第2話『トワイライト』
京都駅からバスに乗り、八坂神社へ向かう。
円山公園の屋台でフランクフルトを買い、少し桜を見ながら食べ歩いて、私は目的地へと向かった。
祇園、南園小路にある木造の小さな喫茶店のようなお店が、私の目的地だ。
「ここだよね?」
誰に質問するでもなく、一人そう呟く。
築何年の建物だろう?
少なくとも数十年は経っていそうだ。
こちら側に窓は見当たらず、入り口のドアを開けないと中を確認することはできない。
入り口のドアには猫の顔を型どった可愛い小さな看板が掛けられて、温かみのある文字でこう書かれていた。
『restaurantトワイライト』
トワイライト……?
永久伊光じゃなくて?
私は首を傾げながら、スマホを取り出してお店のホームページにアクセスした。
「なんか間違えたかな?」
ホームページに書かれてある住所をコピーし、ナビアプリにペーストする。
さっきはナビアプリに住所を手入力したから、間違えたのかもしれない。
──ピコーン──
「目的地に到着しました、案内を終了します」
無機質な音声がスマホから流れる。
一歩も動いていないのに、ナビアプリの案内が終了してしまった。
「えっ、なんで?」
私は困惑の表情を浮かべながら、もう一度スマホでお店のホームページを確認し、ドアに掛けられた猫の看板をみた。
永久伊光……トワイライト……。
「あっ!」
永久でトワ、伊はイ、光でライトだ!
「なるほど!」
読み方を解明できたことが嬉しくなり、私は勢い良くお店のドアを開けた。




