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群れはぐれのイッカク|心のぬくもり幻想舎

作者: 大野ちはる


カナダのバフィン島に訪れ、友人のクルーズで海に出ていたときに、たまたまクジラを見つけた。


「見て、ホッキョククジラの群れよ」


「本当!大きいのねぇ」


広くて冷たい海を物ともせず、悠々と泳ぐ姿はとても美しい。


「ねぇ、あそこに一匹だけ角が生えてる子がいるんだけど、同じクジラなのかしら?」


よく目を凝らすと、体にはアザラシに似た模様があり、ユニコーンのように一本の角を長く生やしている個体が見えた。


「あれはイッカクね、クジラの仲間だけど別の生物よ」


はぐれちゃったのかしら、と心配そうに顔を曇らせ周囲を見渡す友人に、私も広大な海へと目を向ける。


しかし、イッカクの仲間は見当たらない。


「元の群れに帰れなくなったの?」


「どうなんだろう...」


「案外、自分から群れを出たのかもしれないね」


「思い切った行動を取っちゃった感じ?」


「だって見て...」


そこには群れの中で、仲睦まじく体をすり合わせながら泳ぐイッカクの姿があった。


「種の壁を超えてコミュニケーションができるなんて素敵だわ」



                  fin.



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ❁ ❁ ❁ ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


ご覧いただきありがとうございました。

こちらでは毎週月曜日に、1分ほどで読める短編小説を

2本アップします。


日々をめまぐるしく過ごす貴方に向けて書きました。

愛することを、愛されることを、思い出してみませんか?


ここは疲れた心をちょっとだけ癒せる幻想舎。

別の短編小説もお楽しみに。



前週分はInstagram(@ousaka_ojigisou)に

先にアップしています。早く読みたい方は、あわせてチェックしてみてくださいませ。


                 大野

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