事を聞くのは後になるみたい…」
苦笑するGL
「生徒会室に行かなくて良いの?」
「それを届けなきゃ…」
「あ!そうだった!!」
「じゃぁ、行ってくるよ!!」
「うん…、私は保健室に行くわ」
「風邪なんて初めてだから…」
「送っていこうか?」
「ありがと…」
保健室
「どうした?」
「イトウさん、GLが…」
「ん?体調が悪いのか?」
「エネルギ-を与えれば良いだろう?」
「それが…」
「エネルギ-供給にはキスをするんでしたねぇ~」
「見せて下さいぃ~」
「な、七糸さん…」
「七糸、それ目的で来たのか?」
「いえ~、始末書を取りに来ただけですぅ~」
「始末書なら机の上だ」
「メイスさんは反省してますかぁ~?」
「反省も何も…、始末書の書き疲れで寝てるよ」
保健室のベットで熟睡しているメイス
「保健室で熟睡している女性ですかぁ~」
「完璧なシナリオですねぇ~、イトウさん~」
「何が?」
「ですからぁ~」
「解ってるでしょぉ~?」
「だから、何が?」
「メイスさん、良い体してますもんねぇ~」
「私でも百合したいくらいですからぁ~」
「七糸、イトウさんは意味を解ってないと思うけど…」
「秋雨君は解ってるんですねぇ~」
「流石ですぅ~」
「う…」
「…始末書を取りに来ただけなら早く帰れ」
「こっちは患者を待たせてる」
「解りましたぁ~」
バタン
「…騒がしい奴だ」
「そう言えば、イトウさん?」
「何だ?」
「どうしてメイスさんは始末書を?」
「さぁな」
「俺も知らないのだ」
「そうなんですか…」
「で?GLは、どのような症状なんだ?」
「風邪みたいなんですけど…」
「よく解らなくて」
「風邪?」
「GLが…?」
「秋雨…、アンタは始末書を届けに行くんでしょ…?」
「あ、行ってくるよ」
「じゃぁ、GLを宜しくお願いします」
「ああ、任せてね」
「では」
バタン
部屋から出て行く秋雨
「…とりあえず、現状を見る」
「口を開けて」
「ふぁい…」
ガラッ
「3Pですかぁ~?」
「羨ましいですぅ~」
「私の名も廃らぬようにぃ~、この七糸を入れて完全ハ-レ-ムはどうですかぁ~?イトウさん~」
「七糸、お前は帰れ」
「イトウさん!許さないですよ!!」
「私はイトウさんと…!!」
「約束したじゃないですか!イトウさん!!」
「メイス、お前は寝ろ」
「そして約束した覚えはない」
「イトウさんって…」
「GL、お前は勘違いするな」
「…それが無いのなら、私は帰りますぅ~」
「ではではぁ~」
バタン
「面倒くさい奴だ…」
「イトウふぁん…」
ドサッ…
ベットに倒れ込むメイス
「寝言か…」
(この人は凄いわね…)
「さて、背中」
「あ、はい」
ピタッ
GLの背中に聴診器を当てるイトウ
「ひゃっ!」
「…どうした?」
「つ、冷たくて…」
「…解らんでも無い」
「次は胸だ」
「は…」
「え?」
「胸だ」
「当てられんだろう」
「いや、でも…」
「普段はメイスにして貰ってるんだが」
「今日は、この状態だからな」
「でも…、本当に…」
「何か妙か?」
「異性ですし…」
「…そう言えば、昔にメイスに酷く怒られた事が有ったな」
「仕方有るまい…」
「モッチ-!!」
「キュプ-!」
「少し待ってろ」
部屋の奥に入っていくイトウ
「…?」
「失礼します」
「誰!?」
女が奥の部屋から出てくる
「私は…」
イトウを見る女
「…」
「…モチコです」
「えっと…?」
「俺の助手だ」
「メイスさんの他にも?」
「まぁな…」
「頼む」
「はい」
生徒会室
「書き終わりましたぁ…」
「そうか」
「後は勉学に励め」
「はい…」
「…GLの体調が優れないと聞いたが?」
「確かに、そうですけど…」
「何処から…!?」
「俺の情報網は広い」
「で?大丈夫なのか?」
「風邪っぽいんですよ」
「鬼怒さんの時に、風邪みたいになった事って有りましたか?」
「いや…、そんな事は…」
「…まさか」
「どうかしましたか?鬼怒さん」
「いや…、何でも無い」
「もうテストは近い」
「お前も勉強しろ」
「は、はい!!」
バタン
「まさか…」
「いや、俺の思い違いか…?」
「能力者から離れすぎた反動…、だとしたら?」
「GLは…」
悪い予感を振り払うように溜息をつく鬼怒
「まさか…、な」
保健室
「終わりました?」
「はい、お疲れ様」
「終わったか」
「もう帰って良いぞ」
「ありがとうございました…」
「症状を確かめてから薬を渡す」
「症状の詳しい事が解るまでは無理はするな」
「残念だが、今回のテストの参加は認めん」
「え…」
「当たり前だ」
「無理をして体を壊すな」
「はい…」
「失礼します…」
バタン…
「…もう戻って良いぞ、モッチ-」
シュゥウ…
「キュプ!」
「ご苦労だったな」
「やはり、人型になるのは疲れるか…」
「キュプ…」
「GLの症状…」
(能力者から離れた期間が長すぎた…)
(この症状は…、拒絶反応に近い…)
(このままだと…、GLは…)
「消える…」
「キュプ-?」
「キュププ!」
「…そうだ」
「確かに、向こう側の世界ならば居るだけで治療になる…、が」
「あの世界と、この世界の均衡を崩して良いのか…?」
「いや、良いはずがない…」
「もし「扉」を通って彼達が向こうの世界に行けば…、適応できずに死ぬだろう…」
「だが…、たった1人の為に全てを破壊する男も全てを守る男も俺は見てきた…」
「俺は…、GLを見捨てて世界を救うのか?」
「GLを救って世界の均衡を崩すか?」
「生徒を捨てる教員に成り下がるか?」
「世界の均衡を守る英雄になるか?」
「キュプ-…」
「…ああ、そうだな」
「自分のしたい様にすれば良いか」
「いつもの様に…、いつもの如く…、な」
1年寮、秋雨達の部屋
「お帰り-!秋雨お兄ちゃん!!」
「竜山お兄ちゃんが国語を教えてって!!」
「うん、やっと「しまつしょ」書き終わったらしいよ」
(竜山まで…?)
「解ったよ」
「後で私にも算数を教えてね!!」
「うん、解ったよ」
「GLは?」
「まだ帰ってきてないよ-」
(まだ保健室なのかな…?)
「秋雨-!早く教えてくれ-!!」
「解った-!!」
「最下位にだけはなりたくないからな…」
「何が有るか…!!」
「ああ、恐ろしい…」
「どうしたんだ?竜山」
「いや、トウツさんが言うには最下位には大変な罰が有るらしい…」
「えぇ!?」
(そう言えば、ここ最近は勉強してなかった…!!)
「が、頑張ろう!!」
「おう!!」
テスト前日
生徒会を始め、風紀委員会、治療委員会、無所属の者達までが勉学に励む
(例外として教員1名を含める)
「明日は…!!」
「テストだ!!」
「頑張るぞ!!」
「お-!!」
読んでいただきありがとうございました




