『第十一話 許して欲しかっただけ』
『サイクルラヴの叫び、少年少女のセイセンネンリョ』
登場人物
神野 カナメ 16歳男子
本作の主人公。高校一年生。人に対して距離があり、どこか性格も冷めている。
相園 トワネ 16歳女子
本作のメインヒロイン。高校一年生。”第六の力の女王”で、カナメの契約相手。性格はわがままで愛想がなく、たびたびカナメのことを困らせることになる。無類のカルボナーラ好き。
若葉 ソウヤ 16歳男子
カナメたちと同じ高校一年生で、”第六の力の王子”。成績と容姿が優れている上に、人当たりも悪くないため、同級生たちからよくモテているが・・・信心深く、よく礼拝堂に訪れている。
浅木 チヅル 16歳女子
カナメたちと同じ高校一年生で、”第六の力の姫の一人”。カナメやトワネほどではないが、馴れ合うことが苦手な性格をしており、口調もキツい。契約相手のソウヤとは幼馴染。
九音 ヒヨリ 18歳女子
カナメたちよりも2つ歳上の先輩に当たる、”第六の力の姫の一人”。ロシアからの帰国子女で、強い正義感の持ち主。その性格の通り優秀な戦士であり、面倒見も良い。
真弓 マナカ 18歳女子
ヒヨリと同じくロシアからの帰国子女で、”第六の力の姫の一人”。常に顔面にカラスがデザインされた鉄仮面を付けていて、お嬢様口調で話をする。ヒヨリとは古くからの仲であり、契約相手でもある。
シィア 15歳女子モデル
長く”ANDREI”で働く美少女アンドロイド、正式名称はSI-A49。一応梢トキコの助手という役職だが、雑用も淡々とこなす。長く人間に仕えて来たからか、皮肉屋ところがある。口癖は『アホ』。
四季 イズミ 16歳女子
・・・???
梢 トキコ 36歳女子
“ANDREI”の科学者で、カナメたちが暮らすオンボロアパート”花色荘”の管理人。大人気なく怒りっぽい性格をしている。カナメたちに対して厳しい言い方をすることが多いが、一応彼らの保護者だったりする。
神野 タエ 78歳女子
“オソレ”の破壊を目的とした組織”ANDREI”の司令であり、カナメの祖母。カナメとは長く疎遠だったが、”オソレ”を破壊するために彼の力を借りようとする。
日向 リュウマ 36歳男子
日本帝国軍から派遣された軍人で、階級は陸佐。ただし、軍人らしさは全くない。戦略班のリーダーだが、実質的に”ANDREI”のトップ2の立場におり、タエの側近的な役割を担っていることが多い。トキコとは過去に色々あったとか、なかったとか。
神野 アキラ 44歳男子
カナメの父親。いつも仕事で帰って来るのが遅いため、カナメとは上手くコミュニケーションが取れておらず、そのことを気にしている。
神野 アイラ 女子
カナメの母親。カナメが幼い頃に亡くなっている。
ゲストキャラクター
MA-RA337型のアンドロイド 18歳女子モデル
シィアよりも後に登場したアンドロイド。シィアと比較するとかなり人間的な表情が出来るのに加えて、欠陥も少ない。
トキコがバーで出会った男 30代後半男子
・・・???
イザベル・カーフェン 16歳?女子
一生懸命、真面目、純粋の三拍子が揃ったドジっ娘。良くも悪くもまっすぐな性格のため、気合いが空回りすることもしばしば。ある時カナメたちと出会い、そこから交流を深めるようになる。
アマネ・カーフェン 18歳?女子
イザベルの姉。何かとやらかすことが多いイザベルのことをいつも厳しく叱っている。一人称は『俺』だが、食器集めが趣味という可愛い一面も。
ルシファリア 年齢?女子
・・・???
ウラジーミル・アンドレイ 65歳男子
・・・???
ヒラン・アンドレイ 14歳女子
・・・???
ロベール=フォン・アンドレイ 18歳男子
・・・???
クレナ・アンドレイ 21歳女子
・・・???
九音 アリカ 40歳女子
ヒヨリの母親。
博士 17〜18歳女子
本名不明。”あるもの”を連れている。
タカヤ 30代前半男子
・・・???
ヨハリル 20代前半?男子
・・・???
C 16歳?女子
リュウマの話に登場した好奇心旺盛な少女。ある日、キファーと出会うことになる。
キファー 16歳?男子
Cと同じくリュウマに登場した少年。Cとは違い大人しく、いつも寂しげな様子をしている。
ユーリ 60歳?男子
Cの叔父。
ガラファリア 20代後半?女子
・・・???
神野 アイハ 40代前半女子
カナメの叔母。”夢路村”で、喫茶”四重奏の夢”を経営している。
イ・ジヨン 20代前半女子
韓国から来た留学生。喫茶”四重奏の夢”を経営を手伝いながらアイハの家でホームステイをしている。
リツ 27歳女子
ある過去を抱えている信仰者。
スグル 30代前半男子
・・・???
◯1イザベルとアマネの家アマネの部屋(日替わり/早朝)
日が登り始めている
自宅の自室にいるアマネ
アマネの年齢は18歳くらいに見える
アマネは女性
イザベルとアマネの家は古いレンガ造りになっている
アマネの部屋には机、椅子、ベッドがあり、壁には食器と、トワネとイザベルが描かれた油絵が飾られてある
ベッドの上で眠っているアマネ
カーテンの隙間から太陽の光が差し込んで来ている
少しするとアマネが目を覚ます
体を起こすアマネ
アマネはベッドから降りる
カーテンを開けるアマネ
アマネの部屋からは自宅の周囲数千キロ先まで広がっている小麦畑が見える
イザベルとアマネの家の周囲数千キロ先まで広がっている小麦畑は収穫されている箇所があり、そこだけ小麦が生えていない
イザベルとアマネの家の周囲数千キロ先まで広がっている小麦畑の横には一本道がある
◯2小麦畑(早朝)
日が登り始めている
小麦畑に一人いるアマネ
アマネがいる小麦畑から少し離れたところには古いレンガ造りのイザベルとアマネの家がある
小麦畑はイザベルとアマネの家の周囲数千キロ先まで広がっている
イザベルとアマネの家の周囲数千キロ先まで広がっている小麦畑は収穫されている箇所があり、そこだけ小麦が生えていない
イザベルとアマネの家の周囲数千キロ先まで広がっている小麦畑の横には一本道がある
麦わら帽を被っているアマネ
アマネは大鎌を持っている
自宅の周囲数千キロ先まで広がっている小麦畑を大鎌で一定のリズムを刻みながら刈っているアマネ
自宅の周囲数千キロ先まで広がっている小麦畑を大鎌で一定のリズムを刻みながら刈っているアマネは、汗だくになっている
アマネは汗だくになりながら、一人自宅の周囲数千キロ先まで広がっている小麦畑を大鎌で一定のリズムを刻み刈り続ける
◯3イザベルとアマネの家リビング(朝)
外は快晴
自宅のリビングにいるアマネ
イザベルとアマネの家は古いレンガ造りになっている
イザベルとアマネの家の周囲は数千キロ先まで小麦畑が広がっている
イザベルとアマネの家の周囲数千キロ先まで広がっている小麦畑は収穫されている箇所があり、そこだけ小麦が生えていない
イザベルとアマネの家の周囲数千キロ先まで広がっている小麦畑の横には一本道がある
イザベルとアマネの家のリビングにはテーブル、椅子、暖炉がある
テーブルに向かって椅子に座っているアマネ
テーブルの上にはバケットと野菜スープが置いてある
アマネは朝食を食べている
バケットを千切って一口食べるアマネ
アマネは野菜スープを一口すくって飲む
再びバケットを千切って一口食べるアマネ
アマネは野菜スープを一口すくって飲む
◯4小麦畑(朝)
快晴
小麦畑に一人いるアマネ
アマネがいる小麦畑から少し離れたところには古いレンガ造りのイザベルとアマネの家がある
小麦畑はイザベルとアマネの家の周囲数千キロ先まで広がっている
イザベルとアマネの家の周囲数千キロ先まで広がっている小麦畑は収穫されている箇所があり、そこだけ小麦が生えていない
イザベルとアマネの家の周囲数千キロ先まで広がっている小麦畑の横には一本道がある
麦わら帽を被っているアマネ
アマネは大鎌を持っている
自宅の周囲数千キロ先まで広がっている小麦畑を大鎌で一定のリズムを刻みながら刈っているアマネ
自宅の周囲数千キロ先まで広がっている小麦畑を大鎌で一定のリズムを刻みながら刈っているアマネは、汗だくになっている
アマネは汗だくになりながら、一人自宅の周囲数千キロ先まで広がっている小麦畑を大鎌で一定のリズムを刻み刈り続ける
少しすると遠くの方から小麦畑の横の一本道を古い自転車が走って来る
アマネは変わらず汗だくになりながら、自宅の周囲数千キロ先まで広がっている小麦畑を大鎌で一定のリズムを刻っている
小麦畑の横の一本道を古い自転車で漕いで進んでいるのは年老いた男
年老いた男は肩からボロボロの鞄を下げている
年老いた男は小麦畑の横の一本道を古い自転車で漕いで進みながら、イザベルとアマネの家に向かっている
汗だくになりながら、自宅の周囲数千キロ先まで広がっている小麦畑を大鎌で刈るのをやめるアマネ
アマネは額の汗を手で拭う
小麦畑の横の一本道を古い自転車で漕いで進んでいる年老いた男のことを待っているアマネ
少しすると年老いた男は古い自転車でアマネがいる小麦畑の近くまでやって来る
古い自転車から降りて、小麦畑の横の一本道で古い自転車のスタンドを立てる年老いた男
年老いた男は小麦畑の横の一本道に古い自転車を止めて、小麦畑にいるアマネのところに行く
アマネの前で立ち止まる年老いた男
年老いた男は肩に下げているボロボロの鞄の中から”VIII”と書かれた羊皮紙を取り出す
”VIII”と書かれた羊皮紙をアマネに差し出す年老いた男
アマネは”VIII”と書かれた羊皮紙を年老いた男から受け取る
アマネに手を差し出す年老いた男
アマネは年老いた男の手を取り年老いた男と握手をする
アマネと握手をしたままアマネの肩を数回叩く年老いた男
アマネと年老いた男は少しの間握手をし続ける
アマネの手を離す年老いた男
年老いた男は小麦畑の横の一本道に止めた古い自転車のところに戻って行く
小麦畑の横の一本道に止めていた古い自転車のスタンドを外す年老いた男
年老いた男は古い自転車にまたがる
古い自転車を漕いで小麦畑の横の一本道を戻って行く年老いた男
アマネは古い自転車を漕いで小麦畑の横の一本道を戻って行く年老いた男の後ろ姿を見ている
◯5イザベルとアマネの家前(夕方)
夕日が沈みかけている
イザベルとアマネの家の前にいるアマネ
イザベルとアマネの家は古いレンガ造りになっている
イザベルとアマネの家の周囲は数千キロ先まで小麦畑が広がっている
イザベルとアマネの家の周囲数千キロ先まで広がっている小麦畑は収穫されている箇所があり、そこだけ小麦が生えていない
イザベルとアマネの家の周囲数千キロ先まで広がっている小麦畑の横には一本道がある
イザベルとアマネの家が勢いよく燃え上がっている
イザベルとアマネの家は勢いよく燃え上がっているが、家内の家具、食材、私物に対して屋根や壁に大きな外傷は出来ていない
アマネは”VIII”と書かれた羊皮紙を持っている
勢いよく燃え上がっている自宅を見ているアマネ
◯6イザベルとアマネの家イザベルの部屋(夕方)
夕日が沈みかけている
イザベルとアマネの家は勢いよく燃え上がっている
イザベルとアマネの家は古いレンガ造りになっている
イザベルとアマネの家の周囲は数千キロ先まで小麦畑が広がっている
イザベルとアマネの家の周囲数千キロ先まで広がっている小麦畑は収穫されている箇所があり、そこだけ小麦が生えていない
イザベルとアマネの家の周囲数千キロ先まで広がっている小麦畑の横には一本道がある
イザベルの部屋には机、椅子、ベッドがあり、壁には第十話◯75でイザベルが訓練に使っていた剣が立て掛けられてある
イザベルの部屋の机の上には古い地球儀と2枚の羊皮紙が置いてある
イザベルの部屋の机の上に置いてある羊皮紙の1枚には”VII”と書かれており、もう1枚の羊皮紙には”Forgive me, Isabelle”と書かれてその下に”Lucifalia”と名前が記されてある
イザベルの部屋にある机、椅子、ベッド、カーテン、机の上に置いてある地球儀、”VII”と書かれた羊皮紙、”Forgive me, Isabelle”と書かれてその下に”Lucifalia”と名前が記されてある羊皮紙が燃えている
『第十一話 許して欲しかっただけ』
◯7ANDREI総本部司令の自室(日替わり/夜)
ANDREI総本部司令の自室にいる白衣姿のトキコとタエ
ANDREI総本部司令の自室は広く、巨大な水槽がある
ANDREI総本部司令の自室の中にある巨大な水槽には、たくさんの熱帯魚が泳いでいる
ANDREI総本部司令の自室には机と椅子がある
タエは机に向かって椅子に座っている
話をしているトキコとタエ
トキコ「イザベル・・・いえ、八人目のオソレ、デモニオの血液を採取した結果、これまで以上に人間に近い遺伝子構造をしてることが分かりました。ですが、シィアちゃんのサンプル採取ミスということもあるので・・・」
少しの沈黙が流れる
タエ「梢さん、あなたは優秀な科学者よ。だから水滴足す水滴が1にもなり得ると理解しているはずです」
トキコ「はい・・・」
再び沈黙が流れる
トキコ「し、司令、子供たちにはどう伝えれば・・・」
タエ「今まで通りで構いません。皆いずれ九音さんのように姿形に惑わされくなるでしょう」
◯8ANDREI総本部病室(日替わり/夕方)
夕日が沈みかけている
ANDREI総本部の病室にいるカナメとヒヨリ
カナメはベッドの上で横になっている
ベッドの横には椅子が置いてある
ベッドの隣には棚があり、小さなテレビが置いてある
窓際には花瓶が置いてあり、花が飾られてある
カナメは無くなっていたはずの両足と左腕が再生しているが、右腕は変わらず無くなったままの状態になっている
ベッドの横の椅子に座っているヒヨリ
ヒヨリは話をしている
ヒヨリ「か、体は順調に回復しているようだな。破損箇所も残すは右腕のみ」、この調子ならすぐに作戦にも参加出来るようになるだろう」
少しの沈黙が流れる
ヒヨリ「そ、そうだカナメ、今度また二人で出かけないか?(少し間を開けて)と、というのも実は私もカナメにプレゼントを購入したいのだ」
カナメはヒヨリのことを見る
ヒヨリの顔が赤くなる
ヒヨリ「(顔を赤くしたまま)い、以前カナメは私にも色々買ってくれただろう・・・?あ、あの時の礼と退院祝いを兼ねてになってしまうが・・・」
ヒヨリは顔を赤くしたまま、ポケットから第九話◯13でカナメが買った紫の紫陽花がデザインされたハンカチを取り出す
◯9ANDREI総本部病室前廊下(夕方)
夕日が沈みかけている
ANDREI総本部の病室前の廊下に一人いるトワネ
トワネはANDREI総本部の病室前の廊下の壁にもたれている
ANDREI総本部の病室前の廊下の壁にもたれながらピンクの大きな熊のぬいぐるみを抱き締めているトワネ
ANDREI総本部の病室前の廊下では病室にいるヒヨリの声が聞こえて来ている
トワネはANDREI総本部の病室前の廊下の壁にもたれピンクの大きな熊のぬいぐるみを抱き締めながら、ヒヨリの声を盗み聞きしている
ヒヨリ「(声)こ、このハンカチは毎日愛用しているぞ。ち、因みに熊のぬいぐるみは抱き枕に使っているのだが、肌触りが良いのかあれがあるととてもよく眠れるのだ」
◯10花色荘玄関(夕方)
夕日が沈みかけている
花色荘の玄関にいるチヅル
チヅルは踵を踏んで靴を履く
花色荘の玄関の扉を開けるチヅル
花色荘の玄関の前にはアキラが立っている
アキラ「む、息子はどこにいますか?」
◯11ANDREI総本部病室(夕方)
夕日が沈みかけている
ANDREI総本部の病室にいるカナメとヒヨリ
カナメはベッドの上で横になっている
ベッドの横には椅子が置いてある
ベッドの隣には棚があり、小さなテレビが置いてある
窓際には花瓶が置いてあり、花が飾られてある
カナメは右腕が無くなっている
ベッドの横の椅子に座っているヒヨリ
ヒヨリの顔は赤くなっている
ヒヨリの膝の上には第九話◯13でカナメが買った紫の紫陽花がデザインされたハンカチが置いてある
ヒヨリは顔を赤くし膝の上に紫の紫陽花がデザインされたハンカチを置いたまま話をしている
顔を赤くし膝の上に紫の紫陽花がデザインされたハンカチを置いたまま話をしているヒヨリのことを見ているカナメ
ヒヨリ「(顔を赤くし膝の上に紫の紫陽花がデザインされたハンカチを置いたまま)こ、今度カナメにもと思ったが、男にぬいぐるみというのは少し変か・・・そもそも私が貰った物をそのままお返しするのは気が引けるな・・・やはりカナメには第六の力の王らしい男性的なプレゼントを・・・」
カナメ「(顔を赤くし膝の上に紫の紫陽花がデザインされたハンカチを置いているヒヨリのことを見てヒヨリの話を遮って)何、やってるんですか」
ヒヨリ「(顔を赤くし膝の上に紫の紫陽花がデザインされたハンカチを置いたまま)で、デートの相談に決まっているではないかカナメ」
少しの沈黙が流れる
ヒヨリ「(顔を赤くし膝の上に紫の紫陽花がデザインされたハンカチを置いたまま)し、しかしあれだな、で、デートというのは何とも小っ恥ずかし・・・」
カナメ「(顔を赤くし膝の上に紫の紫陽花がデザインされたハンカチを置いているヒヨリのことを見るのをやめてヒヨリの話を遮って)面会拒否にしたはずなのに」
再び沈黙が流れる
ヒヨリは紫の紫陽花がデザインされたハンカチを置いたまま俯く
ヒヨリ「(膝の上に紫の紫陽花がデザインされたハンカチを置いたまま俯いて)カナメは・・・私では満足出来ないのか・・・?」
少しの沈黙が流れる
ヒヨリ「(膝の上に紫の紫陽花がデザインされたハンカチを置いて俯いたまま)カナメの部屋にあるアダルトホログラムを見させてもらったが・・・お前はああいう女が好きなのか・・・?」
カナメ「えっ・・・?へ、部屋に勝手に入ったの?」
ヒヨリは膝の上に紫の紫陽花がデザインされたハンカチを置いたまま顔を上げる
ヒヨリ「(膝の上に紫の紫陽花がデザインされたハンカチを置いたまま顔を上げて少し笑って)心配するなカナメ、ホログラムに入ったヒビはシィアちゃんに修理するように頼んでおいた。もちろん私としては複雑な気持ちだが、カナメも性的欲求を抱えた思春期の少年だし、今回だけは目を瞑ることにしよう。ただし、今後ああいう物を購入した場合は罰として最低一ヶ月は外出禁止にさせてもらうぞ」
カナメ「ヒヨリさんは・・・(少し間を開けて)イカれてる」
ヒヨリ「(膝の上に紫の紫陽花がデザインされたハンカチを置いたまま少し笑って)何を言うのだカナメ、私は世界に平和をもたらす第六の力の女王だぞ」
カナメ「あ、あなたはただの人殺しです」
ヒヨリ「(膝の上に紫の紫陽花がデザインされたハンカチを置いたまま少し笑って)私は人々を救っているのだ」
カナメ「い、イザベルを殺した」
ヒヨリ「(膝の上に紫の紫陽花がデザインされたハンカチを置いたまま少し笑って)カナメの命を救っただろう?」
カナメ「違う・・・ヒヨリさんはイザベルを殺したんだ・・・」
ヒヨリ「(膝の上に紫の紫陽花がデザインされたハンカチを置いたまま少し笑って)私はカナメの命の恩人ではないか」
カナメ「イザベルを殺したんだよヒヨリさんは!!」
ヒヨリ「(膝の上に紫の紫陽花がデザインされたハンカチを置いたまま驚いて)と、突然どうしたのだカナメ、ど、どこか痛むなら医者を呼ぶか?」
再び沈黙が流れる
カナメ「僕は・・・ヒヨリさんのことを信じて良い人だと思ってたんだ・・・」
ヒヨリ「(膝の上に紫の紫陽花がデザインされたハンカチを置いたまま)わ、私は信頼に値する人間だ、皆から慕い愛され敬われる存在だ、せ、世界中の人間が私とマナカに期待をし、私たちはいつもその期待に応えている。事実私がオソレに敗北したことはない。(少し間を開けて)カナメ、私は完璧だ」
カナメ「違うよ・・・あなたは人殺しだ・・・」
ヒヨリ「(膝の上に紫の紫陽花がデザインされたハンカチを置いたまま)り、理解出来ない。か、カナメは何を怒っているのだ?お、お前を救い出すのが遅かったのがいけなかったのか?」
少しの沈黙が流れる
カナメ「イザベルも・・・あなたのことを信じると言ってたのに」
ヒヨリ「(膝の上に紫の紫陽花がデザインされたハンカチを置いたまま)い、イザベルとは誰のことだ?は、八人目のオソレのことか?(少し間を開けて)し、心配するな、あの女には私が天罰を下したぞカナメ、第一の爆発で翼を焼き、第二の一振りで足を分け、第三の斬り付けで腕を落とし、第四の振り下ろしで私は奴の首を刎ねた、完璧な勝利を得たのだ」
再び沈黙が流れる
カナメ「出て行ってください・・・」
ヒヨリ「(膝の上に紫の紫陽花がデザインされたハンカチを置いたまま)わ、私はまだカナメと話が・・・」
カナメ「(ヒヨリの話を遮って)どうでも良いよ・・・もう」
ヒヨリ「(膝の上に紫の紫陽花がデザインされたハンカチを置いたまま)な、何故だ・・・私はオソレを殺したのに・・・偉大な行いをしたのに・・・世界を救ったのに・・・お前を守ったのに・・・な、何故・・・カナメは私を拒むのだ・・・?」
カナメは体勢を変えてヒヨリに背を向ける
カナメ「(体勢を変えてヒヨリに背を向けて)天罰が下るべきなのは、イザベルじゃなくて僕やヒヨリさんだ」
少しの沈黙が流れる
◯12ANDREI総本部病室前廊下(夕方)
夕日が沈みかけている
ANDREI総本部の病室前の廊下に一人いるトワネ
トワネはANDREI総本部の病室前の廊下の壁にもたれている
ANDREI総本部の病室前の廊下の壁にもたれながらピンクの大きな熊のぬいぐるみを抱き締めているトワネ
少しするとANDREI総本部の病室の中からヒヨリがフラフラ出て来る
トワネ「(ANDREI総本部の病室前の廊下の壁にもたれピンクの大きな熊のぬいぐるみを抱き締めたまま)だから面会はやめとけと言ったんだ」
ヒヨリはトワネの話を無視してフラフラとANDREI総本部の病室から離れて行く
ANDREI総本部の病室前の廊下の壁にもたれピンクの大きな熊のぬいぐるみを抱き締めたままチラッと病室を見るトワネ
トワネはピンクの大きな熊のぬいぐるみを抱き締めたままANDREI総本部の病室前の廊下の壁にもたれるのをやめる
◯13花色荘玄関(夕方)
夕日が沈みかけている
花色荘の玄関にいるチヅル
チヅルは花色荘の玄関の扉を開けている
花色荘の玄関の扉の前にはアキラが立っている
チヅル「(花色荘の玄関の扉を開けたまま)か、カナメは宿題中で・・・
アキラ「ぶ、無事なんですか?」
チヅル「(花色荘の玄関の扉を開けたまま)そ、そりゃもう元気でやってますよ」
アキラ「か、カナメに会わせてください」
チヅル「(花色荘の玄関の扉を開けたまま)えーっと、い、今忙しそうだから今度会いに行かせますね」
チヅルは花色荘の玄関の扉を閉めようとする
アキラ「て、テレビに映った息子は手足を無くしていた!!都内の病院を探し回ったがどこにもカナメはいない!!だ、だからもしこの寮にいるなら一目で良いからカナメと会わせてください!!か、彼が無事なのかどうか確かめたいんです!!」
チヅル「(花色荘の玄関の扉を閉めようとしながら小声でボソッと)テレビはANDREI製に買い替えた方が良いかも・・・」
チヅルは花色荘の玄関の扉を閉じる
少しの沈黙が流れる
チヅル「幸せな奴・・・」
チヅルは花色荘のリビングに行く
花色荘のリビングにはソウヤがいる
花色荘のリビングにはテーブル、椅子、ソファ、テレビ、ゲームがある
ソウヤ「ち、チヅル、お願いだから僕の話を聞いてくれ」
チヅルはソウヤの話を無視して自分の部屋に向かう
自分の部屋の中に入って行くチヅル
ソウヤは一人リビングに取り残される
時間経過
夜になっている
花色荘のリビングにいるトワネ、シィア、トキコ
ソウヤはリビングからいなくなっている
テーブルに向かって椅子に座っているトワネ、シィア、トキコ
トワネの前には手付かずコンビニの弁当が置いてある
コンビニの弁当を食べているトキコ
話をしているトワネたち
シィア「(淡々と)八人目のオソレの破壊から今日で一週間、カナメはまだ全快ではなく、ソウヤとチヅル、ヒヨリとマナカはほとんど部屋から出て来ない。このままだと次の作戦に影響が出るのでは」
トキコはコンビニの弁当を一口食べる
トキコ「(コンビニの弁当を一口食べて)影響が出てようが部屋に引きこもってようがオソレとは戦ってもらうわ。そのために契約者たちはいるのよ」
トワネ「どこにオソレが紛れ込んでるのか分からないのに冷静だな」
トキコ「焦ったってしょうがないでしょ」
トワネ「人型が続くようであれば疑心によるパニックが起こるぞ」
シィア「それを避けるためにも、まずはANDREIの人間が冷静さを保つべきでしょう」
少しの沈黙が流れる
トキコ「トワネ、あんたカナメの面会に行っていないそうね」
トワネ「ああ」
トキコ「パートナーとは常に側にいた方が良いわよ」
トキコはコンビニの弁当を一口食べる
トワネ「私はまだ・・・まだあいつのところに行くつもりはない」
◯14花色荘ヒヨリとマナカの部屋(夜)
花色荘の自室にいるヒヨリとマナカ
花色荘のヒヨリとマナカの部屋には勉強机、椅子、ベッドがある
ヒヨリとマナカの部屋の勉強机の上にはパソコンが置いてある
マナカはカラスがデザインされた鉄仮面を付けている
ヒヨリとマナカは同じベッドの上で横になっている
ヒヨリとマナカが横になっているベッドの中心には眼帯を付けている紫色の大きな熊のぬいぐるみがある
泣いているヒヨリ
泣きながらマナカと話をしているヒヨリ
ヒヨリ「(泣きながら)カナメは私と話しくないって・・・」
マナカ「なんてお可哀想なヒヨリ様・・・」
ヒヨリ「(泣きながら)わ、私は偉大な行いをしたよね・・・?ただ・・・カナメの命を救って・・・世界を守っただけだよね・・・?」
マナカ「ヒヨリ様は偉大な行いをして、カナメさんの命を救って、世界を守っただけですわ」
ヒヨリ「(泣きながら)な、何も間違えてないよね・・・」
マナカ「間違いなんてどこにもありませんわヒヨリ様」
ヒヨリ「(泣きながら)そ、そうだよね・・・カナメみたいな奴が私を拒むわけないよね・・・?」
マナカ「(泣きながら)カナメさんのような方がヒヨリ様を拒むなんてことはあり得ませんわ。何故ならヒヨリ様は・・・」
マナカはヒヨリの涙を拭う
ヒヨリ「(マナカに涙を拭われながら)何故なら私は・・・」
マナカ「(ヒヨリの涙を拭いながら)最強の女王ですもの」
ヒヨリ「(マナカに涙を拭われながら)最強の女王だからだ」
マナカに涙を拭われながらヒヨリが言った”最強の女王だからだ”と、ヒヨリの涙を拭っているマナカが言った”最強の女王ですもの”が完全に重なる
少しの沈黙が流れる
ヒヨリの涙を拭うのをやめるマナカ
ヒヨリは体を起こす
ヒヨリ「(体を起こして)正義の時間が来た・・・」
マナカ「まさにヒヨリ様のための時間ですわ」
ヒヨリは同じベッドの上で横になっているマナカの胸元に手を当てる
ヒヨリが同じベッドの上で横になっているマナカの胸元に手を当てた瞬間、マナカの体が小さなブラックホールのようなものに変わる
同じベッドの上で横になっているマナカの胸元に当てていたはずのヒヨリの手には、小さなブラックホールが握られている
ヒヨリが持っている小さなブラックホールはカラスがデザインされたマナカの鉄仮面とナイフに変わる
ヒヨリが持っているカラスがデザインされたマナカの鉄仮面とナイフは、マナカがヒヨリと契約して”姫”になった姿の一つ
◯15花色荘リビング(夜)
花色荘のリビングにいるトワネ、シィア、トキコ
花色荘のリビングにはテーブル、椅子、ソファ、テレビ、ゲームがある
テーブルに向かって椅子に座っているトワネ、シィア、トキコ
トワネの前には手付かずコンビニの弁当が置いてある
コンビニの弁当を食べているトキコ
話をしているトワネたち
トワネ「知るか。私だってイザベルと知り合ったのはここ最近なんだ」
シィア「では特にオソレらしい異変はなかったと」
トキコはコンビニの弁当を一口食べる
トワネ「そんなこと私に聞くな」
トキコ「罪悪感から来る責任逃れね」
トワネ「何だと?」
トキコ「あんた、あのイザベルって子の責任を感じてんのよ」
トワネ「笑わせるな、あんな奴のことは初めからどうでも良かったさ」
リビングにヒヨリがやって来る
ヒヨリはカラスがデザインされたマナカの鉄仮面を持っている
ヒヨリが持っているカラスがデザインされたマナカの鉄仮面は、マナカがヒヨリと契約して”姫”になった姿の一つ
シィア「ヒヨリ、どこかに行くんですか」
ヒヨリ「(少し笑って)動物を見に行くのだ」
シィア「はあ、動物ですか」
ヒヨリ「(少し笑いながら)最近色々あっただろう?なので少し癒しが欲しくてな」
トワネ「触れ合いコーナーか?触れ合いコーナーに行くのか?」
ヒヨリ「(少し笑いながら)そんなところだ」
トワネ「なら私も連れて行けヒヨリ、うさぎさんと戯れさせろ」
トキコ「(呆れて)馬鹿ねえ、こんな時間に動物園なんかやってるわけないでしょうが」
◯16花色荘前(夜)
花色荘の玄関扉が開き、花色荘の中からヒヨリが出て来る
花色荘は3階建ての古くボロボロなアパート
ヒヨリはカラスがデザインされたマナカの鉄仮面を持っている
カラスがデザインされたマナカの鉄仮面を顔に付けようとするヒヨリ
ヒヨリがカラスがデザインされた鉄仮面を顔に付けうとすると、ガチャッという音が鳴ってカラスがデザインされた鉄仮面がヒヨリの顔に付く
ヒヨリは歩き始める
◯17ANDREI総本部病室(深夜)
ANDREI総本部の病室にいるカナメ
カナメはベッドの上で体を起こしている
ベッドの横には椅子が置いてある
ベッドの隣には棚があり、小さなテレビが置いてある
窓際には花瓶が置いてあり、花が飾られてある
カナメは右腕が無くなっている
泣いているカナメ
◯18花色荘トワネの部屋(深夜)
花色荘の自室にいるトワネ
花色荘のトワネの部屋には勉強机、椅子、ベッドがある
花色荘のトワネの部屋は学校の教材やプリント、脱ぎ捨てた制服で散らかっている
カーテンの隙間から月の光が差し込んでいる
ベッドの上で横になっているトワネ
トワネはピンクの大きな熊のぬいぐるみを抱き締めている
◯19花色荘洗面所(深夜)
花色荘の洗面所にいるソウヤとトキコ
ソウヤは上半身裸になっている
ソウヤの背中には鞭打ちで出来たたくさんのミミズ腫れと古い鞭打ちの跡がある
ソウヤの首筋にキスをしているトキコ
トキコはソウヤの首筋にキスをしながら鞭打ちで出来たたくさんのミミズ腫れを指でなぞっている
◯20花色荘チヅルの部屋(深夜)
花色荘の自室にいるチヅル
花色荘のチヅルの部屋には勉強机、椅子、ベッドがある
花色荘のチヅルの部屋の隅にはほこりを被った聖書が置いてある
チヅルの勉強机の上にはパソコンと現代文の宿題が置いてある
勉強机に向かって椅子に座っているチヅル
チヅルは現代文の宿題を解いている
現代文の宿題の紙で人差し指を切るチヅル
チヅルの人差し指から血が出て来る
人差し指から出て来た血を舐めるチヅル
チヅルは人差し指から出て来た血を舐めるのをやめる
少しの沈黙が流れる
人差し指の皮をめくるチヅル
再びチヅルの人差し指から血が出て来る
人差し指から出て来た血を舐めるチヅル
チヅルは人差し指から出て来た血を吸う
◯21花色荘シィアの部屋/コンピューター室(深夜)
花色荘の自室にいるシィア
花色荘のシィアの部屋は狭い物置部屋が改造されて作られており、ケーブルの伸びたたくさんのコンピューターが置いてある
花色荘のシィアの部屋はたくさんのコンピューターから伸びているケーブルで、床の踏み場がほとんどなくなっている
床に座ってたくさんのコンピューターをいじっているシィア
花色荘のシィアの部屋にあるたくさんのコンピューターには、第十話◯70の私立東堂高校の屋上で抵抗しているチヅルのことを抱き締めたままチヅルにキスをしているソウヤの写真が映し出されている
◯22河川敷/ゴミ捨て場(深夜)
河川敷のゴミ捨て場に一人いる初老の浮浪者
河川敷のゴミ捨て場には紙、プラスチック、電化製品、食器、空き缶、衣服、壊れた家具、同じく壊れた電化製品などの大量のゴミが捨てられてある
月の光が川に反射してキラキラと光っている
初老の浮浪者は河川敷のゴミ捨て場を漁っている
河川敷のゴミ捨て場を漁っている初老の浮浪者の近くには汚い麻袋が置いてある
ゴミ捨て場の中の壊れたタブレットを手に取る初老の浮浪者
初老の浮浪者は壊れたタブレットを見る
少しすると壊れたタブレットを見るのをやめる初老の浮浪者
初老の浮浪者は壊れたタブレットを麻袋の中に入れようとする
突然、壊れたタブレットを麻袋の中に入れようとしていた初老の浮浪者の後ろに財布が落ちて来る
壊れたタブレットを麻袋の中に入れようとするのをやめる初老の浮浪者
初老の浮浪者は後ろを向く
初老の浮浪者から少し離れたところにはヒヨリが立っている
ヒヨリはカラスがデザインされたマナカの鉄仮面を付けている
ナイフを持っているヒヨリ
ヒヨリが付けているカラスがデザインされたマナカの鉄仮面と、持っているナイフはマナカがヒヨリと契約して姫になった”姿”の一つ
ヒヨリが持っているナイフは月に反射して光っている
初老の浮浪者はヒヨリのことを気にせず落ちていた財布を拾う
初老の浮浪者は財布の中を確認する
財布の中には一万円札の束が入っている
初老の浮浪者は財布の中を確認するのをやめる
慌てて一万円札の束が入っている財布と壊れたタブレットを麻袋の中に入れる初老の浮浪者
初老の浮浪者は麻袋を持って急いで河川敷のゴミ捨て場から立ち去ろうとする
急いで河川敷のゴミ捨て場から立ち去ろうとしていた初老の浮浪者の肩を誰かが掴む
初老の浮浪者は自分の肩を掴んで来ている人物のことを見る
初老の浮浪者の肩を掴んでいるのはヒヨリ
ヒヨリは初老の浮浪者から少し離れた場所にいたはずなのに、いつの間にか初老の浮浪者の横に立っている
ヒヨリ「(初老の浮浪者の肩を掴んだまま)その財布は私の物だ」
初老の浮浪者「(ヒヨリに肩を掴まれたまま)ち、ちげえよ、先に俺が見つけたんだよ」
ヒヨリ「(初老の浮浪者の肩を掴んだまま)そうか・・・」
ヒヨリは初老の浮浪者の肩を離す
ヒヨリ「(初老の肩を離して)盗んだ、わけだな・・・」
初老の浮浪者「な、何だよ、ほ、欲しいなら自分で探せば良いじゃねえか」
少しの沈黙が流れる
ヒヨリはナイフで素早く初老の浮浪者の頬を斬りつける
ナイフで素早く初老の浮浪者の頬を斬り続けておでこ、腕、手、ふくらはぎ、太ももを斬りつけるヒヨリ
ヒヨリのナイフの動きは早過ぎて初老の浮浪者には見ることが出来ない
河川敷に初老の浮浪者の男の血が飛び散る
時間経過
日替わり
朝になっている
快晴
蝉が鳴いている
河川敷のゴミ捨て場に初老の浮浪者の右手、右腕、左手、左腕、右足、左足、両手足が切断された胴体、生首が捨てられてある
河川敷のゴミ捨て場にいたヒヨリはいなくなっている
河川敷のゴミ捨て場に捨てられている初老の浮浪者の右手、右腕、左手、左腕、右足、左足、両手足が切断された胴体、生首は大量の斬り傷がある
河川敷のゴミ捨て場に捨てられている初老の浮浪者の右手、右腕、左手、左腕、右足、左足、両手足が切断された胴体、生首は大量のアリ、ゴキブリ、ムカデ、ウジ虫が湧いており、周囲にはハエが飛び交っている
◯23通学路(朝)
蝉が鳴いている
私立東堂高校に向かっているチヅルとヒヨリ
チヅルとヒヨリは私立東堂高校の制服を着ている
話をしているチヅルとヒヨリ
ヒヨリ「(少し笑って)通学路を仲間と共に出来るのは良いものだな」
少しの沈黙が流れる
チヅル「ヒヨリ先輩は・・・全然気にしてないんすね」
ヒヨリ「カナメのことはもちろん心配だ、しかしあまり気にかけていても逆に本人が疲れてしまうと思ってな。やはり療養してもらうためにもしばらくはそっとするのが一番だろう」
チヅル「じゃなくて・・・イザベル・・・八人目のオソレのことですよ」
ヒヨリ「オソレがどうかしたのか?」
チヅル「あ、あたし・・・イザベルに矢を向けられなかったんです。(少し間を開けて)多分あの時・・・あたしがイザベルと戦っていたら殺されてました」
ヒヨリ「そうか・・・しかし私がいれば大丈夫だチヅル。今にお前が戦う必要もなくなり、この私が新しい世界の幕開ける瞬間を目にすることになるだろう」
チヅルはヒヨリのことを見る
ヒヨリの周りには数匹のハエが飛んでいる
◯24私立東堂高校一年C組の教室(朝)
外は蝉が鳴いている
朝のHRの前の時間
私立東堂高校一年C組の教室にいるトワネとソウヤ
チヅルはまだ教室に来ていない
私立東堂高校一年C組の教室にはトワネたちの他にもたくさんの生徒がいる
トワネの席は窓際にある
自分の席に座っているトワネとソウヤ
トワネは自分の席から退屈そうに外を眺めている
聖書を読んでいるソウヤ
私立東堂高校一年C組の教室にいる生徒たちは聖書を読んでいるソウヤのことを見ながら小声で話をしている
私立東堂高校一年C組の女子生徒1「(聖書を読んでいるソウヤのことを見ながら小声で)見た・・・?例の写真・・・」
私立東堂高校一年C組の女子生徒2「(聖書を読んでいるソウヤのことを見ながら小声で)見たに決まってんじゃん・・・つかマジやばいよねあれ・・・」
私立東堂高校一年C組の男子生徒1「(聖書を読んでいるソウヤのことを見ながら小声で)屋上でさ・・・」
私立東堂高校一年C組の男子生徒2「(聖書を読んでいるソウヤのことを見ながら小声で)ガチ・・・?浅木のことを襲ったってことかよ・・・?」
私立東堂高校一年C組の女子生徒3「(聖書を読んでいるソウヤのことを見ながら小声で)顔は良いけど・・・結構怖いよね・・・」
私立東堂高校一年C組の女子生徒4「(聖書を読んでいるソウヤのことを見ながら小声で)てか時々変だし・・・あの人・・・」
私立東堂高校一年C組の男子生徒3「(聖書を読んでいるソウヤのことを見ながら小声で)他にも流出したやつがあったら見てえな・・・」
私立東堂高校一年C組の男子生徒4「(聖書を読んでいるソウヤのことを見ながら小声で)誰か浅木のホログラムを持ってるのはいないのかよ・・・?」
私立東堂高校一年C組の教室の中にチヅルが入って来る
自分の席に座るチヅル
チヅルは机の横にカバンを置く
変わらず自分の席で聖書を読んでいるソウヤ
トワネは変わらず自分の席から退屈そうに外を眺めている
チヅルはカバンの中から漫画を取り出す
漫画を読み始めるチヅル
私立東堂高校一年C組の教室にいる生徒たちは漫画を読んでいるチヅルのことを見る
私立東堂高校一年C組の女子生徒5「(漫画を読んでいるチヅルのことを見て小声で)結局本命はあいつなわけ・・・?」
私立東堂高校一年C組の女子生徒6「(漫画を読んでいるチヅルのことを見ながら小声で)私たちに見せつけてるんだって・・・変態なんだよ・・・」
私立東堂高校一年C組の男子生徒5「(漫画を読んでいるチヅルのことを見ながら小声で)もうやったと思うか・・・?」
私立東堂高校一年C組の男子生徒6「(漫画を読んでいるチヅルのことを見ながら小声で)間違いねえよ・・・ああいう真面目ぶってる女に限って男を食いまくってるんだぜ・・・?」
私立東堂高校一年C組の女子生徒7「(漫画を読んでいるチヅルのことを見ながら小声で)屋上でするとか有り得ないよね・・・ホテルに行けっつうの・・・」
私立東堂高校一年C組の女子生徒8「(漫画を読んでいるチヅルのことを見ながら小声で)オソレと戦わずにやってるとか・・・うちらあいつらのせいで死ぬのかよ・・・」
チヅルは漫画を読みながら涙を流す
チヅルが読んでいる漫画にチヅルの涙がポタポタと垂れる
チラッと自分の席から退屈そうに外を眺めながら涙を流し漫画を読んでいるチヅルのことを見るトワネ
チヅルは漫画を読みながら涙を拭う
漫画を読み続けるチヅル
◯25ANDREI総本部通路(夕方)
ANDREI総本部の通路にいるソウヤとチヅル
ソウヤは黒の”ミラースーツ”を、チヅルは白の”ミラースーツ”を着ている
チヅルは早足で歩いている
チヅルのことを追いかけているソウヤ
ソウヤ「(チヅルのことを追いかけながら)チヅル」
チヅル「(早足で歩きながら)死ね」
ソウヤは早足で歩いているチヅルの手を掴む
チヅルの手を掴んで立ち止まるソウヤ
チヅルはソウヤに手を掴まれたまま立ち止まる
チヅル「(ソウヤに手を掴まれたまま立ち止まって)ソウヤ。(少し間を開けて)あんたはゴミクズの中のゴミクズだよね」
ソウヤ「(チヅルの手を掴んだまま)き、禁欲出来ないんだ。く、薬も効かない、助けてくれチヅル」
チヅル「(ソウヤに手を掴まれたまま)熱狂的な信者なんだからあたしじゃなくて神に祈りになよ」
ソウヤ「(チヅルの手を掴んだまま)ど、どれだけ祈ってもアフターミラーは止まらない、契約者たちの中で一番やばいのは僕だ、も、もういつ切られるか分からない状況なんだ」
チヅル「(ソウヤに手を掴まれたまま)あんたにどんな事情があってもあたしを襲って良い理由にはならないんだよ!!馬鹿じゃねえの!?好きな奴を襲ってその写真を流すとかどうかしてるよ!!あんた宗教と性欲の間に挟まれておかしくなってんじゃん!!」
少しの沈黙が流れる
ソウヤはゆっくりチヅルの手を離す
ソウヤ「(ゆっくりチヅルの手を離して)その通りだ・・・僕は変になってる・・・アフターミラー・・・第六の力の後遺症のせいで・・・」
チヅル「(馬鹿にしたように笑って)第六の力の後遺症?何それ?あんただけが発症してるならそんなの存在してないも同然だろ」
シィア「(淡々と)いえ、一度第六の力を使用した時点で体内にはアフターミラーが潜伏すると確認済みです」
ソウヤとチヅルの前にはシィアが立っている
ソウヤ「シィアちゃん・・・」
シィア「(淡々と)二人の痴話喧嘩の中にトキコ博士やANDREIのスタッフに聞かれてはよろしくない単語が発せられていたので、思わず飛び入り参加しちゃいました」
チヅル「今は人間同士で話をしてんの、機械は邪魔しないで」
再び沈黙が流れる
シィア「好きな女を襲う前に、好きな女にアフターミラーの危険性について教えるべきなのでは」
シィアは歩き始める
シィア「(淡々と)ついて来てください」
少しの沈黙が流れる
シィア「二人とも早く。ドクターシィアちゃんの保健体育の授業が始まるんだから」
◯26ANDREI総本部病室(夕方)
夕日が沈みかけている
ANDREI総本部の病室にいるカナメ
カナメはベッドの上で体を起こしている
ベッドの横には椅子が置いてある
ベッドの隣には棚があり、小さなテレビが置いてある
窓際には花瓶が置いてあり、花が飾られてある
カナメは右腕が無くなっている
ANDREI総本部の病室の扉に背を向けているカナメ
少しすると誰かがANDREI総本部の病室の扉を数回ノックする
ANDREI総本部の病室の扉が開き、誰かが病室の中に入ってくる
ベッドの横の椅子に座る誰か
少しの沈黙が流れる
カナメ「ヒヨリさんとは話したくない」
タエ「惜しいわね、ここにいるのはあなたのお婆ちゃんですよ」
カナメはANDREI総本部の病室の扉に背を向けるのをやめてベッドの横の椅子を見る
ベッドの横の椅子にはタエが座っている
タエ「ごめんなさいね。(少し間を開けて)今まで起きたことも、これから先に起きることも、全部私のせいよ」
再び沈黙が流れる
カナメはタエのことを見るのをやめる
タエ「責めても良いんですよ」
カナメ「責めたって・・・どうせ意味がないじゃないか」
タエ「(少し笑って)ええ。まさに無意味だわ。でもカナメの気が済むのなら、私は喜んでカナメの怒りの矛先になるでしょう」
少しの沈黙が流れる
カナメ「やり方がずるいんだよ、こんな時だけやって来て保護者ぶるなんて」
タエ「私は賢いのよ」
再び沈黙が流れる
タエ「病室は息が詰まるでしょう?少し本部の中を回らない?」
タエは立ち上がる
タエ「(立ち上がって)オソレについても説明してあげるわ」
◯27ANDREI総本部培養室(夕方)
ANDREI総本部の培養室にいるソウヤ、チヅル、シィア
ソウヤは黒の”ミラースーツ”を、チヅルは白の”ミラースーツ”を着ている
ANDREI総本部の培養室は広く、たくさんの培養カプセルがある
ANDREI総本部の培養室にあるたくさんの培養カプセルの中には液体が入っている
ANDREI総本部の培養室の中は電気がついておらず薄暗くなっている
ANDREI総本部の培養室にあるたくさんの培養カプセルの中には液体の他にも何かが入っているが、電気がついてないせいでよく見えない
チヅルとソウヤは周囲を見ている
話をしているソウヤたち
チヅル「(周囲を見ながら)ここ・・・何・・・?」
シィア「培養室です」
ソウヤ「(周囲を見ながら)培養ということは・・・前にシィアちゃんが話してくれた・・・」
シィア「はい」
シィアはANDREI総本部の培養室の電気をつける
シィア「(ANDREI総本部の培養室の電気をつけて)複製を作るための部屋です」
シィアがANDREI総本部の培養室の電気をつけると、たくさんの培養カプセルの中に入っているものが見えるようになる
ANDREI総本部の培養室にあるたくさんの培養カプセルの中には片腕のみの奇形児、片足のみの奇形児、一つ目だけの奇形児、上半身のみの奇形児、口が裂けている奇形児、鼻のない奇形児、結合双生児、瞳が猫のような青い瞳になっていたり、手足が合わせて六本ある蜘蛛のような体になっていたり、顔面の半分が猿になっている異形児が入っている
ソウヤとチヅルはたくさんの培養カプセルの中に入っている奇形児や異形児を見ている
チヅル「(たくさんの培養カプセルの中に入っている奇形児や異形児を見たまま)な、何・・・これ・・・」
シィア「(淡々と)アフターミラーの保険と言ったところでしょう。ANDREIは契約者たちとオソレの血液を掛け合わせて、後遺症の出ない新しい契約者を作ろうとしているんですね」
チヅルはたくさんの培養カプセルの中に入っている奇形児や異形児を見るのをやめる
チヅル「(たくさんの培養カプセルの中に入っている奇形児や異形児を見るのをやめて)あ、新しい契約者って・・・お前ふざけんなよ・・・あ、アンドロイドの分際で調子に乗って・・・人の命を弄びやがって・・・」
ソウヤはたくさんの培養カプセルの中に入っている奇形児や異形児を見るのをやめる
ソウヤ「(たくさんの培養カプセルの中に入っている奇形児や異形児を見るのをやめて)チヅル・・・」
チヅル「(怒鳴り声で)人間は機械と違って生きてんだよ!!!!生命なんだよ!!!!心があるし魂だって宿ってんだよ!!!!」
シィア「(淡々と)羨ましい」
チヅル「は・・・?羨ましいだって・・・?」
シィア「私には、この部屋に存在している複製たちが人間の倫理観として許されないことは理解出来ても、人間に共感は出来ないから」
チヅル「お前・・・次舐めたことを言ったらぶっ壊すから・・・」
少しの沈黙が流れる
シィア「(淡々と)この部屋でクローンの開発を行っているのはリュウマ陸佐です。トキコ博士は関わっていません。おそらく博士は、この部屋の存在そのもを知らないのでしょう。私も数日前まで知りませんでしたから。あ、でも別にアンドロイドのことなんか信じなくても良いんだからね?」
再び沈黙が流れる
シィア「(淡々と)ツンデレジョークが不発したのでストレートに説明しますが、アフターミラーとは、第六の力を使用後に起こるある種のバグのようなものです。症状の重軽度は様々ですが、自制心が弱まり、動物的本能や自身の欲求に従順になるとされます。ソウヤたちはオソレとの戦闘時に大量のアドレナリンやらドーパミンを放出しているわけですが、アフターミラーによってそれらの神経伝達物質の制御に必要なセロトニンが壊され、結果知らず知らずのうちに日常生活へ興奮が浸透します。それは例えるならヘルペスのようなもので、完治はせず、一度発症と永久に体内に残り続けることになるのです」
◯28ANDREI総本部エレベーター(夕方)
ANDREI総本部のエレベーターに乗っているカナメとタエ
ANDREI総本部のエレベーターの中は広い
ANDREI総本部のエレベーターにはカナメとタエ以外に誰も乗っていない
カナメとタエが乗っているANDREI総本部のエレベーターは下降している
カナメは右腕が無くなっている
話をしているカナメとタエ
タエ「これまでに破壊した八人のオソレはいずれも知性があることが確認されているけれど、正しくは、彼らが私たちの知能に合わせてくれていると表現した方が良いかもしれないわね。その証拠に、オソレたちは少しずつ人間らしくなっているでしょう?」
少しの沈黙が流れる
カナメ「ルシファリアって誰?」
タエ「よくその名を知っているわね、どこかで聞いたの?」
カナメ「イザベルが言ってたんだ」
タエ「(少し笑って)彼女はお喋りだったのね」
再び沈黙が流れる
タエ「カナメがお友達を亡くしてしまったのは残念だわ」
カナメ「お婆ちゃんがイザベルを殺すように・・・ヒヨリさんに命令したんだ」
タエ「ええ。でも私はそのことで許しが欲しいわけじゃないのよ」
カナメは俯く
カナメ「(俯いて)僕だって・・・許す気なんてない・・・」
タエ「辛いでしょう?許さないのは」
少しの沈黙が流れる
カナメとタエが乗っているANDREI総本部のエレベーターが止まる
カナメとタエが乗っているANDREI総本部のエレベーターの扉が開く
カナメとタエが乗っているANDREI総本部のエレベーターの外は地下最下層になっている
ANDREI総本部の地下最下層には巨大な枯れかけた木がある
ANDREI総本部の地下最下層の巨大な枯れかけた木の幹には洞穴がある
ANDREI総本部の地下最下層の巨大な枯れかけた木の幹にある洞穴の中は薄暗く、何も見えない
タエ「ご覧なさい、カナメ」
カナメは顔を上げる
ANDREI総本部の地下最下層の巨大な枯れかけた木を見るカナメ
ANDREI総本部のエレベーターから降りて地下最下層に行くタエ
タエ「(ANDREI総本部のエレベーターから降りて)あれが一人目のオソレ、イザベル・カーフェンがルシファリアと呼び、我々人間がラヴと呼んでいる樹木です」
◯29ANDREI総本部培養室(夕方)
ANDREI総本部の培養室にいるソウヤ、チヅル、シィア
ソウヤは黒の”ミラースーツ”を、チヅルは白の”ミラースーツ”を着ている
ANDREI総本部の培養室は広く、たくさんの培養カプセルがある
ANDREI総本部の培養室にあるたくさんの培養カプセルの中には液体と、片腕のみの奇形児、片足のみの奇形児、一つ目だけの奇形児、上半身のみの奇形児、口が裂けている奇形児、鼻のない奇形児、結合双生児、瞳が猫のような青い瞳になっていたり、手足が合わせて六本ある蜘蛛のような体になっていたり、顔面の半分が猿になっている異形児が入っている
話をしているソウヤたち
チヅル「そ、そんなもんがあたしたちの体の中にあるわけないじゃん。だ、だって他の連中は症状が出てないんだよ」
シィア「それはただ気付いていないだけ」
ソウヤ「ヒヨリ先輩がカナメに迫るのは?偏食家のトワネがカルボナーラばかりを過食するのは?」
チヅル「そ、そんなの気まぐれでしょ」
少しの沈黙が流れる
シィア「ソウヤに襲われた時、チヅルはソウヤの舌を噛みましたよね。でもどうして、その血を舐めたの?」
再び沈黙が流れる
シィアはポケットからたくさんのカプセル剤の入っている薬瓶を取り出す
たくさんのカプセル剤の入っている薬瓶をチヅルに差し出すシィア
シィア「(たくさんのカプセル剤の入っている薬瓶をチヅルに差し出して)服用方法はソウヤに・・・」
チヅルは話途中のシィアが差し出して来たたくさんのカプセル剤の入っている薬瓶を払い落とす
チヅル「(シィアが差し出して来たたくさんのカプセル剤の入っている薬瓶を払い落としてシィアの話を遮って)き、キモいんだよお前ら!!」
チヅルがシィアからは払い落としたたくさんのカプセル剤の入っている薬瓶は床で割れ、周囲にカプセル剤が散らばる
少しの沈黙が流れる
シィア「アホ、貴重な物なのに」
チヅル「そ、そんなもんあたしはいらない。そ、ソウヤは自分に負けたんだよ、アフターミラーとか訳の分かんないことを言ってるけど、結局は自分に負けたんだ」
再び沈黙が流れる
シィア「契約者たちの中でアフターミラーについて知っているのはソウヤとチヅルだけ。トキコ博士は花色荘に暮らしながらオソレとの戦いを経て、人間にどのような影響を出るのかを研究しています」
チヅル「あのクソ女・・・」
シィア「(淡々と)あなたたちは今、小さな生態系のピラミッドにいる。ピラミッドの一番上がオソレ、次に司令、その下にトキコ博士やリュウマ陸佐、ANDREIのスタッフ、そのまた下には一般市民、土台にいるのが第六の力の契約者たちです。何でもそうですが、土台が脆ければ補強が行われるか、捕食されますよね」
チヅル「ち、違うね。あたしが死ぬ時はピラミッドの上にいる奴らも道連れにしてやる。つ、つかお前ら、人におんぶしてもらってるくせに死ぬ覚悟が足りてなさ過ぎるんだよ」
少しの沈黙が流れる
シィア「(淡々と)予言によるとオソレの数は十四人、残り六人です」
◯29ANDREI総本部地下最下層(夕方)
ANDREI総本部の地下最下層にいるカナメとタエ
ANDREI総本部の地下最下層には巨大な枯れかけた木がある
ANDREI総本部の地下最下層の巨大な枯れかけた木の幹には洞穴がある
ANDREI総本部の地下最下層の巨大な枯れかけた木の幹にある洞穴の中は薄暗く、何も見えない
カナメは右腕が無くなっている
ANDREI総本部の地下最下層の巨大な枯れかけた木を見ているカナメ
カナメ「(ANDREI総本部の地下最下層の巨大な枯れかけた木を見たまま)あれが・・・ルシファリア・・・?」
タエ「そうよ」
少しの沈黙は流れる
◯30第十話◯75の回想/イザベルとアマネの家前(夕方)
夕日が沈みかけている
イザベルとアマネの家の前にいるトワネ、イザベル、アマネ
イザベルとアマネの家は古いレンガ造りになっている
イザベルとアマネの家の周囲は数千キロ先まで小麦畑が広がっている
イザベルとアマネの家の周囲数千キロ先まで広がっている小麦畑は収穫されている箇所があり、そこだけ小麦が生えていない
イザベルとアマネの家の周囲数千キロ先まで広がっている小麦畑の横には一本道がある
トワネとイザベルは剣で訓練を行っている
トワネとイザベルの訓練を見ているアマネ
トワネに向かって思いっきり剣を振り下ろしているイザベル
トワネは剣でイザベルが思いっきり振り下ろして来た剣を受け止めている
アマネ「(トワネとイザベルの訓練を見ながら)いずれイザベルはルシファリアよりも強くなるぜ?」
◯31第九話◯18の回想/新宿駅周辺/新宿駅南口に向かっている道中(夕方)
夕日が沈みかけている
新宿駅南口にいるカナメ、ヒヨリ、イザベル
新宿駅周辺には学生、カップル、家族連れ、観光客、サラリーマン、OLなどたくさんの人がいる
カナメとヒヨリは大きなビニール袋を持っている
イザベルはタブレットを持っている
イザベルが持っているタブレットにはトワネの画像が表示されている
イザベルはトワネの画像が表示されているタブレットをカナメに見せている
イザベル「(トワネの画像が表示されているタブレットをカナメに見せたまま)自分の使命は・・・墜落者・・・ルシファリアの破壊です」
◯32回想戻り/ANDREI総本部地下最下層(夕方)
ANDREI総本部の地下最下層にいるカナメとタエ
ANDREI総本部の地下最下層には巨大な枯れかけた木がある
ANDREI総本部の地下最下層の巨大な枯れかけた木の幹には洞穴がある
ANDREI総本部の地下最下層の巨大な枯れかけた木の幹にある洞穴の中は薄暗く、何も見えない
カナメは「右腕が無くなっている
ANDREI総本部の地下最下層の巨大な枯れかけた木を見ているカナメ
カナメはANDREI総本部の地下最下層の巨大な枯れかけた木を見るのをやめる
カナメ「(ANDREI総本部の地下最下層の巨大な枯れかけた木を見るのをやめて)トワネは・・・ルシファリアじゃないの?」
タエ「(少し笑って)相園さん?もちろん違うわよ」
少しの沈黙が流れる
カナメ「近くで見て良い?」
タエ「残念ながらそれは叶わないわ。ラヴからは強い放射線物質が出ているの」
カナメ「えっ・・・?」
タエ「樹木をシールドで覆っているから、この距離にいれば大丈夫よ」
カナメ「あの洞穴の中には何があるの?」
タエ「今は何も。でも昔は相園さんがいたわ。(少し間を開けて)あなたが考えている通り、彼女は特別です。若葉くん、浅木さん、真弓さんの第六の力は全て相園さんから継承されたものだわ」
再び沈黙が流れる
タエ「(少し笑って)彼女こそ・・・」
◯33ANDREI総本部第一ロイヤル待機室(夕方)
ANDREI総本部の第一ロイヤル待機室に一人いるトワネ
ANDREI総本部の第一ロイヤル待機室には椅子とロッカーがある
椅子に座っているトワネ
トワネは膝の上にピンクのの大きな熊のぬいぐるみを乗せている
タエ「(声)本物の第六の力の女王よ」
◯34ANDREI総本部培養室(夕方)
ANDREI総本部の培養室にいるソウヤ、チヅル、シィア
ソウヤは黒の”ミラースーツ”を、チヅルは白の”ミラースーツ”を着ている
ANDREI総本部の培養室は広く、たくさんの培養カプセルがある
ANDREI総本部の培養室にあるたくさんの培養カプセルの中には液体と、片腕のみの奇形児、片足のみの奇形児、一つ目だけの奇形児、上半身のみの奇形児、口が裂けている奇形児、鼻のない奇形児、結合双生児、瞳が猫のような青い瞳になっていたり、手足が合わせて六本ある蜘蛛のような体になっていたり、顔面の半分が猿になっている異形児が入っている
ANDREI総本部の培養室の床には割れた薬瓶があり、たくさんのカプセル剤が散らばっている
話をしているソウヤたち
シィア「オソレとの戦いはまだ折り返しに入ったばかりです。この先はイザベルよりも強力なオソレが訪れるでしょう。(少し間を開けて)フィジカルだけではなく、メンタル面も安定してもらわないと、ANDREIから捨てられるわ」
チヅル「あ、アンドロイドと一緒にすんな・・・あたしは利用されたって絶対に生き残ってやる」
ソウヤはチラッとチヅルのことを見る
◯35ANDREI総本部地下最下層(夕方)
ANDREI総本部の地下最下層にいるカナメとタエ
ANDREI総本部の地下最下層には巨大な枯れかけた木がある
ANDREI総本部の地下最下層の巨大な枯れかけた木の幹には洞穴がある
ANDREI総本部の地下最下層の巨大な枯れかけた木の幹にある洞穴の中は薄暗く、何も見えない
カナメは右腕が無くなっている
話をしているカナメとタエ
タエ「ラヴを殺した時、相園さんは女王を継承したの。そして若葉くんや浅木さん、真弓さんは彼女から第六の力を継承したわ」
カナメ「でも、それじゃおかしいよ」
タエ「おかしいって?」
カナメ「だって・・・僕がオソレと戦う前は・・・オソレなんて存在は聞いたことがなかった。テレビでもやってなかったんだ」
タエ「(少し笑って)それはそうでしょうね、彼女がラヴを破壊したのは今から6000年以上前の出来事だもの」
カナメ「ろ、6000年って・・・」
タエ「(少し笑いながら)知らなかったの?」
少しの沈黙が流れる
タエ「二人目のオソレ、リヴァをカナメと相園さんが破壊したわよね?」
カナメ「うん」
タエ「彼女はあの日からちょうど10年前に、ラヴの洞穴の中の胞子で目を覚ましたの」
カナメ「胞子?」
タエ「コールドスリープのようなものでしょう。(少し間を開けて)長い冬眠から覚醒して、相園さんは無意識下でいくつかの予言を残したわ」
◯36ANDREI総本部上空(夕方)
夕日が沈みかけている
突然、ANDREI総本部の上空に小さな穴が開く
ANDREI総本部の上空に開いた小さな穴は真っ黒な異界に繋がっている
タエ「(声)10年後、残り十三人のオソレが地球にやって来る」
ANDREI総本部の上空に開いた小さな穴から、真っ白な翼を背中から生やし槍を持ったアマネが現れる
タエ「(声)彼らの目的は破壊されたラヴを蘇らせ、人類史を終わらせることだと」
◯37ANDREI総本部地下最下層(夕方)
ANDREI総本部の地下最下層にいるカナメとタエ
ANDREI総本部の地下最下層には巨大な枯れかけた木がある
ANDREI総本部の地下最下層の巨大な枯れかけた木の幹には洞穴がある
ANDREI総本部の地下最下層の巨大な枯れかけた木の幹にある洞穴の中は薄暗く、何も見えない
カナメは右腕が無くなっている
話をしているカナメとタエ
カナメ「それだとイザベルの言ってたことと矛盾し・・・」
突然、ANDREI総本部の地下最下層内で警報が鳴り響く
ANDREIの職員1「(声)本部上空よりイングマールの梯子を確認!!職員は直ちに持ち場へ急行してください!!本部上空よりイングマールの梯子を確認!!職員は直ちに持ち場へ急行してください!!」
ANDREI総本部の地下最下層内では警報と共にANDREIの職員1のアナウンスが繰り返される
タエ「早かったな・・・」
カナメはチラッとタエのことを見る
タエの腕時計から着信がなる
腕時計のボタンを押すタエ
タエが腕時計のボタンを押すと着信が止まり、小さなホログラムが投影されて、腕時計からANDREI総本部の中央司令室にいるリュウマの姿が映し出される
リュウマ「司令」
タエ「九人目ね」
リュウマ「ええ。形状は人型、先日のデモニオによく似ていて、背中の大っきな羽で本部に下降中です」
タエの腕時計から投影されていた小さなリュウマのホログラムが、ANDREI総本部の上空で真っ白な翼を羽ばたかせながらゆっくり下降しているアマネの姿に変わる
タエの腕時計から投影されている小さなホログラム姿のアマネは槍を持っている
カナメはタエの腕時計から投影されているANDREI総本部の上空で真っ白な翼を羽ばたかせながらゆっくり下降しているアマネの姿を見ている
カナメ「(タエの腕時計から投影されているANDREI総本部の上空で真っ白な翼を羽ばたかせゆっくり下降しているアマネの姿を見ながら)この人・・・知ってる・・・」
タエの腕時計から投影されていたアマネのホログラムが、再びANDREI総本部の中央司令室にいるリュウマの姿に変わる
タエ「未確認生物を九人目のオソレと認め、反リヴェンジと命名。九音さんたちを前に、コソコソかぎ回っているネズミたちは後方に配置しなさい。作戦目標は反リヴェンジの破壊よ」
リュウマ「了解」
タエの腕時計から投影されていた小さなホログラムが消え、リュウマとの通信が終わる
タエ「もっと孫とお喋りがしたかったけど、もう行かないと・・・カナメは病室に戻りなさい」
カナメ「彼女を・・・彼女を殺すの?」
タエ「(少し笑って)心配ないわ、カナメ。復讐の機会ならすぐに来ます」
◯38ANDREI総本部培養室(夕方)
ANDREI総本部の培養室にいるソウヤ、チヅル、シィア
ソウヤは黒の”ミラースーツ”を、チヅルは白の”ミラースーツ”を着ている
ANDREI総本部の培養室は広く、たくさんの培養カプセルがある
ANDREI総本部の培養室にあるたくさんの培養カプセルの中には液体と、片腕のみの奇形児、片足のみの奇形児、一つ目だけの奇形児、上半身のみの奇形児、口が裂けている奇形児、鼻のない奇形児、結合双生児、瞳が猫のような青い瞳になっていたり、手足が合わせて六本ある蜘蛛のような体になっていたり、顔面の半分が猿になっている異形児が入っている
ANDREI総本部の培養室の床には割れた薬瓶があり、たくさんのカプセル剤が散らばっている
ANDREI総本部の培養室内では警報が鳴り響いている
話をしているソウヤたち
チヅル「行くよソウヤ!!」
ソウヤ「良いのかい」
チヅル「良くなくたって戦うのがあたしの仕事なんだよ!!仕事をするにはあんたに第六の力で盾と矛になってもらうしかないんだ!!分かったらあたしに従え!!」
少しの沈黙が流れる
ソウヤ「仰せの通りに、チヅル陛下」
チヅル「ふ、ふざけやがって」
ソウヤ「(少し笑って)ごめん」
ソウヤとチヅルはANDREI総本部の培養室から出て行こうとする
シィア「チヅル!!」
チヅル「(ANDREI総本部の培養室から出て行こうとしながら)な、何」
シィア「チヅルの簡単には屈しないところが、姫らしくて格好良い」
チヅル「(ANDREI総本部の培養室から出て行こうとしながら)人間の女を舐めんな」
シィア「うん」
チヅルはANDREI総本部の培養室から出て行く
チヅルに続いてANDREI総本部の培養室から出て行くソウヤ
◯39ANDREI総本部第一ロイヤル待機室(夕方)
ANDREI総本部の第一ロイヤル待機室にいるトワネ、ヒヨリ、マナカ
ANDREI総本部の第一ロイヤル待機室には椅子とロッカーがある
ヒヨリは紫の”ミラースーツ”を、マナカは緑の”ミラースーツ”
マナカはカラスがデザインされた鉄仮面を付けている
椅子に座っているトワネ
トワネは膝の上にピンクの大きな熊のぬいぐるみを乗せている
話をしているヒヨリとマナカ
ヒヨリ「(少し笑って)早く片付けてイングマールの針をカナメに持って帰るとしよう」
マナカ「ええ、ついでにオソレの首を差し上げたらもっと喜ばれますわ」
ヒヨリ「(少し笑いながら)勝利を連れて帰った女王の凱旋ほどめでたいことはないからな」
トワネ「(膝の上にピンクの大きな熊のぬいぐるみを乗せたまま)お前はまだ面会拒否になってぞ」
ヒヨリ「(少し笑いながら)トワネ、心配するな、お前たちがいなくてもオソレの死は確実だ」
トワネは膝の上にピンクの大きな熊のぬいぐるみを乗せたまま少し笑っているヒヨリのことを見る
トワネ「(膝の上にピンクの大きな熊のぬいぐるみを乗せたまま)ヒヨリ・・・お前・・・」
ヒヨリ「(少し笑いながら)では行こうかマナカ、後輩のチヅルとソウヤにも殺しの素晴らしさを教えなくてはな」
少し笑っているヒヨリの髪の毛には数匹のウジ虫がついている
◯40ANDREI総本部周辺(夕方)
夕日が沈みかけている
ひぐらしが鳴いている
ANDREI総本部の周辺にいるアマネ
ANDREI総本部は巨大な高層ビルだが、建物のデザインが竜巻のように捻れ、斜めになっている
アマネの背中から真っ白な翼が生えている
腕を組み、両目を瞑っているアマネ
アマネの横には槍が地面に突き刺してある
アマネは腕を組み、両目を瞑ったまま全く動こうとしない
少しの沈黙が流れる
◯41ビル屋上(夕方)
夕日が沈みかけている
ひぐらしが鳴いている
ビルの屋上にいるチヅル
ビルの屋上には落下防止のためのフェンスがある
チヅルがいるビルの屋上はANDREI総本部から少し離れたところにある
ANDREI総本部は巨大な高層ビルだが、建物のデザインが竜巻のように捻れ、斜めになっている
チヅルは白黒の”ミラースーツ”を着ている
チヅルは羊がデザインされた鉄仮面を付けている
弓矢を持っているチヅル
チヅルが持っている弓矢はソウヤがチヅルと契約して”王子”になった姿
チヅルが持っている弓にはスコープがある
チヅルは弓のスコープを覗いている
チヅルの弓のスコープにはANDREI総本部の周辺で腕を組み、両目を瞑ったまま全く動こうとしないアマネの姿が見えている
アマネの背中から真っ白な翼が生えている
アマネの横には槍が地面に突き刺してある
チヅル「(弓のスコープを覗きながらANDREI総本部の周辺で腕を組み、両目を瞑って全く動こうとしないアマネのことを見て)何・・・?あいつ・・・何で立ち止まってんの・・・?」
少しの沈黙が流れる
チヅル「(弓のスコープを覗きながらANDREI総本部の周辺で腕を組み、両目を瞑って全く動こうとしないアマネのことを見て)あの子も・・・イザベルと同じなのかな・・・」
再び沈黙が流れる
チヅルは弓のスコープを覗き、ANDREI総本部の周辺で腕を組んで両目を瞑って全く動こうとしないアマネのことを見たままアマネを狙って矢を構える
チヅル「(弓のスコープ覗き、ANDREI総本部の周辺で腕を組んで両目を瞑って全く動こうとしないアマネのことを見たままアマネを狙って矢を構えて)ごめんだけど・・・ヒヨリ先輩たちが来る前に・・・あたしが楽にしてあげるから・・・」
アマネは腕を組んだまま片目を開ける
腕を組んだまま片目を開けて、チラッとビルの屋上で自分を狙って弓矢を構えているチヅルのことを見るアマネ
チヅルは弓のスコープを覗き、ANDREI総本部の周辺で腕を組み片目を開けて全く動こうとしないアマネのことを見たままアマネを狙って矢を射ようとする
アマネ「こっちだよ間抜け」
チヅルはANDREI総本部の周辺で腕を組み片目を開けて全く動こうとしないアマネを矢で狙ったまま反射的に弓のスコープを覗くのをやめて振り返る
チヅルの後ろにはいるはずのないアマネが立っている
アマネは槍を持っており、背中には真っ白な翼が生えている
真っ白な翼を一度羽ばたかせてバク宙をするアマネ
アマネは真っ白な翼を一度羽ばたかせてバク宙をしながらチヅルの顔面を思いっきり蹴り上げる
バク宙をしながらアマネに顔面を思いっきり蹴り上げられたチヅルはよろめく
バク宙をしながらアマネに顔面を思いっきり蹴り上げられたチヅルはよろめき、弓矢を落とす
チヅルが付けている山羊がデザインされた鉄仮面の下から大量の血が溢れる
チヅルの弓矢はよろめいているチヅルから2メートルほど離れたところに落ちている
よろめきながら山羊がデザインされた鉄仮面の上から顔を押さえるチヅル
アマネ「あいつを殺したのはお前じゃないな・・・他の奴がどこにいるのか知ってるんだろ、教えろよ」
チヅルはチラッと山羊がデザインされた鉄仮面の上から顔を押さえながら落ちている弓矢のことを見る
チヅル「(チラッと山羊がデザインされた鉄仮面の上から顔を押さえながら落ちている弓矢のことを見て)知っててもオソレなんかに教えるわけないでしょ」
少しの沈黙が流れる
山羊がデザインされた鉄仮面の上から顔を押さえるのをやめる
チヅルが付けている山羊がデザインされた鉄仮面の下からはポタポタと血が垂れ続けている
再び沈黙が流れる
チヅルは2メートルほど離れたところに落ちている弓矢を素早く拾いに行こうとする
真っ白な翼を羽ばたかせて飛んでチヅルから2メートルほど離れたところに落ちている弓矢をチヅルより先に拾うアマネ
アマネ「(真っ白な翼を羽ばたかせて飛んでチヅルから2メートルほど離れたところに落ちている弓矢をチヅルより先に拾って)足じゃ追いつけないだろうな」
少しの沈黙が流れる
アマネ「どうする?そっちは武器無しだぜ?」
再び沈黙が流れる
アマネは弓矢をチヅルに向かって投げる
アマネ「(弓矢をチヅルに向かって投げて)ほらよ」
アマネが投げた弓矢はチヅルの足元に落ちる
アマネ「拾えよ」
チヅル「な、何?わ、罠でも仕掛けたつもりなの?」
アマネ「俺はあんたの大事な人を返してやったんだよ」
少しの沈黙が流れる
アマネ「何だよ?拾わないのか?」
◯42ANDREI総本部中央司令室(夕方)
ANDREI総本部の中央司令室にいるシィア、白衣姿のトキコ、タエ、リュウマ、その他大勢のANDREIの職員たち
ANDREI総本部の中央司令室には正面に巨大なモニターがあり、ビルの屋上にいるチヅルとアマネの姿が映し出されている
チヅルとアマネがいるビルの屋上には落下防止のためのフェンスがある
チヅルは山羊がデザインされた鉄仮面を付けて白黒の”ミラースーツ”を着ている
チヅルの足元には弓矢が落ちている
チヅルの足元に落ちている弓矢は、ソウヤがチヅルと契約して”王子”になった姿
チヅルが付けている山羊がデザインされた鉄仮面の下からはポタポタと血が垂れている
アマネは背中から真っ白な翼が生えており、槍を持っている
ANDREI総本部の中央司令室にはたくさんのコンピューターと椅子があり、たくさんのANDREIの職員たちがコンピューターに向かって椅子に座っている
ANDREI総本部の中央司令室の巨大なモニターの前にはホログラムが投影されており、背中から真っ白な翼を生やしたアマネの姿が立体的に映し出されている
シィア、トキコ、リュウマは背中から真っ白な翼を生やしたアマネの姿が投影されているホログラムの前に立っている
ANDREI総本部の中央司令室にいるたくさんの職員たちは急いでコンピューターに向かって指示を出している
シィア、トキコ、タエ、リュウマは中央司令室の巨大なモニターに映し出されているチヅルとアマネのことを見ている
トキコ「(中央司令室の巨大なモニターに映し出されているチヅルとアマネのことを見ながら)挑発しているわ・・・」
リュウマ「(中央司令室の巨大なモニターに映し出されているチヅルとアマネのことを見ながら)おい!!ヒヨリちゃんたちはまだか!?」
シィアは中央司令室の巨大なモニターに映し出されているチヅルとアマネのことを見ながらこめかみに人差し指を当てる
シィア「(中央司令室の巨大なモニターに映し出されているチヅルとアマネのことを見ながらこめかみに人差し指を当てて)ヒヨリはグライダーとミラースーツの通信をオフにしています」
タエ「(中央司令室の巨大なモニターに映し出されているチヅルとアマネのことを見ながら)今は様子を見ているのでしょう」
◯43ANDREI総本部上空(夕方)
夕日が沈みかけている
ANDREI総本部の上空にいるヒヨリ
ANDREI総本部は巨大な高層ビルだが、建物のデザインが竜巻のように捻れ、斜めになっている
ヒヨリは紫と緑の”ミラースーツ”を着てエンジン付きのグライダーに乗っている
ヒヨリの紫と緑の”ミラースーツ”と乗っているグライダーはステルスモードになっており、ヒヨリの体ごと半透明にしている
ヒヨリがいるところから数百メートル下にはビルの屋上があり、チヅルとアマネの姿が見えている
チヅルとアマネがいるビルの屋上には落下防止のためのフェンスがある
チヅルは山羊がデザインされた鉄仮面を付けて白黒の”ミラースーツ”を着ている
チヅルの足元には弓矢が落ちている
チヅルの足元に落ちている弓矢は、ソウヤがチヅルと契約して”王子”になった姿
チヅルが付けている山羊がデザインされた鉄仮面の下からはポタポタと血が垂れている
アマネは背中から真っ白な翼が生えており、槍を持っている
グライダーに乗ったまま真顔でビルの屋上にいるチヅルとアマネのことを見下ろしているヒヨリ
◯44ANDREI総本部病室前廊下(夕方)
夕日が沈みかけている
ANDREI総本部の病室前の廊下に一人いるトワネ
トワネはANDREI総本部の病室前の廊下の壁にもたれている
ANDREI総本部の病室前の廊下の壁にもたれながらピンクの大きな熊のぬいぐるみを抱き締めているトワネ
◯45ビル屋上(夕方)
夕日が沈みかけている
ひぐらしが鳴いている
ビルの屋上にいるチヅルとアマネ
ビルの屋上には落下防止のためのフェンスがある
チヅルがいるビルの屋上はANDREI総本部から少し離れたところにある
ANDREI総本部は巨大な高層ビルだが、建物のデザインが竜巻のように捻れ、斜めになっている
チヅルは白黒の”ミラースーツ”を着ている
チヅルは山羊がデザインされた鉄仮面を付けている
チヅルの足元には弓矢が落ちている
チヅルの足元に落ちている弓矢は、ソウヤがチヅルと契約して”王子”になった姿
チヅルが付けている山羊がデザインされた鉄仮面の下からはポタポタと血が垂れている
アマネは背中から真っ白な翼が生えており、槍を持っている
少しの沈黙が流れる
足元に落ちている弓矢をゆっくり拾うチヅル
アマネ「良い子だお嬢ちゃん」
チヅル「オフレット値プラス100」
チヅルが”オフレット値プラス100”と言うと、チヅルが付けている山羊がデザインされた鉄仮面の下からポタポタと垂れていた血が止まる
チヅルが”オフレット値プラス100”と言うと、チヅルの持っていた弓矢が小さなブラックホールのようなものに変わる
チヅルが持っている小さなブラックホールは槍に変わる
チヅルが持っている槍はソウヤがチヅルと契約して”王子”になった姿
槍を構えるチヅル
チヅル「(槍を構えて)馬鹿に・・・」
チヅルはアマネを狙って素早く槍を突く
チヅル「(アマネを狙って素早く槍を突いて大きな声で)するな!!!!」
アマネはチヅルが素早く突いて来た槍を軽々かわす
チヅルが素早く突いて来た槍を軽々かわし、肘でチヅルが付けている山羊がデザインされた鉄仮面を殴るアマネ
アマネはチヅルの腹を狙って思いっきり回し蹴りをする
アマネに腹を思いっきり回し蹴りされて吹き飛ばされるチヅル
チヅルはビルの屋上にある落下防止のためのフェンスに勢いよく背中をぶつける
チヅルが付けている山羊がデザインされた鉄仮面の右目元にはヒビが入っている
ビルの屋上にある落下防止のためのフェンスに背中をぶつけたまま激しく咳き込むチヅル
アマネ「イザベルを殺した奴を早く教えてくれないと、あんた死んじまうぜ」
少しするとビルの屋上にある落下防止のためのフェンスに背中をぶつけたまま激しく咳き込んでいたチヅルの咳が止まる
チヅルはフラフラ立ち上がる
チヅル「(フラフラ立ち上がって)バーカ、羽があるんだから自分で探せよ」
再び沈黙が流れる
アマネ「口の聞き方に気を付けろよ、人間の分際で調子にするんじゃない」
チヅル「(馬鹿にしながら笑って)なんだ、お前も人と大して変わんないじゃん」
アマネ「何?」
チヅル「(馬鹿にしながら笑って)だって今のお前のセリフ、あたしがアンドロイドに向かって言ったこととほとんど同じだから」
アマネ「アンドロイドよりも賢いと思ってるのが人間の馬鹿なところだ」
チヅルは槍を構える
チヅル「(槍を構えて)お前らはもっと馬鹿じゃないの」
アマネに向かって槍を思いっきり振り下ろすチヅル
チヅルが思いっきり振り下ろして来た槍をかわそうとするアマネ
チヅル「(アマネに向かって槍を思いっきり振り下ろしたまま大きな声で)オフレット値プラス50!!!ソウヤ!!!」
チヅルが”オフレット値プラス50!!ソウヤ!!”と叫んだ瞬間、アマネに向かって思いっきり振り下ろしていた槍が大きな盾に変わる
チヅルがアマネに向かって思いっきり振り下ろしている大きな盾は、ソウヤがチヅルと契約して”王子”になった姿
チヅルは大きな盾でアマネの顔面を思いっきり上から殴る
チヅルに大きな盾で顔面を思いっきり殴られたアマネは真っ白な翼を羽ばたかせて素早くジャンプする
真っ白な翼を羽ばたかせて素早くチヅルの大きな盾の上に飛び乗るアマネ
チヅルは大きな盾を振り回して大きな盾の上からアマネを振り落とそうとする
チヅル「(大きな盾を振り回して大きな盾の上からアマネを振り落とそうとしながら)さっきからソウヤに触りやがって!!」
アマネはチヅルが振り回している大きな盾から飛び降り、チヅルの背中に膝蹴りをする
アマネに背中を膝蹴りされてチヅルは一瞬よろめくが、すぐに大きな盾を薙ぎ払って後ろにいるアマネにぶつけようとするチヅル
アマネはチヅルが薙ぎ払ってぶつけようとして来た大きな盾をしゃがんで避ける
チヅルはしゃがんでいるアマネに向かって思いっきり大きな盾を振り下ろす
チヅル「(しゃがんでいるアマネに向かって思いっきり大きな盾を振り下ろして大きな声で)死ね!!!!」
アマネはしゃがんだまま真っ白な翼でチヅルが思いっきり振り下ろして来た大きな盾を受ける
しゃがんだままアマネの真っ白な翼で受け止められている大きな盾に力を入れるチヅル
チヅル 「(しゃがんだままアマネの真っ白な翼で受け止められている大きな盾に力を入れて大きな声で)その羽早くどかせよ!!!!このあと飛べなくなるまで殴ってやるからさ!!!!」
アマネはしゃがんだまま真っ白な翼でチヅルが思いっきり振り下ろして来ている大きな盾をゆっくり押し返す
チヅル 「(しゃがんだままアマネの真っ白な翼でゆっくり押し返されている大きな盾に力を入れて)お、オフレット値・・・プラス80・・・」
突然、しゃがんだままアマネの真っ白な翼でゆっくり押し返されている大きな盾の両脇にエンジンが装備される
大きな盾の両脇に装備されたエンジンがかかり、アマネの真っ白な翼でゆっくり押し返されていた大きな盾が反対にアマネのことを勢いよく押し返す
アマネはしゃがんだまま、チヅルが思いっきり振り下ろして来た大きな盾を受け止めている真っ白な翼からいきなり力を抜く
アマネはしゃがんだまま、チヅルが思いっきり振り下ろして来た大きな盾を下からすり抜けて避ける
チヅルがアマネに向かって思いっきり振り下ろしていた大きな盾は勢いよくビルの屋上の地面に深く突き刺さる
チヅルは急いでビルの屋上の地面に深く突き刺さった大きな盾を地面から引き抜こうとする
チヅルは急いでビルの屋上の地面に深く突き刺さった大きな盾を地面から引き抜こうとするが、大きな盾はなかなか引き抜けない
素早く立ち上がるアマネ
アマネはビルの屋上の地面に深く突き刺さった大きな盾を地面から引き抜こうとしているチヅルの顔面を狙って真っ白な翼を羽ばたかせる
アマネがビルの屋上の地面に深く突き刺さった大きな盾を地面から引き抜こうとしているチヅルの顔面を狙って羽ばたかせた真っ白な翼は、チヅルの顔面を引っ掻きチヅルが付けていた山羊がデザインされた鉄仮面を弾き飛ばす
チヅルの顔面は右目元が赤く腫れ上がっている
チヅルの山羊がデザインされた鉄仮面はアマネの真っ白な翼に弾き飛ばされ、ビルの屋上の地面に深く突き刺さった大きな盾を地面から引き抜こうとしているチヅルの遠くに落ちる
チヅルは変わらずビルの屋上の地面に深く突き刺さった大きな盾を地面から引き抜こうとしている
チヅル「(ビルの屋上の地面に深く突き刺さった大きな盾を地面から引き抜こうとしながら)こんなところで負けるわけには・・・」
アマネは再びビルの屋上の地面に深く突き刺さった大きな盾を地面から引き抜こうとしているチヅルの顔面を狙って真っ白な翼を羽ばたかせる
アマネがビルの屋上の地面に深く突き刺さった大きな盾を地面から引き抜こうとしているチヅルの顔面を狙って羽ばたかせた真っ白な翼は、チヅルの顔面を引っ掻く
チヅルの顔面には爪で引っ掻かれたような深い斬り傷が出来る
チヅルの顔面の深い斬り傷から血が流れる
アマネ「強情な奴だよ」
チヅル「(ビルの屋上の地面に深く突き刺さった大きな盾を地面から引き抜こうとしながら大きな声で)ソウヤのためにも!!!!あたしが!!!!」
突然、ビルの屋上の地面に深く突き刺さった大きな盾に人間の両目が出来る
ビルの屋上の地面に深く突き刺さった大きな盾の人間の両目は、ソウヤと完全に同じ瞳をしている
ビルの屋上の地面に深く突き刺さった大きな盾のソウヤの両目は涙を流す
チヅルはビルの屋上の地面に深く突き刺さった大きな盾を勢いよく引き抜く
チヅル「(ビルの屋上の地面に深く突き刺さった大きな盾を勢いよく引き抜いて大きな声で)あたしが勝つしかないんだ!!!!」
チヅルはアマネに向かって大きな盾を振り上げる
チヅルはアマネに向かって大きな盾を振り上げるが、チヅルの首にはアマネの槍の先が当てられている
アマネ「(自分に向かって大きな盾を振り上げているチヅルの首に槍の先を当てながら)やめておけ、お前の負けだ」
少しの沈黙が流れる
アマネに向かって大きな盾を振り上げたままアマネに槍の先を首を当てられているチヅルは汗だくになっている
汗だくでアマネに向かって大きな盾を振り上げアマネに槍の先を首を当てられたまま唾を飲み込むチヅル
アマネ「(自分に向かって大きな盾を振り上げているチヅルの首に槍の先を当てながら)死にたいのか?」
◯46ANDREI総本部病室前廊下(夕方)
夕日が沈みかけている
ANDREI総本部の病室前の廊下に一人いるトワネ
トワネはANDREI総本部の病室前の廊下の壁にもたれている
ANDREI総本部の病室前の廊下の壁にもたれながらピンクの大きな熊のぬいぐるみを抱き締めているトワネ
少しするとトワネはピンクの大きな熊のぬいぐるみを抱き締めたままANDREI総本部の病室前の廊下の壁にもたれるのをやめる
ANDREI総本部の病室を数回ノックするトワネ
◯47ANDREI総本部中央司令室(夕方)
ANDREI総本部の中央司令室にいるシィア、白衣姿のトキコ、タエ、リュウマ、その他大勢のANDREIの職員たち
ANDREI総本部の中央司令室には正面に巨大なモニターがあり、ビルの屋上にいるチヅルとアマネの姿が映し出されている
チヅルとアマネがいるビルの屋上には落下防止のためのフェンスがある
チヅルは白黒の”ミラースーツ”を着ている
チヅルは汗だくでアマネに向かって大きな盾を振り上げている
チヅルが汗だくでアマネに向かって振り上げている大きな盾の両脇にはエンジンが装備されており、真ん中には人間の両目がある
チヅルが汗だくでアマネに向かって振り上げている大きな盾の人間の両目は、ソウヤと完全に同じ瞳をしている
チヅルが汗だくでアマネに向かって振り上げている大きな盾のソウヤの両目は涙を流している
チヅルが汗だくでアマネに向かって振り上げている大きな盾は、ソウヤがチヅルと契約して”王子”になった姿
チヅルの顔面は爪で引っ掻かれたような深い斬り傷から血が流れており、右目元は真っ赤に腫れ上がっている
アマネは自分に向かって大きな盾を振り上げているチヅルの首に槍の先を当てている
アマネは背中から真っ白な翼が生えている
汗だくでアマネに向かって大きな盾を振り上げアマネに槍の先を首を当てられているチヅルから離れたところには、チヅルの山羊がデザインされた鉄仮面が落ちている
ANDREI総本部の中央司令室にはたくさんのコンピューターと椅子があり、たくさんのANDREIの職員たちがコンピューターに向かって椅子に座っている
ANDREI総本部の中央司令室の巨大なモニターの前にはホログラムが投影されており、背中から真っ白な翼を生やしたアマネの姿が立体的に映し出されている
シィア、トキコ、リュウマは背中から真っ白な翼を生やしたアマネの姿が投影されているホログラムの前に立っている
ANDREI総本部の中央司令室にいるたくさんの職員たちは急いでコンピューターに向かって指示を出している
シィア、トキコ、タエ、リュウマは中央司令室の巨大なモニターに映し出されているチヅルとアマネのことを見ている
中央司令室の巨大なモニターに映し出されているチヅルとアマネのことを見ながらこめかみに人差し指を当てている
シィア「(中央司令室の巨大なモニターに映し出されているチヅルとアマネのことを見ながらこめかみに人差し指を当てて)チヅル!!時間が迫っています!!ここは一旦引いてください!!」
◯48ビル屋上(夕方)
夕日が沈みかけられている
ひぐらしが鳴いている
ビルの屋上にいるチヅルとアマネ
ビルの屋上には落下防止のためのフェンスがある
チヅルとアマネがいるビルの屋上はANDREI総本部から少し離れたところにある
ANDREI総本部は巨大な高層ビルだが、建物のデザインが竜巻のように捻れ、斜めになっている
チヅルは白黒の”ミラースーツ”を着ている
チヅルは汗だくでアマネに向かって大きな盾を振り上げている
チヅルが汗だくでアマネに向かって振り上げている大きな盾の両脇にはエンジンが装備されており、真ん中には人間の両目がある
チヅルが汗だくでアマネに向かって振り上げている大きな盾の人間の両目は、ソウヤと完全に同じ瞳をしている
チヅルが汗だくでアマネに向かって振り上げている大きな盾のソウヤの両目は涙を流している
チヅルが汗だくでアマネに向かって振り上げている大きな盾は、ソウヤがチヅルと契約して”王子”になった姿
チヅルの顔面は爪で引っ掻かれたような深い斬り傷から血が流れており、右目元は真っ赤に腫れ上がっている
アマネは自分に向かって大きな盾を振り上げているチヅルの首に槍の先を当てている
アマネは背中から真っ白な翼が生えている
汗だくでアマネに向かって大きな盾を振り上げアマネに槍の先を首を当てられているチヅルから離れたところには、チヅルの山羊がデザインされた鉄仮面が落ちている
シィア「(声)撤退してください!!チヅル!!」
チヅルが着ている白黒の”ミラースーツ”からシィアの声が聞こえて来る
チヅル「(汗だくでアマネに向かって大きな盾を振り上げアマネに槍の先を首を当てられたまま)人は・・・人はいつか死ぬんだシィアちゃん・・・」
アマネ「(自分に向かって大きな盾を振り上げているチヅルの首に槍の先を当てながら)今、その時が来て良いのか?」
少しの沈黙が流れる
アマネ「(自分に向かって大きな盾を振り上げているチヅルの首に槍の先を当てながら)覚悟は決まってると受け止めたぞ」
アマネは自分に向かって大きな盾を振り上げているチヅルの首に当てていた槍を素早く後ろに引く
自分に向かって大きな盾を振り上げているチヅルの首を狙って槍で突こうとするアマネ
チヅル「(アマネに向かって大きな盾を振り上げたままアマネに槍で首を突かれそうになって大きな声で)ま、待って!!!!」
アマネは自分に向かって大きな盾を振り上げているチヅルの首を狙って突こうとしていた槍の動きを止める
再び沈黙が流れる
アマネ「(自分に向かって大きな盾を振り上げているチヅルの首を狙って突こうとしていた槍の動きを止めたまま)どうした、お前が死ぬ時は今なんじゃないのか」
少しの沈黙が流れる
チヅル「(アマネに向かって大きな盾を振り上げたまま)か、覚悟なんか出来てない・・・」
アマネ「(自分に向かって大きな盾を振り上げているチヅルの首を狙って突こうとしていた槍の動きを止めたまま)大概はそうだ、お前は死にたくないと思って死んでいった人間たちの一人になるんだよ」
再び沈黙が流れる
アマネ「(自分に向かって大きな盾を振り上げているチヅルの首を狙って突こうとしていた槍の動きを止めたまま)悪いな、これが俺の仕事なんだ」
チヅル「(アマネに向かって大きな盾を振り上げたまま小さな声で)こ、殺さずに・・・こ、殺さずに済む道を探すべき・・・でした・・・」
アマネ「(自分に向かって大きな盾を振り上げているチヅルの首を狙って突こうとしていた槍の動きを止めたまま)何の話だ」
チヅル「(アマネに向かって大きな盾を振り上げたまま)い、イザベルと・・・は、話し合えば良かった・・・」
アマネ「(自分に向かって大きな盾を振り上げているチヅルの首を狙って突こうとしていた槍の動きを止めたまま)そいつは自分に期待し過ぎってもんだぜ」
少しの沈黙が流れる
突然、チヅルとアマネの真上から紫と緑の”ミラースーツ”を着てエンジン付きのグライダーに乗ったヒヨリが2本の刀を振り下ろして突っ込んで来る
ヒヨリ「(グライダーに乗り2本の刀を振り下ろして突っ込みながら大きな声で)消えろ!!!!」
ヒヨリが振り下ろしている2本の刀は、マナカがヒヨリと契約して”姫”になった姿
アマネは真っ白な翼を羽ばたかせて後ろにジャンプする
真っ白な翼を羽ばたかせて後ろにジャンプして、ヒヨリが振り下ろして来た2本の刀を避けるアマネ
ヒヨリ「(グライダーに乗ったまま舌打ちをして)チッ・・・」
アマネ「(少し笑って)イザベルのようにいかなくてがっかりだな」
再び沈黙が流れる
ヒヨリ「(グライダーに乗ったまま)大丈夫か?チヅル」
チヅル「は、はい」
ヒヨリ「(グライダーに乗ったまま)オソレの場所を探すのに手間取ってしまったが・・・よく今まで持ち堪えてくれたな、チヅル」
チヅル「あ、あたしは何も・・・出来ませんでした・・・」
ヒヨリ「(グライダーに乗ったまま少し笑って)何を言うのだ、チヅルは死ななかったではないか」
チヅル「だけどヒヨリ先輩が来なかったら・・・」
ヒヨリ「(グライダーに乗ったまま少し笑って)それはそうだな。大事な後輩の命を守れて良かったよ」
少しの沈黙が流れる
チヅルは俯く
ヒヨリ「(グライダーに乗ったまま)ここにいては危険が及ぶだろう、チヅルは本部へ戻った方が良い」
チヅル「(顔を上げて)えっ、そんな・・・」
ヒヨリ「(グライダーに乗ったまま)お前たちはよくやった、ここから先は私とマナカに任せるのだ」
チヅル「でも先輩だけじゃ・・・」
ヒヨリ「(グライダーに乗ったままチヅルの話を遮り少し笑って)第六の力の女王を信じてくれ」
再び沈黙が流れる
チヅル「分かりました・・・」
ヒヨリ「(グライダーに乗ったまま)ありがとう、チヅル」
チヅルは首を横に振る
大きな盾を持ってゆっくりビルの屋上の扉に向かって歩くチヅル
ヒヨリ「(グライダーに乗ったまま)彼女には手を出させないぞ、オソレ」
アマネ「そんなことしねえよ」
チヅルはビルの屋上の扉を開ける
ビルの屋上の扉を開けたままグライダーに乗っているヒヨリのことを見るチヅル
ビルの屋上の扉の先は階段になっている
ヒヨリ「(グライダーに乗ったまま)行け、チヅル」
チヅル「(ビルの屋上の扉を開けたままグライダーに乗っているヒヨリのことを見て)お願いします・・・先輩」
ヒヨリ「(グライダーに乗ったまま)ああ、任せておけ」
チヅルはビルの屋上の扉を通って階段に行く
少しの沈黙が流れる
アマネ「あんたに頼みがある」
ヒヨリ「(グライダーに乗ったまま)頼みだと?」
アマネ「俺と決闘してくれ」
再び沈黙が流れる
アマネ「はっきり言って俺はあんたに負ける気がしない、だから早く戦いを終わらせたいんだ」
ヒヨリ「(グライダーに乗ったまま)この私よりも・・・強い自信があると・・・?」
アマネ「ああ」
ヒヨリ「(グライダーに乗ったまま少し笑って)私を殺せるのか?」
アマネ「(少し笑って)殺したいから地上に来たんだ」
ヒヨリ「(グライダーに乗ったまま少し笑いながら)良いだろう・・・貴様の提案と過剰な自信を受け入れようではないか」
アマネ「そりゃ良かった。ルールはシンプルに槍で先に殺した方が勝ち、あんたはその乗り物を、俺は翼を使う」
ヒヨリ「(グライダーに乗ったまま)了解した」
グライダーに乗ったままヒヨリが持っている二本の刀が小さなブラックホールのようなものに変わる
グライダーに乗ったままヒヨリが持っている小さなブラックホールが槍に変わる
グライダーに乗ったままヒヨリが持っている槍は、マナカがヒヨリと契約して”姫”になった姿
ヒヨリはグライダーに乗ったまま槍をアマネに見せる
ヒヨリ「(グライダーに乗ったまま槍をアマネに見せて)問題ないか?」
アマネ「最高だ」
ヒヨリはグライダーに乗ったまま槍をアマネに見せるのをやめる
グライダーに乗っているヒヨリから離れるアマネ
アマネ「距離を取るぞ」
ヒヨリ「(グライダーに乗ったまま)ああ」
ヒヨリはグライダーに乗ったままアマネに気付かれないように腰の後ろに手を回す
グライダーに乗っているヒヨリの腰には隠しナイフがある
グライダーに乗っているヒヨリの腰にある隠しナイフは、マナカがヒヨリと契約して”姫”になった姿の一つ
グライダーに乗ったままアマネに気付かれないように腰に隠したナイフの柄を握るヒヨリ
グライダーに乗ったままアマネに気付かれないようにヒヨリが腰に隠したナイフの柄を握っていると、隠しナイフがリボルバーの銃に変わる
グライダーに乗ったままヒヨリが腰の後ろで持っているリボルバーの銃は、マナカがヒヨリと契約して”姫”になった姿の一つ
ヒヨリはグライダーに乗ったままアマネに気付かれないように腰に隠したリボルバーの銃の引き金を引く
ヒヨリ「(グライダーに乗ったままアマネに気付かれないように腰に隠したリボルバーの銃の引き金を引いて笑って 声 モノローグ)喜べ愚か者、九音ヒヨリの天罰が下るのだ、正義を受けて惨めに死ぬが良い」
ヒヨリはグライダーに乗ったままアマネに気付かれないように腰に回していた手を前に戻す
グライダーに乗ったまま後ろに下がるヒヨリ
グライダーに乗っているヒヨリとアマネの距離は20メートルほどある
アマネはポケットから懐中時計を取り出す
アマネの懐中時計は4時27分を指している
懐中時計を放り投げるアマネ
アマネが放り投げた懐中時計はちょうどグライダーに乗っているヒヨリとアマネの真ん中に落ちる
アマネ「4時半になったら鈴の音が鳴る、それが決闘の合図だ」
ヒヨリはグライダーに乗ったまま頷く
◯49ANDREI総本部中央司令室(夕方)
ANDREI総本部の中央司令室にいるシィア、白衣姿のトキコ、タエ、リュウマ、その他大勢のANDREIの職員たち
ANDREI総本部の中央司令室には正面に巨大なモニターがあり、ビルの屋上にいるヒヨリとアマネの姿が映し出されている
ヒヨリとアマネがいるビルの屋上には落下防止のためのフェンスがある
ヒヨリは紫と緑の”ミラースーツ”を着ており、エンジン付きのグライダーに乗っている
ヒヨリはグライダーに乗ったまま槍を持っている
グライダーに乗っているヒヨリの腰には隠しているリボルバーの銃がある
グライダーに乗っているヒヨリの槍と腰に隠しているリボルバーの銃は、マナカがヒヨリと契約して”姫”になった姿の一つ
アマネは背中から真っ白な翼が生えている
アマネは槍を持っている
アマネの近くにはチヅルの山羊がデザインされた鉄仮面が落ちている
グライダーに乗っているヒヨリとアマネの距離は20メートルほどある
グライダーに乗っているヒヨリとアマネのちょうど真ん中にはアマネの懐中時計が落ちている
アマネの懐中時計は4時27分を指している
ANDREI総本部の中央司令室にはたくさんのコンピューターと椅子があり、たくさんのANDREIの職員たちがコンピューターに向かって椅子に座っている
ANDREI総本部の中央司令室の巨大なモニターの前にはホログラムが投影されており、背中から真っ白な翼を生やしたアマネの姿が立体的に映し出されている
シィア、トキコ、リュウマは背中から真っ白な翼を生やしたアマネの姿が投影されているホログラムの前に立っている
ANDREI総本部の中央司令室にいるたくさんの職員たちは急いでコンピューターに向かって指示を出している
シィア、トキコ、タエ、リュウマは中央司令室の巨大なモニターに映し出されているヒヨリとアマネのことを見ている
トキコ「(中央司令室の巨大なモニターに映し出されているヒヨリとアマネのことを見ながら)な、なんて馬鹿なの・・・」
シィア「(中央司令室の巨大なモニターに映し出されているヒヨリとアマネのことを見ながら)アホ過ぎます、司令が止めた方が良いのでは」
タエは拳を握り締める
タエ「(中央司令室の巨大なモニターに映し出されているヒヨリとアマネのことを見ながら拳を握り締めて)放っておきなさい、死にはしないわ」
◯50ビル屋上(夕方)
夕日が沈みかけている
ひぐらしが鳴いている
ビルの屋上にいるヒヨリとアマネ
ビルの屋上には落下防止のためのフェンスがある
ヒヨリとアマネがいるビルの屋上はANDREI総本部から少し離れたところにある
ANDREI総本部は巨大な高層ビルだが、建物のデザインが竜巻のように捻れ、斜めになっている
ヒヨリは紫と緑の”ミラースーツ”を着ており、エンジン付きのグライダーに乗っている
ヒヨリはグライダーに乗ったまま槍を持っている
グライダーに乗っているヒヨリの腰には隠しているリボルバーの銃がある
グライダーに乗っているヒヨリの槍と腰に隠しているリボルバーの銃は、マナカがヒヨリと契約して”姫”になった姿の一つ
アマネは背中から真っ白な翼が生えている
アマネは槍を持っている
アマネの近くにはチヅルの山羊がデザインされた鉄仮面が落ちている
グライダーに乗っているヒヨリとアマネの距離は20メートルほどある
グライダーに乗っているヒヨリとアマネのちょうど真ん中にはアマネの懐中時計が落ちている
アマネの懐中時計は4時28分を指している
アマネはグライダーに乗っているヒヨリに向かって槍を構える
少しの沈黙が流れる
アマネの懐中時計が4時29分を指す
グライダーに乗ったまま槍を構えているアマネに向かって槍を構えるヒヨリ
ヒヨリはグライダーに乗ったまま槍を構えているアマネに向かって槍を構え、手を閉じたり開いたりする
グライダーに乗ったまま槍を構えているアマネに向かって槍を構え、手を閉じたり開いたりするのをやめるヒヨリ
再び沈黙が流れる
アマネの懐中時計は4時30分を指す
アマネの懐中時計が4時30分を指した瞬間、懐中時計から鈴の音が鳴る
アマネの懐中時計が4時30分を指した瞬間、グライダーに乗っているヒヨリに向かって槍を構えたまま真っ白な翼を羽ばたかせてヒヨリの元へ飛ぶアマネ
アマネの懐中時計が4時30分を指した瞬間、グライダーに乗ったまま槍を構えているアマネに向かって槍を構えるのをやめて、素早く腰に隠していたリボルバーの銃を手に取るヒヨリ
ヒヨリはグライダーに乗り槍を構えたまま、真っ白な翼を羽ばたかせて自分の元へ飛んで来ているアマネに向かってリボルバーの銃を構える
グライダーに乗り槍を構えたまま、真っ白な翼を羽ばたかせて自分の元へ飛んで来ているアマネに向かってリボルバーの銃を構え、一瞬笑うヒヨリ
ヒヨリはグライダーに乗り槍を構えたまま、真っ白な翼を羽ばたかせて自分の元へ飛んで来ているアマネを狙ってリボルバーの銃を発砲しようとする
ヒヨリがグライダーに乗り槍を構えたまま、真っ白な翼を羽ばたかせて自分の元へ飛んで来ているアマネを狙ってリボルバーの銃を発砲しようとした瞬間、アマネの顔面に光っている魔法陣のような紋章が現れる
アマネの顔面に光っている魔法陣のような紋章が現れた瞬間、槍を構えたまま真っ白な翼を羽ばたかせて自分の元へ飛んで来ているアマネを狙ってリボルバーの銃を発砲しようとしていたヒヨリが激しく咳き込み始める
ヒヨリはグライダーに乗り槍を構えたまま、真っ白な翼を羽ばたかせて真っ白な翼を羽ばたかせて自分の元へ飛んで来ているアマネに向かってリボルバーの銃を構え、激しく咳き込み、大量の血、人間の手足の指、髪の毛、眼球、ネズミの死骸、たくさんのアリ、ゴキブリ、ムカデ、ウジ虫を一気に吐き出す
ヒヨリはグライダーに乗り激しく咳き込んで、大量の血、人間の手足の指、髪の毛、眼球、ネズミの死骸、たくさんのアリ、ゴキブリ、ムカデ、ウジ虫を一気に吐き出しながら、槍を構え真っ白な翼を羽ばたかせて自分の元へ飛んで来ているアマネを狙ってリボルバーの銃を発砲をする
ヒヨリはグライダーに乗り激しく咳き込んで、大量の血、人間の手足の指、髪の毛、眼球、ネズミの死骸、たくさんのアリ、ゴキブリ、ムカデ、ウジ虫を一気に吐き出しながら、槍を構え真っ白な翼を羽ばたかせて自分の元へ飛んで来ているアマネを狙ってリボルバーの銃を発砲をするが、リボルバーの弾丸はアマネから大きく逸れる
激しく咳き込み大量の血、人間の手足の指、髪の毛、眼球、ネズミの死骸、たくさんのアリ、ゴキブリ、ムカデ、ウジ虫を一気に吐き出しながらグライダーから転がり落ちて倒れるヒヨリ
アマネは真っ白な翼を羽ばたかせて、激しく咳き込み大量の血、人間の手足の指、髪の毛、眼球、ネズミの死骸、たくさんのアリ、ゴキブリ、ムカデ、ウジ虫を一気に吐き出しながら倒れているヒヨリの元へ飛んで、構えていた槍をヒヨリの心臓からヒヨリの右腕に向ける
倒れたまま激しく咳き込み大量の血、人間の手足の指、髪の毛、眼球、ネズミの死骸、たくさんのアリ、ゴキブリ、ムカデ、ウジ虫を一気に吐き出しているヒヨリの右腕を槍で切断するアマネ
倒れたまま激しく咳き込み大量の血、人間の手足の指、髪の毛、眼球、ネズミの死骸、たくさんのアリ、ゴキブリ、ムカデ、ウジ虫を一気に吐き出しているヒヨリの右肩からシャワーのように血が噴き出る
アマネは倒れたまま激しく咳き込んで大量の血、人間の手足の指、髪の毛、眼球、ネズミの死骸、たくさんのアリ、ゴキブリ、ムカデ、ウジ虫を一気に吐き出し右肩からシャワーのように血が噴き出ているヒヨリの左腕を続けて槍で切断する
倒れたまま激しく咳き込み大量の血、人間の手足の指、髪の毛、眼球、ネズミの死骸、たくさんのアリ、ゴキブリ、ムカデ、ウジ虫を一気に吐き出しているヒヨリの左肩からは右肩と同じように血が噴き出る
アマネは倒れたまま激しく咳き込んで大量の血、人間の手足の指、髪の毛、眼球、ネズミの死骸、たくさんのアリ、ゴキブリ、ムカデ、ウジ虫を一気に吐き出し右肩、左肩からシャワーのように血が噴き出ているヒヨリの両足を槍で斬り落とす
倒れたまま激しく咳き込み大量の血、人間の手足の指、髪の毛、眼球、ネズミの死骸、たくさんのアリ、ゴキブリ、ムカデ、ウジ虫を吐き出しているヒヨリの両足首からは両肩と同じように血が噴き出る
アマネは倒れたまま激しく咳き込み大量の血、人間の手足の指、髪の毛、眼球、ネズミの死骸、たくさんのアリ、ゴキブリ、ムカデ、ウジ虫を一気に吐き出し両肩、両足首からシャワーのように血を噴き出しているヒヨリの前で真っ白な翼を羽ばたかせて宙に浮かぶ
ヒヨリ「(倒れたまま激しく咳き込み大量の血、人間の手足の指、髪の毛、眼球、ネズミの死骸、たくさんのアリ、ゴキブリ、ムカデ、ウジ虫を一気に吐き出し両肩、両足首からシャワーのように血を噴き出して)ゲホッゲホッゲホ・・・オエッ・・・ゲホッ・・・ゲホッ・・・な、何をした・・・貴様・・・ゲホッゲホッゲホッ・・・」
アマネ「(真っ白な翼を羽ばたかせて宙に浮かんだまま)きったねえ女だな」
ヒヨリ「(倒れたまま激しく咳き込み大量の血、人間の手足の指、髪の毛、眼球、ネズミの死骸、たくさんのアリ、ゴキブリ、ムカデ、ウジ虫を一気に吐き出し両肩、両足首からシャワーのように血を噴き出して)オエッ・・・ゲホッ・・・ゲホッ・・・け、決闘と・・・ゲホッゲホ・・・い、言ったはずだ・・・」
アマネ「(真っ白な翼を羽ばたかせて宙に浮かんだまま)お前だって銃を使おうとしたよな」
ヒヨリ「(倒れたまま激しく咳き込み大量の血、人間の手足の指、髪の毛、眼球、ネズミの死骸、たくさんのアリ、ゴキブリ、ムカデ、ウジ虫を一気に吐き出し両肩、両足首からシャワーのように血を噴き出して)ゲホッ・・・ゲホッ・・・き、汚いやつめ・・・」
アマネ「(真っ白な翼を羽ばたかせて宙に浮かんだまま)どの口が言ってるんだ、汚物女さんよ」
ヒヨリ「(倒れたまま激しく咳き込み大量の血、人間の手足の指、髪の毛、眼球、ネズミの死骸、たくさんのアリ、ゴキブリ、ムカデ、ウジ虫を一気に吐き出し両肩、両足首からシャワーのように血を噴き出して)こ、殺してやる・・・ゲホッ・・・オエッ・・・ゲホッゲホッゲホッ・・・」
アマネ「(真っ白な翼を羽ばたかせて宙に浮かんだまま)俺はお前には殺されねえよ。ついで言っておくが、俺もお前を殺さねえ。イザベルの復讐を果たすまで惨めに生かしてやるんだ、良かったなゲロ野郎」
ヒヨリ「(倒れたまま激しく咳き込み大量の血、人間の手足の指、髪の毛、眼球、ネズミの死骸、たくさんのアリ、ゴキブリ、ムカデ、ウジ虫を一気に吐き出し両肩、両足首からシャワーのように血を噴き出して)ゲホッゲホッ・・・ま、まだ戦いは・・・ゲホッ・・・終わって・・・」
アマネ「(真っ白な翼を羽ばたかせて宙に浮かんだままヒヨリの話を遮って)体が治ったらまた戦ってやるかな、まあどうせお前じゃ俺には勝てないだろうけど」
アマネは真っ白な翼を羽ばたかせながら一気に飛び上がってビルの屋上から離れて行く
ヒヨリ「(倒れたまま激しく咳き込み大量の血、人間の手足の指、髪の毛、眼球、ネズミの死骸、たくさんのアリ、ゴキブリ、ムカデ、ウジ虫を一気に吐き出し両肩、両足首からシャワーのように血を噴き出して)ま、待て・・・ゲホッ・・・オエッ・・・」
アマネは真っ白な翼を羽ばたかせながら高速で上昇している
真っ白な翼を羽ばたかせながら高速で上昇しているアマネの翼が端から少しずつ黒くなる
アマネは地上から2000メートルの高さまで上昇し続ける
翼を羽ばたかせながら地上から2000メートルほどの高さで上昇するのをやめるアマネ
アマネは翼を羽ばたかせながら宙に浮かんでいる
アマネの白かった翼はいつの間にか真っ黒に染まっている
アマネは真っ黒な翼を羽ばたかせて宙に浮かびながら自分の翼を見る
少しの沈黙が流れる
アマネ「(真っ黒な翼を羽ばたかせて宙に浮かびながら自分の翼を見て寂しそうに少し笑って)はは・・・俺も墜落者の仲間入りか・・・」
◯51ANDREI総本部病室(夕方)
夕日が沈みかけている
ANDREI総本部の病室にいるカナメとトワネ
カナメはベッドの上で横になっている
ベッドの横には椅子が置いてある
ベッドの隣には棚があり、小さなテレビが置いてある
窓際には花瓶が置いてあり、花が飾られてある
カナメは右腕が無くなっている
ベッドの横の椅子に座っているトワネ
トワネは膝の上にピンクの大きな熊のぬいぐるみを乗せている
話をしているカナメとトワネ
トワネ「(膝の上にピンクの大きな熊のぬいぐるみを乗せたまま)久しぶりだな」
少しの沈黙が流れる
カナメ「トワネは・・・今の時代の人じゃないんだよね」
トワネ「(膝の上にピンクの大きな熊のぬいぐるみを乗せたまま)ああ」
再び沈黙が流れる
カナメ「イザベルと契約した時・・・イザベルの記憶を見たよ。トワネがいた」
トワネ「(膝の上にピンクの大きな熊のぬいぐるみを乗せたまま)そうか。(少し間を開けて)私の記憶は10年前からしかないんだ」
カナメ「そうだったんだ」
トワネ「(膝の上にピンクの大きな熊のぬいぐるみを乗せたまま)一人目のオソレを破壊したことも、6000年前の生活のことも、家族のことも、覚えてない」
カナメ「それじゃ君はやっぱりイザベルの知り合いだったんじゃないの?」
トワネ「(膝の上にピンクの大きな熊のぬいぐるみを乗せたまま)いや、それはないと思う」
カナメ「どうして?」
トワネ「(膝の上にピンクの大きな熊のぬいぐるみを乗せたまま)奴が私のことを偽物と言ったからだ」
◯52第十話◯2の回想/私立東堂高校一年C組の教室(朝)
外は弱い雨が降っている
10分休み
校庭には水溜まりが出来ている
私立東堂高校一年C組の教室にいるカナメ、トワネ、ソウヤ、チヅル、イザベル
私立東堂高校一年C組の教室にはカナメたちの他にもたくさんの生徒がいる
カナメの席はソウヤの隣
トワネの席は窓際にある
カナメ、ソウヤ、チヅルは自分の席で英語の授業の準備をしている
カナメ、ソウヤ、チヅル、トワネ、その他一年C組の生徒たちの机の上にはパソコンが置いてある
黒板には”文化祭の出し物 メイド&執事喫茶”と書かれてある
イザベルの席の近くにいるトワネ
トワネはイザベルと話をしている
トワネ「私に何の用だ」
イザベル「え、えっと・・・あっ、あなたは・・・」
トワネ「相園トワネだ」
イザベル「偽物さん・・・ですね」
トワネ「偽物?」
イザベル「なっ、何でもないです、に、偽物さんには特に用はありませんから」
◯53回想戻り/ANDREI総本部病室(夕方)
夕日が沈みかけている
ANDREI総本部の病室にいるカナメとトワネ
カナメはベッドの上で横になっている
ベッドの横には椅子が置いてある
ベッドの隣には棚があり、小さなテレビが置いてある
窓際には花瓶が置いてあり、花が飾られてある
カナメは右腕が無くなっている
ベッドの横の椅子に座っているトワネ
トワネは膝の上にピンクの大きな熊のぬいぐるみを乗せている
話をしているカナメとトワネ
カナメ「僕は・・・イザベルのことを知ってる気がした」
トワネ「(膝の上にピンクの大きな熊のぬいぐるみを乗せたまま)お前が?」
カナメ「記憶を見て、やっぱり知り合いだったんじゃないかって思うようになったんだ」
少しの沈黙が流れる
トワネ「(膝の上にピンクの大きな熊のぬいぐるみを乗せたまま)わ、私が面会に来なくて・・・な、なんか思ったか?」
カナメ「なんかって?」
トワネ「(膝の上にピンクの大きな熊のぬいぐるみを乗せたまま)へ、変だなーとか、ど、どうしたのかなーとか」
カナメ「忙しいんだとは思ってたけど」
トワネ「(膝の上にピンクの大きな熊のぬいぐるみを乗せたまま)じ、実はこの一週間、カナメに言いたいことがあったんだ」
カナメ「何?」
再び沈黙が流れる
トワネ「(膝の上にピンクの大きな熊のぬいぐるみを乗せたまま)お前の場所を・・・イザベルに教えたのは私なんだ」
カナメ「いつの話のこと?」
トワネ「(膝の上にピンクの大きな熊のぬいぐるみを乗せたまま)お前はヒヨリの三文芝居を見に行っただろ。それから少しした後に、私はイザベルと会った」
◯54第十話◯61の回想/私立東堂高校校庭(昼過ぎ)
文化祭当日
私立東堂高校の校庭にいるトワネとイザベル
私立東堂高校の校庭はたくさんの生徒で溢れている
私立東堂高校の校庭は文化祭の飾り付けがされている
私立東堂高校の校庭にはたこ焼き、イカ焼き、フライドポテト、アイスクリーム、タピオカ、チョコバナナ、電球ソーダ、フランクフルトなどたくさんの屋台が出ている
私立東堂高校の校庭にいるたくさんの生徒たちは屋台で買い食いをしたり、食べ歩きをしたりしている
トワネとイザベルはたこ焼きの屋台の近くにいる
8個入りのたこ焼きを食べているトワネ
イザベルはタブレットを持っている
イザベルが持っているタブレットにはカナメの写真が映し出されている
話をしているトワネとイザベル
トワネ「(声)奴はお前のことを探していた。それで視聴覚室にいると教えたんだ」
◯55回想戻り/ANDREI総本部病室(夕方)
夕日が沈みかけている
ANDREI総本部の病室にいるカナメとトワネ
カナメはベッドの上で横になっている
ベッドの横には椅子が置いてある
ベッドの隣には棚があり、小さなテレビが置いてある
窓際には花瓶が置いてあり、花が飾られてある
カナメは右腕が無くなっている
ベッドの横の椅子に座っているトワネ
トワネは膝の上にピンクの大きな熊のぬいぐるみを乗せている
話をしているカナメとトワネ
トワネ「(膝の上にピンクの大きな熊のぬいぐるみを乗せたまま少し寂しそうに)その先は・・・カナメの方が詳しいだろ」
少しの沈黙が流れる
カナメ「そうだったんだ」
再び沈黙が流れる
カナメ「それって、面会を避けるほどのことなのかな」
トワネ「(膝の上にピンクの大きな熊のぬいぐるみを乗せたまま)お、お前が大変な目に遭った原因だぞ」
カナメ「いや、そんなことを言ったらもう何もかもが原因だよ」
少しの沈黙が流れる
トワネ「(膝の上にピンクの大きな熊のぬいぐるみを乗せたまま)だが結果的にイザベルは死んだ。私はそのことを・・・カナメとイザベルに謝りたくて・・・謝れなかった・・・(少し間を開けて)め、面会に来なかった理由はそれだけだ」
カナメ「君はそれだけって言ったけど・・・僕には、大事な理由だと思う。だってイザベルは謝れる人だったんだから、僕たちもそうなるべきだ」
トワネ「(膝の上にピンクの大きな熊のぬいぐるみを乗せたまま)私とイザベルじゃ比較にならん」
カナメ「そう?」
トワネ「(膝の上にピンクの大きな熊のぬいぐるみを乗せたまま)ああ。何故なら私は・・・謝りたくて謝ってるんじゃない・・・ただ、許されたいだけだ」
続く。