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学力検査5

4日目


「では、授業を始めます」

「国語は「慣れ」が重要ですので、しっかり聞いてくださいね」


「スカル教頭が教師か…」

「以外だな」


「ああ」


「…もう怪我は大丈夫なのか?竜山」


「大丈夫だよ」


コロコロ…


「すいません、そこの消しゴムを取って貰って良いですか?」


「ん?ああ、はい」


消しゴムを拾う竜山


「ありがとうございます」


「どういたしま…」

「ひぃっっ!!」


「どうした!?竜山!!」


「…わ、悪い」

「この女子が骸瀧先輩に見えて…」


(相当な重傷だな…)


「どうかしましたか?」


「い、いえ、何でも…」


「そこ!話をしないでくださいよ」


「あ、はい」


「では、授業を進めます」

「「てう」は現代語訳で…」


「あの後、何が有ったんだ?竜山」


「覚えてないんだ…」

「いや、「覚えてない」と言うより「思い出したくない」だ」


「そ、そうか…」


「竜山君!コレ(拳)は何と読みますか?」


こぶしです」


「正解です」

「ですが…、お話は駄目ですよ」


「すいません…」


「じゃ、秋雨君」

「コレ(袋)は?」


ふくろ…、ですか?」


「正解です」

「アナタもお話は駄目ですよ」


「はい…」


「まぁ、そう堅い事を言うな、スカル」


「校長!どうしたんですか?急に」


「授業を偵察してるんだよ」

「まぁ、詰まらない授業だ」

「少しぐらいの与太話は大目に見てやれ」


微笑むロック


「なぁ?秋雨君、竜山君」


「は、はぁ…」


「で、竜山君」


「何ですか?」


「この帽子、どう思う?」


「そのシルクハットですか?」


「そうだよ」


(「帽子」…?「どう思う」って…?)

(とりあえず、帽子を被ってるんだから…)


「どう?」


「ハゲ隠しですか?」


パァアアン!!


教室内に響く1発の銃声


「…じゃ!授業に励んでね!!」


バタン


シ--ン…


一気に静まる教室内


「…生きてる?竜山君」


「…どうにか」


「校長は珍しく帽子を新調してね」

「それを褒めて欲しかったんだよ…」

「それを「ハゲ隠し」は…、ちょっと」


「咄嗟に思いついたのが、それだったんで…」

「今は反省してます…」


「竜山…、頭に剃り込みが…」


「何かEXL◯EのA◯◯◯SHIさんみたいになってますね」

「それは置いておいて、授業を進めましょう」




キ-ン、コ-ン、カ-ン、コ-ン…


「授業を終わります」


「あ-、終わった、終わった」


「あ、皆さんに連絡です」


「?」


「勉強会をするのは構いませんが、外で走り回った挙げ句、掴まって暴行を受けてトラウマになるのは止めて下さいね」

「以上です」


「そんな事、誰がするんだろうな?」

「なぁ?秋雨!!」


「…うん、そうだね」


「秋雨?」


竜山と目を合わせない秋雨


「どうかしたのか?」

「まさか…、スカル教頭が言ってたのって…」


「違う!絶対に違うから!!」


「そ、そうか…?」


「秋雨さん!!」


「どうしたんだ?クラウン」


「ミナモを見ませんでしたか!?」


「ミナモちゃん?知らないけど…」


「どうしましょうか…!!」


「…何か有ったのか?」


「ミナモが行方不明なんです!!」


「心当たりは?」


「「学園を見学する」と言って、そのまま…」

「昨日は特別寮にも戻ってきませんでしたし…」


「…迷子じゃないかな?」


「この学園は迷子になる程、広くないだろ」

「って事は…、誘拐か」


「「誘拐」!?」

「誰が!?いつ!?何で!?」


「落ち着いて!クラウン!!」

「誘拐と決まったワケじゃないし…」


「でも、それ以外に何が…?」


「とりあえず、捜そう」

「各自、手分けして捜そう」


「おう!」


「解りました!!」




校舎裏


「ミナモちゃ---ん!!」


「どうしたんだい?大きな声を出して」


「鏡燕さん!!」


「人捜し?」


「はい、アメリカ支部のミナモちゃんを捜していて…」


「それって、青髪の小さな女の子?」


「そ、そうです!!」

「何処で見ました!?」


「いや、昨日なんだけど…」

「大量のパンを持って渡り廊下を歩いてたな…」


(パン…?喫茶店だ!!)

「ありがとうございます!!」


ダダダダダダ!!


走り去る秋雨


「大変だね…」



喫茶店


「金田さん!!」


「ど、どうしたんだい?秋雨君」


「ミナモちゃんを見ませんでしたか!?」


「ミナモなら、昨日の夜にパンを大量に買っていったよ」

「確か、チョコパンとメロンパン…、ココアパンもだったかな?」


「何処かに行くとか、言ってませんでした!?」


「食堂で何かを食べるとか言ってたよ」


「ありがとうございます!!」


ダダダダダダダ!!


走り去る秋雨


「何だ?アイツ」


「メタル!帰ってたのか?」


「ああ、先刻な」

「で、秋雨は何だったんだ?」


「ミナモを捜してたよ」


「ミナモなら昨日、見たぞ」


「何処で?」


「何処でだったかな…?」

「覚えてねぇや」


「お前らしいと言えば、お前らしいな」

「そう言えば、お前も昨日の帰りは遅かったな?」


「確か…、屋根に行ってたな」


「「屋根」?何で?」


「昨日は満月…」

「あ!思い出した!!」



食堂


「トウツさん!フェザ-さん!!」


「どうしたんだい?秋雨君」


「ミナモちゃんを見ませんでしたか!?」


「俺は、ずっと調理してたからなぁ…」

「フェザ-は?」


「俺は外に行ってましたから」

「ゴミ捨てを頼んだのはトウツさんでしょ?」


「ああ、そうだったな」


「ワイは見たで」


「挽我!」


「なぁ?寺冬」


「自分=挽我と同意見」


「何処で!?」


「昨日の晩、食堂でアホみたいに飯を食っとたで」

「もの凄い量やったなぁ…」


「挽我=張り合おうとした」

「結果=惨敗」


「…あの嬢ちゃん、あり得ん量を食うんやで?」

「勝てるはず無いわ」


「その後、何処に行くとか言ってた!?」


「さぁな…、そこまでは聞いとらん」

「寺冬は?」


「自分=知らない」


「そうか…」

「ありがとう…」


「何や?何か有ったんかいな?」


「いや、行方不明で…」


「誘拐されたんちゃうか?」

「あの可愛い嬢ちゃんやけいなぁ…」

「寺冬も変な目で見とったし」


「自分=興味ない」


「アハハハ!そうやったか?」

「まぁ、この学園に嬢ちゃんを誘拐するような奴は居らんのちゃうか?」


「そうだと良いんだけど…」


「秋雨!!」


「竜山!」

「見つかったか!?」


「いや、目撃情報で食堂に来たんだ」

「お前も?」


「ああ、喫茶店で聞いて…」


「秋雨さ-ん!竜山さ-ん!!」


「クラウン!!」


「ミナモは!?」


「それが…」


「そんな…!!」

「僕の目撃情報は食堂で途切れてます!!」

「秋雨さんと竜山さんは!?」


「…」


首を左右に振る秋雨と竜山


「何処に行ったんでしょうか…!?」


「お-い!そこの3人!!」


「メタルさん!!」


「ミナモが昨日、居た場所が解ったぞ!!」


「何処ですか!?」


「屋根だ!!」


「「屋根」!?」


「ああ!そうだ!!」


「ありがとうございます!!」

「行こう!竜山!クラウン!!」


「おう!!」


「はい!!」

読んでいただきありがとうございました

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