『第十二話 復讐』後編
『サイクルラヴの叫び、少年少女のセイセンネンリョ』
登場人物
神野 カナメ 16歳男子
本作の主人公。高校一年生。人に対して距離があり、どこか性格も冷めている。
相園 トワネ 16歳女子
本作のメインヒロイン。高校一年生。”第六の力の女王”で、カナメの契約相手。性格はわがままで愛想がなく、たびたびカナメのことを困らせることになる。無類のカルボナーラ好き。
若葉 ソウヤ 16歳男子
カナメたちと同じ高校一年生で、”第六の力の王子”。成績と容姿が優れている上に、人当たりも悪くないため、同級生たちからよくモテているが・・・信心深く、よく礼拝堂に訪れている。
浅木 チヅル 16歳女子
カナメたちと同じ高校一年生で、”第六の力の姫の一人”。カナメやトワネほどではないが、馴れ合うことが苦手な性格をしており、口調もキツい。契約相手のソウヤとは幼馴染。
九音 ヒヨリ 18歳女子
カナメたちよりも2つ歳上の先輩に当たる、”第六の力の姫の一人”。ロシアからの帰国子女で、強い正義感の持ち主。その性格の通り優秀な戦士であり、面倒見も良い。
真弓 マナカ 18歳女子
ヒヨリと同じくロシアからの帰国子女で、”第六の力の姫の一人”。常に顔面にカラスがデザインされた鉄仮面を付けていて、お嬢様口調で話をする。ヒヨリとは古くからの仲であり、契約相手でもある。
シィア 15歳女子モデル
長く”ANDREI”で働く美少女アンドロイド、正式名称はSI-A49。一応梢トキコの助手という役職だが、雑用も淡々とこなす。長く人間に仕えて来たからか、皮肉屋ところがある。口癖は『アホ』。
四季 イズミ 16歳女子
・・・???
梢 トキコ 36歳女子
“ANDREI”の科学者で、カナメたちが暮らすオンボロアパート”花色荘”の管理人。大人気なく怒りっぽい性格をしている。カナメたちに対して厳しい言い方をすることが多いが、一応彼らの保護者だったりする。
神野 タエ 78歳女子
“オソレ”の破壊を目的とした組織”ANDREI”の司令であり、カナメの祖母。カナメとは長く疎遠だったが、”オソレ”を破壊するために彼の力を借りようとする。
日向 リュウマ 36歳男子
日本帝国軍から派遣された軍人で、階級は陸佐。ただし、軍人らしさは全くない。戦略班のリーダーだが、実質的に”ANDREI”のトップ2の立場におり、タエの側近的な役割を担っていることが多い。トキコとは過去に色々あったとか、なかったとか。
神野 アキラ 44歳男子
カナメの父親。いつも仕事で帰って来るのが遅いため、カナメとは上手くコミュニケーションが取れておらず、そのことを気にしている。
神野 アイラ 女子
カナメの母親。カナメが幼い頃に亡くなっている。
ゲストキャラクター
MA-RA337型のアンドロイド 18歳女子モデル
シィアよりも後に登場したアンドロイド。シィアと比較するとかなり人間的な表情が出来るのに加えて、欠陥も少ない。
トキコがバーで出会った男 30代後半男子
・・・???
イザベル・カーフェン 16歳?女子
一生懸命、真面目、純粋の三拍子が揃ったドジっ娘。良くも悪くもまっすぐな性格のため、気合いが空回りすることもしばしば。ある時カナメたちと出会い、そこから交流を深めるようになる。
アマネ・カーフェン 18歳?女子
イザベルの姉。何かとやらかすことが多いイザベルのことをいつも厳しく叱っている。一人称は『俺』だが、食器集めが趣味という可愛い一面も。
ルシファリア 年齢?女子
・・・???
ウラジーミル・アンドレイ 65歳男子
・・・???
ヒラン・アンドレイ 14歳女子
・・・???
ロベール=フォン・アンドレイ 18歳男子
・・・???
クレナ・アンドレイ 21歳女子
・・・???
九音 アリカ 40歳女子
ヒヨリの母親。
博士 17〜18歳女子
本名不明。”あるもの”を連れている。
タカヤ 30代前半男子
・・・???
ヨハリル 20代前半?男子
・・・???
C 16歳?女子
リュウマの話に登場した好奇心旺盛な少女。ある日、キファーと出会うことになる。
キファー 16歳?男子
Cと同じくリュウマに登場した少年。Cとは違い大人しく、いつも寂しげな様子をしている。
ユーリ 60歳?男子
Cの叔父。
ガラファリア 20代後半?女子
・・・???
神野 アイハ 40代前半女子
カナメの叔母。”夢路村”で、喫茶”四重奏の夢”を経営している。
イ・ジヨン 20代前半女子
韓国から来た留学生。喫茶”四重奏の夢”を経営を手伝いながらアイハの家でホームステイをしている。
リツ 27歳女子
ある過去を抱えている信仰者。
スグル 30代前半男子
・・・???
『第十二話 復讐』後編
◯21回想/廃線(夜)
◯1から約二日前の出来事
廃線にいるカナメ、ヒヨリ、アマネ
カナメは紺色と赤の”ミラースーツ”を、ヒヨリは紫と緑の”ミラースーツ”を着ている
カナメは山羊がデザインされた鉄仮面を付けている
カナメは剣を、ヒヨリは二本の刀を持っている
カナメが持っている剣はトワネがカナメと契約して”女王”になった姿
ヒヨリが持っている二本の刀はマナカがヒヨリと契約して”姫”になった姿
アマネの背中からは真っ黒な翼が生えている
アマネは槍を持っている
カナメとヒヨリはエンジン付きのグライダーに乗っている
真っ黒な翼を羽ばたかせて宙に浮かんでいるアマネ
カナメたちがいる廃線は広くたくさんの雑草が生えており、廃車になった古い電車が何台も破棄されてある
ヒヨリはグライダーに乗ったまま2本の刀を真っ黒な翼を羽ばたかせて宙に浮かんでいるアマネの槍に何度もぶつけている
真っ黒な翼を羽ばたかせて宙に浮かびながらグライダーに乗っているヒヨリが何度もぶつけて来ている2本の刀を槍で受けているアマネ
カナメ「(グライダーに乗ったまま)ひ、ヒヨリさん!」
ヒヨリ「(グライダーに乗ったまま2本の刀を真っ黒な翼を羽ばたかせて宙に浮かんでいるアマネの槍に何度もぶつけて大きな声で)お前はそこで見ていろカナメ!!!!女王自らが第六の力戦争の勝利をもたらしてくれよう!!!!」
アマネは真っ黒な翼を羽ばたかせて宙に浮かびながらグライダーに乗っているヒヨリが何度もぶつけて来ている2本の刀を槍で受けて、ヒヨリの腹を思いっきり蹴る
グライダーに乗り、2本の刀を真っ黒な翼を羽ばたかせて宙に浮かんでいるアマネの槍に何度もぶつけながらアマネに腹を思いっきり蹴られたヒヨリは押し出される
アマネは真っ黒な翼を羽ばたかせて宙に浮かびながらグライダーに乗って押し出されたヒヨリを狙って素早く槍を突く
グライダーに乗ったままアマネが真っ黒な翼を羽ばたかせて宙に浮かびながらアマネが素早く突いて来た槍を避けるヒヨリ
ヒヨリがグライダーに乗ったままアマネが真っ黒な翼を羽ばたかせて宙に浮かびながら素早く突いて来た槍を避けると、アマネの槍が廃車になった電車の扉付近に深く突き刺さる
ヒヨリはグライダーに乗ったまま、グライダーを半回転させて廃車になった電車の扉付近に深く突き刺さったアマネの槍にグライダーを思いっきりぶつける
ヒヨリがグライダーに乗ったまま、グライダーを半回転させて廃車になった電車の扉付近に深く突き刺さったアマネの槍にグライダーを思いっきりぶつけると、アマネの槍の柄がへし折れる
アマネは真っ黒なを羽ばたかせて素早く下降しへし折れた槍の柄を拾う
グライダーに乗り、真っ黒な翼を羽ばたかせて素早く下降しへし折れた槍の柄を拾っているアマネを狙って、2本の刀を素早く下から薙ぎ払いアマネの右肩を斬り上げっるヒヨリ
廃線に生えている雑草にアマネの血が飛び散る
真っ黒な翼を羽ばたかせて宙に浮かんでいるアマネの右肩からは血が流れている
アマネは真っ黒な翼を羽ばたかせて宙に浮かびながらグライダーに乗っているヒヨリの顔面をへし折れた槍の柄で勢いよく殴る
アマネにへし折れた槍の柄で顔面を勢いよく殴られグライダーに乗っているヒヨリの唇の端が切れて血が出る
真っ黒な翼を羽ばたかせて宙に浮かびながらグライダーに乗っているヒヨリの顔面を狙って、再びへし折れた槍の柄を勢いよく振り下ろすアマネ
ヒヨリはグライダーに乗り、真っ黒な翼を羽ばたかせて宙に浮かんでいるアマネが自分の顔面を狙って思いっきり振り下ろして来たへし折れた槍の柄を右腕で受ける
グライダーに乗り、真っ黒な翼を羽ばたかせて宙に浮かんでいるアマネが自分の顔面を狙って思いっきり振り下ろして来たへし折れた槍の柄を右腕で受け、左肘でアマネの顔面を殴ろうとするヒヨリ
真っ黒な翼を羽ばたかせて宙に浮かび、グライダーに乗っているヒヨリの右腕にへし折れた槍の柄をぶつけたまま、自分の顔面を殴ろうとして来たヒヨリの左肘を左手で止めるアマネ
ヒヨリ「(グライダーに乗り、真っ黒な翼を羽ばたかせて宙に浮かんでいるアマネが自分の顔面を狙って思いっきり振り下ろして来たへし折れた槍の柄を右腕で受け、アマネの顔面を殴ろうとした左肘をアマネの左手に止められて少し笑って大きな声で)この時を楽しみにしていた!!!!待ち侘びたぞ!!!!貴様に復讐出来る日をな!!!!」
ヒヨリはグライダーに乗り、真っ黒な翼を羽ばたかせて宙に浮かんでいるアマネが自分の顔面を狙って思いっきり振り下ろして来たへし折れた槍の柄を右腕で受け、素早くアマネに止められている左肘を引き左手に持っている刀を勢いよく薙ぎ払う
真っ黒な翼を羽ばたかせて宙に浮かんだまま後ろに下がり、グライダーに乗っているヒヨリが左手で勢いよく薙ぎ払って来た刀をかわすアマネ
アマネ「(真っ黒な翼を羽ばたかせて宙に浮かんだまま後ろに下がり、グライダーに乗っているヒヨリが左手で勢いよく薙ぎ払って来た刀をかわして)自分が復讐されていると分かっていないなんて気の毒な奴だ!!」
アマネは真っ黒な翼を羽ばたかせて宙に浮かんだままグライダーに乗っているヒヨリの口を素早くへし折れた槍の柄で突く
真っ黒な翼を羽ばたかせて宙に浮かんだままグライダーに乗っているヒヨリのくちを素早くへし折れた槍を柄で突き、続けてへし折れた槍の柄でヒヨリの足の関節を引っ掛けてヒヨリを転ばすアマネ
真っ黒な翼を羽ばたかせて宙に浮かんでいるアマネにへし折れた槍の柄で足の関節を引っ掛けられ、グライダーの上で仰向けに倒れるヒヨリ
真っ黒な翼を羽ばたかせてヒヨリが倒れているグライダーの上に飛び乗るアマネ
グライダーの上で倒れたままヘラヘラ笑っているヒヨリ
グライダーの上で倒れたままヘラヘラ笑っているヒヨリの口の中は血で真っ赤に染まっている
カナメはグライダーに乗ったままグライダーの上で倒れてヘラヘラ笑っているヒヨリのことを見ている
アマネ「(ヒヨリのグライダーに乗ったまま)何がおかしいゲロ女」
ヒヨリ「(グライダーの上で倒れたままヘラヘラ笑って)鶏を殺した時のことを思い出してな」
少しの沈黙が流れる
ヒヨリ「(グライダーの上で倒れたままヘラヘラ笑って)貴様はトンボだ、あの女は鶏だ。やかましくて血が最高に美味い、私の体はまるで高熱にうなされているように火照り、カナメを襲いたくてたまらなくなったよ。貴様をぶっ殺すのも楽しみだ。白と黒の羽で王冠を作ってやろうか?あの鶏もきっと喜ぶぞ」
アマネはヒヨリのグライダーに乗ったままグライダーの上で倒れてヘラヘラ笑っているヒヨリに向かってへし折れた槍の柄を振り上げる
グライダーの上で倒れてヘラヘラ笑ったままグライダーから転がり落ちるヒヨリ
アマネ「(ヒヨリのグライダーに乗りへし折れた槍の柄を振り上げたまま舌打ちをして)チッ・・・」
アマネはヒヨリのグライダーに乗ったままへし折れた槍の柄を振り上げるのをやめてヒヨリのグライダーから飛び降りる
ゆっくり立ち上がるヒヨリ
再び沈黙が流れる
ヒヨリはヘラヘラ笑いながら2本の刀を構える
ヒヨリ「(ヘラヘラ笑いながら2本の刀を構えて)我が聖アンドレイ帝国に第六の力が恵まれんことを」
アマネはへし折れた槍の柄を構える
アマネ「(へし折れた槍の柄を構えて)古き友、第七の天使イングリッド・カーフェン様が我をお守りいたしますように」
ヒヨリ「(2本の刀を構えたままヘラヘラ笑って)貴様の友人なら無様に死んだよ」
少しの沈黙が流れる
ヒヨリはアマネを狙って2本の刀で素早く斜めに斬ろうとする
ヒヨリの2本の刀を避けてへし折れた槍の柄を薙ぎ払いヒヨリの顔面にぶつけるアマネ
へし折れた槍の柄を顔面にぶつけられたヒヨリは刀を持っている右手でヒヨリの顔面を殴る
刀を持っている右手でヒヨリに顔面を殴られて一瞬よろめくアマネ
ヒヨリは2本の刀を素早く逆手持ちに変えて斬撃を繰り出す
ヒヨリが逆手持ちで素早く繰り出して来た2本の刀の斬撃を後ろに下がりながら避けるアマネ
アマネはヒヨリが逆手持ちで素早く繰り出して来ている2本の刀の斬撃を後ろに下がりながら避けて、へし折れた槍の柄でヒヨリの顔面を殴ろうとする
アマネはヒヨリが逆手持ちで素早く繰り出して来ている2本の刀の斬撃を後ろに下がりながら避けて、へし折れた槍の柄でヒヨリの顔面を殴ろうとするが、ヒヨリはアマネのへし折れた槍の柄を三等分に斬る
ヒヨリが逆手持ちで素早く繰り出して来ている2本の刀の斬撃を後ろに下がりながら避けて、へし折れた槍の柄を手放すアマネ
ヒヨリは逆手持ちにしている2本の刀でアマネを狙って回転斬りをしようとする
グライダーに乗って剣を構えて素早くアマネのところに行くカナメ
カナメはグライダーに乗り、剣を構えて逆手持ちにしている2本の刀でアマネを狙って回転斬りをしようとしているヒヨリとアマネの間に素早く割り込む
グライダーに乗ったままアマネに向かって剣を振り下ろすカナメ
アマネはグライダーに乗っているカナメが振り下ろして来た剣を軽々かわす
逆手持ちにしている2本の刀でアマネを狙って回転斬りをしようとするのをやめるヒヨリ
ヒヨリ「(逆手持ちにしている2本の刀でアマネを狙って回転斬りをしようとするのをやめて)私に任せろと言ったはずだカナメ!!」
カナメはグライダーに乗ったまま再びアマネに向かって剣を振り下ろす
カナメ「(グライダーに乗ったまま再びアマネに向かって剣を振り下ろして)これは僕の戦いでもあるんです!」
アマネはグライダーに乗り剣を振り下ろして来たカナメの右手首を掴む
グライダーに乗り剣を振り下ろして来たカナメの右手首を掴んだアマネを狙って、逆手持ちにしている2本の刀を思いっきり振り下ろす
グライダーに乗り剣を振り下ろして来たカナメの右手首を素早く離し、後ろに下がってヒヨリが思いっきり振り下ろして来た逆手持ちの2本の刀を避けるアマネ
アマネは裏拳でヒヨリの顔面を強く殴る
裏拳でヒヨリの顔面を強く殴り、続けてヒヨリの腹に思いっきり膝蹴りをするアマネ
アマネに思いっきり腹に膝蹴りをされて血を吐き出すヒヨリ
血を吐き出しているヒヨリの顔面に回し蹴りをするアマネ
アマネ「(血を吐き出しているヒヨリの顔面に回し蹴りをして大きな声で)2本も刀があるのにその程度か!!!!」
ヒヨリ「(アマネに顔面を回し蹴りされ血を吐き出して)ゲホッ・・・ゲホッ・・・」
アマネ「おい、教えてくれよ、お前みたいな自惚れやすい弱者がどうやって世界を守るのかをよ」
再び沈黙が流れる
ヒヨリは血痰を吐き出す
ヒヨリ「(血痰を吐き出して)ガンマアタックだ!!来い!!」
ヒヨリが”来い!!”と叫ぶと、ヒヨリのグライダーがオートパイロットでヒヨリの元に向かって飛んで来る
アマネ「陸がダメなら空や海って考えは・・・」
ヒヨリは自分の元に向かって来たグライダーに飛び乗ろうとする
グライダーに飛び乗ろうとしていたヒヨリの紫と緑の”ミラースーツ”の胸ぐらを素早く掴むアマネ
アマネはヒヨリの紫と緑の”ミラースーツ”の胸ぐらを掴んだまま真っ黒な翼を羽ばたかせて宙に浮かぶ
アマネ「(ヒヨリの紫と緑の”ミラースーツ”の胸ぐらを掴んだまま真っ黒な翼を羽ばたかせて宙に浮んで大きな声で)いけすかないね!!!!」
ヒヨリの紫と緑の”ミラースーツ”の胸ぐらを掴んだまま真っ黒な翼を羽ばたかせて宙に浮かび、飛んで来ていたヒヨリのグライダーにヒヨリの体を勢いよくぶつけるアマネ
アマネがヒヨリの紫と緑の”ミラースーツ”の胸ぐらを掴んだまま真っ黒な翼を羽ばたかせて宙に浮かび、飛んで来ていたヒヨリのグライダーにヒヨリをぶつけると、ヒヨリの体が勢いよく吹き飛ぶ
ヒヨリは廃車になった電車に勢いよく背中をぶつけて意識を失う
真っ黒な翼を羽ばたかせるのをやめて地面に着陸するアマネ
少しの沈黙が流れる
アマネ「(少し笑って)これで1対1だ。さあどうする?第六の力の戦士さん、お仲間を呼ぶか、俺たちだけで舞台を続けるか」
アマネは少し笑ったままチラッと廃車になった電車に背中をぶつけて意識を失っているヒヨリのことを見る
アマネ「(チラッと廃車になった電車に背中をぶつけて意識を失っているヒヨリのことを見て少し笑って)起こせるものならあいつを叩き起こすか?」
カナメはグライダーからゆっくり降りる
カナメ「(グライダーからゆっくり降りて)ヒヨリさんは・・・あの程度じゃやられないよ」
アマネ「(少し笑いながら)お仲間のことを信じてるんだな」
カナメ「少し違う。僕は信じていたんだ」
再び沈黙が流れる
アマネ「構わないぜ、戦いを続けてもな」
カナメは剣を構える
カナメ「(剣を構えて)僕たちの復讐が成功することを願って」
アマネ「俺たちの復讐が成功することを願って・・・」
カナメはアマネに向かって素早く剣を突く
カナメが突いて来た剣をかわすアマネ
アマネはカナメの頬を平手で殴る
アマネに平手で頬を殴られたカナメはアマネを狙って剣を薙ぎ払う
カナメが薙ぎ払って来た剣を後ろに下がって避けるアマネ
アマネ「(カナメが薙ぎ払って来た剣を後ろに下がって避けて)あなたのは力はそんなもんか!!もっと本気でやれよ!!」
カナメはアマネを狙って斬撃を繰り出す
カナメが剣で繰り出して来た斬撃を後ろに下がりながら避けるアマネ
アマネ「(カナメが剣で繰り出して来ている斬撃を後ろに下がりながら避けて)良いぞその調子だ!!俺を殺せ!!早く!!」
カナメはアマネを狙って剣で斬撃を繰り出しながら少しずつアマネのことを追い詰める
アマネ「(カナメが剣で繰り出して来ている斬撃を後ろに下がりながら避け少しずつカナメに追い詰められながら大きな声で)悪くないな!!!!」
廃車になった電車に背中をぶつけて意識を失っていたヒヨリの意識が戻る
廃車になった電車に背中をぶつけたままヒヨリは、アマネを狙って剣で斬撃を繰り出し少しずつアマネのことを追い詰めているカナメのことを見る
ヒヨリ「(廃車になった電車に背中をぶつけたまま、アマネを狙って剣で斬撃を繰り出し少しずつアマネのことを追い詰めているカナメのことを見て)カナメ・・・」
カナメはアマネを狙って剣で斬撃を繰り出しながらアマネのことを追い詰め続けている
少しするとカナメが剣で繰り出して来ている斬撃を避けていたアマネが、廃車になった電車とカナメの間に挟まれて後ろに下がれなくなり完全に追い詰められる
カナメは剣を後ろに引く
息切れをしているカナメ
カナメは息切れをしたままアマネの首に剣を向ける
カナメ「(息切れをしたままアマネの首に剣を向けて)ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・こ、これで・・・これでお前は・・お、終わりだ・・・」
アマネ「(息切れをしているアマネに首に剣を向けられたまま少し笑って)おめでとう、あなたの勝ちだな」
◯22回想/ANDREI総本部中央司令室(夜)
◯1から約二日前の出来事
ANDREI総本部の中央司令室にいるソウヤ、チヅル、シィア、白衣姿のトキコ、タエ、リュウマ、その他大勢のANDREIの職員たち
ソウヤは黒の”ミラースーツ”を、チヅルは白の”ミラースーツ”を着ている
ANDREI総本部の中央司令室には正面に巨大なモニターがあり、廃線にいるカナメとアマネの姿が映し出されている
カナメは山羊がデザインされた鉄仮面を付けて、紺色と赤の”ミラースーツ”を着ている
カナメとアマネがいる廃線は広くたくさんの雑草が生えており、廃車になった古い電車が何台も破棄されてある
カナメは剣を持っている
カナメが持っている剣はトワネがカナメと契約して”女王”になった姿
アマネの背中からは真っ黒な翼が生えている
アマネの右肩には斬り傷があり、血が流れている
息切れをしながらアマネの首に剣を向けているカナメ
息切れをしているカナメに首に剣を向けられているアマネの後ろには廃車になった古い電車があり、アマネは後ろに下がれなくなって完全に追い詰められている
ANDREI総本部の中央司令室にはたくさんのコンピューターと椅子があり、たくさんのANDREIの職員たちがコンピューターに向かって椅子に座っている
ANDREI総本部の中央司令室の巨大なモニターの前にはホログラムが投影されており、背中から真っ白な翼を生やしたアマネの姿が立体的に映し出されている
ソウヤ、チヅル、シィア、トキコ、リュウマは背中から真っ白な翼を生やしたアマネの姿が投影されているホログラムの前に立っている
ANDREI総本部の中央司令室にいるたくさんの職員たちは急いでコンピューターに向かって指示を出している
ソウヤ、チヅル、シィア、トキコ、タエ、リュウマは中央司令室の巨大なモニターに映し出されているカナメとアマネのことを見ている
チヅル「(中央司令室の巨大なモニターに映し出されているカナメとアマネのことを見ながら)あ、あいつ・・・殺せるのかな・・・」
タエは中央司令室の巨大なモニターに映し出されているカナメとアマネのことを見たまま、スワイプをする動作をする
タエが中央司令室の巨大なモニターに映し出されているカナメとアマネのことを見たままスワイプをする動作をすると、タエの目の前に小さなホログラムのモニターが投影される
タエの目の前に投影された小さなホログラムのモニターには廃線で廃車になった電車に背中をぶつけたまま、動けなくなっているヒヨリの姿が映し出されている
ヒヨリは2本の刀を持っている
ヒヨリが持っている2本の刀はマナカがヒヨリと契約して”姫”になった姿
タエは中央司令室の巨大なモニターに映し出されているカナメとアマネのことを見るのをやめる
目の前に投影された小さなホログラムのモニターに映し出されている廃車になった電車に背中をぶつけたまま、動けなくなっているヒヨリのことを見るタエ
タエ「(目の前に投影された小さなホログラムのモニターに映し出されている廃車になった電車に背中をぶつけたまま、動けなくなっているヒヨリのことを見て小声で)立て・・・早く立ち上がるのだ・・・」
◯23回想/廃線(夜)
◯1から約二日前の出来事
廃線にいるカナメ、ヒヨリ、アマネ
カナメは紺色と赤の”ミラースーツ”を、ヒヨリは紫と緑の”ミラースーツ”を着ている
カナメは山羊がデザインされた鉄仮面を付けている
カナメは剣を、ヒヨリは二本の刀を持っている
カナメが持っている剣はトワネがカナメと契約して”女王”になった姿
ヒヨリが持っている二本の刀はマナカがヒヨリと契約して”姫”になった姿
アマネの背中からは真っ黒な翼が生えている
アマネの右肩には斬り傷があり、血が流れている
カナメたちがいる廃線は広くたくさんの雑草が生えており、廃車になった古い電車が何台も破棄されてある
ヒヨリは廃車になった電車に背中をぶつけたまま動けなくなっている
廃車になった電車に背中をぶつけたまま動けなくなっているヒヨリから少し離れたところには、ヒヨリのエンジン付きのグライダーが宙に浮かんでいる
息切れをしながらアマネの首に剣を向けているカナメ
息切れをしているカナメに首に剣を向けられているアマネの後ろには廃車になった古い電車があり、アマネは後ろに下がれなくなって完全に追い詰められている
息切れをしながらアマネの首に剣を向けているカナメから少し離れたところには、カナメのグライダーが宙に浮かんでいる
少しの沈黙が流れる
アマネ「(息切れをしているアマネに首に剣を向けられたまま少し笑って)どうした、早くやってくれよ」
カナメ「(息切れをしたままアマネの首に剣を向けて)ハァ・・・ハァ・・・わ、分かってる・・・分かってるけど・・・」
息切れをしているカナメに首に剣を向けられたまま一瞬、少し寂しそうな顔をするアマネ
再び沈黙が流れる
カナメはアマネの首に剣を向けたまま呼吸を整える
アマネを首を狙って剣を振りかざすカナメ
少しの沈黙が流れる
アマネ「(カナメに自分の首を狙われて剣を振りかざされたまま小さな声で)This is for you, Isabelle・・・」
カナメはアマネの首を狙って剣を振り下ろそうとする
アマネの首を狙って剣を振り下ろそうとしていたカナメの元にヒヨリが走ってやって来る
アマネの首を狙って剣を振り下ろそうとしていたカナメを手で思いっきり払い飛ばすヒヨリ
ヒヨリ「(アマネの首を狙って剣を振り下ろそうとしていたカナメを手で思いっきり払い飛ばして大きな声で)その女の首は私の物だ!!!!」
ヒヨリに手で思いっきり払い飛ばされたカナメは後ろに倒れる
アマネの首を狙って2本の刀を大きく振りかざすヒヨリ
ヒヨリはアマネの首を狙って勢いよく2本の刀を振り下ろす
ヒヨリ「(アマネの首を狙って勢いよく2本の刀を振り下ろして大きな声で)死ねッ!!!!」
アマネはいきなり真っ黒な翼を羽ばたかせて空高くまで飛翔し、ヒヨリが自分の首を狙って振り下ろして来た2本の刀から逃げる
アマネ「(真っ黒な翼を羽ばたかせて空高くまで飛翔しヒヨリが自分の首を狙って振り下ろして来た2本の刀から逃げて)お前に殺されるかよ!!」
アマネは真っ黒な翼を羽ばたかせて廃線から30メートルほどの高さを飛んでいる
アマネ「(真っ黒な翼を羽ばたかせて廃線から30メートルほどの高さを飛びながら)勝負はまた今度にさせてもらうぜ!!武器無しの1対2じゃこちらが不利過ぎるからな!!次回までにせいぜい刃こぼれを磨いておけよ!!」
アマネは真っ黒な翼を羽ばたかせて高速でどこかに飛んで行く
ヒヨリ「ええい!!」
ヒヨリは急いでグライダーの元へ行く
ヒヨリ「追いかけるぞカナメ!!お前に私が勝利するところを見せてやろう!!」
カナメは立ち上がる
カナメ「(立ち上がって)もう時間がないよ、ヒヨリさん」
ヒヨリ「(怒鳴り声で)時間など知ったことではない!!!!」
カナメ「でもこのまま追いかけても間に合わないでしょ」
ヒヨリ「(怒鳴り声で)私はあの女を殺さなければならないのだ!!!!」
再び沈黙が流れる
カナメは空を見る
真っ黒な翼を羽ばたかせて高速でどこかに飛んで行ったアマネはいつの間にかいなくなっている
カナメは空を見るのをやめる
カナメ「(空を見るのをやめて)初めてヒヨリさんと会った時、ヒヨリさんは冷静に戦えていたし、判断も出来てた。オソレを圧倒してたんだ、あの時のヒヨリさんは。だから僕も、ヒヨリさんのことを頼りになる凄い人だと思ったんだ。(少し間を開けて)だけど今のヒヨリさんは・・・あの時とは全然違うよね」
ヒヨリ「お、お前は・・・カナメは・・・(少し前を開けて)わ、私に腹を立てているのか・・・?」
再び沈黙が流れる
カナメ「戻りましょう・・・作戦は失敗だ」
◯24回想/ANDREI総本部通路(夜)
◯1から約二日前の出来事
ANDREI総本部の通路にいるヒヨリとマナカ
ヒヨリは紫の”ミラースーツ”を、マナカは緑の”ミラースーツ”を着ている
マナカはカラスがデザインされた鉄仮面を付けている
早足で歩いているヒヨリとマナカ
◯25回想/ANDREI総本部中央司令室(夜)
◯1から約二日前の出来事
ANDREI総本部の中央司令室にいるシィア、白衣姿のトキコ、タエ、リュウマ、その他大勢のANDREIの職員たち
ANDREI総本部の中央司令室には正面に巨大なモニターがあり、廃線にいるアマネの姿が映し出されている
アマネがいる廃線は広くたくさんの雑草が生えており、廃車になった古い電車が何台も破棄されてある
アマネの背中からは真っ黒な翼が生えている
アマネは槍を持っている
ANDREI総本部の中央司令室にはたくさんのコンピューターと椅子があり、たくさんのANDREIの職員たちがコンピューターに向かって椅子に座っている
ANDREI総本部の中央司令室の巨大なモニターの前にはホログラムが投影されており、アマネの姿が立体的に映し出されている
シィア、トキコリュウマはアマネが投影されているホログラムの前に立っている
ANDREI総本部の中央司令室の後ろは高い椅子があり、タエが座っている
ANDREI総本部の中央司令室にいるたくさんの職員たちはコンピューターに向かって指示を出したり、外部組織と連絡を取ったりしている
ANDREI総本部の中央司令室にはANDREI総本部第一ロイヤル室にいるトワネの姿が映し出されている
トワネは赤の”ミラースーツ”を着ている
タエは中央司令室の巨大なモニターに映し出されているアマネの姿を見ている
ホログラムで投影されているトワネと話をしているシィア、トキコ、リュウマ
リュウマ「何!?」
トワネ「命令を拒否したんだ、ヒヨリとマナカが」
シィア「(淡々と)アンドロイドだったら今頃廃棄処分になっているわ」
トワネ「何か言ったか、アンドロイド」
シィア「何か言ったかもしれません」
トキコ「ヒヨリとマナカはどこなの?」
トワネ「さあな、行方不明」
ANDREI総本部の中央司令室の扉が勢いよく開き、ヒヨリとマナカが中央司令室の中に入って来る
ヒヨリは紫の”ミラースーツ”を、マナカは緑の”ミラースーツ”を着ている
マナカはカラスがデザインされた鉄仮面を付けている
トワネ「(不機嫌そうに)ああ良かった、行方不明者が見つかったぞ」
リュウマ「二人とも!!作戦開始まではロイヤル室で待機と命じたはずだぞ!!」
ヒヨリ「合同の作戦など断る!!」
トワネ「(不機嫌そうに)人間でも廃棄処分になりそうだな」
トキコ「(イライラしながら)黙りなさいトワネ。世界の命運がかかってんのよ、とっとと戦う支度をしてヒヨリ」
ヒヨリ「(怒鳴り声で)あの女は私が殺す!!!!地球の命運がかかっていようがそれに反する命令を受け入れるつもりはない!!!!」
少しの沈黙が流れる
中央司令室の巨大なモニターに映し出されているアマネの姿を見るのをやめるタエ
タエ「(中央司令室の巨大なモニターに映し出されているアマネの姿を見るのをやめて)そう・・・九音さんには勝利を手にする自信があるの・・・」
ヒヨリ「(少し笑って)ただの勝利ではありません司令。博士は人類の命運がかかっていると言いましたが、かかっているのは命よりも重い尊厳、そして復讐です」
タエ「あなたたちなら私の代わりに復讐が果たせますか?」
ヒヨリ「(少し笑いながら)必ずや、オソレの首を持ち帰ってみせましょう」
再び沈黙が流れる
タエ「日向くん」
リュウマ「はい、司令」
タエ「浅木さんと若葉くんは待機させて」
リュウマ「りょ、了解です」
シィア「失礼ながら司令、彼女の力だけでは再び敗北する可能性が高いかと」
タエ「保険として相園さんたちを後衛につかせます、九音さんが有言実行出来なかった場合は、彼が後始末にかかるでしょう。それで良いですね?九音さん」
ヒヨリ「(少し笑いながら)構いません、むしろカナメに見られているのは素晴らしいことと言えるでしょう」
タエ「それは何故?」
ヒヨリ「(少し笑いながら)彼は私の婿養子になる男ですから」
ホログラムで投影されているトワネはチラッとヒヨリのことを見る
◯26回想/帰路/花色荘に向かう道中(夕方)
◯1から約二日前の出来事
夕日が沈みかけている
花色荘に向かっているカナメとトワネ
カナメとトワネは学校帰り
帰宅途中のたくさんの私立東堂高校の生徒たちとすれ違っているカナメとトワネ
あくびをするカナメ
少しの沈黙が流れる
トワネ「イザベルは死んだ」
カナメ「えっ・・・?」
トワネ「イザベルは死んだと言った」
カナメ「う、うん」
トワネ「ヒヨリを責めても、奴は生き返らないぞ」
◯27回想/花色荘リビング(朝)
◯1から約二日前の出来事
外は快晴
外は蝉が鳴いている
花色荘のリビングにいるカナメ、トワネ、ソウヤ、チヅル、シィア、白衣姿のトキコ
花色荘のリビングにはテーブル、椅子、ソファ、テレビ、ゲームがある
花色荘のキッチンにいるヒヨリとマナカ
カナメ、トワネ、ソウヤ、チヅル、ヒヨリは私立東堂高校の制服を着ている
キッチンにいるマナカはカラスがデザインされた鉄仮面を付けている
ヒヨリとマナカはキッチンで朝ご飯の準備をしている
キッチンで朝ご飯の準備をしながらカナメに話をしているヒヨリ
ヒヨリ「(キッチンで朝ご飯の準備をしながら少し笑って)昨日のテレビは面白かったな、カナメ」
少しの沈黙が流れる
ヒヨリ「(キッチンで朝ご飯の準備をしながら少し笑って)私はまさかあのタイミングで熱湯風呂に落ちるとは思ってもいなかったから、爆笑してしまった」
再び沈黙が流れる
チヅル「(小さな声で)無視してないでなんか喋れよ・・・」
カナメは立ち上がる
カナメ「(立ち上がって)僕、先に学校に行きます」
ヒヨリはキッチンで朝ご飯の準備をするのをやめる
ヒヨリ「(キッチンで朝ご飯の準備をするのをやめて)食べていかないのか・・・?」
カナメ「お腹・・・まだ空いてないから」
ヒヨリ「(少し寂しそうに)そうか・・・」
少しの沈黙が流れる
ヒヨリ「では少し待っていれくれカナメ、君の分に作った朝食をお弁当に・・・」
カナメ「(ヒヨリの話を遮って)い、要らないですよ」
ヒヨリ「(少し笑って)遠慮するな」
カナメ「いや・・・遠慮してるわけじゃなくて・・・」
トキコ「ばっかねえ、ヒヨリはあんたに食べて欲しいと言ってんのよ」
ヒヨリ「(恥ずかしそうに)は、博士は余計なことを言わないでください」
トキコ「私はね、30過ぎてからは思ったことを何でも口に出すようにしたの」
シィア「(淡々と)博士は30過ぎる前からそうだったのでは」
トキコ「あぁ?」
シィア「アンドロイドへの暴力反対、アンドロイドへの暴力反対」
トキコ「殴られたくなきゃ余計なことを言うんじゃないわよ」
シィア「はあ・・・」
トワネ「シィアちゃんの顔にお前もなって書いてあるぞ」
トキコ「(舌打ちをして)チッ、人がせっかく気を使ってやったのに感謝もされないなんてとんだ恩知らずよね、クソガキは」
シィア「(淡々と)シィアちゃん、人間の年齢に換算すると超お婆ちゃん」
ソウヤ「でも確かに、好きな人には手作りとか、そういう物を食べて欲しいよね」
トワネ「(少し笑って)そういう物とは幅広い言い方だなソウヤ」
ソウヤ「(少し笑って)そうかい?」
トワネ「(少し笑いながら)ああ」
再び沈黙が流れる
ヒヨリ「と、とにかくカナメにはお弁当を・・・」
カナメ「(ヒヨリの話を遮って)い、要りません」
ヒヨリ「し、しかし出来合いの物ばかりを食べていても体に悪いだろう」
カナメ「どうして僕のすることに口を出すんですか?ヒヨリさんには関係ないのに」
ヒヨリ「ど、どうしてって・・・それは・・・」
カナメ「もうやめてくださいよ、こういうことは。う、嬉しくないし、迷惑だから」
ヒヨリ「め、迷惑だなんて・・・そんな・・・私はお前のことを思って・・・」
カナメ「(ヒヨリの話を遮って)だ、だからやめてくださいって言ってるじゃないですか」
少しの沈黙が流れる
カナメは自分の部屋に行く
少しするとカナメがカバンを持ってリビングに戻って来る
カナメはそのまま花色荘の玄関に行く
花色荘の玄関の方からカナメが出て行った音が聞こえて来る
再び沈黙が流れる
ヒヨリは涙を流す
トキコ「ちょっとちょっと、泣くことはないじゃないの」
マナカはキッチンで朝ご飯の準備をするのをやめる
マナカ「(キッチンで朝ご飯の準備をするのをやめて)ヒヨリ様」
ヒヨリ「(涙を流しながら)私は・・・カナメに何かしてしまったのだろうか・・・?」
マナカ「それは違いますわヒヨリ様、カナメさんはむしろ、ヒヨリ様が何もしてくださらないことに違和感を覚えていますのよ」
ヒヨリ「(涙を流しながら)わ、私が・・・何もしていないことに・・・?」
マナカ「そうですわ、天下無敵の九音ヒヨリ様なら、オソレに負けることなんてあり得ないでしょう?」
少しの沈黙が流れる
ヒヨリ「(涙を流しながら少し笑って)なんだ、そういうことか・・・(少し間を開けて)だったら心配することはないマナカ、私はオソレを殺すために生まれて来たのだ。その姿が母上だろうが、父上だろうが、姉上だろうが、弟だろうが、必ず殺す。カナメもその時を楽しみに待っているのだろう」
◯28回想/廃線(日替わり/深夜)
◯1から約三日前の出来事
廃線にいるカナメとアマネ
カナメとアマネがいる廃線は広くたくさんの雑草が生えており、廃車になった古い電車が何台も破棄されてある
話をしているカナメとアマネ
カナメ「こ、こんなところにいて本当に見つからないの?」
アマネ「衛星のデータを半日差し替えたからね、俺が思うに、人類は機械に頼り過ぎだぜ。そのせいで、彼らは見落としちゃいけないもんまでスルーしているだろ?」
カナメ「ど、どうだろう。考えたことなかったよ」
アマネ「(少し笑って)そりゃそうか、大天使様が気にかけることじゃないよね」
少しの沈黙が流れる
アマネ「(少し笑いながら)全く信じられないよ、憧れの大天使様と地上でこんなふうに会話が出来るなんてさ」
カナメ「僕、話すだけでうざいとかキモいって言われて来たけど・・・」
アマネ「人間っていうのはつくづく罰当たりな生き物だよ、奴らは罪を犯しても平然と生きてる。はっきり言って俺には理解出来ないね。まあ、陶芸の技術には目を見張るけどさ」
カナメ「陶芸?」
アマネ「む、昔からの趣味なんだ。ち、地上の食器を集めたりするの」
カナメ「そうなんだ。じゃあ君は、今まででもよくこっちに来てたんだね」
アマネ「(少し笑って)旅行客のふりをしてね」
再び沈黙が流れる
カナメ「本当にヒヨリさんに復讐をするの?」
アマネ「ああ」
アマネは廃車になった電車の中に入る
アマネが入った廃車になった電車は古いローカル線
廃車になった古いローカル線の椅子に座るアマネ
カナメは廃車になった古いローカル線の中に入る
アマネ「イザベルは俺の妹なんだ」
少しの沈黙が流れる
アマネ「姉として、妹を殺した奴を許すわけにはいかない」
カナメ「き、君は僕に殺されるんだよ」
アマネ「(少し笑って)大天使様に命を吸われるのはとても名誉なことだから、俺は歴史上初の幸福な墜落者だね」
再び沈黙が流れる
アマネ「あの九音ヒヨリという女は、病的なまでに自分の力を過信しているんだ。だから前回俺にやられたことを根に持ってる。きっと復讐をしようとするはずだ」
カナメ「どうして分かるの?」
アマネ「俺には読心術があるし、あの手の人間の内側は把握しやすい」
カナメ「そうなんだ。でもヒヨリさんが復讐に燃えてるなら、君にとっては危険があるよね」
アマネ「だ、大天使様、俺なんかに身分不相応なことを言うのはやめてくれないか・・・?」
カナメ「身分不相応?」
アマネ「だ、大天使様は記憶を失くされて分からなくなっているのかもしれないけど、お、俺は大天使様に気にかけてもらえるような立場の天使じゃない。神の謁見を許されたことだって・・・一度しかないんだ」
少しの沈黙が流れる
カナメはアマネの隣に座る
カナメ「(アマネの隣に座って)大天使様じゃなくて、カナメで良いよ」
アマネ「えっ・・・で、でも・・・」
カナメ「イザベルにも、そう呼ばれてたんだ」
アマネ「あ、あいつが働いた無礼にどう俺が頭を下げたら良いのか・・・」
カナメ「よく分からないけど・・・イザベルは・・・僕なんかより全然礼儀正しい人だったよ」
アマネ「(少し嬉しそうに)そ、外で失礼なことをするなって散々注意したから・・・」
カナメ「そういえばイザベルはアマネさんに叱られるってよく言ってた気がするけど」
アマネ「も、申し遅れました・・・お、俺は八番目の天使、アマネ・カーフェンと言います」
カナメ「八番目・・・オソレの数と一つズレてる・・・」
アマネ「えっ?」
カナメ「ううん。僕は神野カナメ、よろしく」
アマネ「こ、こちらこそ、大天使様」
カナメ「カナメ、ね」
アマネ「か、カナメ」
再び沈黙が流れる
カナメ「アマネはヒヨリさんよりも強いの?」
アマネ「お、俺は自惚れてるわけじゃないから、正直に言うけど、彼女は力が強いだけだよ」
カナメ「力が?」
アマネ「うん。切れ者じゃないんだ」
カナメ「僕はヒヨリさんを見ててそんなふうに思ったことは一度もないけど・・・」
アマネ「俺も前に一度彼女の戦いを上から見たが、手短かに命を奪うことよりもあいつが優先にしてるのは残虐性だったぜ」
カナメ「つまりどういうこと?」
アマネ「派手な見てくれの攻撃を好んで、深く戦略を練るタイプじゃないってことさ」
少しの沈黙が流れる
カナメ「でもイザベルは・・・」
アマネ「あいつは隙をつかれた・・・ドジったんだよ。逃げていれば死なずに済んだのに・・・」
再び沈黙が流れる
カナメ「僕が・・・僕がアマネを殺すことで・・・イザベルの仇を打てるの?」
アマネ「ああ、間違いなく・・・自分よりも弱いと思っていた人間、それも自分の好きな男に、復讐の相手を殺されるんだ。きっとあの女は酷く動揺するよ」
カナメ「ぼ、僕ヒヨリさんに好かれてなんかないよ」
アマネ「俺にはカナメが惚れられてるようにしか感じないけど・・・・」
カナメ「あ、あり得ないよ。僕とヒヨリさんとじゃ、そ、それこそ身分が違い過ぎる」
アマネ「カナメがそう言うなら俺の読み違いかな?」
カナメ「うん」
少しの沈黙が流れる
アマネ「ご、ごめんな、だいて・・・か、カナメを巻き込んじゃって」
カナメ「イザベルは・・・僕の友達でもあったから・・・」
アマネ「でも・・・カナメにとって九音ヒヨリは大事な仲間なんじゃないのか・・・?」
カナメ「よく・・・分からないんだ」
◯29回想/花色荘カナメの部屋(深夜)
◯1から約三日前の出来事
花色荘の自室にいるカナメ
花色荘のカナメの部屋には勉強机、椅子、ベッドがある
カナメの部屋の勉強机の上にはパソコンが置いてある
カーテンの隙間から月の光が差し込んでいる
ベッドの上で横になっているカナメ
ベッドの上には小さな通信機が置いてある
少しの沈黙が流れる
ベッドの上に置いてある小さな通信機が赤く光る
カナメはベッドの上の赤く光っている小さな通信機を手に取る
体を起こすカナメ
カナメは赤く光っている小さな通信機の通信を切る
ベッドから降りるカナメ
◯30回想/花色荘リビング(深夜)
◯1から約三日前の出来事
花色荘のリビングにいるトワネ
花色荘のリビングにはテーブル、椅子、ソファ、テレビ、ゲームがある
花色荘のリビングはテーブルの上の電気だけが付いていて、薄暗くなっている
トワネはテーブルに向かって椅子に座り、英語の宿題を解こうとしている
トワネは英語の宿題を解こうとしているが、トワネには問題が分からず全く宿題が解けていない
トワネ「(英語の宿題を解こうとしながら)はろーえぶりぼでえ、まいねーむいずトワネ相園、トワネいずあごっど、トワネいずあじーにあす、トワネいずあべりーべりーきゅーと、トワネいずあカルボナーラ・・・ん?私はカルボナーラじゃないか・・・」
花色荘のリビングにカナメがやって来る
トワネは英語の宿題を解こうとするのをやめる
カナメ「トワネ」
トワネ「(不機嫌そうに)なんだ私の次に馬鹿な奴か、せっかく宿題を手伝ってもらおうかと思ったのに」
カナメ「自分でやらなきゃいつまで経っても最下位のままだよ、トワネ」
トワネ「(不機嫌そうに)つまり私は永遠に一位でもあるな」
カナメ「ワーストだけどね」
トワネ「(不機嫌そうに)ふん、つまらんことを言ってないで手伝え下僕」
カナメ「無理だよ、僕今から出掛けるんだ」
トワネ「(不機嫌そうに)お前も動物園でうさぎさんと戯れるのか?」
カナメ「いや・・・違うけど・・・」
トワネ「ならどこに行くんだ」
カナメ「その辺だよ、空気を吸いに行くだけだから」
トワネ「気を付けろよ、近頃変死体が増えてるらしいからな」
カナメ「う、うん」
カナメは花色荘の玄関に向かって歩き始める
再びトワネは英語の宿題を解こうとする
トワネ「(英語の宿題を解こうとして)カナメいずあ・・・す、すとぅーぴっど・・・?よ、よく分からんが多分合ってるな、うん」
◯31回想/花色荘風呂(夜)
◯1から約三日前の出来事
花色荘のお風呂にいるチヅル
花色荘の浴槽の縁には剃刀が置いてある
チヅルは全裸でシャワーを浴びている
全裸でシャワーを浴びているチヅルの全身には比較的新しい斬り傷がたくさんある
◯32回想/花色荘チヅルの部屋前廊下(夜)
花色荘のチヅルの部屋前の廊下にいるトワネ
トワネは周囲を見る
誰もいないことを確認するトワネ
トワネは周囲を見るのをやめる
チヅルの部屋の扉をゆっくり開ける
チヅルの部屋の中に入るトワネ
チヅルの部屋には勉強机、椅子、ベッドがある
チヅルの部屋の隅にはほこりを被った聖書が置いてある
ほこりを被った聖書の上にはボトルが置いてある
チヅルの部屋の扉を閉めるトワネ
トワネはチヅルの勉強机の引き出しを開く
チヅルの勉強机の引き出しの中には文房具、ロザリオ、折り鶴のネックレス、錆びついた古い包丁、10歳頃のソウヤと10歳頃のチヅルが海の前で写っている写真が入っている
トワネは錆びついたチヅルの古い包丁を手に取る
錆びついたチヅルの古い包丁の匂いを嗅ぐトワネ
トワネは錆びついたチヅルの古い包丁を匂いを嗅ぐのをやめる
錆びついたチヅルの古い包丁を勉強机の引き出しの中に戻すトワネ
トワネは10歳頃のソウヤと10歳頃のチヅルが海の前で写っている写真を手に取る
10歳頃のソウヤと10歳頃のチヅルが海の前で写っている写真を見ているトワネ
トワネは10歳頃のソウヤと10歳頃のチヅルが海の前で写っている写真の裏を見る
10歳頃のソウヤと10歳頃のチヅルが海の前で写っている写真の裏には、”大切なチヅルに”と書かれている
トワネは10歳頃のソウヤと10歳頃のチヅルが海の前で写っている写真の裏を見るのをやめる
10歳頃のソウヤと10歳頃のチヅルが海の前で写っている写真を勉強机の引き出しの中に戻すトワネ
トワネは勉強机の引き出しをしまう
少しの沈黙が流れる
チヅルのベッドの匂いを嗅ぐトワネ
トワネはチヅルのベッドの匂いを嗅ぎながら両目を瞑る
トワネは両目を瞑ったまま少しの間チヅルのベッドの匂いを嗅ぎ続ける
チヅルのベッドの匂いを嗅ぎながら両目を開けるトワネ
チヅルのベッドの匂いを嗅ぐのをやめるトワネ
トワネは周囲を見る
ほこりを被った聖書の上にボトルが置いてあることに気付くトワネ
トワネはほこりを被った聖書の上にが置いてあるボトルをゆっくり手に取る
恐る恐るボトルの蓋を外すトワネ
ボトルの中には1、2センチほどの量の血が入っている
トワネは顔をしかめる
顔をしかめながらボトルの1、2センチほどの量が入っている血の匂いを嗅ぐトワネ
◯33回想/ANDREI総本部第一ロイヤル待機室(夕方)
◯1から約三日前の出来事
ANDREI総本部の第一ロイヤル待機室にいるカナメとトワネ
カナメとトワネは私立東堂高校の制服を着ている
カナメとトワネは椅子に座っている
少しの沈黙が流れる
カナメ「時間かかるね」
トワネ「(不機嫌そうに)またヒヨリがシミュレーション室の備品を破壊したんじゃないか」
カナメ「トワネは九人目のオソレにヒヨリさんたちが負けたことについてどう思ってるの?」
トワネ「ああ負けたなって思ったが?」
カナメ「そ、それだけ?」
トワネ「(不機嫌そうに)他に何を思えば良い?」
カナメ「い、意外だったとか、予想外とか」
トワネ「(不機嫌そうに)意外で予想外だった」
再び沈黙が流れる
トワネ「お前はどう思った」
カナメ「僕は・・・負けるとは思わなかったよ」
トワネ「そうか」
カナメ「うん」
少しの沈黙が流れる
トワネは立ち上がる
トワネ「(立ち上がって)着替えを取りに行って来る」
カナメ「えっ、君がいなかったら困るよ」
トワネ「素振りでもしてろ」
カナメ「そんな、トキコさんになんて説明すれば良いんだよ」
トワネ「知らん」
ANDREI総本部の第一ロイヤル待機室の扉が開き、シィアが第一ロイヤル待機室の中に入って来る
シィアはヒビの入った小さなリモコンのようなスティックを持っている
トワネ「(不機嫌そうに)ヒヨリたちはまだ終わらないのか」
シィア「(淡々と)ヒヨリが備品を破壊しまして、現在メンテナンス中です」
トワネ「(不機嫌そうに)そら見たことか」
シィア「どこかに行くんですか?」
トワネ「ジュースを買って来る」
カナメ「着替えを取りに行くんじゃないの?」
シィア「メンテナンスがいつ終わるのか分からないので、出歩かれると困るのですが」
トワネ「(不機嫌そうに)私はカナメの頭を先にメンテナンスしたいね」
トワネはANDREI総本部の第一ロイヤル待機室から出て行く
シィア「これだから人間とかいう生き物は」
再び沈黙が流れる
シィア「カナメ」
カナメ「うん」
シィア「(淡々と)ヒヨリに頼まれて修理をしていたこちらのアダルトホログラムのスティックなんですが」
シィアはヒビの入った小さなリモコンのようなスティックをカナメに見せる
カナメの顔が赤くなる
シィア「(ヒビの入った小さなリモコンのようなスティックをカナメに見せながら)必要なパーツを取り寄せるのに時間がかかっていまして・・・」
カナメ「(ヒビの入った小さなリモコンのようなスティックをシィアに見せられたまま顔を赤くして)い、良いよ修理なんかしなくて」
シィア「(ヒビの入った小さなリモコンのようなスティックを顔を赤くしているカナメに見せながら)命令ですので」
カナメ「(ヒビの入った小さなリモコンのようなスティックをシィアに見せられたまま顔を赤くして)ぼ、僕はそんな命令してないだろ」
シィア「(ヒビの入った小さなリモコンのようなスティックを顔を赤くしているカナメに見せながら淡々と)ヒヨリがしました」
少しの沈黙が流れる
カナメ「(ヒビの入った小さなリモコンのようなスティックをシィアに見せられたまま)と、取り消しにして」
シィア「(ヒビの入った小さなリモコンのようなスティックをカナメに見せながら)はあ。しかしカナメに必要な物ではないのですか」
カナメ「(ヒビの入った小さなリモコンのようなスティックをシィアに見せられたまま)い、要らないよ」
シィア「(ヒビの入った小さなリモコンのようなスティックをカナメに見せながら)そうですか」
シィアはヒビの入った小さなリモコンのようなスティックをカナメに見せるのをやめる
シィア「(ヒビの入った小さなリモコンのようなスティックをカナメに見せるのをやめて淡々と)ではポルノホログラムから別の商品を・・・」
カナメ「(シィアの話を遮って)い、良いからそんなことはしなくて」
シィア「(淡々と)梢シィア名義で購入するけど?なんだったらもっとトワネに容姿が似た女性の・・・」
カナメ「(シィアの話を遮って)な、何でトワネが出て来るんだよ」
シィア「(淡々と)トワネではなく、トワネに容姿が似た女性と言いましたが。もしトワネ本人がお望みなら、彼女に直接見せてと頼めば良いのでは」
再びカナメの顔が赤くなる
カナメ「(顔を赤くして)ぼ、僕が頼むわけないだろ」
シィア「(淡々と)あ、また赤くなった。さすが童貞」
カナメ「(顔を赤くしたまま)し、シィアちゃんには関係ない」
シィア「(淡々と)嫌だわカナメったら、焦らなくてもいつかは卒業出来ますわよ、留年生だって進む道は退学か卒業の二択でしょう?」
カナメ「な、何その口調」
シィア「(淡々と)マナカの真似です」
少しの沈黙が流れる
シィア「(淡々と)切れ味抜群のシィアちゃんジョークです。上品でしょ」
カナメ「む、むしろ下品だったと思うけど・・・」
シィア「そうですか」
シィアはヒビの入った小さなリモコンのようなスティックをカナメに差し出す
シィア「(ヒビの入った小さなリモコンのようなスティックをカナメに差し出して)では私はこれで」
カナメはヒビの入った小さなリモコンのようなスティックをシィアから受け取る
カナメ「(ヒビの入った小さなリモコンのようなスティックをシィアから受け取って)う、うん」
シィアはANDREI総本部の第一ロイヤル待機室から出て行こうとする
カナメ「し、シィアちゃん」
シィア「(ANDREI総本部の第一ロイヤル待機室から出て行こうとするのをやめて)はい」
カナメ「み、みんなにはこのことを言わないで」
シィアは唇の前に人差し指を立てる
唇の前に人差し指を立てたまま頷くシィア
再び沈黙が流れる
シィアは唇の前に立てていた人差し指を下ろす
ANDREI総本部の第一ロイヤル待機室から出て行くシィア
カナメは一人ANDREI総本部の第一ロイヤル待機室に取り残される
◯34回想/花色荘リビング(夕方)
◯1から約三日前の出来事
夕日が沈みかけている
花色荘のリビングにいるソウヤ
花色荘のリビングにはテーブル、椅子、ソファ、テレビ、ゲームがある
ソウヤはテーブルに向かって椅子に座っている
聖書を読んでいるソウヤ
少しするとリビングにチヅルがやって来る
チヅルは錆びついた古いナイフを持っている
ソウヤ「(聖書を読みながら)帰ってたんだね、グライダーの練習に行ったのかと思ったよ」
少しの沈黙が流れる
チヅル「こっちに来て、ソウヤ」
ソウヤは聖書を読むのをやめる
チラッとチヅルが持っている錆びついた古いナイフを見るソウヤ
ソウヤ「(チラッとチヅルが持っている錆びついた古いナイフを見て)良いよ」
ソウヤは聖書をテーブルの上に置いて立ち上がる
チヅルのところに行くソウヤ
ソウヤはチヅルの目の前で立ち止まる
チヅル「怖くないの、あたしのこと」
ソウヤ「好きな人のことを怖がるなんてあり得ないよ」
チヅル「ここで殺されちゃうかもしれないのに?」
ソウヤ「(少し笑って)僕は死ぬことは怖くないから」
チヅル「嘘つき」
再び沈黙が流れる
チヅル「あたしと契約して戦ってた時、盾になったあたしの体を通してソウヤの恐怖心が伝わって来た。普段は笑って過ごしてるけど、内心はあたしを失うのが怖くて怯えてるんだろ。だからあたしの同情を買おうとしたり、精神的に追い詰めようとするんだ」
少しの沈黙が流れる
ソウヤ「僕らの関係は昔から変わってないよチヅル。僕はいつだって君の言うことを聞いてるんだから」
チヅル「今でもそうしてられる・・・?」
ソウヤ「もちろん」
再び沈黙が流れる
チヅル「目を閉じて」
ソウヤは両目を閉じる
両目を瞑っているソウヤにキスをするチヅル
ソウヤとチヅルは少しの間をキスをし続ける
両目を瞑っているソウヤとキスをするのをやめるチヅル
チヅルは両目を開ける
両目を瞑っているソウヤの鎖骨付近を錆びついた古いナイフで斬るチヅル
ソウヤ「(両目を瞑ったままチヅルに鎖骨付近を錆びついた古いナイフで斬られて)うっ・・・」
チヅル「ごめん・・・」
両目を瞑っているソウヤの鎖骨付近から血が流れる
チヅルは涙を流す
涙を流しながら両目を瞑っているソウヤの鎖骨付近から流れている血を人差し指ですくうチヅル
チヅル「(涙を流しながら両目を瞑っているソウヤの鎖骨付近から流れている血を人差し指ですくって小さな声で)違う血だったら良かったのに・・・」
チヅルは涙を流しながら人差し指についたソウヤの血を舐める
チヅル「(涙を流しながら人差し指についたソウヤの血を舐めて)開けて良いよ、目」
ソウヤはゆっくり両目を開ける
涙を流しながら人差し指についたソウヤの血を舐めるのをやめるチヅル
少しの沈黙が流れる
ソウヤ「大丈夫、大丈夫だよチヅル」
チヅル「(涙を流しながら)神様はあたしを許してくれない」
ソウヤ「僕がチヅルの罪を被るよ」
再び沈黙が流れる
チヅルは涙を流しながらソウヤの鎖骨付近の斬り傷から血を吸う
ソウヤ「(涙を流しているチヅルに鎖骨付近の斬り傷から血を吸われて)私は罪を犯しました・・・彼女を誘惑をしたのです・・・人生を変えてしまいました・・・どうか私の罪をお許しください・・・」
花色荘の玄関の方から誰かが帰って来た音が聞こえて来る
涙を流しながらソウヤの鎖骨付近の斬り傷から血を吸っているチヅルは、誰かが帰って来たことに気付いていない
リビングにトワネがやって来る
立ち止まるトワネ
トワネと涙を流しているチヅルに鎖骨付近の斬り傷から血を吸われているソウヤの目が合う
少しの沈黙が流れる
涙を流しながらソウヤの鎖骨付近の斬り傷から血を吸っているチヅルは、リビングにトワネがいることに気付いていない
涙を流しているチヅルに鎖骨付近の斬り傷から血を吸われているソウヤの目が合ったたまま、不機嫌そうにソウヤにハンドサインをするトワネ
字幕「(トワネのハンドサイン)またお前か」
ソウヤは涙を流しているチヅルに鎖骨付近の斬り傷から血を吸われトワネと目が合ったまま、トワネにハンドサインをする
字幕「(ソウヤのハンドサイン)ごめん」
トワネは涙を流しているチヅルに鎖骨付近の斬り傷から血を吸われているソウヤの目が合ったたまま、不機嫌そうにソウヤにハンドサインをする
字幕「(トワネのハンドサイン)他の奴らには見られないようにしておけ」
ソウヤは涙を流しているチヅルに鎖骨付近の斬り傷から血を吸われトワネと目が合ったまま、トワネにハンドサインをする
字幕「(ソウヤのハンドサイン)気を付けるよ」
トワネは涙を流しているチヅルに鎖骨付近の斬り傷から血を吸われているソウヤと目を合わせるのをやめる
花色荘の玄関に戻ろうとするトワネ
トワネは花色荘の玄関に戻ろうとしながら、涙を流しているチヅルに鎖骨付近の斬り傷から血を吸われているソウヤに不機嫌そうにハンドサインをする
字幕「(トワネのハンドサイン)換気してシャワーを浴びろ、お前らもヒヨリも血生臭過ぎる」
花色荘の玄関に戻るトワネ
チヅルは涙を流しながらソウヤの鎖骨付近の斬り傷から血を吸い続ける
◯35回想/渋谷スクランブル交差点(昼過ぎ)
◯1から約三日前の出来事
快晴
蝉が鳴いている
渋谷のスクランブル交差点にいる真っ黒なコート姿のアマネ
渋谷のスクランブル交差点はたくさんの人で溢れている
渋谷のスクランブル交差点の先には巨大なホログラムが投影されており、ANDREI総本部の地下最下層にある巨大な枯れかけた木、二人目のオソレ、三人目のオソレ、四人目のオソレ、五人目のオソレ、六人目のオソレ、七人目のオソレ、真っ白な翼が背中から生えたイザベル、真っ黒な翼が背中から生えたアマネの姿が映し出されている
ANDREI総本部の地下最下層の巨大な枯れかけた木の幹には洞穴がある
ANDREI総本部の地下最下層の巨大な枯れかけた木の幹にある洞穴の中は薄暗く、何も見えない
二人目のオソレは銀色で縦型の直方体、大きさは縦に25メートル、横15メートルほどになっている
三人目のオソレは体長30メートル以上の巨大な蜘蛛
四人目のオソレは水色で直径200メートルほどの巨大な猫の目
五人目のオソレは体長30メートルほどで二足歩行の人型だが、頭が牛になっており、ミノタウロスのような姿をしている
六人目のオソレは全長1000メートルほどの巨大な人間の顔面のような姿をしているが、両目、鼻、耳が無く、口だけがある
七人目のオソレは巨大な蛇の頭とサソリの胴体を持っており、体長は50メートルほどになっている
ANDREI総本部の地下最下層にある巨大な枯れかけた木、二人目のオソレ、三人目のオソレ、四人目のオソレ、五人目のオソレ、六人目のオソレ、七人目のオソレ、真っ白な翼が背中から生えたイザベルのホログラムの上には、重なるように”DESTROYED”と赤い文字で書かれたホログラムが投影されている
アマネは深くフードを被っている
深くフードを被ったままスクランブル交差点の真ん中で立ち止まっているアマネ
アマネは深くフードを被ったまま巨大なホログラムで投影されたイザベルのことを見ている
◯36回想/ANDREI総本部病室(朝)
◯1から約三日前の出来事
外は快晴
外は蝉が鳴いている
ANDREI総本部の病室にいるヒヨリとシィア
ヒヨリはベッドの上で横になっている
ベッドの横には椅子が置いてある
ベッドの隣には棚があり、小さなテレビが置いてある
窓際には花瓶が置いてあり、花が飾られてある
話をしているヒヨリとシィア
ヒヨリ「オソレは・・・どうなった・・・」
シィア「(淡々と)取り逃がしました、現在は捜索中です」
ヒヨリ「取り逃がした・・・?」
シィア「(淡々と)はい」
ヒヨリ「この私が・・・この私がオソレに負けた・・・のか・・・?」
シィア「(淡々と)はい」
少しの沈黙が流れる
ヒヨリ「や、奴に騙された!!わ、私は騙されたのだ!!」
シィア「(淡々と)これは戦争だものヒヨリ、勝利を得るのはいつだって賢い人だわ」
ヒヨリ「(怒鳴り声で)あ、あり得ない!!!!この私が負けるなど!!!!あってはならないことだ!!!!」
再び沈黙が流れる
ヒヨリを頭を抱える
ヒヨリ「(頭を抱えて)か、カナメを・・・カナメを連れて来てくれ・・・」
シィア「(淡々と)学校です」
ヒヨリ「(頭を抱えたまま怒鳴り声で)私にはカナメが必要なのだ!!!!」
シィア「カナメのことが好きだから、必要なの?」
ヒヨリ「(頭を抱えたまま少し笑って)そうだ・・・そして私はカナメ以上に・・・」
◯37回想/ANDREI総本部ケアカプセル室(朝)
◯1から約三日前の出来事
ANDREI総本部のケアカプセル室にいるマナカと白衣姿のトキコ
ANDREI総本部のケアカプセル室にはたくさんのケアカプセルがある
ANDREI総本部のケアカプセル室にあるたくさんのケアカプセルの中には液体が入っている
トワネは全裸のままケアカプセルの中に入って治療を行っている
マナカはカラスがデザインされた鉄仮面を付けており、鉄仮面からは酸素チューブが伸びている
マナカは両手足4本が無くなっている
トキコはタブレットを持っている
ケアカプセルの中で治療を受け続けるマナカ
◯38回想/花色荘トワネの部屋(朝方)
◯1から約三日前の出来事
朝日が登り始めている
花色荘の自室にいるトワネ
花色荘のトワネの部屋には勉強机、椅子、ベッドがある
花色荘のトワネの部屋は学校の教材やプリント、脱ぎ捨てた制服で散らかっている
カーテンの隙間から朝日が差し込んでいる
ベッドの上で横になっているトワネ
トワネはピンクの大きな熊のぬいぐるみを抱き締めている
トワネ「(ピンクの大きな熊のぬいぐるみを抱き締めたまま)お前からは全然あいつの記憶が見えないな・・・」
少しの沈黙が流れる
トワネはピンクの大きな熊のぬいぐるみを抱き締めたまま体を起こす
ピンクの大きな熊のぬいぐるみをベッドの上に置くトワネ
トワネはベッドから降りる
自室から出て花色荘の廊下に行くトワネ
トワネは花色荘のリビングに行く
花色荘のリビングにはテーブル、椅子、ソファ、テレビ、ゲームがある
花色荘のキッチンにはソウヤがいる
息切れをしているソウヤ
ソウヤは汗だくになっている
ソウヤはたくさんのカプセル剤が入っている薬瓶を持っている
キッチンの調理台の上には水の注がれたコップが置いてある
ソウヤは息切れをしながら急いでたくさんのカプセル剤が入っている薬瓶の蓋を外す
息切れをしながら急いで薬瓶から十数個のカプセル剤を手のひらに出すソウヤ
ソウヤは息切れをしながら急いで手のひらに出した十数個のカプセル剤を口の中に入れる
息切れをしながら急いで水と合わせて口の中に入れた十数個のカプセル剤を飲み込むソウヤ
ソウヤは水を一気に飲み干す
トワネ「お前今何を飲んだ」
ソウヤは驚いて振り返る
ソウヤから少し離れたところにはトワネが立っている
ソウヤは汗を拭う
ソウヤ「(汗を拭って)た、ただの水だよ、トワネ」
トワネはキッチンに行き、たくさんのカプセル剤が入っている薬瓶をソウヤからひったくる
ソウヤ「ず、頭痛止めさ」
トワネ「(不機嫌そうに)ここにいる奴らは嘘ばっかりつくな」
トワネはたくさんのカプセル剤が入っている薬瓶の匂いを嗅ぐ
再び沈黙が流れる
トワネ「(たくさんのカプセル剤が入っている薬瓶の匂いを嗅ぎながら不機嫌そうに)シィアちゃんから貰ったな、お前の記憶が嗅げるぞソウヤ」
ソウヤ「だ、大事な物なんだ、返してくれトワネ」
トワネはたくさんのカプセル剤が入っている薬瓶の匂いを嗅ぐのをやめる
トワネ「(たくさんのカプセル剤が入っている薬瓶の匂いを嗅ぐのをやめて)何の薬だ」
ソウヤ「ま、また君たちにも説明するから今は返して欲しい」
少しの沈黙が流れる
トワネはたくさんのカプセル剤が入っている薬瓶をキッチンの調理場の上に置く
トワネ「(たくさんのカプセル剤が入っている薬瓶をキッチンの調理場の上に置いて不機嫌そうに)言っておくが、私はそこら辺の神より五感も六感も鋭いからな」
ソウヤ「じゅ、重々承知してるつもりだよトワネ」
トワネ「(不機嫌そうに)ふん・・・」
◯39回想/コンビニ前(日替わり/深夜)
◯1から約四日前の出来事
コンビニの中にはカナメがいる
少しするとコンビニのビニール袋を持っているカナメがコンビニの中から出て来る
花色荘に向かって歩き始めるカナメ
少しの沈黙が流れる
突然、花色荘に向かっていたカナメが首元を押さえられて身動きが取れなくなる
アマネ「(深くフードを被りカナメの首元を押さえてカナメの身動きを取れなくしたまま小声で)動かないで大天使様・・・」
深くフードを被りカナメの首元を押さえてカナメの身動きを取れなくしているのはアマネ
アマネはフード付きの真っ黒なコートを着ている
カナメ「(深くフードを被っているアマネに首元を押さえられて身動きを取れなくされたまま)だ、誰?」
アマネ「(深くフードを被りカナメの首元を押さえてカナメの身動きを取れなくしたまま小声で)イザベルの友人です」
カナメ「(深くフードを被っているアマネに首元を押さえられて身動きを取れなくされたまま)も、もしかして・・・お、オソレ・・・?」
アマネ「(深くフードを被りカナメの首元を押さえてカナメの身動きを取れなくしたまま小声で)どうか力をお貸しください、大天使様」
カナメ「(深くフードを被っているアマネに首元を押さえられて身動きを取れなくされたまま)ど、どういうこと?僕に何をしろって言うの?」
アマネ「(深くフードを被りカナメの首元を押さえてカナメの身動きを取れなくしたまま小声で)九音ヒヨリに復讐を果たしたいんです・・・」
アマネは深くフードを被りカナメの首元を押さえてカナメの身動きを取れなくしたまま、ポケットから小さな通信機を取り出す
深くフードを被りカナメの首元を押さえてカナメの身動きを取れなくしたまま、カナメが持っていたコンビニのビニール袋の中に小さな通信機を入れるアマネ
アマネ「(深くフードを被りカナメの首元を押さえてカナメの身動きを取れなくしたまま、カナメが持っていたコンビニのビニール袋の中に小さな通信機を入れて小声で)お願いします大天使様・・・イザベルのために・・・俺に協力を・・・」
アマネは深くフードを被ったままカナメの首元を離す
後ろを見るカナメ
カナメの後ろにいたはずのアマネはいつの間にかいなくなっている
◯40回想/地上から2000メートルほどの高さのところ(夕方)
◯1から約四日前の出来事
第十一話◯50と同じシーン
夕日が沈みかけている
真っ黒な翼を羽ばたかせて地上から2000メートルほどの高さのところで宙に浮かんでいるアマネ
アマネは槍を持っている
真っ黒な翼を羽ばたかせて宙に浮かびながら自分の翼を見ているアマネ
アマネ「(真っ黒な翼を羽ばたかせて宙に浮かびながら自分の翼を見て寂しそうに少し笑って)はは・・・俺も墜落者の仲間入りか・・・」
◯41回想/イザベルとアマネの家前(約700年前/夕方)
夕日が沈みかけている
イザベルとアマネの家の前にいるカナメ、8歳頃のイザベル、10歳頃のアマネ、背中から真っ白な翼が生えている老若男女たくさんの人たち
カナメの背中からは真っ白な翼が生えている
8歳頃のイザベルと10歳頃のアマネの背中からは小さくて真っ白な翼が生えている
カナメは真っ白な装束を着ている
背中から真っ白な翼が生えている老若男女たくさんの人たちはカナメと同じく真っ白な装束を着ている
イザベルとアマネの家は古いレンガ造りになっている
イザベルとアマネの家の周囲は数千キロ先まで小麦畑が広がっている
イザベルとアマネの家の周囲数千キロ先まで広がっている小麦畑は収穫されている箇所があり、そこだけ小麦が生えていない
イザベルとアマネの家の周囲数千キロ先まで広がっている小麦畑の横には一本道がある
8歳頃のイザベルと10歳頃のアマネは手を繋いでいる
8歳頃のイザベルは10歳頃のアマネと手を繋いだままアマネの背中に隠れている
背中から真っ白な翼が生えている老若男女たくさんの人たちはカナメの後ろに並んでおり、小麦畑の横の一本道に長い列が出来ている
話をしているカナメと10歳頃のアマネ
アマネ「(背中に隠れている8歳頃のイザベルと手を繋いだまま)こ、こいつは俺の・・・わ、私の妹のイザベル・カーフェンです」
カナメ「イザベル、素敵なお名前ですね」
イザベル「(10歳頃のアマネと手を繋いだまま10歳頃のアマネの背中に隠れて)あっ、ああああありがとうございましゅ・・・だ、大天使様・・・」
アマネ「(背中に隠れている8歳頃のイザベルと手を繋いだまま)こ、こら、か、感謝しますだろイザベル」
イザベル「(10歳頃のアマネと手を繋ぎ10歳頃のアマネの背中に隠れたまま)か、感謝しましゅ・・・」
アマネ「(背中に隠れている8歳頃のイザベルと手を繋いだまま)も、申し訳ありません大天使様、妹は極度の人見知りで・・・」
カナメ「(少し笑って)構いませんよ、アマネ」
アマネ「(背中に隠れている8歳頃のイザベルと手を繋いだまま)レ、礼儀をわきまえるように厳しく叱っておきます・・・」
◯42回想戻り/イザベルとアマネの家リビング(夕方)
夕日が沈みかけている
自宅のリビングにいるアマネ
イザベルとアマネの家は古いレンガ造りになっている
イザベルとアマネの家のリビングにはテーブル、椅子、暖炉がある
アマネの背中からは引き千切られた真っ黒な翼が生えている
アマネの髪の毛は乱雑に刈り取られている
アマネの服装は黒ずんだ薄い麻袋のような素材になっている
イザベルとアマネの家の外にはカナメ、8歳頃のイザベル、10歳頃のアマネ、背中から真っ白な翼が生えている老若男女たくさんの人たち
イザベルとアマネの家の外にいるカナメの背中からは真っ白な翼が生えている
自宅の外にいる8歳頃のイザベルと10歳頃のアマネの背中からは小さくて真っ白な翼が生えている
イザベルとアマネの家の外にいるカナメは真っ白な装束を着ている
イザベルとアマネの家の外にいる背中から真っ白な翼が生えた老若男女たくさんの人たちは、カナメと同じく真っ白な装束を着ている
イザベルとアマネの家の周囲は数千キロ先まで小麦畑が広がっている
イザベルとアマネの家の周囲数千キロ先まで広がっている小麦畑は収穫されている箇所があり、そこだけ小麦が生えていない
イザベルとアマネの家の周囲数千キロ先まで広がっている小麦畑の横には一本道がある
自宅の外にいる8歳頃のイザベルと10歳頃のアマネは手を繋いでいる
自宅の外にいる8歳頃のイザベルは10歳頃のアマネと手を繋いだままアマネの背中に隠れている
イザベルとアマネの家の外にいる背中から真っ白な翼が生えた老若男女たくさんの人たちは、カナメの後ろに並んでおり、小麦畑の横の一本道に長い列が出来ている
イザベルとアマネの家の外は約700年前で、◯41の続きになっている
アマネはリビングの窓から家の外にいるカナメ、8歳頃のイザベル、10歳頃の自分のことを見ている
イザベルとアマネの家の外にいるカナメと10歳頃のアマネは話をしている
カナメ「アマネ」
10歳頃のアマネ「(背中に隠れている8歳頃のイザベルと手を繋いだまま)は、はい」
カナメ「あなたの翼は他の者よりも美しいですね」
10歳頃のアマネ「(背中に隠れている8歳頃のイザベルと手を繋いだまま)め、滅相もありません!!わ、私の翼など、大天使様のものと比べたらそこらの羊皮紙と同じです!!」
カナメ「美しい翼は、美しい天使の証です。アマネは将来、その翼に見合った素晴らしい天使になり、あなたの背を見て育ったイザベルもまた、同様に素晴らしい天使の道を歩むことになるでしょう。(少し間を開けて)我々はその時を楽しみにしていますよ、アマネ、イザベル」
10歳頃のアマネ「(背中に隠れている8歳頃のイザベルと手を繋いだまま)だ、大天使様のご期待に添えるよう、精進して参ります」
アマネはリビングの窓から家の外にいるカナメ、8歳頃のイザベル、10歳頃の自分のことを見るのをやめる
後ろを向くアマネ
アマネの後ろには頭から牛の角が生え、両耳の穴から大蛇が伸び、背中からコウモリの翼が生えて、股から血まみれの裸の人間の下半身が飛び出た体長50メートルほどの全身毛むくじゃらの大男が立っている
頭から牛の角が生え、両耳の穴から大蛇が伸び、背中からコウモリの翼が生えて、股から血まみれの裸の人間の下半身が飛び出た体長50メートルほどの全身毛むくじゃらの大男の両耳の大蛇は、それぞれ一人ずつ血まみれの裸の人間を口に咥えている
いつの間にかアマネのいる場所は自宅のリビングから、巨大な鍾乳洞のような場所に変わっている
巨大な鍾乳洞の中には広い湖がある
頭から牛の角が生え、両耳の穴から大蛇が伸び、背中からコウモリの翼が生えて、股から血まみれの裸の人間の下半身が飛び出た体長50メートルほどの全身毛むくじゃらの大男は、巨大な鍾乳洞の中の広い湖に浸かっている
少しの沈黙が流れる
アマネは頭から牛の角が生え、両耳の穴から大蛇が伸び、背中からコウモリの翼が生えて、股から血まみれの裸の人間の下半身が飛び出た体長50メートルほどの全身毛むくじゃらの大男のことを見ている
アマネ「(頭から牛の角が生え、両耳の穴から大蛇が伸び、背中からコウモリの翼が生えて、股から血まみれの裸の人間の下半身が飛び出た体長50メートルほどの全身毛むくじゃらの大男のことを見たまま)だ・・・大天・・・」
突然、頭から牛の角が生え、両耳の穴から大蛇が伸び、背中からコウモリの翼が生えて、股から血まみれの裸の人間の下半身が飛び出た体長50メートルほどの全身毛むくじゃらの大男が、話途中だったアマネの上半身を丸かじりする
頭から牛の角が生え、両耳の穴から大蛇が伸び、背中からコウモリの翼が生えて、股から血まみれの裸の人間の下半身が飛び出た体長50メートルほどの全身毛むくじゃらの大男に上半身を食われたアマネの下半身は、大量の血を噴き出しながらその場に倒れる
大量の血を噴き出しているアマネの下半身は、その場に倒れた衝撃で下半身から腸をぶちまける
頭から牛の角が生え、両耳の穴から大蛇が伸び、背中からコウモリの翼が生えて、股から血まみれの裸の人間の下半身が飛び出た体長50メートルほどの全身毛むくじゃらの大男は、クチャクチャと音を立てながらアマネの上半身を食べている
続く。