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『第二話 人と』

『サイクルラヴの叫び、少年少女のセイセンネンリョ』


登場人物


神野(じんの) カナメ 16歳男子

本作の主人公。高校一年生。人に対して距離があり、どこか性格も冷めている。


相園(あいぞの) トワネ 16歳女子

本作のメインヒロイン。高校一年生。”第六の力の女王”で、カナメの契約相手。性格はわがままで愛想がなく、たびたびカナメのことを困らせることになる。無類のカルボナーラ好き。


若葉(わかば) ソウヤ 16歳男子

カナメたちと同じ高校一年生で、”第六の力の王子”。成績と容姿が優れている上に、人当たりも悪くないため、同級生たちからよくモテているが・・・信心深く、よく礼拝堂に訪れている。


浅木(あさき) チヅル 16歳女子

カナメたちと同じ高校一年生で、”第六の力の姫の一人”。カナメやトワネほどではないが、馴れ合うことが苦手な性格をしており、口調もキツい。契約相手のソウヤとは幼馴染。


九音(くおん) ヒヨリ 18歳女子

カナメたちよりも2つ歳上の先輩に当たる、”第六の力の姫の一人”。ロシアからの帰国子女で、強い正義感の持ち主。その性格の通り優秀な戦士であり、面倒見も良い。


真弓(まゆみ) マナカ 18歳女子

ヒヨリと同じくロシアからの帰国子女で、”第六の力の姫の一人”。常に顔面にカラスがデザインされた鉄仮面を付けていて、お嬢様口調で話をする。ヒヨリとは古くからの仲であり、契約相手でもある。


シィア 15歳女子モデル

長く”ANDREI”で働く美少女アンドロイド、正式名称はSI-A49。一応梢トキコの助手という役職だが、雑用も淡々とこなす。長く人間に仕えて来たからか、皮肉屋ところがある。口癖は『アホ』。


四季(しき) イズミ 16歳女子

・・・???


(こずえ) トキコ 36歳女子

“ANDREI”の科学者で、カナメたちが暮らすオンボロアパート”花色荘”の管理人。大人気なく怒りっぽい性格をしている。カナメたちに対して厳しい言い方をすることが多いが、一応彼らの保護者だったりする。


神野(じんの) タエ 78歳女子

“オソレ”の破壊を目的とした組織”ANDREI”の司令であり、カナメの祖母。カナメとは長く疎遠だったが、”オソレ”を破壊するために彼の力を借りようとする。


日向(ひなた) リュウマ 36歳男子

日本帝国軍から派遣された軍人で、階級は陸佐。ただし、軍人らしさは全くない。戦略班のリーダーだが、実質的に”ANDREI”のトップ2の立場におり、タエの側近的な役割を担っていることが多い。トキコとは過去に色々あったとか、なかったとか。


神野(じんの) アキラ 44歳男子

カナメの父親。いつも仕事で帰って来るのが遅いため、カナメとは上手くコミュニケーションが取れておらず、そのことを気にしている。

 

神野(じんの) アイラ 女子

カナメの母親。カナメが幼い頃に亡くなっている。




ゲストキャラクター




MA-RA337型のアンドロイド 18歳女子モデル

シィアよりも後に登場したアンドロイド。シィアと比較するとかなり人間的な表情が出来るのに加えて、欠陥も少ない。


トキコがバーで出会った男 30代後半男子

・・・???


イザベル・カーフェン 16歳?女子

一生懸命、真面目、純粋の三拍子が揃ったドジっ娘。良くも悪くもまっすぐな性格のため、気合いが空回りすることもしばしば。ある時カナメたちと出会い、そこから交流を深めるようになる。


アマネ・カーフェン 18歳?女子

イザベルの姉。何かとやらかすことが多いイザベルのことをいつも厳しく叱っている。一人称は『俺』だが、食器集めが趣味という可愛い一面も。


ルシファリア 年齢?女子

・・・???


ウラジーミル・アンドレイ 65歳男子

・・・???


ヒラン・アンドレイ 14歳女子

・・・???


ロベール=フォン・アンドレイ 18歳男子

・・・???


クレナ・アンドレイ 21歳女子

・・・???


九音(くおん) アリカ 40歳女子

ヒヨリの母親。


博士 17〜18歳女子

本名不明。”あるもの”を連れている。


タカヤ 30代前半男子

・・・???


ヨハリル 20代前半?男子

・・・???


C 16歳?女子

リュウマの話に登場した好奇心旺盛な少女。ある日、キファーと出会うことになる。


キファー 16歳?男子

Cと同じくリュウマに登場した少年。Cとは違い大人しく、いつも寂しげな様子をしている。


ユーリ 60歳?男子

Cの叔父。


ガラファリア 20代後半?女子

・・・???


神野(じんの) アイハ 40代前半女子

カナメの叔母。”夢路村”で、喫茶”四重奏の夢”を経営している。


イ・ジヨン 20代前半女子

韓国から来た留学生。喫茶”四重奏の夢”を経営を手伝いながらアイハの家でホームステイをしている。


リツ 27歳女子

ある過去を抱えている信仰者。


スグル 30代前半男子

・・・???

◯1総合病院/カナメの個室(日替わり/夕方)

 夕日が沈みかけている

 総合病院のカナメの病室にいるカナメと神野アキラ

 カナメはベッドに座っている

 ベッドの横には椅子が置いてある

 ベッドの隣には棚があり、小さなテレビが置いてある

 窓際には花瓶が置いてあり、花が飾られてある

 アキラの年齢は44歳

 アキラはスーツ姿でベッドの横の椅子に座っている

 話をしているカナメとアキラ


アキラ「ほ、本当に良かったよカナメ」

カナメ「うん」


 少しの沈黙が流れる


アキラ「お父さん、お前にまで何かあったら・・・」

カナメ「何もないよ」


『第二話 人と』


◯2ANDREI総本部ケアカプセル室(夜)  

 ANDREI総本部のケアカプセル室にいるトワネ、チヅル、シィア、白衣姿のトキコ  

 ANDREI総本部のケアカプセル室にはたくさんのケアカプセルがある  

 ANDREI総本部のケアカプセル室にあるたくさんのケアカプセルの中には液体が入っている  

 トワネとチヅルは酸素マスクを付け、それぞれ全裸のままケアカプセルの中に入って治療を行っている  

 チヅルは無くなっていたはずの右腕が再生しているが、左腕は変わらず無くなったままの状態になっている  

 シィアはバスタオルを2枚持っている  

 トキコはタブレットを持っている  

 タブレットでケアカプセルを操作するトキコ  

 トワネとチヅルが入っているケアカプセルの液体が排水される  

 少しするとトワネとチヅルが入っているケアカプセルの液体が完全に排水される  

 トワネとチヅルが入っているケアカプセルが開く  

 トワネとチヅルの体、トワネとチヅルが入っているケアカプセルからは湯気が上がる

 タブレットでケアカプセルを操作するのをやめるトキコ


トキコ「(タブレットでケアカプセルを操作するのをやめて)お疲れ様、二人とも」


 トワネとチヅルは酸素マスクを外す

 ケアカプセルから出るトワネとチヅル


チヅル「(ケアカプセルから出て)左腕の再生がまだなんすけど」

トキコ「破損した部位が多いと時間がかかるのよ」


 シィアはバスタオルの1枚をチヅルに差し出す

 バスタオルをシィアから右手で受け取るチヅル


チヅル「(バスタオルをシィアから右手で受け取って)こんな状態じゃ三人目のオソレが来てもあたしは戦いませんよ」

トワネ「心配しなくても私たちでやるさ」


 チヅルは右手で持っているバスタオルで体を拭き始める


チヅル「(右手で持っているバスタオルで体を拭きながら)あんたと新入りのまぐれが続くと思ってんの?」

トワネ「(少し笑って)あれは実力だよチヅル、あいつは本能で世界を救ったんだ」


 シィアはバスタオルをトワネに差し出す


シィア「(バスタオルをトワネに差し出して)ビギナーズラックという言葉もありますが」


 トワネはバスタオルをシィアから受け取る


トワネ「(バスタオルをシィアから受け取って)なら賭けてみるか?次のオソレを破壊するのが私たちかチヅルと・・・」

トキコ「(トワネの話を遮って)やめなさいそういうのは」

トワネ「(不機嫌そうに)なぜ?」

トキコ「子供のお遊びに巻き込まれて死にたくないからよ」

トワネ「(不機嫌そうに)私は大人だ、シィアちゃんもANDREIに来てから20年以上経つぞ」

トキコ「お黙り、お嬢さん」

トワネ「(不機嫌そうに)ふん・・・」


 トワネはバスタオルで体を拭き始める


トワネ「(バスタオルで体を拭きながら不機嫌そうに)私がいなかったらトキコはとっくに死んでることを忘れるなよ」

トキコ「もちろん忘れないわ、あんたが毎週私にインスタントのカルボナーラを買わせてることもね」

チヅル「(右手で持っているバスタオルで体を拭きながら少し笑って)トワネ、一人じゃ買い物も出来ないんだ」

トワネ「(バスタオルで体を拭きながら不機嫌そうに)買い物は出来る、が、人にやらせた方が早い」

チヅル「(右手で持っているバスタオルで体を拭きながら少し笑って)クズじゃん、考え方が」

トワネ「(バスタオルで体を拭きながら)世界を救ったクズに何か言いたいことでもあるのか?」


 少しの沈黙が流れる

 チヅルは右手で持っているバスタオルで体を拭くのをやめる


チヅル「(右手で持っているバスタオルで体を拭くのをやめて)あたしのせいじゃない」

トワネ「(バスタオルで体を拭きながら少し笑って)それはいつも私が言ってたセリフだな、不思議と立場が変わると気分も良い」

チヅル「じゃなくて、二人目のオソレ・・・リヴァの件」

トキコ「オソレがどうしたの?」

チヅル「あの時・・・」


◯3第一話◯9の回想/青梅駅周辺/ANDREI総本部に向かう道中(朝)

 青梅駅の周辺でエンジン付きのグライダーに乗り、大きな盾を持っているソウヤ

 ソウヤは白黒の”ミラースーツ”を着て、山羊がデザインされた鉄仮面を付けている

 ソウヤが持っている大きな盾の両脇にエンジンが装備されている

 ソウヤが持っている大きな盾には人間の両目と口がついている

 ソウヤが持っている大きな盾の人間の両目と口は、チヅルと完全に同じ瞳、口をしている

 チヅルの両目を持った大きな盾は、チヅルがソウヤと契約して”姫”になった姿

 ソウヤが持っている大きな盾にあるチヅルの両目から血の涙が流れている

 ソウヤが付けている山羊がデザインされた鉄仮面にヒビが入っている

 ソウヤが乗っているグライダーのエンジンから黒い煙が上がっている

 ソウヤが持っている大きな盾のチヅルの口は大量の血を吐き出している


チヅル「(声)あたしは身を粉にするつもりだった・・・」


 大きな盾で押し返されていた二人目のオソレから巨大な猿のような右手が生えて来る


◯4回想戻り/ANDREI総本部ケアカプセル室(夜)  

 ANDREI総本部のケアカプセル室にいるトワネ、チヅル、シィア、白衣姿のトキコ  

 ANDREI総本部のケアカプセル室にはたくさんのケアカプセルがある  

 ANDREI総本部のケアカプセル室にあるたくさんのケアカプセルの中には液体が入っている  

 トワネはバスタオルで体を拭いている  

 チヅルの左腕は無くなっている  

 右手でバスタオルを持っているチヅル  

 トキコはタブレットを持っている  

 話をしているトワネたち


チヅル「なのにソウヤがビビったんだ」  


 少しの沈黙が流れる


シィア「命令は破壊ではなく、足止めでした。それを理解しながら身を粉にしようとするのはただのアホでは」


◯5ANDREI総本部礼拝堂(夜)

 ANDREI総本部の礼拝堂に一人いるソウヤ

 ANDREI総本部の礼拝堂の中は広く、たくさんの椅子がある 

 ANDREI総本部の礼拝堂のガラスはステンドグラスになっている 

 ANDREI総本部の礼拝堂の中には祭壇があり、その後ろには大きなマリア像がある

 ANDREI総本部の礼拝堂の中には懺悔室がある

 ANDREI総本部の礼拝堂の中にはソウヤ以外に誰もいない

 ソウヤは頭に包帯を巻いている

 椅子に座っているソウヤ

 ソウヤは両手を合わせて祈っている

 

ソウヤ「(両手を合わせて祈りながら)我らの罪をお許しください・・・・」


◯6ANDREI総本部地下最下層(夕方)

 ANDREI総本部の地下最下層にいるタエとリュウマ

 ANDREI総本部の地下最下層には巨大な枯れかけた木がある  

 ANDREI総本部の地下最下層の巨大な枯れかけた木の幹には洞穴がある  

 ANDREI総本部の地下最下層の巨大な枯れかけた木の幹にある洞穴の中は薄暗く、何も見えない  

 ANDREI総本部の地下最下層の巨大な枯れかけた木の前にいるタエとリュウマ

 リュウマは”イングマールの針”を持っている

 リュウマが持っている”イングマールの針”は真っ黒な棒で、2メートルほどの長さ

 タエとリュウマは話をしている


リュウマ「経験通り、でしたね」

タエ「ああ」

リュウマ「お孫さんの使い道はあのままで?」

タエ「そうだ」


 リュウマは”イングマールの針”をタエに差し出す

 “イングマールの針”をリュウマから受け取るタエ


タエ「(“イングマールの針”をリュウマから受け取って)彼女を呼び戻し、トキコにはアンドロイドの例の計画を進めさせろ」

リュウマ「はい、姉さん」


◯7総合病院/カナメの病室(日替わり/朝)

 外は快晴

 総合病院のカナメの病室にいるカナメとシィア

 カナメはベッドで体を起こしている

 ベッドの横には椅子が置いてある

 ベッドの隣には棚があり、小さなテレビが置いてある

 窓際には花瓶が置いてあり、花が飾られてある

 話をしているカナメとシィア


シィア「退院おめでとうございます」

カナメ「えっと、君は・・・」

シィア「(淡々と)ANDREI科学班のサブリーダー、梢トキコ博士の助手、人間様たちのあらゆる雑務も難なくこなしちゃうアンドロイドとは私のこと、正式名称はSI-A49です、どうぞよろしく」

カナメ「SI・・・A・・・」

シィア「シィアちゃんって呼んでね」

カナメ「あ、アンドロイドは何十年も前に製造中止になったはずだよ」

シィア「はい。なので私が最後のアンドロイドです」

カナメ「き、君は本当にアンドロイドなの?」

シィア「もしかして、アホですか?」

カナメ「えっ?」

シィア「私が人間に見えるなら、あなたはアホ」

カナメ「いや・・・アホではないけど・・・」


◯8ANDREI総本部通路(昼前)

 ANDREI総本部の通路を歩いているカナメと白衣姿のトキコ

 話をしているカナメとトキコ


カナメ「あの・・・学校は」

トキコ「しばらく行かなくて良いわ」

カナメ「でも、単位が」

トキコ「うっさいわね、行かなくて良いって言ってんだから喜びなさいよ」


 少しの沈黙が流れる


トキコ「良かったわね、退院出来て・・・」

カナメ「僕は・・・これからどうなるんですか」

トキコ「少なくとも学校は転校になるでしょうね」

カナメ「転校・・・」

トキコ「そ、契約者たちがバラバラだと困るのよ」


◯9ANDREI総本部第一会議室(昼前)

 ANDREI総本部の第一会議室にいるカナメ、トワネ、ソウヤ、チヅル、シィア、白衣姿のトキコ、リュウマ

 ANDREI総本部の第一会議室にはテーブル、椅子、ホワイトボードがある

 テーブルに向かって椅子に座っているトワネ、ソウヤ、チヅル、シィア、トキコ、リュウマ

 ソウヤは頭に包帯を巻いている

 チヅルはの左腕は無くなっている

 話をしているカナメたち


リュウマ「座りなよ、カナメくん」


 少しの沈黙が流れる


リュウマ「今や君は俺たちの命の恩人なのに、そんなに距離を取られてもねぇ」


 再び沈黙が流れる


チヅル「こいつ、自覚がないんだ」


 カナメはチラッとチヅルのことを見る


トキコ「彼女は第六の力のお姫様、浅木チヅルさんよ」


 チヅルはカナメから顔を逸らす


チヅル「(カナメから顔を逸らして)良いって、説明なんかしなくても」

ソウヤ「そういうわけにはいかないよ、チヅル、僕たちは仲間なんだから」


 ソウヤは立ち上がる

 カナメがいるところに行くソウヤ

 ソウヤは右手をカナメに差し出す


ソウヤ「(右手をカナメに差し出して)僕は若葉ソウヤ、第六の力の契約者でチヅルのパートナーだ、よろしく」

カナメ「(ソウヤに右手を差し出されたまま)第六の力の契約者って・・・」

リュウマ「基本はカナメくんと同じだよ、チヅルちゃんを武器にしてオソレと戦うんだ。まあもっとも、君はキングで、ソウヤくんはプリンスと言ったところだけどね」


 再び沈黙が流れる

 ソウヤは右手をカナメに差し出すのをやめる


カナメ「オソレは・・・僕が倒したんじゃないんですか?」

トキコ「あんたが倒したのは二人目よ」

カナメ「またあいつみたいなのが来るってことですか」

リュウマ「ああ。ソウヤくんアンドチヅルちゃん、カナメくんアンドトワネちゃんペアは今後もオソレと戦ってもらうことになる」


 カナメはチラッとトワネのことを見る


トワネ「(不機嫌そうに)この前にみたいにやれば良い」

カナメ「この前?」

トワネ「(不機嫌そうに)私を使ってオソレを破壊しただろ。あれを繰り返すんだ」


 少しの沈黙が流れる


シィア「何か質問は?」

カナメ「どうして僕なんですか?」

シィア「司令がそう決めたからです」


◯10二人目のオソレの爆心地(昼)

 二人目のオソレの爆心地に一人いるタエ

 二人目のオソレが爆心地はクレーターのように凹んでおり、周囲にあった建物は全て無くなっている

 タエは二人目のオソレの爆心地で笑っている

 

◯11ANDREI総本部トキコの研究室(昼過ぎ)

 ANDREI総本部トキコの研究室にいるカナメ、トワネ、ソウヤ、チヅル、シィア、白衣姿のトキコ

 ANDREI総本部トキコの研究室には机、椅子、たくさんの書類、本、パソコンが乱雑に置いてあり、散らかっている

 ソウヤは頭に包帯を巻いている

 チヅルの左腕は無くなっている

 机に向かって椅子に座っているトキコ

 トキコはタバコを吸っている

 話をしているカナメたち


トキコ「(タバコを咥えたまま)1時間後に身体検査をするから、遅れないように。あ、それからリヴァのデータを送ったから各自で目を通しておいてね。じゃ、解散」

ソウヤ「お疲れ様です」


 ソウヤとチヅルはANDREI総本部トキコの研究室から出て行こうとする


カナメ「あの・・・僕・・・」


 カナメの横を通り過ぎる時に舌打ちをするチヅル


チヅル「(舌打ちをして小声でボソッと)チッ・・・うざ・・・」


 カナメは俯く

 ANDREI総本部トキコの研究室から出て行くソウヤとチヅル

 少しの沈黙が流れる

 タバコの煙を吐き出すトキコ


トキコ「(タバコの煙を吐き出して)困ってるみたいね」


 カナメは顔を上げる


カナメ「(顔を上げて)別にそういうわけじゃ・・・」

トキコ「言っとくけど、仕草だけじゃ助けてあげないわよ」


◯12ANDREI総本部食堂(昼過ぎ)

 ANDREI総本部の食堂にいるソウヤとチヅル

 ANDREI総本部の食堂にはたくさんのテーブルと椅子がある

 ANDREI総本部の食堂にはソウヤとチヅルの他にもたくさんのANDREIの職員がおり、昼食を食べている

 テーブルを挟んで向かい合って椅子に座っているソウヤとチヅル

 ソウヤは頭に包帯を巻いている 

 チヅルの左腕は無くなっている

 話をしているソウヤとチヅル


ソウヤ「歩み寄ろう」

チヅル「は?」

ソウヤ「彼はまだ来たばかりなんだし」

チヅル「あいつが司令の孫でANDREIの本命だって分かってんの?」

ソウヤ「本命って?」

チヅル「あたしたちは所詮予備、トキコさんもそれを知っててあたしの腕の再生を後回しにしてるんだよ」

ソウヤ「仲間は多いに越したことはないじゃないかチヅル」

チヅル「ならあんたのチヤホヤされる立場、新入りに奪われちゃうね」


◯13ANDREI総本部ラウンジ(昼過ぎ)

 ANDREI総本部のラウンジに一人いるカナメ

 ANDREI総本部のラウンジにはテーブル、椅子、自動販売機がある

 テーブルに向かって椅子に座っているカナメ


◯14第一話◯11の回想/ANDREI総本部ヘリポート場(朝)

 ANDREI総本部の地下のヘリポート場にいるカナメとトワネ

 ANDREI総本部の地下のヘリポート場は広く、たくさんの戦闘機がある

 ANDREI総本部の地下のヘリポート場は屋根が開閉するようになっている

 ANDREI総本部の地下のヘリポート場は昇降可能なリフトになっている

 ANDREI総本部の地下のヘリポート場にはカナメたちの他にもたくさんの整備士がいる

 カナメは紺の”ミラースーツ”を、トワネは赤の”ミラースーツ”を着ている

 ANDREI総本部のヘリポート場でサイレンが鳴り響いている

 ANDREI総本部のヘリポート場が上昇している

 ANDREI総本部のヘリポート場が上昇しながら天井が開きかけている

 一機の戦闘機の前にいるカナメとトワネ

 カナメとトワネは話をしている


トワネ「第六の力のクイーンだよ、私は」


◯15第一話◯14の回想/ヘリポート場から少し離れた場所/二人目のオソレがいるところに向かう道中(朝)

 ヘリポート場から少し離れた場所にいるカナメとトワネ

 カナメは紺の”ミラースーツ”を、トワネは赤の”ミラースーツ”を着ている

 カナメは山羊がデザインされた鉄仮面を付けている

 ヘリポート場から少し離れた場所にはカナメ以外に誰もいない

 カナメとトワネから少し離れたところには宙に浮かんだままANDREI総本部に向かっている二人目のオソレがいる

 二人目のオソレは銀色で縦型の直方体、大きさは縦に25メートル、横15メートルほどになっている

 話をしているカナメとトワネ


トワネ「誇り高き王よ、女王を盾とし、矛とし、世界を守護すると誓うか?」


◯16第一話◯16の回想/ヘリポート場から少し離れた場所(朝)

 ヘリポート場から少し離れた場所にいるカナメ

 カナメは真っ黒な針を持っている

 カナメは紺色と赤の”ミラースーツ”を着て、山羊がデザインされた鉄仮面を付けている

 カナメが付けている山羊がデザインされた鉄仮面に血がかかっている

 カナメが持っている真っ黒な針はトワネがカナメと契約して”女王”になった姿

 二人目のオソレは銀色で縦型の直方体、大きさは縦に25メートル、横15メートルほどになっている

 ヘリポート場から少し離れた場所にはカナメ以外に誰もいない

 カナメの周囲には二人目のオソレの大量の血が残っている

 カナメは真っ黒な針を二人目のオソレにぶつけている 

 二人目のオソレはカナメに真っ黒な針をぶつけられているが、傷一つ付いていない

 二人目のオソレにぶつけていた真っ黒な針を引き離すカナメ

カナメ「(二人目のオソレにぶつけていた真っ黒な針を引き離して)オフレット値プラス50」


 カナメは再び真っ黒な針を二人目のオソレに思いっきりぶつける


◯17回想戻り/ANDREI総本部ラウンジ(昼過ぎ)

 ANDREI総本部のラウンジに一人いるカナメ

 ANDREI総本部のラウンジにはテーブル、椅子、自動販売機がある

 テーブルに向かって椅子に座っているカナメ


カナメ「相園・・・トワネは・・・第六の力を持つ・・・女王・・・」

リュウマ「ん、トワネちゃんが何だって?」


 カナメの目の前にはリュウマがいる


カナメ「えっと・・・」

リュウマ「リュウマで良いよ、カナメくん」


 リュウマはテーブルを挟んでカナメと向かい合って椅子に座る


リュウマ「(テーブルを挟んでカナメと向かい合って椅子に座って)飯は?もう食っちゃったの?」

カナメ「いえ・・・」

リュウマ「(小声でボソッと)ボロネーゼが食いたいな・・・」

カナメ「えっ・・・?」

リュウマ「あ、いや、トワネちゃんたちと一緒に行動しないんだと思ってね」


 少しの沈黙が流れる


リュウマ「(少し笑って)三人とも良い子だぞー、まあチヅルちゃんはちょっときついところもあるが」

カナメ「一人で、大丈夫です」

リュウマ「(少し笑いながら)おいおいおい、そりゃ大丈夫じゃないって言ってるようなもんだぞ」


 再び沈黙が流れる


リュウマ「コミュニケーション能力ってのは最強の武器だよ、カナメくん。君は一人では戦えない、分かるかな、三日前、確かにカナメくんは凄いことをしたが、あれは君とトワネちゃんだから出来たんだ」

カナメ「戦ったのは僕でした」

リュウマ「(少し笑って)いいや、違うね」


 リュウマは立ち上がる


リュウマ「(立ち上がって少し笑いながら)人と上手くやれないと、幸せに死ねないぞ」


 リュウマはどこかに行く

 少しの沈黙が流れる


◯18ANDREI総本部シミュレーション室(昼過ぎ)

 ANDREI総本部のシミュレーション室にいるカナメ、トワネ、シィア

 ANDREI総本部のシミュレーション室は広く、壁、床、天井が真っ白になっている

 ANDREI総本部のシミュレーション室の壁の上の方には鏡があり、マジックミラーになっている

 カナメは紺の”ミラースーツ”を、トワネは赤の”ミラースーツ”を着ている

 カナメは山羊がデザインされた鉄仮面を付けている

 話をしているカナメたち


シィア「契約しても第六の力の所有時間は限られます、契約者たちの能力に左右されますが、オフレット値を上げれば、時間も削られる仕組みになっています。なので所有時間の間にオソレを破壊し、イングマールの針をしてください」

カナメ「イングマールの針って・・・一体何なの?」

シィア「イングマールの針とは、オソレの動力源で、結晶化したとても極力な第六の力です」


 少しの沈黙が流れる


カナメ「僕・・・今から身体検査をするんだよね」

シィア「そうです」

カナメ「検査で何をするか聞いてないんだけど・・・」

シィア「チャンスをあげたのに質問しなかったあなたはやっぱりアホ」


 再び沈黙が流れる


シィア「所有時間が過ぎる前に必ず契約解除をしてください、もし1秒でも遅れたらあなたたちは帰化します」

カナメ「帰化?」

トワネ「(不機嫌そうに)お前は運命共同体って言葉を知ってるか」

カナメ「し、死ぬってこと?」

シィア「肉体が消滅し、魂だけの姿になります」

トワネ「(不機嫌そうに)要するに死ぬ」


 少しの沈黙が流れる


シィア「契約解除をしたい時は、パートナと分離することを強くイメージしてください」

カナメ「も、もしイメージ出来なかったら?」

シィア「この・・・アホ」


 再び沈黙が流れる


カナメ「わ、分からないことだらけなんだからしょうがないだろ」

トワネ「(不機嫌そうに)分からないことは覚えろ、知りたいことは誰かに聞け」


◯19ANDREI総本部シミュレーション監視室(昼過ぎ)

 ANDREI総本部のシミュレーション監視室にいるソウヤ、チヅル、白衣姿のトキコ、リュウマ

 ANDREI総本部のシミュレーション監視室にはマジックミラーがあり、そこからシミュレーション室にいるカナメ、トワネ、シィアのことが見える

 ANDREI総本部のシミュレーション室にいるカナメは紺の”ミラースーツ”を、トワネは赤の”ミラースーツ”を着ている

 ANDREI総本部のシミュレーション室にいるカナメは山羊がデザインされた鉄仮面を付けている

 ANDREI総本部のシミュレーション室は広く、壁、床、天井が真っ白になっている

 ANDREI総本部のシミュレーション室からは監視室が見えておらず、ただの鏡になっている

 ANDREI総本部のシミュレーション室にいるカナメたちは話をしている

 ANDREI総本部のシミュレーション監視室ではカナメたちの会話の音声が聞こえている

 ソウヤは黒の”ミラースーツ”を、チヅルは白の”ミラースーツ”を着ている

 ソウヤは頭に包帯を巻いている

 チヅル左腕は無くなっている

 ソウヤ、チヅル、トキコ、リュウマはANDREI総本部のシミュレーション室にいるカナメたちのことを見ている


トワネ「(不機嫌そうな声)分かったなカナメ」

カナメ「(声)う、うん・・・」

シィア「(声)あなたが今は着ている服はミラースーツと言って、一見するとエッチなお姉さんが愛用するボンデージと、宇宙服を足して2で割ったような素材ですが、第六の力を纏うように作られています。ミラースーツは第六の力に共振しやすい特殊な衣服になっているため、その分だけ攻撃力と防御力も上がりますが、オフレット値との兼ね合いがあることを注意してください」

カナメ「きょ、共振って何?ちゅ、注意ってどうすれば良いの?」

シィア「(声)第六の力が共振すると、通常よりも強い力を発揮することが出来ます。注意したい時は、注意してください」

カナメ「(声)それがわからないから聞いたんだけど・・・」

トキコ「(ANDREI総本部のシミュレーション室にいるカナメたちのことを見ながら)三日前のことが嘘のようね」

チヅル「(ANDREI総本部のシミュレーション室にいるカナメたちのことを見ながら)だから言ったじゃん、あいつはまぐれでオソレを破壊しただけだ、ただのラッキーだったんだよ」

リュウマ「(ANDREI総本部のシミュレーション室にいるカナメたちのことを見ながら)いや、それはどうかな。彼が本能だけで戦ったんだとしても、偶然だと決まったわけじゃない」

ソウヤ「(ANDREI総本部のシミュレーション室にいるカナメたちのことを見ながら)シミュレーションもせずにどうやってそんなことを可能にしたんでしょうか?」

リュウマ「(ANDREI総本部のシミュレーション室にいるカナメたちのことを見ながら)さあね・・・気になるんだったら今度本人に聞いてみたらどうだい?」


◯20ANDREI総本部シミュレーション室(昼過ぎ)

 ANDREI総本部のシミュレーション室にいるカナメ、トワネ、シィア

 ANDREI総本部のシミュレーション室は広く、壁、床、天井が真っ白になっている

 ANDREI総本部のシミュレーション室の壁の上の方には鏡があり、マジックミラーになっている

 カナメは紺の”ミラースーツ”を、トワネは赤の”ミラースーツ”を着ている

 カナメは山羊がデザインされた鉄仮面を付けている

 話をしているカナメたち


シィア「契約する時は、パートナーの胸に手を当てて、使用したい武器をイメージしてください」

トワネ「(不機嫌そうに)どさくさに紛れて揉もうとしたら殺すぞ」

カナメ「し、しないよそんなこと」


 少しの沈黙が流れる


シィア「(淡々と)それでは、身体検査の良き結果を期待しています」

カナメ「えっ、ちょっと・・・」


 シィアはANDREI総本部のシミュレーション室から出て行く

 

トワネ「(不機嫌そうに)三日前と同じようにやれ」


 ANDREI総本部のシミュレーション室の床が開き、真っ白な縦型の直方体が出て来る

 ANDREI総本部のシミュレーション室の床から出て来た真っ白な縦型の直方体の大きさは、縦に20メートル、横10メートルほどになっている

 ANDREI総本部のシミュレーション室の床から出て来た真っ白な縦型の直方体は宙に浮かぶ

 ANDREI総本部のシミュレーション室の床から出て来た真っ白な縦型の直方体に、二人目のオソレのホログラムが被さるように投影される

 ANDREI総本部のシミュレーション室の床から出て来た縦型の直方体は、サイズが小さいことを除けば二人目のオソレと完全に同じ姿をしている

 ANDREI総本部のシミュレーション室の床が閉まる

 カナメは二人目のオソレのホログラムが投影された縦型の直方体を見ている


カナメ「(二人目のオソレのホログラムが投影された縦型の直方体を見ながら)あ、あいつ、確かに倒したはずなのに」

トワネ「あれはただのコピーだ」

カナメ「(二人目のオソレのホログラムが投影された縦型の直方体を見ながら)み、三日前みたいに出来なかったら、僕も君も・・・」


 トワネはイライラして二人目のオソレのホログラムが投影された縦型の直方体を見ている話途中のカナメの手を掴み、無理矢理自分の胸元に当てる


トワネ「(イライラして二人目のオソレのホログラムが投影された縦型の直方体を見ている話途中のカナメの手を掴み、無理矢理自分の胸元に当てて)誇り高き王よ、女王を盾とし、矛とし、世界を守護すると誓うか?」


 カナメはトワネに手を掴まれて無理矢理トワネの胸元に当てさせられながら、二人目のオソレのホログラムが投影された縦型の直方体を見るのをやめる


カナメ「(トワネに手を掴まれて無理矢理トワネの胸元に当てさせられながら、二人目のオソレのホログラムが投影された縦型の直方体を見るのをやめて)ち、誓えば良いんだろ」


 カナメの紺の”ミラースーツ”が、トワネの赤の”ミラースーツ”が光り始める


トワネ「(カナメの手を掴み無理矢理自分の胸元に当てながら)第六の力をお前の手に・・・」

 

 カナメの紺の”ミラースーツ”と、トワネの赤の”ミラースーツ”が強く光り、周囲が見えなくなる

 強く光っているカナメの紺の”ミラースーツ”は紺色と赤になっている

 少しするとカナメの紺色と赤の”ミラースーツ”から光りが消える

 トワネに掴まれて無理矢理トワネの胸元に当てていたはずのカナメの手にはカッターナイフが握られている

 カナメが持っているカッターナイフは、トワネがカナメと契約して”女王”になった姿

 

カナメ「あ、あれ・・・お、おかしいな・・・この前は上手くいったのに・・・」


 カナメは両目を瞑る

 カナメが両目を瞑っていると、カナメが持っていたカッターナイフが鉛筆に変わる

 両目を開けるカナメ

 カナメは持っている鉛筆を見る

 カナメが持っている鉛筆はトワネがカナメと契約して”女王”になった姿

 

カナメ「(持っている鉛筆を見て)ち、違う・・・これじゃなくて・・・」


 カナメは持っている鉛筆を見るのをやめる

 再び両目を瞑るカナメ

 カナメが両目を瞑っていると、カナメが持っていた鉛筆がカナメの国語、数学、英語、歴史、科学の試験の答案用紙に変わる

 両目を開けるカナメ

 カナメが持っている国語の試験の答案用紙は空欄が多く、点数欄には赤ペンで”24点”と書かれてある

 カナメが持っている数学の試験の答案用紙はバツが多く、点数欄には赤ペンで”35点”と書かれてある

 カナメが持っている英語の試験の答案用紙は空欄が多く、点数欄には赤ペンで”19点”と書かれてある

 カナメが持っている歴史の試験の答案用紙はバツが多く、点数欄には赤ペンで”38点”と書かれてある

 カナメが持っている科学の試験の答案用紙はバツが多く、点数欄には赤ペンで”28点”と書かれてある

 カナメが持っている国語、数学、英語、歴史、科学の試験の答案用紙は、トワネがカナメと契約して”女王”になった姿

 カナメは持っている国語、数学、英語、歴史、科学の試験の答案用紙を見る


カナメ「(持っている国語、数学、英語、歴史、科学の試験の答案用紙を見て)な、何で僕のテストが・・・」


 二人目のオソレのホログラムが投影された縦型の直方体から巨大な猿のような右手が生えて来る

 二人目のオソレのホログラムが投影された縦型の直方体は宙に浮かんだまま、国語、数学、英語、歴史、科学の試験の答案用紙を見ているカナメのところに向かう

 持っている国語、数学、英語、歴史、科学の試験の答案用紙を見るのをやめるカナメ


カナメ「(持っている国語、数学、英語、歴史、科学の試験の答案用紙を見るのをやめて)ちょ、ちょっと待って、まだ準備が・・・」


 二人目のオソレのホログラムが投影された縦型の直方体から生えている巨大な猿のような右手が、カナメの体を薙ぎ払う

 二人目のオソレのホログラムが投影された縦型の直方体から生えている巨大な猿のような右手に薙ぎ払われて、カナメの体の吹き飛ばされる

 ANDREI総本部のシミュレーション室の壁に勢いよく体をぶつけるカナメ

 カナメが持っていた国語、数学、英語、歴史、科学の試験の答案用紙はANDREI総本部のシミュレーション室に散らばる

 カナメはANDREI総本部のシミュレーション室の壁の前で倒れている

 

カナメ「(倒れたまま)うう・・・」


◯21ANDREI総本部シミュレーション監視室(昼過ぎ)

 ANDREI総本部のシミュレーション監視室にいるソウヤ、チヅル、シィア、白衣姿のトキコ、リュウマ

 ANDREI総本部のシミュレーション監視室にはマジックミラーがあり、そこからシミュレーション室にいるカナメと、二人目のオソレのホログラムが投影された縦型の直方体の姿が見える

 ANDREI総本部のシミュレーション室にいるカナメは紺色と赤の”ミラースーツ”を着ている

 ANDREI総本部のシミュレーション室にいるカナメは山羊がデザインされた鉄仮面を付けている

 二人目のオソレのホログラムが投影された縦型の直方体から巨大な猿のような右手が生えている

 二人目のオソレのホログラムが投影された縦型の直方体の大きさは、縦に20メートル、横10メートルほどになっている

 二人目のオソレのホログラムが投影された縦型の直方体は宙に浮かんでいる

 二人目のオソレのホログラムが投影された縦型の直方体は、サイズが小さいことを除けば二人目のオソレと完全に同じ姿をしている

 カナメはANDREI総本部のシミュレーション室の壁の前で倒れている

 宙に浮かんだまま、ANDREI総本部のシミュレーション室の壁の前で倒れているカナメの近くにいる二人目のオソレのホログラムが投影された縦型の直方体

 ANDREI総本部のシミュレーション室にはカナメの国語、数学、英語、歴史、科学の試験の答案用紙が散らばっている

 ANDREI総本部のシミュレーション室に散らばっている国語の試験の答案用紙は空欄が多く、点数欄には赤ペンで”24点”と書かれてある

 ANDREI総本部のシミュレーション室に散らばっている数学の試験の答案用紙はバツが多く、点数欄には赤ペンで”35点”と書かれてある

 ANDREI総本部のシミュレーション室に散らばっている英語の試験の答案用紙は空欄が多く、点数欄には赤ペンで”19点”と書かれてある

 ANDREI総本部のシミュレーション室に散らばっている歴史の試験の答案用紙はバツが多く、点数欄には赤ペンで”38点”と書かれてある

 ANDREI総本部のシミュレーション室に散らばっている科学の試験の答案用紙はバツが多く、点数欄には赤ペンで”28点”と書かれてある

 ANDREI総本部のシミュレーション室に散らばっている国語、数学、英語、歴史、科学の試験の答案用紙は、トワネがカナメと契約して”女王”になった姿

 ANDREI総本部のシミュレーション室は広く、壁、床、天井が真っ白になっている

 ANDREI総本部のシミュレーション室からは監視室が見えておらず、ただの鏡になっている

 ANDREI総本部のシミュレーション監視室ではカナメの音声が聞こえている

 ソウヤは黒の”ミラースーツ”を、チヅルは白の”ミラースーツ”を着ている

 ソウヤは頭に包帯を巻いている

 チヅルの左腕は無くなっている

 ソウヤ、チヅル、シィア、トキコ、リュウマはANDREI総本部のシミュレーション室の壁の前で倒れているカナメのことを見ている


チヅル「(ANDREI総本部のシミュレーション室の壁の前で倒れているカナメのことを見ながら)だっさ・・・」


◯22ANDREI総本部シミュレーション室(昼過ぎ)

 ANDREI総本部のシミュレーション室にいるカナメ

 ANDREI総本部のシミュレーション室は広く、壁、床、天井が真っ白になっている

 ANDREI総本部のシミュレーション室の壁の上の方には鏡があり、マジックミラーになっている

 カナメは紺色と赤の”ミラースーツ”を着ている

 カナメは山羊がデザインされた鉄仮面を付けている

 ANDREI総本部のシミュレーション室にはカナメの国語、数学、英語、歴史、科学の試験の答案用紙が散らばっている

 ANDREI総本部のシミュレーション室に散らばっている国語の試験の答案用紙は空欄が多く、点数欄には赤ペンで”24点”と書かれてある

 ANDREI総本部のシミュレーション室に散らばっている数学の試験の答案用紙はバツが多く、点数欄には赤ペンで”35点”と書かれてある

 ANDREI総本部のシミュレーション室に散らばっている英語の試験の答案用紙は空欄が多く、点数欄には赤ペンで”19点”と書かれてある

 ANDREI総本部のシミュレーション室に散らばっている歴史の試験の答案用紙はバツが多く、点数欄には赤ペンで”38点”と書かれてある

 ANDREI総本部のシミュレーション室に散らばっている科学の試験の答案用紙はバツが多く、点数欄には赤ペンで”28点”と書かれてある

 ANDREI総本部のシミュレーション室に散らばっている国語、数学、英語、歴史、科学の試験の答案用紙は、トワネがカナメと契約して”女王”になった姿

 カナメはANDREI総本部のシミュレーション室の壁の前で倒れている

 ANDREI総本部のシミュレーション室の壁の前で倒れているカナメの近くには、宙に浮かび二人目のオソレのホログラムが投影された縦型の直方体がいる

 二人目のオソレのホログラムが投影された縦型の直方体から巨大な猿のような右手が生えている

 二人目のオソレのホログラムが投影された縦型の直方体の大きさは、縦に20メートル、横10メートルほどになっている

 二人目のオソレのホログラムが投影された縦型の直方体は、サイズが小さいことを除けば二人目のオソレと完全に同じ姿をしている

 カナメはANDREI総本部のシミュレーション室の壁の前で倒れたままうずくまる

 二人目のオソレのホログラムが投影された縦型の直方体は巨大な猿のような右手で拳を握り締める

 二人目のオソレのホログラムが投影された縦型の直方体の巨大な猿のような右手が、ANDREI総本部のシミュレーション室の壁の前で倒れたままうずくまっているカナメを叩き潰そうとして、猿の拳を振り下ろす

 ANDREI総本部のシミュレーション室の壁の前で倒れたままうずくまって、二人目のオソレのホログラムが投影された縦型の直方体の巨大な猿の拳が振り下ろされていることに気付くカナメ


カナメ「(ANDREI総本部のシミュレーション室の壁の前で倒れたままうずくまって、二人目のオソレのホログラムが投影された縦型の直方体の巨大な猿の拳が振り下ろされていることに気付き驚いて大きな声で)うわああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


◯23神野家リビング(夜)

 リビングにいるカナメとアキラ

 テーブルを挟んで向かい合って椅子に座っているカナメとアキラ

 カナメとアキラの前にはカレーが置いてある

 夕飯を食べながら話をしているカナメとアキラ


アキラ「今日退院したばかりなのに・・・悪いな・・・カナメ・・・」

カナメ「ううん」


 少しの沈黙が流れる

 アキラはカレーを一口食べる


アキラ「(カレーを一口食べて)し、しかしいつ食べてもカナメの料理は美味しいな!!きっと母さんに似たんだな!!」

カナメ「インスタントだよ、これ」

アキラ「お、お父さん、インスタントでも味の良し悪しは出ると思うんだ」


 再び沈黙が流れる


アキラ「こ、高校のことなんだけど・・・例のオソレ・・・?の被害を受けたせいでしばらくは休校になるって連絡が来たんだ」

カナメ「そうなんだ」

アキラ「そ、それで・・・嫌だと思うんけど・・・か、カナメは転校しなきゃいけなくなったんだ・・・(少し間を開けて)け、今朝ポストに、私立東堂高校への特別編入手続きを済ませた書類が入ってた。政府がわざわざ送って来たらしい」


 少しの沈黙が流れる


アキラ「お、お友達と別れるのは辛いだろうけど、れ、連絡が取れなくなったわけじゃないだろ?」


◯24回想/ANDREI総本部シミュレーション室(昼過ぎ)

 ◯22の続き

 ANDREI総本部のシミュレーション室にいるカナメ、ソウヤ、チヅル、シィア、白衣姿のトキコ、リュウマ

 ANDREI総本部のシミュレーション室は広く、壁、床、天井が真っ白になっている

 ANDREI総本部のシミュレーション室の壁の上の方には鏡があり、マジックミラーになっている

 カナメは紺色と赤の”ミラースーツ”を、ソウヤは黒の”ミラースーツ”を、チヅルは白の”ミラースーツ”を着ている

 カナメは山羊がデザインされた鉄仮面を付けている

 ANDREI総本部のシミュレーション室にはカナメの国語、数学、英語、歴史、科学の試験の答案用紙が散らばっている

 ANDREI総本部のシミュレーション室に散らばっている国語の試験の答案用紙は空欄が多く、点数欄には赤ペンで”24点”と書かれてある

 ANDREI総本部のシミュレーション室に散らばっている数学の試験の答案用紙はバツが多く、点数欄には赤ペンで”35点”と書かれてある

 ANDREI総本部のシミュレーション室に散らばっている英語の試験の答案用紙は空欄が多く、点数欄には赤ペンで”19点”と書かれてある

 ANDREI総本部のシミュレーション室に散らばっている歴史の試験の答案用紙はバツが多く、点数欄には赤ペンで”38点”と書かれてある

 ANDREI総本部のシミュレーション室に散らばっている科学の試験の答案用紙はバツが多く、点数欄には赤ペンで”28点”と書かれてある

 ANDREI総本部のシミュレーション室に散らばっている国語、数学、英語、歴史、科学の試験の答案用紙は、トワネがカナメと契約して”女王”になった姿

 ソウヤは頭に包帯を巻いている

 チヅルの左腕は無くなっている

 カナメはANDREI総本部のシミュレーション室の壁の前で俯き、体育座りをしている

 ANDREI総本部のシミュレーション室の壁の前で俯き、体育座りをしているカナメの正面には、真っ白な縦型の直方体がある

 真っ白な縦型の直方体は宙に浮かんでおり、巨大な手の形をしたアームがANDREI総本部のシミュレーション室の壁の前で俯き、体育座りをしているカナメの頭上に伸びている

 真っ白な縦型の直方体は縦に20メートル、横10メートルほどになっている

 真っ白な縦型の直方体は完全に動作が止まっている

 ANDREI総本部のシミュレーション室の壁の前で俯き、体育座りをしているカナメのことを見ているソウヤたち


トキコ「(ANDREI総本部のシミュレーション室の壁の前で俯き、体育座りをしているカナメのことを見たまま)あんた、今頃死んでるわよ」


◯25神野家リビング(夜)

 リビングにいるカナメとアキラ

 テーブルを挟んで向かい合って椅子に座っているカナメとアキラ

 カナメとアキラの前にはカレーが置いてある

 夕飯を食べながら話をしているカナメとアキラ


アキラ「そ、そうだよな?カナメ」


 少しの沈黙が流れる


アキラ「お、お友達と連絡がつかないようなら、お父さんがいつでもカナメの話を聞くぞ」


 再び沈黙が流れる


カナメ「ごちそうさま」


 カナメは立ち上がる

 


 続く。


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