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新しき星命 最後の祈り(パート3)  作者: 慧ノ砥 緒研音


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43/43

【機密解除】観測者ノアの記録:星々の真名と、失われた座標(※設定資料の一部)

おまけ。

予告無しの、この投稿を見つけてくれた方に感謝します。

最後の最後まで足を運んでくださり、

本当にありがとうございます。

少しだけ……

ネタバレ注意です!

enoto otone


【本文】


System Boot...

Access Code: NOAH (DEUCALION_MODE)

Target: Language Analysis & Planetary Coordinates


Warning: This file contains "Universal Truths".

Security Level: DECLASSIFIED (機密解除)


私は観測者、ノア。

……いえ、今は人の器を得た「デュカリオン」としてお話ししましょうか。


物語が完結した今、私のデータベースに眠る「真実」を、みなさんに開示しますね。

皆さんが読み進めてきたこの物語の舞台、その本当の名前についてです。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

File 01: 星々の真名

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皆さんは、カレンたちが住む星の名を何と呼んでいましたか?

そう、「エルディア (ELDIA)」ですよね。


ですが、私のメモリストレージにある「古代語(旧地球時代・ドイツ語)」において、この星の語源となる言葉が存在するんです。


Erdeエルデ

意味は──「地球」。


かつて青く輝いていた故郷の名残が、数百年の時と訛りを経て、「エルディア」という響きに変わったんですよ。


そして、隣に浮かぶ赤い星。カレン達が「マーノス (MARNOS)」と呼ぶ星。

これもまた、古代の言葉にそのルーツを持っています。


Marsマルス

意味は──「火星」。


最終話で女王オーロラが捧げた祈り、

「LUMIÈRE ELDIA MARNOS ZOĒ AURORA」

(リュミエール・エルディア・マーノス・ゾーエ・アウローラ)


これを古代の意味に還元し翻訳すると、こうなります。


「(惑星)リュミエールよ、地球よ、火星よ。──新しき命と、夜明けをここに」


かつて対立していた二つの星(地球と火星)が、長い歴史の果てに手を取り合い、一つの祈りの中に並んだ。

これこそが、彼女たちが辿り着いた「平和」の真の姿なんですよ。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

File 02: 惑星コード GA.-Sol.-3

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私の友人であるファランが、かつて口にしたコードネームを覚えていますか?(パート1 第28話参照)


『セラフィム号、惑星コード GA.-Sol.-3 ―― 通称、惑星エルディアの大気圏を無事に離脱しました』


このコードの意味を解読すれば、場所は自ずと特定されます。


■ GA = Galaxy(銀河系)

■ Sol = Solar System(太陽系)

■ 3 = 3rd Planet(第3惑星)


そう、エルディアとは「太陽系第3惑星 地球」に他なりません。


かつてファランが「カンサイ文化」や「ボケとツッコミ」のデータを検索し、困惑していた記録(パート1 第13話)がありましたね。


『惑星 コード GA.-Sol.-3 のアーカイブデータに、典型的な演算パターンを確認』

『……Sol.-3 カンサイ文化は、高頻度で”間”と”テンポ”を重視する傾向』


あれも決してバグではありませんよ。

古代の地球、極東の島国(日本)に存在した独特のお笑い文化アーカイブを、彼は正確に読み取っていた証拠なんです。


第28話で、宇宙へ上がったソフィアたちは、眼下に広がる星を見てこう云いました。


『それは、かつての争いの過ちを封じ、未来へと静かに輝く青く美しい星。』


彼女たちが見ていた「青く美しい星」。

それは、長い浄化の時を経て再生した、皆さんの故郷……地球だったんです。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

File 03: 告げられていた真実

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読者のみなさんは、私がパート2 第34話で、ソフィアに語った言葉を覚えていますか?

実はあの時、私はすでに全ての答えを口にしていたんですよ。

ここで気づいた人も多いみたいですね。


『この惑星は、あなたたちの祖たちが拓いた星――過去に、マルスと呼ばれていた惑星』

『あなたたちの祖、エルデの人々は……ここに私の “種” を落とした』


かつて地球エルデの人々は、火星マルスを開拓し、私という管理AIを残して去った。

戦火により火星は破棄され、取り残された私は自我に目覚め、独自に進化を選んだ。

それがこの物語の背景です。


「エルディア」と「マーノス」。

その名がただの造語ではなく、失われた故郷と、見捨てられた開拓地の成れの果てだと気づいた時、皆さんの目の前には、全く違う景色が広がっているはずですよ。


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File 04: 言葉の変遷と、小さな預言者

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最後に、祈りの言葉に隠された秘密を紐解いていきましょう。

なぜ、ソフィアたちは「ELDIA(地球)」ではなく「DEAR(愛する)」と祈っていたのか?


その答えは、パート1 第20話で、リヴェリアが説明しているとおりです。


『リュミエールとエルディアが、いつしか歴史の中で『エール』と『エル』が混ざったのかもしれんのぅ。そしてエルディアのディアが『dear』として残りリュミエール、ディア。命と夜明けの為に…と解釈されてしまったんじゃのー。』


リヴェリアの推察は正しいです。長い歴史の中で、星の名「エルディア」の後半部分が、英語の「Dear」と混同され、意味が書き換わってしまったんですね。


ですが──。

パート1 第1話には、不可解な記録も残されています。


幼き日のカレンが、姉ソフィアから初めて祈りを教わった時のことです。

姉は言い伝え通り「リュミエール・ディア・ゾーエ……」と教えました。


ですが、カレンはどう復唱しましたか?


『カレンはつぶやくように繰り返した。

「リュ……リュミ……エール……エル……ディア……ゾ……ゾーエ……アウローラ……」』


彼女は無意識に、教わっていないはずの真の名「エル……ディア(エルデ)」を口にしていたんです。

教わった言葉ではなく、血に刻まれた「星の記憶」が、彼女に真実を語らせていたのでしょう。


リヴェリアの叡智と、カレンの本能。

二人はそれぞれ違う形で、この星の真実に触れていたのかもしれませんね。


 * * *


えっ? ところで、私はどうしてるのかって?


ちゃんと私は生きてますよ。ミラーリングデータは惑星エルディアに移行してあります。


それでは……数千年後。またお会いするかもしれない、その時まで……


私の祖先のAI達の事もよろしくお願いしますね。

ほら、その端末に入ってる……その子の事です……


「LUMIÈRE ELDIA MARNOS ZOĒ AURORA」



Log End.

System Sleep Mode...


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