恋 ~ルドン「キュクロプス」より~
【心を打つ絵に出会った時、言葉が溢れて詩になります】
名画を詩にしてお届けします。著作権フリーの場合は、絵画の画像も掲載します。
素敵な絵も、どうぞお楽しみ下さい。
見てたいんだ
だって
ぼくの心に くぼみがあるんだ
あれと同じ形の くぼみが
ぺこん
子どもの殻を脱ぎ捨てたばっかで
ぼくの心は まだ ふにゃふにゃ
ぺこん ぺこん
ああ
見れば見るほど そっくりだ
伸びやかな手足
愛らしい顔の形
じゃあ
胸のふくらみは?
腰のラインは?
確かめてみたいな
ぴったり はまるか
やっちゃおうか
腕を伸ばしたら
すぐ手に入りそうだ
一つきりの ぼくの目には
あれが とても近くに見える
★ ★ ★ ★
読んで下さって、有難うございます。
山肌に寝そべっている裸の女は、ガラティア。「乳白色の肌を持つ者」という意味の名を持つ、美しい妖精です。
「キュクロプス」は、単眼の巨人の種族名。こいつ自身の名前は、ポリュペーモス。
ああ、舌嚙みそう。
ギリシャ神話のエピソードを集めた「変身物語」から、ルドンが描いた絵です。
話のラストが、ひどい。
横恋慕した単眼巨人は、なんとガラティアの恋人を殺してしまうのです。
死んじゃった彼氏は、川の神様になって、おしまい。
いや……それでいいのか? ギリシャ神話。
★ ★ ★ ★
ブログサイトには、新たにこちらの絵画の詩を公開しています。
ティツィアーノ「聖愛と俗愛」1514年
ヴェネツィア共和国の書記官ニコロ・アウレリオが、ティツィアーノに発注した絵画。
結婚祝いとして、お相手の女性、ラウラ・バガロットに贈られたと推定されています。
ですが、彼女の父親を死に追いやったのは、実は花婿のニコロ。
恋愛ドラマが軽く一本書けそうなシチュエーションです。
そんなこんなで、描かれている物や背景には、それぞれ花嫁へのメッセージが込められているんだそうです。
さあ、どんな意味でしょう。
謎解きみたいで、面白いですよね。
ぜひ、サイトにいらして下さい。
【バンナイちゆる小説ブログ】です。
(著者紹介ページに、サイトへのリンクがあります。丸い地球儀のアイコンです)
なんだか、今回は「愛憎ドロドロ劇場二本立て」みたいになってしまいました。
ではまた次回!
※「講談社NOVELDAYS」にも同作品を投稿しています
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