失踪
三人は廃墟へたどりつく。
夏休みが始まり、一週間が過ぎたころ三人は準備を始めていた。
近頃は、水道水や風呂の水、トイレを流す水さえなく、ミネラルウォーターの値段は1000円を超えていた。それでも三人は、コンビニで食糧と水や懐中電灯などを購入していた。
その日の夕方頃だ。三人は、湖を超えていた。
「いよいよだ・・・。やばい・・・。」と、相変わらずの拓也。
「暗くなる前に中を調べようぜ・・・。」
このホテルはもともと、湖を観光できるように作られており、名前は「ウォーター・アイランド・ホテル」という名前で、プールや水を使った仕掛けなのが満載だった。
なぜ、この三人がこのホテルを調べにきたかというと、実はこの三人は廃墟に水の貯蔵庫があると考えていたのだ。もちろんソレを盗むつもりだったのだろう。
廃墟の前に着いた三人はあまりの恐ろしさに立ちすくんだ。
なんたって、壁にはえんじ色のしみ。そして、異様な匂いと、不気味な音。あたりは明るいのにこの廃墟の周りだけ大きな木の影になってとても暗い。廃墟の横には、昔の面影のないプール。今は沼になって、大きな蜘蛛がいる。
「さて・・・どうしたもんか・・・。」俺は急に罪悪感を感じてきた。しかし、今更引き返すことはできないのだ・・・。「は・・入ろうぜ。」
強がっている拓也は、必死に声を震わせている。