学力検査9
「…と言うワケなんだ」
「…竜山が変な言い方しただけって事?」
「なら、関係ないじゃない…」
「誰に…?」
「え…」
「それは…」
言葉に詰まるGL
「GLに、に決まってんだろ!あの鈍感!!」
「竜山君、身を乗り出さない」
「あ、すいません…」
「しっかりしてよね!あの2人に見つかったら全部パァなんだから!!」
「はい…」
「竜山=馬鹿」
「うるせ!」
木の陰から2人を見守る竜山、メイス、寺冬
「でも、何でメイスさんと寺冬が?」
「俺は2人が心配で来たんですけど…」
「フフフ…!恋する者を応援するのは大人の女の役目よ!!」
「あ-、イトウさんとは上手くいってます?」
「も-!恥ずかしい事、言わないでよね!!」
「そりゃイトウさんだって恥ずかしいだろうし、私も恥ずかしいもん」
「でも、初心なのは悪い事じゃないでしょ?」
「だから2人の関係を少しずつ、深い物にしていきたいなぁ-って」
「あ!イトウさんが言ってるんじゃないよ?私が言ってるの」
「でも、きっとイトウさんも同じ思いだと思うのよね」
「言葉に出さなくても、私には解るの」
「だからイトウさんは…」
「…聞いた俺が悪いのか?寺冬」
「竜山=判断不足」
「メイスさん=イトウさんに対する恋愛感情がハンパじゃない」
「そうだな…」
「…と言うワケで!私は2人を応援するわ!!」
「解った!?」
「え?あ、はい」
「自分=了解」
「そう言えば…」
「竜山=どうした?」
「どうして寺冬は秋雨を応援するんだ?」
「自分=目的有り」
(秋雨とGL=自分と水無月に可能性有り)
「何だか知らないけど…」
「とにかく行きましょう!!」
「勿論よ!!」
「何処に?」
「!!」
「く、首狩先輩…」
「まったく…、コソコソと何をしてるのかと思ったら…」
「こんな真っ昼間からスト-カ-ですか?」
「メイスさん、アナタは仮にも教師でしょう?」
「…夜風ちゃん」
「何でしょう?」
「忘れてないわね?取引を」
「勿論です」
ガッ
「夜風!?」
「やっちゃいなさい!!」
「はい」
ゴキッ
「うぐっ…」
ガクン
力無く崩れる首狩
「よ、夜風!?」
「メイスさんとの取引です」
「どういう事ですか!?メイスさん!!」
「フフフ…!首狩君と夜風ちゃんが遊園地に来るのは解ってたのよ」
「だから、夜風ちゃんと接触して取引をしたわ」
「「取引」?」
「首狩君に私達の邪魔をさせない事」
「その代わりに特別券をあげるのが交換条件よ」
「何の特別券ですか?」
「ラブホテルです」
「よ、夜風って…、そんなに積極的だったけ?」
「メイスさんからの進言です」
「「この次期の子は、この手に弱いから積極的にガンガン行きなさい」と」
(余計な進言を…)
「流石にマズいでしょ?」
「大丈夫です」
「「本番は無し」を心に定めますから」
「いや、その前もだよ…」
「メイスさんも、この年頃の女子に、しかも無知な夜風に教えちゃ駄目でしょ?こんな事」
「何事もチャレンジ!!」
「チャレンジし過ぎですよ…」
「なぁ?寺冬」
「今=それ所じゃない」
「え?」
「2人=移動する」
「何!?」
「次、行こうか?GL」
「…そうね」
「オバケ屋敷なんか、どう?」
「あ-、大丈夫かな?」
「確か…、大変な事になってたと思うけど」
「大丈夫でしょ?」
「夜風と首狩さんも入れたんだし」
「そうかな…」
「立てる?」
GLの手を掴み、ゆっくり立たせる秋雨
「ありがと…」
「やるじゃない…!秋雨君!!」
「中々のレベルよ!?アレは!!」
「自分=メモ」
「何でメモしてるんだ…?寺冬」
「申し訳ございませんが、私達は失礼します」
「行っちゃ駄目だぞ!?」
「心配ご無用です」
「遊園地の目玉、観覧車に行きます」
「教えた通りよ!解ってる!?」
「勿論です」
「観覧車の中でキスを迫り、この特別券を…」
「駄目だって!!」
「メイスさんは余計な事を吹き込まないでください!!」
「むぅ-、詰まんないの」
「じゃ、観覧車の中のアレだけよ?」
「了解しました」
「まぁ…、それならギリギリOKかな?」
「今=大変」
「2人=移動!!」
「何!?」
「行きましょ!早く!!」
「は、はい!!」
「夜風!絶対に特別券は使うなよ!!」
「了解しました」
「行くぞ!!」
ダダダダダ…
「…漸く行ったか」
「起きていらっしゃったのですか?首狩さん」
「つい先刻な…」
「手荒な真似をするじゃないか、夜風」
「申し訳ありません」
「首狩さんに寝て貰うためには、アレぐらいの事をしなければ…、と」
「あのなぁ…」
大きくため息をつく首狩
「しかし…、起きていたのなら、どうして会話に入って来なかったのですか?」
「あんな会話には入れねぇよ…」
オバケ屋敷
「いらっしゃいませ」
「カップル様ですと、割引が有りますが…」
「カ、カップルじゃ…」
言葉に詰まるGL
「…割引、お願いします」
「!?」
「ナイスよ!GLちゃん!!」
「ナイスなんですか?」
「当たり前でしょ!?」
「アレで2人の間はグッと縮まるわ!!」
「自分=メモ…」
「だから、何で寺冬はメモしてるんだよ…」
ヒュ~ドロドロ…
「…怖いわね」
「うん…」
「…」
「…なぁ、GL?」
「何?秋雨」
「どうして…、先刻はカップルって?」
「か、勘違いしないでよ!?」
「その方が安かったから…」
「そうなんだ…」
「でも…、私は…」
「GL?」
「な、何でもないわよ!!」
「行きましょ!秋雨!!」
「う、うん?」
ピタッ…
突然止まるGL
「私は…、嘘を言った気は無いわよ…」
「ツ、ツンデレだとぉおおおおおおおおお!?」
「そうよ、竜山君」
「良く気付いたわね」
「ここでツンデレとは…!!」
「恐るべし!GL!!」
「流石ね…」
「尾行を続けるわよ!!」
「まだするんですか!?」
「当たり前でしょ!?」
「ここからが本番よ…!!」
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