第1話 存在価値
僕は"風木原 佑馬"(かざきはら ゆうま)現在中学3年生。いたって普通と
思いたいが、前回の前期中間考査では499点で学年1位をとり2年生最後の
通知表では苦手な体育以外5をとった学年、学校1位の天才なのだ。
しかしそんな僕でも天才と思う人はいる。それは...
学校に週に1度しか来ない、5教科は小1からオール5、数学に関しては高3レベルの
ところまでできている天才少女"風木原 渚"(かざきはら なぎさ)。
そう、同じ苗字なのである。でも、双子でも同じ親でも何でもない。
ただの赤の他人なのだ... 今日も学校だ。何の変哲もない通学路を歩いていると
風木原を見かけた。そこで僕は声をかけた。
「おーい、風木原。今日は学校行くの?無理しなくていいんだけどね。」
と。すると風木原は、
「毎度毎度言ってるけど渚でいいよ。あなたも風木原なんだしね。
それに無理してるわけじゃないし、あとね、その、まあ、
行く理由っていうのが少しづつ見つかってきた気がするからね?
仲良い者同士頑張りましょ?」
僕は何となくほっとした。
「無理していないならよかった。」
そうやって週に1度しかできない他愛もない会話をしながら、
僕と風木原は学校へ向かっていた。そして教室へ着いた。
6月になっていた教室はじめじめしており蒸し暑かった。
...するともう掃除の時間になっていた。
いつもの通り掃除をしていると風木原がこっちへ来た。
「たまには家へ遊びに来る?いつもいつも実技教科の宿題は
そっちの家に行ってやってるからさ」
僕は思わず「へ?」といってしまった。すると風木原は「ふふっ」と笑いながら
「たまには人の家に遊びに行くのもいいんじゃない?インドアさん?」
と言ってきた。僕は一瞬戸惑ったが週1しか会えないし、
何気に行ったこと無いなと思っていくことにした...
そして今日の夕方、風木原の家に来た。
風木原は吹奏楽部だから遅いとわかっていたのでこの時間だ。
すると、案の定風木原はいた。僕の親は今日は金曜日だからいいけど、
明日中には帰って来いって結構うるさかったけど、意外と風木原の親は
歓迎してくれて僕は風木原の家に泊まることになった。
(これは...風木原に普段は聞けないことを聞くチャンスなのでは!?)
こう思った僕は風木原に質問攻め。
「ねえさ、なんで学校に週1しか来ないんだよ。」
すると風木原は以外にも
「ストレスとか、人間関係とか、普通に昔の経験とか。そんな感じのが
重なっていってないんだよね。詳しくは言えないけど、でも佑馬は親が家に
入れてくれたように信頼してるからね。そこだけは心配しないで」
そう言ってきた。僕はふと
「いつでもそんなこと言ってくれればいいじゃないかって。
だって信頼してくれてるんだろ?一人で抱え込むなってさ。僕は風木原が
いてくれればそれで十分だtt......((((恥 ...とにかく、何かあったら
教えろってね、そういうことだよ。」
ちょっと口が滑りかけたけど風木原は
「本当にありがと。でもね無理してないのは本当だよ?そのために週1で学校に
行ってるんだからね。」
そういった。さらに、
「いつでも、私の家、来ていいからね?私の親も歓迎してるから。
親も佑馬と話したいみたいだしね。」
...そう話していると、風木原の親が夕食を作ってくれた。
(なんか、風木原の家で食べるご飯はおいしいな..)
すると、風木原が一からクッキーを作ってきた。
「これは神な美味しさすぎる...!」
そういうと、風木原は
「そう、かな? 喜んでくれて嬉しいよ」
そう言った。...そんな感じであっという間に時は過ぎて言った。
...風木原の家に1泊2日するので風木原の親の書斎に布団を敷いていると、
風木原が来て、とんでもないことを言った。
「あ、のさ、よかったら私の部屋で寝ます、か?」
僕は固まった。
(え、どうすればいいの、これ僕詰んだ? ...冷静になれ、
...って後ろで風木原の親が見てるのですが()...
これもしかして親が仕組んだ系ですかね... ......よ、し)
「わかった。でも、僕は布団で寝る。これが絶対条件ね?OK?」
そうすると風木原はニコッとして
「はい!」と答えたが、一番うれしそうなのは後ろにいる風木原の親たちだ。
声を出さずにガッツポーズすらしてる。
(あーあ、まんまと策にはまったのか僕)
そしてそのまま一騒動あった夜は過ぎていくのであった。
「うぅ、にゃむ...」こんな夜中なのに起きてしまった。なんでだろうか。
スマホ...と思って後ろへ寝返りするとそこには風木原が。
(やっぱり親の策だった☆(草))
と思ったので、スマホとってリビングにあったソファーで寝た。