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祖父と孫
「約束は約束だ。結婚は認めよう。」
「随分と物分かりが良いわね。」
「負けは負け。文句は言うまい。」
そう言って話をしている二人の前で、奏は眠っていた。
戦いで龍穴からのエネルギーを中継していた奏の全身は疲労状態、戦いが終わるなり倒れた。
「好きにするが良い。」
「言われなくとも。」
「………ただ偶には顔を見せよ。」
「うん。」
「奏も連れて来い。」
「はいはい。」
「あのケモナーはいらん。」
「もう。」
苦笑いする母が頭をなでる。
それを見ている祖父もどこか穏やかな表情だった。