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四階 ギントは魔術を強化した!

「まずは強くならないとな」


 移動迷宮の防衛で最初にするべき事は自分自身を強くする事だと俺は結論を出した。これは結局最後の最後で頼りになるのは自分自身の力である事もあるが、移動迷宮から送られた情報にあった移動迷宮を強化する方法に、俺が強くなることが関係しているからだ。


 移動迷宮にもレベルのようなものがあり、強化をしてそのレベルを上げると階数を増やしたり、壁を作って一つの階の空間をいくつかの区画に分けたり出来るのだ。


 移動迷宮を強化する方法は三つ。


 一つ目は移動迷宮が周囲から吸収した魔力が一定の量に達すること。


 二つ目は移動迷宮の支配者に忠誠を誓い、移動迷宮を守る部下を増やすこと。


 三つ目は移動迷宮の存在を周囲の人間や魔物に知らせて畏怖の感情を集めること。


 一つ目の方法は少なくても年単位の時間がかかり、二つ目と三つ目の方法は部下を作るにしても人間達に移動迷宮の存在を知らせるにしても力をつけないと話にならない。だから俺は自分自身を強くしようと思ったのだが、短期間でそう簡単に強くなれるわけがない。


 もし短期間で一気に強くなれる方法があるのだとしたらそれは……。


「ステータス画面」


 俺はステータス画面を呼び出して「才能」の部分を指で触れた。すると……。



【「才能」を消費して新たな魔術を覚える、もしくはすでに覚えている魔術を強化しますか?】



 と、いう文章がステータス画面に浮かび上がった。


「よし! 大当たりだ!」


 俺は自分の予想が当たっていたことに思わずガッツポーズをとる。


 やっぱりこの「才能」と「魔術」がこの世界で強くなる鍵だったか。恐らくこの魔術はゲームで言うところのスキルで、才能はスキルを覚える為のスキルポイントといったところだろう。この世界の魔術が一体どのようなものかは分からないが、それでも身体能力を上げたり、離れた場所に一瞬で移動する魔術があれば生き残れる可能性は一気に上がると思う。


 この世界の魔術にも気になったが、俺は新しい魔術を覚えるより先に、すでに自分が覚えている三つの魔術を確認して強化することを選び、魔術の説明文を呼び出した。




[武器創造Lv1]

 黒魔術。

 消費魔力3。

 鉱物の形を自由に変えて自分の望む武器を作り出す魔術。

 作り出される武器の出来は魔術Lvによって左右される。

 魔術Lv1だと素人が作ったのより多少上ぐらいの出来。


[屍人形Lv1]

 黒魔術。

 消費魔力5。

 遺体の損傷を修復して魔力を生命の代わりに与える事で、死者を術者の命令に従う「屍人形」として復活させる魔術。

 効果時間は「(精神基本値×魔術Lv)÷2」日。

 効果時間が過ぎると屍人形は元の死体に戻ってしまうが、死体に戻る前に魔力を与えれば効果時間は延長される。

 魔術が適用されるいた遺体の状態と復活具合は魔術Lvによって変わる。

 魔術Lv1だと原形を八割以上留めてある肉のある遺体にしか使えず、損傷も全く修復されない上に生前の情報を話させるなどの簡単な命令しかできない。


[生霊操作Lv1]

 黒魔術。

 消費魔力1。

 魔力を生霊に変えて飛ばし、周囲を偵察させる魔術。

 意識を集中すると術者も生霊が見ているものが見えるようになる。

 生霊を飛ばせる範囲は「(精神基本値+魔術Lv)×10」m。




 この「屍人形」と「生霊操作」っていう魔術は間違いなく前世の俺が修得した死霊魔術師の術だな。


 しかし二つともレベルが一って……。俺、前世ではこの二つを覚えるのに必死に修行したんだけどな……。


「とにかく早速この三つを強化…………………………ナニコレ?」


 才能を使いすでに自分の中にある三つの魔術を強化しようとした俺だったが、その時ステータス画面に現れた文章を見て思わず固まってしまった。何故なら魔術のレベルを上げるのに必要な才能の量が「生霊操作」が一で「武器創造」が十なのに対し、「屍人形」は一つレベルを上げるのに百の才能が必要だったからだ。


「何で『屍人形』だけこんなに必要な才能の量が多いんだ? コレ、どうしようかな……?」


 レベルを上げるのに必要な才能の量の多さに、俺はしばらく「屍人形」のレベルを上げるか否か迷ったが、結局三つ魔術全て上げられるだけレベルを上げる事に決めた。色々考えた結果、この三つの魔術はどれもこれからダンジョンマスターとして生きていくのに必要だと思ったからだ。


 どうやら魔術の最大レベルは十までのようで、俺は合計で九百九十九の才能を支払って三つの魔術のレベルを最大まで上げた。




[武器創造Lv10]

 黒魔術。

 消費魔力3。

 鉱物の形を自由に変えて自分の望む武器を作り出す魔術。

 作り出される武器の出来は魔術Lvによって左右される。

 魔術Lv10だと最早国宝と言っても過言ではなく、王族も金貨を山の様の重ねて求める程の出来。


[屍人形Lv10]

 黒魔術。

 消費魔力5。

 遺体の損傷を修復して魔力を生命の代わりに与える事で、死者を術者の命令に従う「屍人形」として復活させる魔術。

 効果時間は「(精神基本値×魔術Lv)÷2」日。

 効果時間が過ぎると屍人形は元の死体に戻ってしまうが、死体に戻る前に魔力を与えれば効果時間は延長される。

 魔術が適用されるいた遺体の状態と復活具合は魔術Lvによって変わる。

 魔術Lv10だと骨の一欠片もあれば使えて、生前と全く変わらない完全な肉体に修復され、自分の意思を持つようになる。


[生霊操作Lv10]

 黒魔術。

 消費魔力1。

 魔力を生霊に変えて飛ばし、周囲を偵察させる魔術。

 意識を集中すると術者も生霊が見ているものが見えるようになる。

 生霊を飛ばせる範囲は「(精神基本値+魔術Lv)×10」m。




「おお、これは……!」


 俺は最大レベルまで強化された三つの魔術の説明文を見て思わず声を漏らした。


 これって最早チートと言ってもいいくらい強力じゃないか? もしかして異世界転生系の小説とかでよくある主人公最強展開も夢じゃなかったりする?


 最初はダンジョンマスターなんて無理だと思っていたが、何とか光明が見えてきた気がする。

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