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『第七話 彼女は、いついかなる時も』

『サイクルラヴの叫び、少年少女のセイセンネンリョ』


登場人物


神野(じんの) カナメ 16歳男子

本作の主人公。高校一年生。人に対して距離があり、どこか性格も冷めている。


相園(あいぞの) トワネ 16歳女子

本作のメインヒロイン。高校一年生。”第六の力の女王”で、カナメの契約相手。性格はわがままで愛想がなく、たびたびカナメのことを困らせることになる。無類のカルボナーラ好き。


若葉(わかば) ソウヤ 16歳男子

カナメたちと同じ高校一年生で、”第六の力の王子”。成績と容姿が優れている上に、人当たりも悪くないため、同級生たちからよくモテているが・・・信心深く、よく礼拝堂に訪れている。


浅木(あさき) チヅル 16歳女子

カナメたちと同じ高校一年生で、”第六の力の姫の一人”。カナメやトワネほどではないが、馴れ合うことが苦手な性格をしており、口調もキツい。契約相手のソウヤとは幼馴染。


九音(くおん) ヒヨリ 18歳女子

カナメたちよりも2つ歳上の先輩に当たる、”第六の力の姫の一人”。ロシアからの帰国子女で、強い正義感の持ち主。その性格の通り優秀な戦士であり、面倒見も良い。


真弓(まゆみ) マナカ 18歳女子

ヒヨリと同じくロシアからの帰国子女で、”第六の力の姫の一人”。常に顔面にカラスがデザインされた鉄仮面を付けていて、お嬢様口調で話をする。ヒヨリとは古くからの仲であり、契約相手でもある。


シィア 15歳女子モデル

長く”ANDREI”で働く美少女アンドロイド、正式名称はSI-A49。一応梢トキコの助手という役職だが、雑用も淡々とこなす。長く人間に仕えて来たからか、皮肉屋ところがある。口癖は『アホ』。


四季(しき) イズミ 16歳女子

・・・???


(こずえ) トキコ 36歳女子

“ANDREI”の科学者で、カナメたちが暮らすオンボロアパート”花色荘”の管理人。大人気なく怒りっぽい性格をしている。カナメたちに対して厳しい言い方をすることが多いが、一応彼らの保護者だったりする。


神野(じんの) タエ 78歳女子

“オソレ”の破壊を目的とした組織”ANDREI”の司令であり、カナメの祖母。カナメとは長く疎遠だったが、”オソレ”を破壊するために彼の力を借りようとする。


日向(ひなた) リュウマ 36歳男子

日本帝国軍から派遣された軍人で、階級は陸佐。ただし、軍人らしさは全くない。戦略班のリーダーだが、実質的に”ANDREI”のトップ2の立場におり、タエの側近的な役割を担っていることが多い。トキコとは過去に色々あったとか、なかったとか。


神野(じんの) アキラ 44歳男子

カナメの父親。いつも仕事で帰って来るのが遅いため、カナメとは上手くコミュニケーションが取れておらず、そのことを気にしている。

 

神野(じんの) アイラ 女子

カナメの母親。カナメが幼い頃に亡くなっている。




ゲストキャラクター




MA-RA337型のアンドロイド 18歳女子モデル

シィアよりも後に登場したアンドロイド。シィアと比較するとかなり人間的な表情が出来るのに加えて、欠陥も少ない。


トキコがバーで出会った男 30代後半男子

・・・???


イザベル・カーフェン 16歳?女子

一生懸命、真面目、純粋の三拍子が揃ったドジっ娘。良くも悪くもまっすぐな性格のため、気合いが空回りすることもしばしば。ある時カナメたちと出会い、そこから交流を深めるようになる。


アマネ・カーフェン 18歳?女子

イザベルの姉。何かとやらかすことが多いイザベルのことをいつも厳しく叱っている。一人称は『俺』だが、食器集めが趣味という可愛い一面も。


ルシファリア 年齢?女子

・・・???


ウラジーミル・アンドレイ 65歳男子

・・・???


ヒラン・アンドレイ 14歳女子

・・・???


ロベール=フォン・アンドレイ 18歳男子

・・・???


クレナ・アンドレイ 21歳女子

・・・???


九音(くおん) アリカ 40歳女子

ヒヨリの母親。


博士 17〜18歳女子

本名不明。”あるもの”を連れている。


タカヤ 30代前半男子

・・・???


ヨハリル 20代前半?男子

・・・???


C 16歳?女子

リュウマの話に登場した好奇心旺盛な少女。ある日、キファーと出会うことになる。


キファー 16歳?男子

Cと同じくリュウマに登場した少年。Cとは違い大人しく、いつも寂しげな様子をしている。


ユーリ 60歳?男子

Cの叔父。


ガラファリア 20代後半?女子

・・・???


神野(じんの) アイハ 40代前半女子

カナメの叔母。”夢路村”で、喫茶”四重奏の夢”を経営している。


イ・ジヨン 20代前半女子

韓国から来た留学生。喫茶”四重奏の夢”を経営を手伝いながらアイハの家でホームステイをしている。


リツ 27歳女子

ある過去を抱えている信仰者。


スグル 30代前半男子

・・・???

◯1旅館前(夜)

 古くて大きな旅館前にいるシィアとトキコ

 古くて大きな旅館から離れたところには五人目のオソレがいる

 五人目のオソレは体長30メートルほどで二足歩行の人型だが、頭が牛になっており、ミノタウロスのような姿をしている

 五人目のオソレの左手が切断されており、左手首からは大量の血がシャワーのように噴き出ている

 五人目のオソレは右手に斧を持っている

 五人目のオソレは左手首から噴き出る大量の血を周囲に撒き散らしながら悲鳴を上げている

 左手首から噴き出る大量の血を周囲に撒き散らしながら、悲鳴を上げている五人目のオソレのことを見ているシィアとトキコ


シィア「(左手首から噴き出る大量の血を周囲に撒き散らし、悲鳴を上げている五人目のオソレのことを見ながら)第六の力を計測しました!!」

トキコ「(左手首から噴き出る大量の血を周囲に撒き散らし、悲鳴を上げている五人目のオソレのことを見ながら)やはりあれは五人目のオソレよ!!」


 古くて大きな旅館の中からトワネとチヅルが急いで出て来る

 トワネは赤の”ミラースーツ”を、チヅルは白の”ミラースーツ”を着ている


トワネ「ダメだ!!旅館の中にはいない!!」

チヅル「別の場所にいるんだ!!早く探さないと!!」

トキコ「(左手首から噴き出る大量の血を周囲に撒き散らし、悲鳴を上げている五人目のオソレのことを見ながら)ったく!!こんな時に限って何をやってんのよあの馬鹿男子たちは!!」


 シィアは左手首から噴き出る大量の血を周囲に撒き散らし、悲鳴を上げている五人目のオソレのことを見るのをやめる


シィア「(左手首から噴き出る大量の血を周囲に撒き散らし、悲鳴を上げている五人目のオソレのことを見るのをやめて)トキコ博士」

トキコ「(左手首から噴き出る大量の血を周囲に撒き散らし、悲鳴を上げている五人目のオソレのことを見るのをやめて)何よ!?」

シィア「司令部のデータにアクセスをしたところ、現在、五人目のオソレことミノタウロを破壊するように命令を受けた契約者たちがいるようですが」

チヅル「じゃ、じゃああの腕は・・・」

シィア「おそらく、契約者にやられたのでないかと」


◯2温泉街(夜)

 温泉街に一人いるソウヤ 

 温泉街にはたくさんの古い旅館や古いお土産屋がある

 ソウヤは一眼レフカメラを首から下げている

 ソウヤがいるところから少し離れたところには五人目のオソレがいる

 五人目のオソレは体長30メートルほどで二足歩行の人型だが、頭が牛になっており、ミノタウロスのような姿をしている

 五人目のオソレの左手が切断されており、左手首からは大量の血がシャワーのように噴き出ている

 五人目のオソレは右手に斧を持っている

 五人目のオソレは左手首から噴き出る大量の血を周囲に撒き散らしながら、悲鳴を上げている

 左手首から噴き出る大量の血を周囲に撒き散らしながら、悲鳴を上げている五人目のオソレのことを見ているソウヤ


ソウヤ「(左手首から噴き出る大量の血を周囲に撒き散らし、悲鳴を上げている五人目のオソレのことを見ながら 声 モノローグ)早過ぎてオソレの手が斬られる瞬間が見えなかった・・・カナメとトワネがやったのか・・・?でもトワネは旅館にいたはず・・・それにあの二人でもそこまでの技術があるとは思えない・・・(少し間を開けて)もし別の契約者がいるんだとしたら・・・カナメは無事だろう・・・僕があいつの場所に戻る必要はないな・・・」


◯3アダルトホログラムショップの近く(夜)

 アダルトホログラムのショップの近くにいるカナメとヒヨリ

 アダルトホログラムのショップは温泉街から少し外れたところにある

 カナメはアダルトホログラムショップの近くのガードレールに体をぶつけたまま動けなくなっている

 ヒヨリはアダルトホログラムショップの近くのガードレールに体をぶつけたまま動けなくなっているカナメの前で、エンジン付きのグライダーに乗っている

 ヒヨリは紫と緑のミラースーツを着ており、刀を持っている

 ヒヨリが持っている刀はマナカがヒヨリと契約して”姫”になった姿

 カナメとヒヨリの近くには五人目のオソレがいる

 五人目のオソレは体長30メートルほどで二足歩行の人型だが、頭が牛になっており、ミノタウロスのような姿をしている

 五人目のオソレの左手が切断されており、左手首からは大量の血がシャワーのように噴き出ている

 五人目のオソレは右手に斧を持っている

 五人目のオソレは左手首から噴き出る大量の血を周囲に撒き散らしながら、悲鳴を上げている

 話をしているカナメとヒヨリ


ヒヨリ「(グライダーに乗ったまま)さあ、奴の意識が戻る前に片付けてしまおうか」

カナメ「(アダルトホログラムショップの近くのガードレールに体をぶつけ動けなくなったまま)えっ、そんな、一人で戦うなんて・・・」


 ヒヨリはグライダーに乗りカナメの話を無視して、左手首から噴き出る大量の血を周囲に撒き散らしながら、悲鳴を上げている五人目のオソレの牛の顔面に向かってグライダーを急発進させる

 ヒヨリはグライダーに乗りながら左手首から噴き出る大量の血を周囲に撒き散らし、悲鳴を上げている五人目のオソレの牛の顔面の前でグライダーを急旋回させ、グライダーのエンジンで五人目のオソレの牛の目を勢いよく炙る

 五人目のオソレの牛の目はヒヨリが乗っているグライダーのエンジンに勢いよく炙られて失明する

 五人目のオソレは左手首から噴き出る大量の血を周囲に撒き散らしながら悲鳴を上げ、斧を振り回す

 カナメはアダルトホログラムショップの近くのガードレールに体をぶつけ動けなくなったまま、五人目のオソレと戦っているヒヨリのことを見ている

 グライダーに乗りながら、左手首から噴き出る大量の血を周囲に撒き散らし悲鳴を上げ、斧を振り回している五人目のオソレの牛の目をグライダーのエンジンで炙るのをやめるヒヨリ

 ヒヨリはグライダーに乗り飛び回りながら左手首から噴き出る大量の血を周囲に撒き散らし悲鳴を上げ、振り回して来ている五人目のオソレの斧を軽々避ける


カナメ「(アダルトホログラムショップの近くのガードレールに体をぶつけ動けなくなったまま、五人目のオソレと戦っているヒヨリのことを見て)は、速い!!なんて速さだ!!」


 ヒヨリはグライダーに乗り飛び回りながら左手首から噴き出る大量の血を周囲に撒き散らし悲鳴を上げ、振り回して来ている五人目のオソレの斧を避けて、五人目のオソレの牛の口に向かって刀を思いっきり投げる


ヒヨリ「(グライダーに乗り飛び回りながら左手首から噴き出る大量の血を周囲に撒き散らし悲鳴を上げ、振り回して来ている五人目のオソレの斧を避けて、刀を五人目のオソレの牛の口に向かって思いっきり投げて)少し!!静かにしててくれないか!!」

 

 ヒヨリがグライダーに乗り飛び回りながら左手首から噴き出る大量の血を周囲に撒き散らし悲鳴を上げ、振り回して来ている五人目のオソレの斧を避けて、五人目のオソレの牛の口に向かって思いっきり投げた刀は、空中で小さなブラックホールのようなものに変わる

 小さなブラックホールは左手首から噴き出る大量の血を周囲に撒き散らしながら悲鳴を上げ、斧を振り回している五人目のオソレの牛の口の中に入る


ヒヨリ「(グライダーに乗りながら)オフレット値300!!」


 ヒヨリがグライダーに乗りながら”オフレット値300”と叫ぶと、突然、グライダーに乗っているヒヨリの頭上に穴が開く

 グライダーに乗っているヒヨリの頭上に開いた穴は真っ暗な異界に繋がっている

 グライダーに乗っているヒヨリの頭上に開いた穴から2本の刀が現れる

 ヒヨリはグライダーに乗ったまま素早く頭上に開いた穴から現れた2本の刀を手に取る

 ヒヨリがグライダーに乗ったまま素早く頭上に開いた穴から手に取った2本の刀は、マナカがヒヨリと契約して”姫”になった姿の一つ

 グライダーに乗っているヒヨリの頭上に開いた穴は閉じて消える

 

カナメ「(アダルトホログラムショップの近くのガードレールに体をぶつけ動けなくなったまま、ヒヨリのことを見て驚いて)だ、第六の力の姫を捨てて別のところから出現させた!?」


 ヒヨリはグライダーに乗り左手首から噴き出る大量の血を周囲に撒き散らしながら悲鳴を上げ、斧を振り回して来ている五人目のオソレの右腕に向かう


ヒヨリ「(グライダーに乗り左手首から噴き出る大量の血を周囲に撒き散らしながら悲鳴を上げ、斧を振り回して来ている五人目のオソレの右腕に向かって)素晴らしいな武器をお持ちのようだが、使いこなせなければ意味があるまい!!」


 ヒヨリが乗っているグライダーのエンジンの火力が一気に増す

 グライダーに乗りグライダーで高速で移動しながら、左手首から噴き出る大量の血を周囲に撒き散らし悲鳴を上げ斧を振り回して来ている五人目のオソレの牛の右腕全体を、2本の刀を使ってわずか数秒で粉々に斬り刻むヒヨリ

 ヒヨリの2本の刀で斬り刻まれた五人目のオソレの右腕全体の肉片が、ビチャビチャという音を立てて周囲に落ちる

 五人目のオソレが持っていた斧がアダルトホログラムショップの近くに落下する

 五人目のオソレの右肩から大量の血がシャワーのように噴き出る

 五人目のオソレは左手首、右肩から大量の血を周囲に撒き散らしながら悲鳴を上げている


ヒヨリ「(グライダーに乗ったまま大きな声で)静かにしろと言っているだろうが!!!!」


 左手首、右肩から大量の血を周囲に撒き散らし悲鳴を上げている五人目のオソレの牛の口の中に入っていた小さなブラックホールが、大きなドリルに変わる

 左手首、右肩から大量の血を周囲に撒き散らし悲鳴を上げている五人目のオソレの牛の口の中に入っている大きなドリルは、マナカがヒヨリと契約して”姫”になった姿の一つ

 左手首、右肩から大量の血を周囲に撒き散らし悲鳴を上げている五人目のオソレの牛の口の中に入っている大きなドリルは、牛の口の中で回転し始め、勢いよく牛の口の上顎を抉る

 大きなドリルで抉られている五人目のオソレの牛の上顎から大量の血が噴き出て周囲に飛び散る

 ヒヨリはグライダーに乗ったまま高速で、左手首、右肩から大量の血を周囲に撒き散らし悲鳴を上げて大きなドリルで牛の上顎を抉られている五人目のオソレの心臓付近に2本の刀を突き刺しに行く

 ヒヨリはグライダーに乗ったまま高速で、左手首、右肩から大量の血を周囲に撒き散らし悲鳴を上げて大きなドリルで牛の上顎を抉られている五人目のオソレの心臓付近に2本の刀を突き刺すが、五人目のオソレの”果実”に2本の刀は届いていない

 

ヒヨリ「(グライダーに乗り左手首、右肩から大量の血を周囲に撒き散らし悲鳴を上げて大きなドリルで牛の上顎を抉られている五人目のオソレの心臓付近に2本の刀を突き刺したまま大きな声で)グライダーをミラースーツに共振!!!!」


 ヒヨリがグライダーに乗り左手首、右肩から大量の血を周囲に撒き散らし悲鳴を上げて大きなドリルで牛の上顎を抉られている五人目のオソレの心臓付近に2本の刀を突き刺したまま、”グライダーをミラースーツに共振!!と叫ぶと、ヒヨリが”着ている”ミラースーツ”が紫と緑に光り始める

 五人目のオソレの牛の口に入っていた大きなドリルは牛の上顎を完全に抉り、鼻中道を越えて牛の顔面の中を上昇しながら抉り続ける

 大きなドリルで抉られている五人目のオソレの牛の顔面の中から大量の血が噴き出て周囲に飛び散る


ヒヨリ「(グライダーに乗り左手首、右肩から大量の血を周囲に撒き散らし、大きなドリルで牛の顔面の中を抉られている五人目のオソレの心臓付近に2本の刀を突き刺したまま大きな声で)エンジン全開!!!!フルパワーだ!!!!」

 

 ヒヨリが乗っているグライダーのエンジンの火力が爆発的に増加する

 ヒヨリがグライダーに乗ったまま左手首、右肩から大量の血を周囲に撒き散らし、大きなドリルで牛の顔面の中を抉られている五人目のオソレの心臓付近に突き刺していた2本の刀がオソレの体に深く突き刺さる

 ヒヨリがグライダーに乗り左手首、右肩から大量の血を周囲に撒き散らし、大きなドリルで牛の顔面の中を抉られている五人目のオソレの心臓付近に2本の刀を深く突き刺すと、五人目のオソレの心臓付近に穴が出来る

 左手首、右肩から大量の血を周囲に撒き散らし、大きなドリルで牛の顔面の中を抉られている五人目のオソレレの心臓付近に2本の刀を深く突き刺して出来た穴の中に、グライダーごと飲み込まれるヒヨリ

 

カナメ「(アダルトホログラムショップの近くのガードレールに体をぶつけ動けなくなったまま、左手首、右肩から大量の血を周囲に撒き散らし、大きなドリルで牛の顔面の中を抉られている五人目のオソレの心臓付近に2本の刀を深く突き刺して出来た穴の中に、グライダーごと飲み込まれたヒヨリを見て)えっ・・・?」


 左手首、右肩から大量の血を周囲に撒き散らし、大きなドリルで牛の顔面の中を抉られている五人目のオソレの心臓付近に出来た穴が塞がる


カナメ「(アダルトホログラムショップの近くのガードレールに体をぶつけ動けなくなったまま、左手首、右肩から大量の血を周囲に撒き散らし、大きなドリルで牛の顔面の中を抉られている五人目のオソレの心臓付近の塞がった穴を見て)そ、そんな・・・」


 突然、左手首、右肩から大量の血を周囲に撒き散らし、大きなドリルで牛の顔面の中を抉られている五人目のオソレの体内が紫と緑に光る

 グライダーに乗ったまま、左手首、右肩から大量の血を周囲に撒き散らし、大きなドリルで牛の顔面の中を抉られている五人目のオソレの背中を勢いよく突き破り、グライダーごと貫通して外に出て来るヒヨリ

 グライダーに乗ったまま左手首、右肩から大量の血を周囲に撒き散らし、大きなドリルで牛の顔面の中を抉られている五人目のオソレの背中を勢いよく突き破り、グライダーごと貫通して外に出たヒヨリは2本の刀でりんごを突き刺している

 ヒヨリがグライダーに乗ったまま、左手首、右肩から大量の血を周囲に撒き散らし、大きなドリルで牛の顔面の中を抉られている五人目のオソレの背中を勢いよく突き破り、貫通して外に出たのと同時に、五人目のオソレの牛の顔面の中を抉っていた大きなドリルが、牛の頭頂部を勢いよく突き破り、貫通して外に出て来る

 グライダーに乗ったまま、2本の刀でりんごを突き刺しているヒヨリの”ミラースーツ”が紫と緑に強く光っている

 ヒヨリがグライダーに乗ったまま、2本の刀で突き刺していたりんごが”イングマールの針”に変わる

 “イングマールの針”は2メートルほどの長さの真っ黒な棒

 “イングマールの針”は宙に浮かんでいる

 ヒヨリはグライダーに乗ったまま素早く宙に浮かんでいる”イングマールの針”を手に取る

 五人目のオソレは左手首、右肩、牛の頭頂部から大量の血を周囲に撒き散らしながら、勢いよくその場に倒れる

 左手首、右肩、牛の頭頂部から大量の血を周囲に撒き散らしながら、勢いよくその場に倒れた五人目のオソレの体が赤く光り始める

 ヒヨリはグライダーに乗りながら旋回する


ヒヨリ「(グライダーに乗りながら旋回して)マナカ!!」


 ヒヨリがグライダーに乗りながら旋回して”マナカ!!”と叫ぶと、五人目のオソレの牛の頭頂部を勢いよく突き破り、貫通して外に出て来ていた大きなドリルが小さなブラックホールのようなものに変わる

 小さなブラックホールは左手首、右肩、牛の頭頂部から大量の血を周囲に撒き散らし、その場に倒れ赤く光っている五人目のオソレの体の上に落下する

 左手首、右肩、牛の頭頂部から大量の血を周囲に撒き散らし、その場に倒れ赤く光っている五人目のオソレの体の上に落下した小さなブラックホールが、五人目のオソレの体を覆う大きな透明なドームに変わる

 左手首、右肩、牛の頭頂部から大量の血を周囲に撒き散らし、その場に倒れ赤く光っている五人目のオソレの体を覆っている大きな透明なドームは、マナカがヒヨリと契約して”姫”になった姿の一つ

 左手首、右肩、牛の頭頂部から大量の血を周囲に撒き散らし、その場に倒れ赤く光っている五人目のオソレは覆われた大きな透明なドームの中で爆発する

 カナメはアダルトホログラムショップの近くのガードレールに体をぶつけ動けなくなったまま、腕で顔を覆う

 大きな透明なドームの中では爆発した五人目のオソレの大量の血が波のように押し寄せて広がる

 大きな透明なドームの中で波のように広がっている大量の血は、ドームの中から溢れそうになっている

 カナメはアダルトホログラムショップの近くのガードレールに体をぶつけ動けなくなったまま、腕で顔を覆うのをやめる

 大きな透明なドームの中で液体窒素が勢いよく噴出される

 大きな透明なドームの中で波のように広がっている大量の血に液体窒素が吹きかけられる

 大きな透明なドームの中では液体窒素が帰化した煙が上がっている

 大きな透明なドームは液体窒素が帰化した煙のせいでドームの中が見えなくなる

 ヒヨリはグライダーに乗ったまま2本の刀についていた血を払い飛ばす

 グライダーから飛び降りて、アダルトホログラムショップの近くのガードレールに体をぶつけ動けなくなっているカナメの前に着地するヒヨリ

 少しの沈黙が流れる


カナメ「(アダルトホログラムショップの近くのガードレールに体をぶつけ動けなくなったまま)あ、あの・・・」

ヒヨリ「多少オフレット値がは上がってしまうが、周囲への被害を踏まえるとこれがベストな後処理だろう」

カナメ「(アダルトホログラムショップの近くのガードレールに体をぶつけ動けなくなったまま)えっと・・・」


 ヒヨリはアダルトホログラムショップの近くのガードレールに体をぶつけ動けなくなっているカナメに手を差し出す


ヒヨリ「(アダルトホログラムショップの近くのガードレールに体をぶつけ動けなくなっているカナメに手を差し出して)立てるか?カナメ」


 カナメはアダルトホログラムショップの近くのガードレールに体をぶつけたまま差し出して来ているヒヨリの手を取る

 ヒヨリの手を取って立ち上がるカナメ


カナメ「(ヒヨリの手を取って立ち上がって)なんとか・・・」

ヒヨリ「(カナメに手を差し出したまま)大きな怪我はなさそうだが、念のためここで君の体を見ておこう」


 カナメはヒヨリの手を離す


カナメ「(ヒヨリの手を離して)い、良いですよ別に」

ヒヨリ「そういうわけにはいかない。私は第六の力の契約者として、国民の命を守り抜く義務がある」

カナメ「あの・・・僕も一応契約者なんですけど・・・」

ヒヨリ「もちろんそれも承知の上なのだ。もし万が一、カナメの体に障害が残るようなことがあれば、私は自分の能力の低さを許せなくなってしまう・・・」

カナメ「あ、歩けるし大きな怪我はしてないと思います」


 再び沈黙が流れる


ヒヨリ「そうか・・・しかし必ず救護班に見てもらってくれ」

カナメ「はい」


 カナメは液体窒素が勢いよく噴出されている大きな透明なドームを見る


カナメ「(液体窒素が勢いよく噴出されている大きな透明なドームを見て)さ、さっきの戦い、凄かったですね」

ヒヨリ「いや、私などカナメとトワネに比べたら大したことはない」


 カナメは液体窒素が勢いよく噴出されている大きな透明なドームを見るのをやめる


カナメ「(液体窒素が勢いよく噴出されている大きな透明なドームを見るのをやめて)僕なんて・・・別に・・・」

ヒヨリ「何を卑下する、リヴァ、スパイダー、アースと戦った君の映像を見させてもらったが、どれも素晴らしい動きをしていたではないか」

カナメ「僕が一人でオソレを破壊したのは、最初だけですけどね・・・」

ヒヨリ「私だって一人で戦っているわけではないぞカナメ、オソレを破壊出来たのはマナカがいてこそだ」

カナメ「マナカ?」

ヒヨリ「第六の力の姫で、私が契約を結んでいる相手だよ」


 カナメは再び液体窒素が勢いよく噴出されている大きな透明なドームを見る


カナメ「(液体窒素が勢いよく噴出されている大きな透明なドームを見て)今ドームになってるのがその人ですか?」

ヒヨリ「そうだ。マナカは愛情深く、礼儀正しい。私には勿体無いくらい素敵なお姫様だ」


 大きな透明なドームの中で勢いよく噴出されていた液体窒素が止まる

 少しすると帰化した液体窒素のせいで見えなくなっていた大きな透明なドームの中が見えるようになる

 大きな透明なドームの中で波のように押し寄せて広がり、溢れそうになっていた五人目のオソレの大量の血はドーム型に固まっている

 カナメは大きな透明なドームの中でドーム型に固まっている五人目のオソレの大量の血を見るのをやめる

 五人目のオソレの大量の血をドーム型に固めた大きな透明なドームに向かって手を伸ばすヒヨリ

 ヒヨリが五人目のオソレの大量の血をドーム型に固めた大きな透明なドームに向かって手を伸ばすと、透明なドームは小さなブラックホールのようなものに変わる

 小さなブラックホールはヒヨリの手に吸い寄せられるようにヒヨリの方に真っ直ぐ飛んで来る

 ヒヨリは吸い寄せられるように真っ直ぐ飛んで来た小さなブラックホールを掴む

 

ヒヨリ「(吸い寄せられるように真っ直ぐ飛んで来た小さなブラックホールを掴んで)破壊完了だ、マナカ。本部に報告を・・・」


 突然、カナメとヒヨリの空高くに巨大な穴が開く

 カナメとヒヨリの空高くに開いた巨大な穴は、真っ暗な異界に繋がっている

 空高くに巨大な穴が開いたことに気付くカナメとヒヨリ

 カナメとヒヨリは空高くに開いた巨大な穴を見ている


カナメ「(空高くに開いた巨大な穴を見たまま)な、何で、オソレならそこに・・・」

ヒヨリ「(空高くに開いた巨大な穴を見たまま)どうやら六人目のようだ」

カナメ「(空高くに開いた巨大な穴を見たまま)そ、そんな馬鹿な、い、今までは続けて現れることなんてなかったのに」

ヒヨリ「(空高くに開いた巨大な穴を見たまま)敵も学習している、ということだな」


 カナメは空高くに開いた巨大な穴を見るのをやめる


カナメ「(空高くに開いた巨大な穴を見るのをやめて)僕、トワネたちを呼びに行きます」

ヒヨリ「(空高くに開いた巨大な穴を見たまま)いや、その必要はないだろう」

カナメ「えっ?でも第六の力の所有時間が」


 ヒヨリは空高くに開いた巨大な穴を見るのをやめる

 紫と緑に光っている”ミラースーツ”の袖を見るヒヨリ

 ヒヨリの紫と緑に光っている”ミラースーツ”の袖には、”73”、”72”、”71”と第六の力の所有時間のカウントが表示されている

 ヒヨリは紫と緑に光っている”ミラースーツ”の袖に表示されている第六の力の所有時間のカウントを見るのをやめる


ヒヨリ「(紫と緑に光っている”ミラースーツ”の袖に表示されている第六の力の所有時間のカウントを見るのをやめて)心配することはない、カナメ」

カナメ「で、でも・・・」


 ヒヨリはグライダーに飛び乗る

 

ヒヨリ「(グライダーに飛び乗って)ターゲット変更、これより未確認の穴をイングマールの梯子と認定し、九音ヒヨリが単独で六人目のオソレの破壊に向かう」


 ヒヨリが乗っているグライダーのエンジンの火力が一気に増し、ヒヨリが乗っているグライダーが空高くに開いた巨大な穴に向かって飛び上がる

 ヒヨリが乗っているグライダーが空高くに開いた巨大な穴に向かって飛び上がった瞬間、周囲には強い風が吹く

 カナメはヒヨリが乗っているグライダーが空高くに開いた巨大な穴に向かって飛び上がり、周囲に強い風が吹いた瞬間、腕で顔を覆う


カナメ「(ヒヨリが乗っているグライダーが空高くに開いた巨大な穴に向かって飛び上がり、周囲に強い風が吹いた瞬間、腕で顔を覆って)む、無茶ですよ!!も、もう間に合わない!!」


 グライダーに乗り空高くに開いた巨大な穴に向かって飛び上がっているヒヨリにはカナメの声が聞こえていない

 カナメは腕で顔を覆いながらグライダーに乗って空高くに開いた巨大な穴に向かって飛び上がっているヒヨリのことを見ている

 グライダーに乗り空高くに開いた巨大な穴に向かって飛び上がっているヒヨリの姿はあっという間に見えなくなる

 少しの沈黙が流れる

 グライダーに乗り空高くに開いた巨大な穴に向かって飛び上がっているヒヨリは、地上から3000メートル以上の高さのところにいる

 空にはたくさんの雲がある

 空高くに開いた巨大な穴から六人目のオソレが現れる

 六人目のオソレは全長1000メートルほどの巨大な人間の顔面のような姿をしているが、両目、鼻、耳が無く、口だけがある

 六人目のオソレは空高くに開いた巨大な穴から覗き込むように口だけがある人間の顔面を出している

 カナメは空高くにある六人目のオソレの口だけがある人間の顔面を見ている


カナメ「(空高くにある六人目のオソレの口だけがある人間の顔面を見たまま)な、何だあれは・・・」


 ヒヨリは変わらずグライダーに乗り空高くにいる六人目のオソレの口だけがある人間の顔面に向かって飛び上がっている

 たくさんの雲の中を潜りながらグライダーに乗り、空高くにいる六人目のオソレの口だけがある人間の顔面に向かって飛び上がっているヒヨリ

 六人目のオソレは空高くに開いた巨大な穴から覗き込むように口だけがある人間の顔面を出して口を大きく開く

 

ヒヨリ「(たくさんの雲の中を潜りながらグライダーに乗り、空高くにいる六人目のオソレの口だけがある人間の顔面に向かって飛び上がって)オフレット値プラス3000!!」


 ヒヨリがグライダーに乗り空高くにいる六人目のオソレの口だけがある人間の顔面に向かって飛び上がりながら、雲の一つの中を潜り抜けるとヒヨリの持っていた小さなブラックホールが槍に変わる

 ヒヨリが持っている槍はマナカがヒヨリと契約して”姫”になった姿の一つ

 ヒヨリは付けていなかったはずの山羊がデザインされた鉄仮面を付けている

 ヒヨリが乗って飛び上がっているグライダーのエンジンの火力が爆発的に増加する

 空高くにいる人間の顔面を出して大きく開いていた六人目のオソレの口の奥が、光り始める

 グライダーに乗り空高くにいる六人目のオソレの口だけがある人間の顔面に向かって飛び上がっているヒヨリは、地上から10000メートル以上の高さのところにいる

 ヒヨリはグライダーに乗り空高くにいる六人目のオソレの口だけがある人間の顔面に向かって飛び上がりながら、槍を構える

 グライダーに乗り空高くにいる六人目のオソレの口だけがある人間の顔面に向かって飛び上がりながら、槍を思いっきり投げるヒヨリ

 ヒヨリがグライダーに乗り空高くにいる六人目のオソレの口だけがある人間の顔面に向かって飛び上がりながら、思いっきり投げた槍は大きく口を開けている六人目のオソレに向かって飛んで行く

 

ヒヨリ「(グライダーに乗り空高くにいる六人目のオソレの口だけがある人間の顔面に向かって飛び上がりながら大きな声で)世界を支配出来るのは私のような女王だ!!!!」


 空高くにいる六人目のオソレの口だけがある人間の顔面に向かって飛び上がっている槍が、ミサイルに変わる

 空高くにいる六人目のオソレの口だけがある人間の顔面に向かって飛び上がっているミサイルは、マナカがヒヨリと契約して”姫”になった姿の一つ

 ミサイルは真っ直ぐ空高くにいる六人目のオソレの口だけがある人間の顔面に向かって飛び上がっている

 変わらず空高くに開いた巨大な穴から人間の顔面を覗き込むように出して大きく口を開いている六人目のオソレのことを見ているカナメ

 カナメには空高くにいる六人目のオソレの口だけがある人間の顔面に向かって、飛び上がっているミサイルが見えていない

 再び沈黙が流れる

 突然、空高くで大きく口を開いている六人目のオソレの人間の顔面の近くでミサイルが大爆発を起こす

 空高くに開いた巨大な穴からキノコ雲が上がり、六人目のオソレの姿が見えなくなる


カナメ「(空高くに開いた巨大な穴から上がったキノコ雲を見たまま)い、今の爆発は・・・」


 ヒヨリはグライダーに乗り空高くに開いた巨大な穴から上がったキノコ雲に向かって飛び上がっている

 

ヒヨリ「(グライダーに乗り空高くに開いた巨大な穴から上がったキノコ雲に向かって飛び上がりながら)契約、解除だ」


 ヒヨリがグライダーに乗り空高くに開いた巨大な穴から上がったキノコ雲に向かって飛び上がりながら”契約、解除だ”と言うと、ヒヨリの光っていた紫と緑の”ミラースーツ”から光が消える

 ヒヨリがグライダーに乗り空高くに開いた巨大な穴から上がったキノコ雲に向かって飛び上がりながら”契約、解除だ”と言うと、ヒヨリの”ミラースーツ”から緑が消え、元の紫の“ミラースーツ”に戻る

 空高くに開いた巨大な穴から上がっているキノコ雲の中から”イングマールの針”が落ちて来る

 “イングマールの針”は2メートルほどの長さの真っ黒な棒

 ヒヨリはグライダーに乗り空高くに開いた巨大な穴から上がったキノコ雲に向かって飛び上がりながら、素早く落ちて来た”イングマールの針”を手に取る

 グライダーに乗り空高くに開いた巨大な穴から上がったキノコ雲に向かって飛び上がるのをやめるヒヨリ

 ヒヨリはグライダーに乗ったまま”イングマールの針”を口に咥える

 空高くに開いた巨大な穴から上がっているキノコ雲の中から両腕、両足を無くし、意識を失ったマナカが落ちて来る

 両腕、両足を無くし、意識を失ったマナカは全裸で、カラスがデザインされた鉄仮面を付けている

 グライダーに乗り口に”イングマールの針”を咥えたまま、両腕、両足を無くし、意識を失ったマナカが落ちて来ていることに気付くヒヨリ

 ヒヨリはグライダーに乗り口に”イングマールの針”を咥えたまま、両腕、両足を無くし、意識を失って落ちて来ているマナカに合わせてグライダーで下降する

 グライダーに乗り口に”イングマールの針”を咥えたまま、両腕、両足を無くし、意識を失って落ちて来ているマナカを抱き抱えてキャッチするヒヨリ

 ヒヨリはグライダーに乗り口に”イングマールの針”を咥え、両腕、両足を無くし、意識を失っているマナカを抱き抱えたまま地上にいるカナメの元に向かって一気にグライダーで下降する


『第七話 彼女は、いついかなる時も』


◯4花色荘リビング(日替わり/夜)

 花色荘のリビングにいるトワネ、ソウヤ、チヅル

 花色荘のキッチンにいるカナメ

 カナメはキッチンで晩ご飯の準備をしている

 花色荘のリビングにはテーブル、椅子、ソファ、テレビ、ゲームがある

 トワネはソファで寝転がっている

 ソウヤはテーブルに向かって椅子に座っている

 チヅルはテレビで格闘ゲームをしている 

 話をしているカナメたち


トワネ「(ソファに寝転がりながら不機嫌そうに)酷いもんだな、パートナーを置いて逃げ出すなんて」

カナメ「(晩ご飯の準備をしながら)に、逃げてないって何度も説明しただろ」

トワネ「(ソファに寝転がりながら不機嫌そうに)じゃあどこで何をしてたんだ」

カナメ「(晩ご飯の準備をしながら)そ、それは・・・」


 少しの沈黙が流れる


チヅル「(テレビで格闘ゲームをしながら)言えないような場所ってわけね」

トワネ「(ソファに寝転がりながら不機嫌そうに)ふーん、エッチなお店に行ってたのか」

カナメ「(晩ご飯の準備をするのをやめて)ち、違うよ!!」

トワネ「(ソファに寝転がりながら不機嫌そうに)嫌だなー、私、パートナーが変態なんてとっても嫌だなー」

カナメ「ち、違うって言ってるじゃないか!」

チヅル「(テレビで格闘ゲームをしながら)ならどこに行ってたんだよ」

カナメ「だ、だからそれについてはカルボナーラで水に・・・」

ソウヤ「(カナメの話を遮って)カナメは僕と一緒だったんだ」

チヅル「(テレビで格闘ゲームをしながら)え、でもソウヤはあの時一人だったじゃん」

ソウヤ「そりゃそうだよ、途中で別れたからね」

トワネ「ソファに寝転がりながら不機嫌そうに)お前ら、どうせ殴り合いの喧嘩でもしてたんじゃないのか」

カナメ「な、何でそういうに考えになるの?」

トワネ「ソファに寝転がりながら不機嫌そうに)だって馬鹿な男子高校生のすることと言えば、殴り合いかエロホログラムを買い漁るくらいだろ」

チヅル「(テレビで格闘ゲームをしながら)きも。でも喧嘩はあり得ないんじゃない、カナメがソウヤに勝てるわけないし」

トワネ「(ソファに寝転がりながら少し笑って)確かにな」


 再び沈黙が流れる


チヅル「(テレビで格闘ゲームをしながら)で?本当んとこは何してたの?」

ソウヤ「プレゼントを買ってたんだよ、僕はチヅルに、カナメはトワネにね」

カナメ「え・・・」

ソウヤ「(少し笑って)でもカナメは一人でトワネへのプレゼントを探したかったみたいで、それで別れたんだ」


 チヅルはテレビで格闘ゲームをするのをやめる


チヅル「(テレビで格闘ゲームをするのをやめて)ソウヤ、あたしあんたに何も買ってないよ」

ソウヤ「(少し笑いながら)良いんだよ。僕がチヅルにプレゼントをしたかっただけだから」


 ソウヤは立ち上がる

 自分の部屋に行くソウヤ

 少しの沈黙が流れる


チヅル「な、何でいきなりプレゼントなんか買おうとしたの?」

カナメ「な、何でって言われても・・・」


 トワネはソファで寝転がったままチラッとキッチンにいるカナメのことを見る

 

チヅル「お世話になってるとか、そういう感じ?」

カナメ「う、うん」

チヅル「ふーん・・・」


 再び沈黙が流れる

 リビングにソウヤが戻って来る

 ソウヤは綺麗な和紙に包まれた小さな箱を持っている

 綺麗な和紙に包まれた小さな箱をチヅルに差し出すソウヤ


ソウヤ「(綺麗な和紙に包まれた小さな箱をチヅルに差し出して)はい」


 チヅルは綺麗な和紙に包まれた小さな箱をソウヤから受け取る


チヅル「(綺麗な和紙に包まれた小さな箱をソウヤから受け取って)あ、ありがと・・・(少し間を開けて)あ、開けて良い?」

ソウヤ「(少し笑って)もちろん」


 チヅルは小さな箱を包んでいた綺麗な和紙を丁寧に外す

 小さな箱を包んでいた綺麗な和紙を外し終えるチヅル

 チヅルは小さな箱を開ける

 小さな箱の中には折り鶴のネックレスが入っている

 チヅルは小さな箱の中に入っている折り鶴のネックレスを見て驚く


チヅル「(小さな箱の中に入っている折り鶴のネックレスを見て驚いて)こ、これ売り切れだったやつじゃん!」

ソウヤ「(少し笑いながら)そうだっけ?」


 チヅルは小さな箱の中に入っている折り鶴のネックレスを見るのをやめる


チヅル「(小さな箱の中に入っている折り鶴のネックレスを見るのをやめて)べ、別のお店を見つけてくれたの?」

ソウヤ「(少し笑いながら)それは聞かないでよ」

チヅル「ご、ごめん」

ソウヤ「付けようか?」

チヅル「えっ、い、良いよ自分でやる」

ソウヤ「そっか」


 チヅルは小さな箱の中から折り鶴のネックレスを取り出し、首につける

 チヅルが首につけている折り鶴のネックレスを見るソウヤ


ソウヤ「(チヅルが首につけている折り鶴のネックレスを見て)うん、似合ってるよチヅル」

チヅル「そ、そう・・・」


 トワネはチラッとソファで寝転がったままチヅルが首につけている折り鶴のネックレスを見る


トワネ「(チラッとソファに寝転がりながらチヅルが首につけている折り鶴のネックレスを見て)如何にも女慣れしてるソウヤらしいプレゼントだな」

チヅル「(少し笑って)あんたんとこは如何にも女慣れしてなさそうなプレゼントなんじゃない?」

チヅル「(ソファに寝転がりながらあまりにも酷い物だったら気持ちだけありがたく受け取ることにする」


 少しの沈黙が流れる

 ソウヤはヅルが首につけている折り鶴のネックレスを見るのをやめる

 

チヅル「あんたもトワネに買ってあげたもんを出してみてよ」

カナメ「ぼ、僕・・・」


 再び沈黙が流れる

 トワネはソファで寝転がったままキッチンにいるカナメのことを見る


カナメ「ま、まだラッピング出来てないから・・・ま、また今度渡すよ」

チヅル「はぁ?ラッピングくらいしときなさいよ」

カナメ「う、うん、ご、ごめん」


 トワネはソファで寝転がったままキッチンにいるカナメのことを見るのをやめる

 花色荘の玄関の方から誰かが帰って来た音が聞こえて来る

 リビングに白衣姿のトキコ、シィアがやって来る


トキコ「ただいま」

チヅル「あれ、破壊処理があるのに早い帰りじゃん」

トキコ「まーたちょっと色々あったのよ」

シィア「具体的な説明をするならば入居者の増加です」

チヅル「え・・・入居者って・・・」


 リビングにヒヨリがやって来る


ヒヨリ「(リビングにやって来て)お、お邪魔する」

チヅル「み、ミノタウロスとフェイスを破壊した人・・・?」

ヒヨリ「く、九音ヒヨリだ。今日から花色荘の203号室で世話になることになった。よ、よろしく頼む」

チヅル「タメ・・・じゃないですよね・・・?」

ヒヨリ「18歳だ。私立東堂高校の三年D組へ編入にすることが決まっている、君たちとは学年が違うが、ぜひ仲良くして欲しい。呼び捨てでも構わない」

 

 少しの沈黙が流れる


ソウヤ「一年C組の若葉ソウヤです、浅木チヅルの契約者をしてます、よろしくお願いします」

ヒヨリ「よろしく、ソウヤ」

チヅル「すげーコミュ力。あたしにはとても無理だわ」

トキコ「ヒヨリはとても優秀な契約者よ、あんたらは彼女の戦い方を見てよく勉強しなさい」

ヒヨリ「トキコ博士、私の立場は彼らと変わりませんよ」

トキコ「この子たちは一人のオソレ相手にだって苦労しているのに、あんたは一気に二人もオソレを破壊したのよ。きっと見習うべきとこが多くあるはずだわ」

ヒヨリ「見習われるというほどの立場に相応しいかは分かりませんが・・・(少し間を開けて)でもそうだな・・・第六の力について学びたいことがあったら、いつでも私に聞いてくれ。力になれることがあるかもしれない」

チヅル「あ、あの・・・あたし・・・浅木チヅルって言います・・・」

ヒヨリ「ああ、チヅルは第六の力の姫だろう?」

チヅル「い、一応は・・・」

ヒヨリ「よろしく頼むよ、チヅル」

チヅル「は、はい!」

トワネ「(ソファに寝転がりながら少し笑って)ヒヨリがいればうちも安泰だな」

ヒヨリ「(少し笑って)トワネ、お前は相変わらずだな」

トワネ「(ソファに寝転がりながら少し笑って)安泰なのは事実だろ」

ヒヨリ「(少し笑いながら)私ではなくカナメがいれば、の間違いではないか?」

トワネ「(ソファに寝転がりながら)さあな」

ヒヨリ「初めて第六の力を所有して、あれほどの適応力を見せたのはカナメだけだろう?」

トワネ「(ソファに寝転がりながら)私からしたら安定して力を発揮出来る方が良いと思うが」

ヒヨリ「(少し笑って)身内に厳しいところも変わらないなトワネ」

トワネ「(ソファに寝転がりながら)部下には厳しく当たって当然だろ」

ヒヨリ「(少し笑いながら)カナメは苦労が多そうだ」


 ヒヨリはキッチンにいるカナメのことを見る


ヒヨリ「(キッチンにいるカナメのことを見て)この間はすまないカナメ、君とはまともに挨拶も出来ずに別れてしまった」

カナメ「い、いや・・・僕の方こそ・・・あの時はありがとうございました」

ヒヨリ「(キッチンにいるカナメのことを見たまま)礼を言われるようなことでない、私と君の立場が逆転していても、君はきっと同じことをしただろう」


◯5花色荘カナメの部屋(深夜)

 花色荘の自室にいるカナメ

 花色荘のカナメの部屋には勉強机、椅子、ベッドがある

 カナメの部屋の勉強机の上にはパソコンが置いてある

 カーテンの隙間から月の光が差し込んでいる

 ベッドの上で横になっているカナメ


◯6第四話◯30の回想/高層ビル屋上(朝方)

 朝日が登り始めている

 高層ビルの屋上にいるカナメとソウヤ

 カナメは紺色と赤の”ミラースーツ”を、ソウヤは白黒の”ミラースーツ”を着て山羊がデザインされた鉄仮面を付けている 

 高層ビルの屋上には”ハント砲”が2機置いてある

 2機の“ハント砲”は巨大な大砲のような見た目をしているが、火砲部分が人間の口になっている

 2機の“ハント砲”の火砲部分の口は、それぞれトワネ、チヅルと完全に同じ口をしている

 2機の“ハント砲”には引き金とスコープがある

 2機の“ハント砲”はそれぞれトワネがカナメと契約して”女王”に、チヅルがソウヤと契約して”姫”になった姿

 カナメとソウヤがいる高層ビルの屋上から数10キロ離れたところには四人目のオソレがいる

 四人目のオソレは水色で直径200メートルほどの巨大な猫の目

 2機の“ハント砲”の火砲部分であるトワネの口、チヅルの口から熱光線が発射されている

 2機の“ハント砲”の火砲部分であるトワネの口、チヅルの口から同時に発射された熱光線は、宙に浮かんでいる巨大な猫の目になった四人目のオソレに向かう途中で混ざり巨大な熱光線になる

 2機の“ハント砲”の火砲部分であるトワネの口、チヅルの口から同時に発射されて混ざり合った巨大な熱光線は、宙に浮かんでいる巨大な猫の目になった四人目のオソレに直撃している

 2機の“ハント砲”の火砲部分であるトワネの口、チヅルの口から同時に発射されて混ざり合った巨大な熱光線が、巨大な猫の目になった四人目のオソレにぶつかった衝撃で、四人目のオソレの近くにあった車やバイクが飛ばされている

 カナメとソウヤはそれぞれ2機の”ハント砲”のスコープを覗き、”ハント砲”の引き金に指をかけている

 2機の”ハント砲”のスコープには四人目のオソレと四人目のオソレに直撃している巨大な熱光線が見えている

 カナメの”ミラースーツが”紺色と赤に、ソウヤの”ミラースーツ”が白黒に光っている

 巨大な猫の目になった四人目のオソレは、宙に浮かんで2機の“ハント砲”の火砲部分であるトワネの口、チヅルの口から同時に発射されて混ざり合った巨大な熱光線を浴びながら“ハント砲”のスコープを覗いているカナメのことを見ている

 “ハント砲”のスコープ越しにカナメと四人目のオソレの巨大な猫の目が合っている

 カナメの横にはカナメが吐き出した大量の血がある

 2機の“ハント砲”の火砲部分であるトワネの口、チヅルの口から同時に発射されて混ざり合った巨大な熱光線を浴びている四人目のオソレの巨大な猫の目が充血している

 少しすると2機の“ハント砲”の火砲部分であるトワネの口、チヅルの口から同時に発射されて混ざり合った巨大な熱光線を浴びている四人目のオソレの充血した巨大な猫の目が、熱に耐えられなくなり爆発を起こす

 四人目のオソレの充血した巨大な猫の目が爆発した瞬間、一瞬だけ四人目のオソレの中に全裸のヒヨリの姿が見える


◯7回想戻り/花色荘カナメの部屋(深夜)

 花色荘の自室にいるカナメ

 花色荘のカナメの部屋には勉強机、椅子、ベッドがある

 カナメの部屋の勉強机の上にはパソコンが置いてある

 カーテンの隙間から月の光が差し込んでいる

 ベッドの上で横になっているカナメ


カナメ「九音・・・ヒヨリ・・・さん・・・オソレが恐れている人・・・なのかな・・・」


◯8ANDREI総本部トキコの研究室(日替わり/昼前)

 ANDREI総本部トキコの研究室にいるシィアと白衣姿のトキコ

 ANDREI総本部トキコの研究室には机、椅子、たくさんの書類、本、パソコンが乱雑に置いてあり、散らかっている

 机に向かって椅子に座っているトキコ

 シィアはタブレットを持っている

 シィアが持っているタブレットにはヒヨリとマナカの”オフレット値”が折れ線グラフで表示されている

 シィアが持っているタブレットに表示されたヒヨリとマナカの”オフレット値”の折れ線グラフは増加している

 トキコはタバコを吸っている

 話をしているシィアとトキコ

 シィアはタブレットをタバコを咥えているトキコに差し出す


シィア「(タブレットをタバコを咥えているトキコに差し出して)こちらが先の戦いでのヒヨリアンドマナカペアのデータとなります」


 トキコはタバコを咥えたまましタブレットをシィアから受け取る

 タバコを咥えたままタブレットに表示されたヒヨリとマナカの”オフレット値”の折れ線グラフを見るトキコ

 トキコはタバコを咥えタブレットに表示されたヒヨリとマナカの”オフレット値”の折れ線グラフを見たままタバコの煙を吐き出す


トキコ「(タバコを咥えタブレットに表示されたヒヨリとマナカの”オフレット値”の折れ線グラフを見たままタバコの煙を吐き出して)やっぱり・・・オフレット値が軽く600を越えているわ・・・」

シィア「はい。ソウヤアンドチヅルペアの平均よりも約2.4倍高いポイントになっています」

トキコ「(タバコを咥えタブレットに表示されたヒヨリとマナカの”オフレット値”の折れ線グラフを見たまま)まさに最強と言ったところだけれど、その割には一軍に上がるのがかなり遅かったわね」

シィア「司令はあくまでもヒヨリたちではなく、カナメとトワネを軸にしたいようです」

トキコ「(タバコを咥えタブレットに表示されたヒヨリとマナカの”オフレット値”の折れ線グラフを見たまま)そのようね。五人目と六人目が続けて来てやっと呼ばれるくらいなんだから、信頼されていないのか、それとも、アフターミラーを危惧しているのか」


 トキコはタバコを咥えたままタブレットに表示されたヒヨリとマナカの”オフレット値”の折れ線グラフを見るのをやめる


トキコ「(タバコを咥えたままタブレットに表示されたヒヨリとマナカの”オフレット値”の折れ線グラフを見るのをやめて)カナメたちに目立った症状は出ていないのよね?」

シィア「私が見ている限りでは」

トキコ「(タバコを咥えたまま)なら良いけど・・・」


 トキコはタバコの煙を吐き出す


トキコ「(タバコの煙を吐き出して)危険が大き過ぎるのよ・・・第六の力は・・・」


◯9私立東堂高校一年C組の教室(昼前)

 外は快晴

 私立東堂高校一年C組の教室にいるカナメ、トワネ、ソウヤ、チヅル

 私立東堂高校一年C組の教室にはカナメたちの他にもたくさんの生徒がいる

 カナメの席はソウヤの隣

 トワネの席は窓際にある

 カナメを含む生徒たちの机の上にはパソコンが置いてある

 教室では英語の授業が行われている

 カナメ、ソウヤ、チヅルは真面目に授業を聞いている

 トワネは自分の席から退屈そうに外を眺めている


教師3「我々日本人はLとRの発音が壊滅的に悪いと言われていますが、それはつまり、どういうことか説明すると、舌の使い方、丸め方に問題があって・・・」


 私立東堂高校一年C組の生徒たちのほとんどが授業を聞かず小声で話をしている


私立東堂高校一年C組の男子生徒1「(小声で)見たか?」

私立東堂高校一年C組の男子生徒2「(小声で)いや、まだ」

私立東堂高校一年C組の男子生徒3「(小声で)俺、朝見ちゃったんだけどさ・・・」

私立東堂高校一年C組の男子生徒4「(小声で)マジ?どうだった?」

私立東堂高校一年C組の男子生徒3「(小声で)ちょースタイル良かった、顔とかめっちゃちっさかったな」

私立東堂高校一年C組の男子生徒5「(小声で)良いなぁ、俺も見てみてえ・・・」

私立東堂高校一年C組の男子生徒6「(小声で)昼休みに見に行こうとぜ、確かD組なんだろ?」

私立東堂高校一年C組の男子生徒1「(小声で)いや、やめとけよ」

私立東堂高校一年C組の男子生徒6「(小声で)何でだよ?」

私立東堂高校一年C組の男子生徒1「(小声で)3年が邪魔で廊下にも近付けねえって話だ」

私立東堂高校一年C組の男子生徒6「(小声で)マジかよ・・・」

私立東堂高校一年C組の男子生徒2「(小声で)俺たち一年にはチャンス無しってことか・・・」

私立東堂高校一年C組の男子生徒1「(小声で)そういうことだ」

私立東堂高校一年C組の男子生徒3「(小声で)でもオソレと戦わなきゃいけないことを考えると、いつまでこの学校にいるか分からんぞ」

私立東堂高校一年C組の男子生徒4「(小声で)そうだよな・・・いつ世界が終わるか分かんないし・・・会いたい人・・・いや見たい人は目に納めておくべきか・・・」

私立東堂高校一年C組の男子生徒5「(小声で)馬鹿、ヒヨリ先輩がオソレに負けるわけないだろ」


◯10私立東堂高校三年生廊下(昼)

 昼休み

 私立東堂高校三年D組の教室の前の廊下にいるヒヨリ 

 ヒヨリの周りにはたくさんの三年生の生徒たちが集まっている

 ヒヨリは集まって来ているたくさんの三年生の生徒たちと話をしている

 

三年生男子生徒1「い、今付き合ってる人はいるの?」

ヒヨリ「いないな」

三年生男子生徒2「タ、タイプは!?お、俺野球部なんだけど野球やってる人とかどうかな!?」

ヒヨリ「特にタイプはないが、スポーツをしている人は嫌いではないぞ」

三年生女子生徒1「お、女の子とは付き合えますか・・・?」

ヒヨリ「恋に性別は関係ないと思っている。なので好きになった相手が女性でも誠実に向き合うつもりだ」

三年生女子生徒2「え、演劇部で王子役をやってよ!!」

ヒヨリ「お、男役はちょっと・・・じょ、女王様の役ならやっても良いが・・・」

三年生女子生徒3「やってやって!!ここにはヒヨリっちが女王様を演じてるところを見たい人がたくさんいるから!!」

ヒヨリ「ヒヨリッチではなく呼び捨てでヒヨリ・・・」

三年生男子生徒3「(ヒヨリの話を遮って)放課後俺とデートしてください!!」

三年生男子生徒4「おい何勝手に誘ってんだよ!!」

三年生男子生徒3「うっせえ早いもん勝ちだろ!!」

ヒヨリ「すまない、放課後は訓練があるんだ」

三年生男子生徒5「じゃあ訓練を見に行って良い?」

ヒヨリ「私は構わないが、ANDREIの許可が降りないだろうな・・・」

三年生女子生徒4「じゃあ次のオソレと戦う時には招待してよ!!」

ヒヨリ「私が戦うところを見たいのか?」

三年生女子生徒4「うん!!だってヒヨリちゃん強いもん!!」

ヒヨリ「強い・・・私が・・・」

三年生女子生徒5「めっちゃ格好良かったし、他の人たちと比べてもヒヨリが一番強そうだよ」

ヒヨリ「(嬉しそうに笑顔で)そうか、それはありがとう」


◯11私立東堂高校一年C組の教室(昼過ぎ)

 昼休み

 私立東堂高校一年C組の教室にいるカナメ、トワネ、ソウヤ、チヅル

 私立東堂高校一年C組の教室にはカナメたちの他にもたくさんの生徒がいる

 カナメの席はソウヤの隣

 トワネの席は窓際にある

 私立東堂高校一年C組の教室にいるたくさんの生徒たちはお弁当を食べたり、近くの席の人と話をしたりしている

 トワネは自分の席から退屈そうに外を眺めている

 カバンの中を漁っているカナメ

 チヅルはソウヤの席の近くでソウヤと話をしている

 

チヅル「凄い人気らしいよ、ヒヨリ先輩」

ソウヤ「そうなんだ」

チヅル「興味ないって感じね」

ソウヤ「先輩、凄く美人だよね」

チヅル「思ってなさそうな言い方」


 少しの沈黙が流れる


チヅル「あんたの八方美人なモテっぷりもこれで終わりかもね」

ソウヤ「(少し笑って)良かった、これで気楽になれるよ」

チヅル「女子に殺されても知らないよソウヤ」


 再び沈黙が流れる


ソウヤ「チヅル、ネックレスつけてないんだ」

チヅル「あ、うん、学校だし」


 カナメはカバンの中からコンビニの鮭おにぎりと梅おにぎりを取り出す

 コンビニの鮭おにぎりと梅おにぎりを持って立ち上がるカナメ


チヅル「あたしたちから逃げなくても良いのに」

カナメ「そういうつもりじゃないけど」


 カナメはコンビニの鮭おにぎりと梅おにぎりを持って自分の席から退屈そうに外を眺めているトワネのところに行く

 トワネの机の上にコンビニの鮭おにぎりと梅おにぎりを置くカナメ


トワネ「(退屈そうに外を眺めながら)何の用だ」

カナメ「何も食べてなさそうだから」

トワネ「(退屈そうに外を眺めながら)そうか」

カナメ「味は薄くないと思うよ、食べ続けたら健康に悪いだろうけど」


 少しの沈黙が流れる

 トワネは自分の席から退屈そうに外を眺めながら机の上に置いてあるコンビニの鮭おにぎりを手に取る

 自分の席から退屈そうに外を眺めながらコンビニの鮭おにぎりの個装を外すトワネ

 トワネは自分の席から退屈そうに外を眺めながらコンビニの鮭おにぎりの個装を外し終える

 自分の席から退屈そうに外を眺めながらコンビニの鮭おにぎりを一口食べるトワネ


トワネ「(退屈そうに外を眺めながらコンビニの鮭おにぎりを一口食べて)次はカルボナーラ味のおにぎりが良い」

カナメ「ないよそんな味」

トワネ「(退屈そうに外を眺めながら)あったら買って来い」

カナメ「あったらね」


◯12ANDREI総本部第一ロイヤル待機室(夕方)

 ANDREI総本部の第一ロイヤル待機室に一人いるカナメ

 ANDREI総本部の第一ロイヤル待機室には椅子とロッカーがある

 カナメは椅子に座っている 

 少しするとANDREI総本部の第一ロイヤル待機室の扉が開き、白衣姿のトキコがロイヤル待機室の部屋の中に入って来る


トキコ「(トキコがロイヤル待機室の部屋の中に入って来て)あら、何やってんのあんた一人で。虐められてんの?」

カナメ「そ、そういうのじゃないと思いますけど」

トキコ「他の連中は?」

カナメ「シャワーを浴びてます」

トキコ「きったないわねあんたも浴びて来なさいよ」

カナメ「いや・・・僕シャワー上がりですけど」

トキコ「あ、そうなの。全然気付かなかったわ」


 少しの沈黙が流れる


トキコ「今、暇?」

カナメ「まあ」

トキコ「ならちょっと頼まれてくんない?」


◯13ANDREI総本部廊下(夕方)

 ANDREI総本部の廊下にいるカナメ、マナカ、白衣姿のトキコ

 マナカはカラスがデザインされた鉄仮面を付けており、車椅子に乗っている

 マナカが乗っている車椅子のハンドルを握っているトキコ

 話をしているカナメたち


トキコ「(マナカが乗っている車椅子のハンドルを握ったまま)こちら、真弓マナカさん。第六の力のお姫様で、先日の戦いでヒヨリの武器になっていたのが彼女」

マナカ「(車椅子に乗ったまま)お噂はかねがね聞いておりますわ、神野カナメさん」


 少しの沈黙が流れる


カナメ「よ、よろしくお願いします・・・」

マナカ「(車椅子に乗ったまま)こちらこそ。私、先日ははしたない姿をお見せしてしまって、そのことをあなたに謝りたかったの」

カナメ「は、はしたない?」

マナカ「(車椅子に乗ったまま)ずっと変化していたでしょう・・・?結局ろくにご挨拶も出来なかったし、失礼を働いてしまったわ」

カナメ「そ、そうですかね」


 再び沈黙が流れる


カナメ「あ、あの・・・トキコさん」

トキコ「(マナカが乗っている車椅子のハンドルを握ったまま)何?」

カナメ「僕は・・・どうしたら・・・」

トキコ「(マナカが乗っている車椅子のハンドルを握ったまま)簡単よ、マナカを花色荘まで送ってあげて」

カナメ「えっ?送るって・・・」

トキコ「(マナカが乗っている車椅子のハンドルを握ったまま)何?そのえって」

カナメ「い、いや・・・」

トキコ「(マナカが乗っている車椅子のハンドルを握ったまま)ヒヨリがいるんだから彼女も花色荘で暮らすに決まってんじゃない」

カナメ「だったらトワネたちが戻って来るのを待っても・・・」

トキコ「(マナカが乗っている車椅子のハンドルを握ったまま)あんた、男でしょ」


◯14帰路/花色荘に向かう道中(夕方)

 夕日が沈みかけている 

 花色荘に向かっているカナメとマナカ

 マナカはカラスがデザインされた鉄仮面を付けており、車椅子に乗っている

 カナメはマナカが乗っている車椅子のハンドルを握って車椅子を押している

 話をしているカナメとマナカ


マナカ「(車椅子に乗ったまま)ご迷惑をかけてしまって申し訳ありませんわ・・・」

カナメ「(マナカが乗っている車椅子のハンドルを握って車椅子を押しながら)い、いや・・・僕は別に・・・」

マナカ「(車椅子に乗ったまま)重いでしょう?後でゆっくり両手を休ませてくださいね」


 少しの沈黙が流れる


カナメ「(マナカが乗っている車椅子のハンドルを握って車椅子を押しながら)体の破損は、大丈夫ですか」

マナカ「(車椅子に乗ったまま)ええ、おかげさまで順調に再生していますわね、まだ足の指先がいくつか戻って来ていませんけど、すぐに良くなりますわ」

カナメ「(マナカが乗っている車椅子のハンドルを握って車椅子を押しながら)真弓さんとヒヨリさんの戦い、凄かったですね」

マナカ「(車椅子に乗ったまま)マナカと、そう呼んで欲しいですわ、カナメさん」

カナメ「(マナカが乗っている車椅子のハンドルを握って車椅子を押しながら)は、はい」


 再び沈黙が流れる


マナカ「(車椅子に乗ったまま)私なんて添え物に過ぎませんのよ」

カナメ「(マナカが乗っている車椅子のハンドルを握って車椅子を押しながら)そ、添え物・・・?」

マナカ「(車椅子に乗ったまま)ええ、メインはヒヨリ様ですもの」

カナメ「(マナカが乗っている車椅子のハンドルを握って車椅子を押しながら)そうなんですかね」

マナカ「(車椅子に乗ったまま)そうですわよカナメさん。だって彼女は、いついかなる時も最強で完璧なんですもの」


 カラスがデザインされた鉄仮面から僅かに見えるマナカの瞳は、真っ黒に染まっている



 続く。

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