学力検査6
屋根
バタァン!!
「ミナモ!!」
屋根に走り込む3人
「…居ない?」
「何か散らかってるけど…」
「何だろう?」
バタン
「だ-か-ら!ゴミは片付けなきゃ駄目だって!!」
「だぁ-!もう!!面倒くせぇな!!」
「駄目だろ!公共のマナ-なんだから!!」
「チッ…!解ったよ…」
「まったく!すぐにコレなんだから…」
「天鹿和さん!?」
「お!秋雨君」
「それに…、竜山君にクラウン君じゃないか」
「天鹿和さん!!」
天鹿和に飛びつくクラウン
「ミナモを!ミナモを見ませんでしたか!?」
「ミナモちゃん?知らないけど…」
「去年みたいに、骸瀧さんに拉致られてない?」
「調査済みです!!」
「骸瀧先輩…、骸瀧先輩…?」
「頭の中のネジが…」
「思い出すなぁあああああ!竜山ぁああああああ!!」
「俺は知ってるぞ」
「え!?」
「本当か!?裏!!」
「昨日の夜、相手をして貰ったからな」
「!??!?!?」
「中々、良い選択の仕方をしててな」
「美味かったぞ」
ゴゴゴゴゴゴゴ…
「…秋雨さん、竜山さん」
「…何だ?クラウン」
「死体処理をお願いします」
「駄目駄目駄目駄目駄目----!!」
「良いぜ!最近の依頼は手応えがなかったからな!!」
「戦るか!?あぁ!?」
「駄目ですよ!天鹿和さんも!!」
「今は何処に居るんですか!?ミナモちゃんは!!」
「俺の部屋だけど?」
「行きましょう!!」
「行くぞ!裏!!」
「え-?面倒くせぇ」
「お前の過ちは償わなきゃならねぇだろ!!」
「ゴミは?」
「後!!」
2年寮
天鹿和の部屋
「ミナモ!!」
「ほぇ…?クラウン?」
「それに…、秋雨君と竜山君まで」
「どうしたの?」
だらしなくシャツを着ているミナモ
「ミナモちゃん!!」
ダダダダ!!
天鹿和がミナモの元に走り込んでいく
「本ッッッッ当にゴメン!!」
「え?」
「裏が!裏が!裏が!!」
「一晩の過ちを犯してしまった!!」
「本ッッッッ当にゴメン!!!」
「…何が?」
「表、お前…、変な勘違いしてないか?」
「え?」
「「相手をして貰った」ってのは月見の相手だぞ?」
「昨日は満月の月見日和だろうが」
「じゃぁ…、「良い選択の仕方」ってのは?」
「パンだ」
「「喫茶店で適当に買ってこい」って言ったら良いモンを買ってきたからな」
「え?この姿は?」
「?」
首をかしげるミナモ
「昨日の夜!このクソガキが屋根で眠り込んじまったんだよ!!」
「何処に行かせれば良いか解らなかったから、俺の部屋に運んだんだが…」
「部屋に着くなり、起きて「風呂に入りたい」ってダダをこね出してな」
「仕方ねぇから入れさせたんだが…、代わりの服がねぇから保健室で借りてきたんだよ」
「で、借りて来た服がコレだった…、と」
「そうだよ」
「良かったぁ~!俺の勘違いで!!」
「こんな間違いを犯してたら骸瀧さんにぶっ殺されてるよ~」
「あれ…?骸瀧先輩…?間違い…?」
「俺は…」
「思い出すなぁあああ!竜山ぁあああああ!!」
「まぁ、良かったじゃないか!クラウン君」
「アハハハハハハ!!」
「良くないです!!」
「アハハ…、ハァ…」
「こんな、だらしない格好をミナモにさせるとは…!!」
「許しません!!」
「でも、私も悪かったんだよ?クラウン」
「良いお月様が出てたから、見ようと思って屋根に登ったら天鹿和さんが居て…」
「ミナモも!知らない人に着いて行っちゃ駄目だよ!!」
「…ゴメン」
「まぁ、良いじゃないか」
「ミナモちゃんも無事だったんだし」
「そう言う問題では…」
「堅い事ばかり言ってると、ハゲるぞ」
「あの校長みたいにな!」
パァアア----ン…
「た、竜山さぁあああああああん!!」
校長室
「どうだ?ロック」
「イトウさんに頼んで持ってきて貰った最新型のスナイパ-ライフルは」
「…やはり、オ-トマチックの方が使いやすいな」
「アハハハ!お前は前戦戦闘型だからな!!」
「お前も最近は使ってないだろう?スナイパ-ライフルは」
「神月とかスカルに怒られまくったからなぁ…」
「しばらくは使わねぇよ」
「そうか」
「…で?何処に向かって撃ったんだ?」
「…さぁな」
2年寮
天鹿和の部屋
「起きろ!竜山!!」
「うぅ…」
ゆっくり起き上がる竜山
「…何だろ?記憶が」
「思い出さなくて良いよ、竜山君」
「思い出したらトラウマ物だしな」
「ここは?」
「天鹿和さんの部屋だよ」
「そうか…」
「クラウンとミナモちゃんは?」
「帰ったよ」
「とりあえず、アメリカ支部に帰る準備をするらしい」
「…ん」
「どうした?竜山」
「いや…、喉が渇いて…」
「あ!お水、出すよ」
ガタガタ
「…って言うか、天鹿和さん?」
「ん?何?」
「部屋…、かなり散らかってますよ?」
「あ-…、ここ最近は掃除してなかったからねぇ」
「はい、お水」
「どうも」
ゴクッゴクッ
「ふぅ…」
「じゃ、君達も寮に戻ると良いよ」
「勉強があるだろう?」
「天鹿和さんも?」
「いや、部屋の掃除をするよ」
「流石に散らかり過ぎだからね」
「なら、俺も手伝いますよ」
「僕も手伝います」
「でも、悪いし…」
「お水のお礼って事で」
「でもなぁ…」
「良いじゃねぇか!表!!」
「裏…」
「労働力が増えるんだ!使えるモンは使わせて貰おうぜ」
「そう言う言い方は…」
「屋根の掃除もあるだろ?」
「う、う-ん…」
「じゃ!そう言うことだ!!」
バタン
部屋の外に出る天鹿和
「俺は屋根の掃除をするから、お前達は部屋を適当に掃除してくれ!!」
「ゴミとかは?」
「要るモンもねぇから、適当に捨ててくれ」
「じゃ!!」
ダダダ…
「…じゃ、始めるか」
「お、おう」
ガサガサガサ…
「うわ!?ゴキブリ!!」
パァン!
新聞紙で糸も容易くゴキブリを潰す秋雨
「コレぐらいで驚いてたら掃除できないよ?」
「わ、悪い…」
「えっと…」
ズルッ
「ん?」
ズルルルル…
「ぎゃああああああ!蛇が出てきたぁああああああ!!」
「何で!?」
「あ、作り物だ…」
「天鹿和さんの部屋って…」
ガサガサ…
「…秋雨」
「どうした?竜山」
「エロ本が」
「捨てろ!!」
ガサガサ…
「…竜山」
「何だ?秋雨」
「腐ったプリンが」
「捨てた方が良いと思う」
「「表用」って書いてる」
「捨てよう」
ガサガサ…
「ん?」
「どうしたんだ?秋雨」
「写真だ」
「写真?」
写真には小さな男の子が2人、写っている
「誰だろ…?天鹿和さんかな?」
「もう1人は…」
「そういうのは勝手に見ない方が良いんじゃないか?」
「…そうだな」
「後で天鹿和さんに渡そう」
1時間後
「…終わらねぇ」
「散らかり過ぎだよ…、この部屋」
「出てきたのが天鹿和先輩の表と裏の趣味でキッチリ別れてるし」
「表4:裏6だよ」
「表さんは主にお菓子とか漫画…」
「裏さんエロ本とかイタズラ道具だな…」
「…そりゃ部屋も散らかるよ」
「どうする?この大量の生ゴミと雑誌」
「捨てるしかないだろ…」
「適当に捨てて良いみたいだし」
「だよな…」
「どう?終わった?」
「天鹿和さん!」
「屋根の掃除は終わったんですか?」
「まぁ、一応ね」
「こっちは?」
「大凡は…」
「でも、ゴミが多すぎて…」
「後は僕がやっておくよ」
「ゴメンね、ここまでやらせちゃって」
「いえいえ!僕達が引き受けた事ですから!!」
「うん、ありがとう」
「それじゃ、俺達は帰ります」
「うん、じゃあね」
「さようなら」
「あ!天鹿和さん」
「ん?何だい?秋雨君」
「写真が有りましたよ」
「部屋の隅から出てきて…」
「…うん、ありがとう」
「では」
帰って行く秋雨と竜山
「…この部屋に有ったのか」
「無くしたと思ってたんだが」
「秋雨達に見られたな」
「記憶を消しておくか?」
「…いや、そこまでしなくて良いよ」
「彼達には…、あまり干渉しない方が良い」
「何でだ?」
「メタルが目を付けてる」
「彼達は…、厄介だ」
「…メタルに対する復讐は?」
「するさ」
「青龍の仇を…!必ず…!!」
「…それが、お前の身を滅ぼす事になっても、か?」
「その程度なら安い物だよ」
「必ず…、例え学園を皆を犠牲にしてでも」
「…そうか」
(俺には…、止められない)
(表を…、表の狂気を…)
読んでいただきありがとうございました




