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15章・役立たずは傍観するぜ byリック

「いいだろう。私が相手になる」


 言うが早いか、一気にアリシアの方へ駆ける。


「ちょ、ちょっと?」


 俺はアリシアに襟首を掴まれ、放り投げられる。

 地面に何度かバウンドして、結界の端で止まる。何つー馬鹿力……じゃない、強化術式か。

 俺がなんちゃって魔術師じゃなかったら死んでたぞ……。


「…………」


 俺が立ち直って、アリシアの方を向くと、彼女の身体が無数の魔法陣に囲まれていた。

 魔術の多重起動。


 ――確率事象への干渉を開始。

    対象C、行動停止――成立実行。


 これに呼応するように、依頼者も足を止め、魔法陣を展開する。


 ――確率事象への干渉を開始。

    対象A、術者に懐に入り込まれる――成立実行。


 足を止めたかと思えば、再び加速。アリシアの懐に潜り込む。


 ――対象C、術者に背後を取られる――阻害あり、不成立。


 右アッパーが放たれた。


「―――く」

 迫りくる拳に、アリシアがとっさに剣を振るう。


 ――対象Cの拳、ハスターの剣と衝突――成立実行。


 剣と拳がぶつかり合う。

 が、改造強化された拳は悪魔的に硬い。


 ――対象A、ハスターの剣を手放す――成立実行。


「――――っ!」

 剣は弾かれ、天高く舞い上がる。

 そこにすかさず左ストレートが打ち込まれる。


 ――対象A、ガードに失敗――成立実行。

 ――対象C、拳を防がれる――阻害あり、不成立。


 アリシアの柔らかな腹に拳がめり込んだ。

 常人なら内臓が破裂し、死に至る可能性もある魔術加護付きの拳が。

 アリシアの身体が軽々と吹き飛ばされ、結界の端にまで到達する。

 ダゴン戦を髣髴とさせる吹っ飛び方だ。

 あの時はニセモノを用意したんだっけ。


「お……あー…………」


 うめき声と共に、吹っ飛ばされた人影が、おぼつかない足取りながらも、立ち上がった。

 どうやらアレは本物らしいが…………意図が見えない。


 前回みたいにするつもりはないらしいが、今回、戦い方が明らかに見劣りする。

 これが、アリシアか?


「どういうつもりだ?」


 依頼者も半ば腹立たしげにアリシアへと歩を進める。


「本気を出せ!」

 ――対象C、舌をかむ――成立実行。


「真の力をみしぇッ!?」


 あ、舌かんだな、あれ。


「見せてみッ!?」

 ――対象C、何も無いところでこける――成立実行。


 今度は何もないところで足をもつれさせてこけた。


 ――術者、指定座標へ転移――成立実行。


「油断大敵、ですよ」


 いつの間にか、アリシアが転移、ハスターの剣を携え、その切っ先を突き付けている。


「お互い様、ではないかな?」


 ――術者、対象Aの背後を取る――成立実行。


 依頼者がアリシアの背後へ転移。

 アリシアが弾かれるように前進、その後反転。

 2人が再びにらみ合いの体勢に入る。


「やはりこのようなお遊びドッグファイトに意味は無いな」

「同感です」

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