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十三階 ギントは誘惑された!

 仙桃一個だけの食事を終えた俺達は、そのまま休むことにした。アマゾネス達も一度人間の軍隊に殺されてそのすぐ後で俺に復活させられたりと、色々な事があって精神的に疲れていたようですぐに眠りについた。


 幸い移動迷宮の中は外よりも気温が少し高く、野宿をするよりはマシだと思う。明日は明日でやる事が沢山あるので、明日に備えて俺も眠りにつくことにした。


 そして次の日の朝。俺は手足が動かず、体の上に柔らかい何かが乗っている感触に目を覚ました。


「……ん? これは一体……何だぁっ!?」


 体が動かないので首だけを動かして周りを見ると、俺の両腕と両足に数人のアマゾネス達が抱きつきながら眠っており、体の上には同じく眠っているウルが乗っていた。その突然すぎる展開に俺は思わず大声を上げてしまった。


 ちなみに俺が柔らかいと感じたのはウルの胸にある豊かに実っている二つの乳房だった。ウルがうつ伏せに眠っているせいでその巨乳が俺の体に押し付けられる形となり、俺は彼女の乳房が卑猥な形に変形しているのを至近距離から目撃してしまい目が離せずにいた。


「主人様、お目覚めですか」


「が、ガル……? 一体何をしているんだ?」


 頭上から声が聞こえてきたのでそちらを見ると、正座をして自分の太腿に俺の頭を乗せている、所謂膝枕をしているガルと目が合った。彼女の膝枕は筋肉がついている為硬かったが、頭が痛くなるというほどではなく、硬いがどこかしっくりくるという感じだ。


 というか皆、本当に何しているの? 何で俺はエロいハーレム漫画の主人公みたいになって朝を迎えているの?


「昨夜、主人様が寒そうにしていたので、こうして皆で暖めさせていただきました」


 俺の視線にガルは母性を感じさせる笑みで返して答えてくれた。ああ、そういえば昨日、少し肌寒いなと思っていたらすぐに暖かくなったような気が……。


「それで主人様、どの娘からなさいますか?」


「………はい?」


 ガルが意味ありげな視線をこちらに向けながら言ってきたが、俺は彼女が何を言っているのか分からなかった。


「もちろん主人様が望む娘を選んでくれてもいいのですが、もしご希望がないのでしたら娘のウルを最初の相手に選んでくれると光栄といいますか……」


「ちょっと待て! さっきから何の話をしている!?」


「何の話って……主人様の欲望を誰が沈めるかという話ですが……」


 何やら不穏な気配を感じたので慌ててガルに問いただすと、彼女は僅かに頬を赤くして俺の股間に視線を向ける。そこには「何か」が、俺が唯一身につけているボロボロの腰布を下から押し上げていた。


「い、いや! これは朝の生理現象だから! 放っておけば自然と治るから嫌々俺の相手なんかしなくても……」


「嫌々ではありません」


 ここにきてようやくガルが言っている意味が分かった俺は慌てて言うが、その言葉は即答する彼女の声によって遮られた。


「私達は昨日より心から主人様をお慕いしております。ですので主人様と子作りすることを至福と思う者はいても、苦痛と思う者は私達の部族に一人もおりません」


 ……そういえば昨日、そんなことを言っていたな。


「ですから主人様が望めばここにいる全ての娘が主人様に喜んで抱かれます。……私も、主人様が望まれれば……」


『『………』』


 そこまで言ってガルは赤かった頬を更に赤くして黙り、いつの間にか起きていたウルを初めとするアマゾネス達が、期待するような目でこちらを見ていた。

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