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第9話 魔王の宣言
城門前の一件から、
数日が過ぎた。
城内は、
妙に静かだった。
剣戟の音が減り、
代わりに聞こえるのは、
話し声。
将校たちが、
集まって議論している。
「戦わずに守れるなら……」
「交易は、
確かに成果を出している」
価値観が、
揺れ始めていた。
玉座の間。
ゼフィロスは、
全将校を集めた。
リオネルも、
その隣に立つ。
「宣言する」
場が静まる。
「魔族は、
征服国家ではない」
「共存国家となる」
ざわめき。
「剣は、
最後の手段だ」
「まず、
話せ」
「交易し、
助け合え」
将軍の一人が、
立ち上がる。
「それでも、
攻められたら?」
ゼフィロスは、
即答する。
「守る」
「だが、
奪うためには
使わない」
沈黙。
やがて、
バルザークが膝をつく。
「陛下に従う」
次々と、
膝が折れる。
リオネルは、
胸がいっぱいになる。
(変わってる……
ほんとに……)
ゼフィロスは、
リオネルを見る。
「貴様を、
魔王顧問とする」
「ええっ!?」
「魔族と人類を
つなぐ役目だ」
リオネルは、
首を振る。
「俺、
村人です……」
「だからだ」
ゼフィロスは、
静かに言う。
「強者ではない者の
視点が、
世界を救う」
リオネルの目に、
涙がにじむ。




