第二話 私なりの精一杯!
とうとう私の自己紹介のときだ
皆に私のことを分かってもらうためにも
これって大切なミッションなのかも
少し固い歩き方で、黒板のあるところへ向かう。
先生みたいに、チョークで書いてバンとか
やりたいけど、そういう高等技術は
やれる余裕はなさそうだ
私のできる、私なりの精一杯の自己紹介をするぞ。
”失敗も経験”
先生の言葉を思い出し、少しリラックスできた
深呼吸して、メモした言葉を必死に記憶に
呼び戻していた。
「真金千里です、趣味は料理です、
姉と妹がいて3姉妹の次女です、
中学は市立小山中学に通っていました
高校生活の抱負は、少し内気なのでもうちょっと
快活になれたらなと思います
気軽に話しかけてくれたら嬉しいなと思います
皆さん、よろしくお願いします」
そして、ペコリとお辞儀をした
緊張したけど、メモしたことは全部言えたはず。
かなり普通の挨拶になったけど
教室は拍手に包まれていた。
(なんとか失敗せずに済んだ、経験と言っても
やっぱり失敗はしたくないから良かった…)
私は、胸をなでおろしていた。
机に戻った、横の九十九ちゃんが
微笑みながら言った。
「完璧だったね…」
緊張から解き放たれた私は
机にばったり倒れ込んで
「なんとか…先生のおかげだよ」
と返した。
九十九「本番強いタイプだね千里ちゃんは」
そういった後九十九ちゃんは、固い表情になった
九十九「次は私か…」
なんか声をかけてあげなきゃ、と私は
先生が言っていた言葉を思い出した
あれで緊張がほぐれた、いま送るべき言葉はこれなのでは
と思った。
千里「失敗も経験だよファイト!」
九十九「ありがとう」
そういった、九十九ちゃんの表情は
こころなしか、少し柔らかな表情になっていた。
ひとみ
「では次、坂井九十九さん自己紹介お願いします」
九十九ちゃんは、すっと立ち上がり
黒板の方へ足を運ぶのだった。