1話
処女作
どこで生まれたかもわからない
生みの親が誰かもわからない
なぜここにいるのかもわからない
なにもわからない……
なにも………
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「おはよう」
シャルティン・フォルン、俺はこの家で一緒に住んでいるアーマル・フォルン、父さんに朝の挨拶をした。
実の父親ではないが。
「おはよう、シャルティン。そういえば、今日入学試験だよな?」
「うん、まぁ実技メインだし、大丈夫だと思う」
今日は帝都魔術剣術学園の入学試験だ。
入学試験といっても、実技メインでちょっとした筆記しかない。
「ならいいが。それより、お前の属性使い方は誤るなよ。」
「わかってるよ。」
そう、魔術には属性がある。
一般的に、火、水、風、土、光、闇。
上位互換として、業火、氷結、猛風、岩石、閃光、暗黒。
上位互換は一般的な属性から進化してなる。
そして、シャルティンはこの中の1つも持っていない。
ただし、属性がないわけではない。
シャルティンの属性は特殊属性、特殊属性とはその人だけの属性であり、他の人に発現することはないと言われてい
る。
そのため、特殊属性は希少であり、発現した者は丁重に扱われる、らしい。
そして、俺の属性が、重力、猛毒、傀儡、万雷、焦土、凍土、時間、幻影、である。
そう、シャルティンが持ってる属性は全て特殊属性であり、合計で8個である。
1つでも強力な、いや兇悪な特殊属性を7個。
これは異常である。
所謂、天才と呼ばれている人でも一般属性4〜5個である。
特殊属性を持っている人は他の属性は使えないとなっている。
人間を携帯だとすると一般属性は容量が少ないが、特殊属性は容量が多いためオーバーするからだ。
しかし、シャルティンは特殊属性を8個。
それぞれの効果は、重力(半径15km内の重力を操る)、猛毒(あらゆる毒を生成、解毒できる)、傀儡(あらゆるものを操る)、万雷(特殊属性雷魔法の上位互換)、焦土(一般属性火魔法の最上位互換。ただし、進化では辿り着けない)、凍土(一般属性水の最上位互換。ただし、進化では辿り着けない)、幻影(あらゆる幻を作り出すことができる)となっている。
「行ってきます。」
「行ってらっしゃい。」
入学試験で全力を出すか、迷いながら学園へ向かった。
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学園は家から歩いて5分ほどのところにあるが、学園生は学園内にある寮で強制的に暮らさなければならない。
しかし、一人一人に個室が用意されるため、今まで不満はあまり出ていない。
シャルティンは入学試験について思い耽りながら歩いていると注目を浴びていることに気がついた。
(なんだ?)
シャルティンは気がついていないが、とても容姿が優れている。
世界の向こう側まで見えそうな透明感溢れる真っ白な肌、目鼻立ちははっきりとし、三白眼である目はキリッとして街中を歩くと10人中10人は振り返るほどの容姿である。
髪は真っ白で、瞳はオッドアイ、右眼は澄み切った青、というよりは深海のような深い濃い青である。
左目は毒々しいような紫であり、鮮やかな紫でもある。
このような目立つ容姿にも関わらず、今まで自分がイケメンだと自覚したことがない。
だけではなく、自分がなぜ注目されているのかすら理解していないのだ。
(まぁいいか。いつものことだ。)
そう思い、学園の門を通り、会場へと向かった。




