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十六階 ギントは戦いの準備を始めた!

 人間の侵入者と戦う。


 自分がシルバーオークという魔物に転生して移動迷宮の支配者になったと知った時から、いつかそんな日がくると思ってはいた。しかしまさかこんなに早く、転生して三日目で人間の侵入者がやって来るとは思わなかった。


 俺としてはまだ防衛の準備が全くできていなので、人間の侵入者なんかと戦うつもりなんてないのだが、アマゾネス達の報告にあった人間の侵入者、トリアル王国とやらの軍隊がこの移動迷宮を発見したら恐らく戦いは避けられない気がする。というより……。


「おのれトリアル王国め! またこの地に足を踏み入れるとは!」「あの者達はきっとこの移動迷宮を狙っているのだ!」「私達の村を焼いただけでは飽き足らず、次はこの移動迷宮を滅ぼそうというのか!」「ギント様をお守りせねば!」「そうだ! 今度こそ女蛮人アマゾネスの戦いをトリアル王国の侵略者に見せつけてやるぞ!」


 こちらに向かって来るトリアル王国の軍隊に一度は部族全員皆殺しにされたアマゾネス達の怒りは尋常ではなく、中には俺が集めさせた石を手に取ってトリアル王国の軍隊へ突撃せんばかりのばかりの者もいた。


 ……そういえば何で移動迷宮の核は狙われているんだ?


 移動迷宮の支配者は自分の意思を持たず思考することできない移動迷宮が、自分の代わりに行動方針を決めて侵入者を撃退してもらう為に核の一部を分け与えた者だ。だから移動迷宮の支配者の本能で外部からの侵入者が移動迷宮の核を狙っているのは分かるのだが、何で侵入者が移動迷宮の核を狙う理由は知らなかった。


「ガル? 何で人間達は移動迷宮の核を狙っているんだ?」


「いえ、人間だけでなく魔物も移動迷宮の核を狙っています」


 俺がガルに質問をすると彼女は、移動迷宮の核を狙っているのは人間だけではないと訂正をしてから、外部からの侵入者が核を狙っている理由を説明してくれた。


「移動迷宮の核は巨大な生命力と魔力の結晶だと聞いています。それを手に入れた者は強い力を得ると同時にどんな傷や病も癒されるそうです」


「……それはまた、どんな奴も欲しがりそうな代物だな」


 ガルの説明を聞いた俺はうんざりとした気分となって呟いた。


 移動迷宮の核がそんな便利なアイテムだったら売ればさぞ高値で売れるだろう。これはやっぱり戦いは避けられそうにないな。


「それで? こちらに来ている人間の軍隊はどれくらいの規模なんだ」


「はい! こちらに向かって来ているのは兵士が十名程で、恐らくは偵察だと思われます!」


 俺が軍隊が向かって来ていると報告してくれたアマゾネスに聞くと返事はすぐ返ってきた。


 ……ふむ。侵入者は兵士が十名程か。それだったら勝算は充分あるし、一人も逃さず倒せば報告が遅れて本隊が来るまでの時間を稼げるだろう。


 俺はそこまで考えてこちらに向かって来るトリアル王国の兵士達を倒す……人間を殺す覚悟を決めた。


 人間に殺されるのは一度だけで充分だ。俺は俺の思うままに自由に生きると決めたのだ。その為には俺を殺そうとする相手は逆に殺してやる。


 ……それに。


『『……………』』


 俺がガルとウルの親子を始めとするアマゾネス達を見ると、彼女達は覚悟を決めた目で俺を見ていた。


 せっかくこの世界で俺専用のアマゾネスハーレムができたんだからな。それを楽しむ前に死ぬなんて勿体なさすぎるだろ?


 そうと決めれば俺は早速、トリアル王国の兵士達を迎え討つ準備、アマゾネス達に集めさせた無数の石を魔術で武器にする作業に取りかかった。

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