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第6話 交易という名の戦略


魔王城の会議室。


円形の大きな机を囲み、

将軍や参謀たちが座っていた。


中央には、

ゼフィロス。


その隣に、

リオネル。


場違い感が、

凄まじい。


「本日の議題だ」


ゼフィロスが告げる。


「人類領との

 新たな接触方法を

 検討する」


将軍の一人が、

低い声で言う。


「攻め込むのか?」


「いや」


「攻めない」


ざわめき。


リオネルは、

そっと手を挙げた。


「えっと……

 商売、

 してみたらどうですか?」


全員が、

彼を見る。


「作物とか、

 道具とか……」


「お互い、

 足りないものを

 交換するんです」


沈黙。


参謀が、

メモを取りながら呟く。


「経済的依存関係の

 構築……」


「軍事衝突を

 起こせない状況を

 作る……」


リオネルは、

目を泳がせる。


「いや、

 普通に便利だからで……」


ゼフィロスは、

顎に手を当てる。


「試す価値はある」


「小規模で行う」


数日後。


国境付近に、

簡易市場が作られた。


魔族側は、

鉱石と魔獣の皮。


人類側は、

穀物と布。


最初は、

互いに武器を構えたままだった。


リオネルは、

震えながら叫ぶ。


「ぼ、

 暴れないでください!」


沈黙。


誰も動かない。


最初に近づいたのは、

人類の商人だった。


次に、

魔族の兵士。


ぎこちなく、

品物を置く。


しばらくして――


「取引、

 成立だ」


小さな成功だった。


数日後。


市場は、

倍の大きさになる。


笑顔は、

まだ少ない。


だが、

剣は抜かれない。


バルザークが、

報告する。


「小競り合いが、

 三割減少した」


リオネルは、

目を丸くする。


「すごい……」


ゼフィロスは、

静かに言う。


「貴様の提案だ」


リオネルは、

首を振る。


「俺の村では、

 当たり前でした」


ゼフィロスは、

わずかに微笑む。


「ならば、

 魔族にも

 当たり前にしよう」


こうして――


交易は、

戦争の代わりに

広がり始める。


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