子供のころの怖い話です。
これは私が小学6年生の頃の話です。今もはっきり覚えています。
私と5人の友達は夏休みに私の祖父の家でかくれんぼをしていました。
祖父の家は古い大きなお屋敷だったので広さや隠れる場所は十分にありました。
私はあまり知られていない地下にある備蓄用の倉庫に隠れました。
普段は入ってはいけないと言われていたのですが、滅多に人が来ないので別に入ってもばれないという軽い気持ちで隠れました。
入口は金属製のハッチになっていて重さがあり、簡単には開けられません。
上手くてこの原理を利用して開けましたが、中に入るとかなり暗く内部が見えなかったので、内側からてこに使った棒をつっかえ棒にして、少し隙間を開けて光が入るようにしていました。それから暫く倉庫の隅に隠れていたんですが、一向に人の来る気配がしません。少し外の様子を見てみようと思い、ハッチに近づいたのですが、急につっかえ棒が外れて閉じてしまいました。もちろん私はつっかえ棒に触れていませんし、外には誰もいなかったので誰かがいたずらで閉めたことは考えられません。
地下なので光が入ってくることもなく、ただ闇が広がっているだけでした。
暫くして暗闇に目が慣れてくると、物陰に人影らしいものが見えました。私と同じくらいの背格好の子供です。
入ってくるときは誰もいなかったのに確かにそこにいました。当時の私が恐怖で生み出した幻だったかもしれません。
ですが、暗闇の中独りぼっちで心細かった私はその人影に近づきました。
その瞬間、それがゆっくりとこちらのほうを向いて目を細めてニヤリと笑ったのが見えたのです。他は暗くて何も見えなかったのに、それだけははっきり見えていたのです。得体のしれない恐怖を感じ、必死でそれから遠ざかろうとしました。けれども倉庫は狭く、いくら顔をそむけても、最も遠いところへ逃げたとしても奴の厭な視線が私の精神を蝕んでゆくのです。精神に限界が来た私は、金切り声をあげて気絶していました。その声が倉庫の外に聞こえたようで、家に住む大人たちや一緒に遊んでいた友達が駆けつけて倉庫から引きずり出してくれました。助ける様子を見ていた祖父から話をきくと何かに怯えていて壁のほうを向いて小さく震えていた、まるで床から何かに引っ張られているかのように尋常じゃなく重かった、とのことでした。
このことがあってからカウンセリングに行ったり精神科に通ったりして精神状態はかなり良くなりました。ですが、あれから十数年たった今も奴は私のことを見ているのです。
クローゼットの扉の隙間、テレビの裏、ベッドの下など、何気ない日常の暗がりからあの気味の悪い双つの目がじいっと覗いているのです。




